劇団四季ミュージカル『壁抜け男』2014.03.15 千穐楽

千穐楽の『壁抜け男』を観に再び東京まで遠征してまいりました。ひとまずこれが遠征観劇の一括りとなります。やっぱりどうしても洋輔くんの楽は見届けたかったので…。

今回の壁抜けは全部で3回。もしも関東に住んでいたら絶対に倍以上は通ってただろうなぁと思うのですがw、それも叶わないところに引っ越してしまいまして無念の気持ちは強い。ただ、すごく新鮮な気持ちで向かい合うことができたのは良かったかなと。リピートしていたころとは違った気持ちで観劇できたかもしれません。だけどやっぱり、ご贔屓の役者さんの舞台はもっとたくさん見たいって気持ちは強いですけどね(苦笑)。千穐楽ということもあってか、2階席までほぼ満席だったと思います。ただ、私の横はずっと空席になっていて・・・お陰様で、心置きなくゴーゴー泣いてくることができました(笑)。

カーテンコール、盛り上がりましたねぇ!スタンディングになるのは意外と遅かったように思いますが、それでも拍手がすごく熱かった。いつもカテコの一番最後に「皆さんも一緒に」という洋輔くんデュティユルの声で客席も一緒にフィナーレを歌っているのですが、今回は拍手が鳴りやまなかったので2回それがあって。ここまでの公演の中でも2回歌うことはあったらしいのですが、私の時にはそれに当たらなかったので今回が初。なんだか本当に感極まって…涙止まりませんでした(泣)。アカペラでもあるのでキャスト皆さんの声がストレートに伝わってきて…それが本っっ当に温かいんですよ。心の奥底が癒されていく感じでした。

それでも拍手が鳴りやまず、キャストさんたちが登場するたびに客席からワッと歓声が沸き起こってました。ただビックリしたのが、その中に「キャーーッ」っていう黄色い歓声も含まれてたことかな(笑)。特に洋輔くんが出てきたときの黄色い声がけっこう大きく響いていてビックリしましたw。ソンダンを経てファンが増えたかな。
あと、楽だからか…劇中の拍手がやたら多かったですね。過去2回はほとんど拍手入らなかったのに(というか、入れづらい演目でもありますが)。この作品に限って言えば、あまり拍手は入らないでほしかったかなと思わなくもありませんでした。

最後の最後の締めは、カーテン幕の中から洋輔くんが一人で登場して「(⌒∇⌒)ノ""」←こんな顔しながら「またね~」って帽子を持ちながら客席に手を振って去っていく形で終わりました。めちゃめちゃ可愛かったです(笑)。また再会できるかな。かつて潰れてしまった関西公演・・・私が関西在住の間に実現してほしいものです。

出演者

デュティユル: 飯田洋輔、イザベル: 坂本里咲、部長/刑務所長/検事: 青木朗、八百屋/娼婦: 佐和由梨、デュブール医師/警官2/囚人/弁護士: 明戸信吾、B氏(公務員)/警官1/看守1/ファシスト: 金本和起、C氏(公務員)/乞食/看守2/裁判長: 川原信弘、画家: 永井崇多宏、M嬢(公務員): 戸田愛子、A夫人(公務員)、共産主義者: 久居史子、新聞売り: 有賀光一

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

スポンサーリンク

千穐楽のキャストは大雪の遠征の時に見に行ったときと同じ顔触れでした。今回はデュティユル以外にもテュブール医師他役と新聞少年役がダブルキャストになっていまして…デュブール医師は神保さん出も見られましたが、下村さんと厂原くんは見ることができずちょっと残念でした。ダブルキャストだと見比べることができるっていう楽しみもありますからね。

個人的には洋輔くんの大ファンでもあるのですべて彼で観られたことはこの上なく幸せでしたが、ちょっと下村デュティユルがどんな感じなのか見てみたかったなというのもあります。そういった意味では、やっぱりダブルキャストの時には四季にはキャスト予定出してほしかったです・・・「エビータ」の時のように。何であのときは出たのか未だに不思議で仕方ないんですけど(まぁ、奥方が…っていうのがあるんでしょうが 苦笑)、やってやれないことがないんだから、こういう短期間での上演の時には予定出してもいいんじゃないかと思ってしまいますね。ま、いまさら言っても詮無い事ですけど←その希望が叶えられる劇団でないことも分かってるし(苦笑)

今回の「壁抜け男」は基本的に観劇回数が少なかったのでどうしても定点オンリーに偏りがちな見方になってしまったのですが、全体を見て感じたことを少しだけ。

作品全体の雰囲気は温かいままで、そしてなんだか心が癒される…みたいな本当に素敵な舞台でした。キャストの皆さんそれぞれも前回よりさらに役を深めていた感じで人間ドラマとしても楽しめた気がします。それに、歌唱力が本当に素晴らしかったですね。不安に感じる人が一人も出ていないっていうのがまずすごいなと。
それを特に実感するのが四重唱。ほぼアカペラ(リズムのみ)であれだけのクオリティの歌声を聴けるなんて本当に贅沢な時間でした。四季の舞台全体の中ではあまりメインで役をやられる機会がない役者さんたちによるものだったので、聞けば聞くほど勿体ないなぁと思ってしまいます。

全員登場するクライマックスの裁判シーンは壁抜けの中でも特に好きな場面ですね。皆がデュティユルを応援しているあの光景が本当に大好きで・・・。裁判が終わった後デュティユルの背中を押してあげる場面は毎回涙なくしては見られませんでした。優しくて温かくて心がジーンと熱くなるんです。こんな素敵な街の人たちに支えられていたデュティユルは幸せ者だなぁなんて毎回思ってました。それだけにあのラストシーンはさらに泣けるんですよね…(涙)。

イザベル@坂本さん

一番最初に観たときには"年齢が…"っていう部分がすごく気になってしまったんですが(汗)雰囲気的にはイザベルに合っているなぁと思いました。今回見てもたしかにあの衣裳や髪飾りにちょっと無理が…と思わなくもなかったんですが(汗)、閉じ込められてビクビクしながら外を伺っているときの様子なんかは上手いなぁと。そこからの解放感からくるあのラストのダンスはさすがの動き!生足はダンサーの足だなぁとかなんか違うところに感心してしまった(笑)。
だけどやっぱり・・・イザベルはもう少し若い女優さんのほうがしっくりくるかなぁ。後進が育っていないんでしょうか…。そのあたりが気がかりです。

デュブール医師他@明戸さん

前回観たときよりもかなり余裕が出てきたなぁと思いました。医師役の時はやっぱりアダムスファミリーみたいなメイクって思っちゃうんですけどwあの怪しさ加減は独特で明戸さんならでは。あと、警官役がすごく良くなってましたね。いい感じに力が抜けてて金本さんにド突かれた時のヘタレっぷりに磨きがかかってて可愛くて面白かったですw。

部長他@青木さん

青木さんは本当はとてもジェントルマンな方だと思うので、ああいった怖い役をしながらもどこか愛嬌があって憎み切れない部分があるんですよね。デュティユルの手紙を侮辱した時のあの歌い方が最高に好きです(笑)。検事役の時には出かける時の黒さが小憎たらしいんですけどww、追い詰められた時の動揺っぷりはなんだか見ていて同情してしまうなぁみたいな。悪い奴なんだけど、どこか哀愁漂わせながら去っていくラストが特に印象的でした。

娼婦@佐和さん

最初に観たときにはオリジナルの丹さんのイメージが色濃すぎでアッサリに感じられてしまったんですけど(前回公演も佐和さんでたくさん見たはずなんですが 汗)、千穐楽でなんかやっと佐和さんの娼婦がしっくりハマっているように思えましたね。どこか上品で過去の栄光に捕らわれてる悲しさみたいなものが独白の時にすごく伝わってきてなんか泣けました。デュティユルにネックレスをかけてもらった後の弾けっぷりがとても可愛らしかったです。
でも、裁判の時にデュティユルに気を遣ってもらうほど年老いてもいないよなって思わなくもなかったかな(笑)。まだまだお若くてきれいな佐和さんなので。

M嬢@戸田さん

前回の公演からけっこう変わったなと思った一人が戸田さんです。前半はそんなに大きく変わったと思わなかったんですが、2幕に入ってからの牢屋シーン。「受難のマリア」を歌っているときのイッちゃってるっぷりが以前よりもかなり吹っ切れてて面白かったww。もう肉食女子全開って感じでグイグイとデュティユルに迫っていく様はちょっとストーカー入ってて笑えるけど怖いって感じ(笑)。特に「そうは見えないけど」と歌った後の舌舐めずってたのは笑いましたww。あのあと明戸囚人に連れ去られるときに帽子を落としてしまってて、そのあと出てきた有賀くんがさりげなく拾って舞台袖に自然に投げ入れてましたね。
それから、デュティユルがイザベルに告白してるのを見つめているシーンも印象的。最初は「えっ、そうなの?」的に目をパチクリしながら衝撃受けてるんですけど、徐々にその状況を受け止めてって。あの時の表情がとても良かったです。

B氏他@金本さん・A夫人他@久居さん・C氏他@川原さん

このお三方は他の四季作品ではあまり大きな役に付いていないことが多い役者さんなんですが(金本さんはジーザスでカヤパとかやってますけど)、この壁抜けを見ると本当にそのことが勿体ないと思ってしまいます。コミカルな芝居も魅力的だし、歌も抜群に美味い。特に川原さんはもっと大きな役をもらってもいい役者なのになぁといつも思います。

画家@永井さん・新聞少年@有賀くん

この二人は「壁抜け男」という作品に欠かせませんね。どんなに短いシーンでも圧倒的な歌声と場をカラッと変えるような雰囲気で舞台を締めてくれています。特にデュティユルのことを見守っている的な部分が一番大きいこの2役。永井さんの画家と新聞少年の有賀くんがいてこそ、洋輔くんのデュティユルが舞台の上で自由に感情表現できているんだなと何度も感じました。

最後に、主演の飯田洋輔くんについて。ここからかなり主観が混じりますので濃いことをご承知おきください(汗)。苦手な方はスルーを。

スポンサーリンク

洋輔くん@デュティユル

まず最初に、再び会えたことが嬉しくてたまりませんでしたね。再演話がポシャった時にはもう見れないんじゃないかと絶望的な気持ちにさせられていただけに(ポシャッた理由が著作権絡みって話だったのでなおさら)喜びも一入でした。でも、まさかのダブルキャストで…。遠征するための交通費の都合で(申込みが早い方が安い関係で 苦笑)キャストが決まってから行くということができなかったためにずいぶんヤキモキさせられました。下村さんのデュティユルも見てみたかったとは思いますが、やっぱりテンション的には大好きな洋輔くんのデュティユルでって想いがありますので。
それが、3回すべて会うことができて。さらにはバクステイベントでサプライズゲストで出てくれたのも観れたし。さすがに楽週に突然セッティングされたトークショーは見ることができなかったけど(正直、見れなかったのはものすごく悔しかったですが…)とても幸せな壁抜け遠征となりました。

今回は前回よりもちょっと大人っぽいデュティユル。洋輔くんの髭姿ってこの舞台で初めて生で見たけど(パンフは髭写真ですがw)、あれがあるとちょっと雰囲気変わりますよね。もともと派手な顔立ちではないので髭があることでなんだかちょっと大人な落ち着いた紳士に見えました。
歌い方ひとつにしても前回より大人の雰囲気を感じる部分がいくつもありました。それと、まんま音符に乗せる感じではなく、すごく言葉一つ一つを大切に歌っていて…途中でセリフ調の歌い方にしていたりもあって・・・以前よりもデュティユルというキャラクターがとても立体的に感じられました。洋輔くんの歌って、その歌詞に込められている言葉の意味がジンワリと聞いている者の心に響くんですよね。歌詞の中にドラマを感じるっていうのかなぁ。だから聞いていて何度も感情移入させられて涙してしまうんだと思う。

地味で目立たない公務員のデュティユルが一人寂しく家に帰る冒頭。いつも通りの日常に流されるまま生きている感じ。それでいいと思いながらも、背中にはどこか寂しげな影があるんです…。あの哀愁は以前よりもかなり増していて見るたびに涙してしまいました。"これでいいんだ"って想いもありながらも反面、心のどこかで違う人生もあるんじゃないかみたいに感じることってあると思うんですよね。私はまさにそんな心境だった時だったので、前回以上にデュティユルの心の孤独みたいな部分に触れたような気がして溢れる涙を止めることができなかった。

デュブール医師から薬をもらった後の「壁抜け男のソロ」ではデュティユルの心に微妙な揺れが起こっている時で。迷い迷いながらも"やっぱり役人でいたい"というところに落ち着いてしまうシーン。この時の気持ちも実に繊細に歌ってくれてて・・・あぁぁぁ、その気持ち、めちゃくちゃ分かる!!と何度も思って泣きました。なんか以前よりもデュティユルの心情が手に取るようにわかるだけに切なくてたまらなかったです。
部長の嫌がらせが原因で自分を解放して壁を抜けていくときも、その心の変化みたいな部分がすごく感じられて良かったですね。なんと言っても、混乱する部長に見せる時の「ドヤ顔」は最高に可愛かったしw。

そしてパンを盗むシーン。心が高ぶったデュティユルがパン屋に侵入して取ってしまった後に「壁を抜けてみたかっただけなんだ」と歌う場面は何度見ても涙が止まらなかった。デュティユルにとって、壁を抜けるっていうことは、今ある生活から一歩踏み出して違う世界を見ることなんですよね。壁を抜けてパンを盗るという行為はまさに勇気を持って違う世界に飛び出した瞬間を意味していて…。ここの部分も今の自分の心境とものすごくリンクしていたこともあって以前よりもさらに泣けました。パンを盗る時の高揚感と盗った後の何とも言えない戸惑いの気持ちを洋輔くんはとてもリアルに表現してくれたと思います。

新聞記事を見ながら自分に相応しいものは何か選んでいるシーン、寝転がってワクワクしながらこれからの自分を想像しているデュティユル。以前はこの時の洋輔くんがめっちゃ可愛いなぁって感覚で見てたんですが、今回ももちろんその気持ちはありますが、それ以上になんかすごく新たな世界に飛び出そうとしてる彼の姿を応援したい気持ちが強くて…あれこれ悩んでる姿にまたまた泣いてしまった。
この時の旋律がまたすごく優しくて温かいんですよね。この旋律に洋輔くんの温かい歌声がすごくマッチしてるんですよ。短いシーンではありますが、改めてデュティユルは洋輔くんにハマり役だなぁと思いました。

宝石を盗むシーン。ここは以前バクステイベントの時に洋輔くんが「時間内に収めるのが難しくてコツがいるんですよねぇ」って解説していたのを思い出しながら楽は見ました。改めて、あの限られた時間内で宝石を前にした芝居をしつつきっちりと外に出てた洋輔くんはすごいなぁと思いました。何度も練習するんでしょうね、あのタイミングとか。
宝石を盗んだ後に喜びを爆発させてるデュティユル、この時の洋輔くんは本当に毎回きらっきら輝いていた。なんかそれだけでうれしくて嬉しくて、知らないうちに感極まって泣けてしまう。何でか分からないけど、洋輔くんが舞台の上で嬉しそうにしてる姿見てるだけで泣けるんだよなぁ…。娼婦にネックレスをかけてあげた後のパァって笑顔も本当に泣けるくらい可愛かったです。

新聞で自分のことが「怪盗ガルガル」として掲載されているのを見て思わず新聞少年に「これ僕」って教えたくなってる時のデュティユルの表情も悪戯っ子みたいで本当に可愛い。地味な大人だったデュティユルが壁抜けをすることで新たな感情が加わり少年のように若返っているような感じがしましたね。仲間たちに陰口をたたかれている時も後ろからコソコソ見てほくそ笑んだりドキドキしたり、ほんとに色んな感情が溢れてる洋輔くんデュティユル、本当に魅力的でした。
そんなデュティユルがイザベルに一目ぼれしてしまうシーンは、相手役が里咲さんということもあってか毎回BBを重ねて見てしまいましたね(笑)。落ちたメモをイザベルの顔を見ずに渡す時なんか特に"野獣とベル"な雰囲気で(笑)。

彼女に気付いてもらおうと思いついた銀行強盗。金庫のものを入れ替えたりいたずらしているときの洋輔くんデュティユル本当に楽しそうで明るくて。警官たちを振り回しているシーンもすごく温かみがある。あの味はやっぱり洋輔くんならではのものじゃないかな。なんだろう、思い出すだけでもなんだか胸がジーンときて泣けるんですよ、なぜか。
牢獄に入っているときのつまらなそうな表情もすごく可愛いです。看守たちに悪戯するシーンでのガキっぽさとかwwなんか見ているだけで癒されましたねぇ。あとM嬢にストーカーに近いくらいの勢いで迫られてる時(特に無理やり指と指を絡まさせられてる時ww)の目を白黒させながら戸惑ってる表情もめちゃめちゃ可愛かった(笑)。

スポンサーリンク

牢獄を抜ける時の「みんなが僕を待ってるからね」の歌い方もすごい魅力的。以前のデュティユルなら絶対あんな歌い方しないよなって感じで。なんかすごい、洋輔くんらしさみたいな部分が出ていたように思います。
そして脱走した後の愛の歌・・・これが本当にドラマックでほんっっっとに心に沁みて泣きました(涙)。真っ直ぐで純粋で、歌詞の一言一言が切々と胸に迫る。ここの部分も前回公演から比べてものすごく成長したなぁって思いました。上質な大人の愛の歌って感じだったので。あのただひたすら熱い想いをじっくりと歌うデュティユルは涙なくしては見れませんでしたね。

イザベルがすぐには一緒に逃げられないことをしったデュティユルが再び牢に戻り裁判を受ける決意をするシーンもすごく印象深いです。「覚悟は、決まった」と歌った時の表情に"覚悟"がしっかり刻まれていてグッときました。その延長線上にある永井さんの画家の歌がさらに心に沁みましたね。
裁判中、町の皆はデュティユルの味方をしていくのですが…証言をしてくれた人たちにすごく感謝してて。ファシストに手を握られた時はそのあまりの力に目を白黒させていましたが(笑)、娼婦にはとても温かいキスを手の甲にしてて。共産主義者にはすごく頼もしいなって感じで見てたし。検事を取り囲む町の人たちを後ろからちょっとオロっとしたようにでもドキドキしながら見つめている表情もすごく良かったです。

裁判が終わってイザベルに改めて愛を告げるシーン。ここの歌も本当に誠実でものすごく真っ直ぐ。そしてとっても温かくて優しい。ここの旋律ってすごく難しいと思うんですけど、その中でよくあれだけの味が出るなぁと。この人の愛に包まれたら絶対幸せになれるよっていう確信みたいなものを感じさせるんですよね。とっても感動的だった。

そして躊躇うデュティユルの背中を町の人たちが押してやるシーン。あの場面がとても温かく優しいのは、やはり洋輔くんのデュティユルだからこそじゃないかなと。デュティユルの優しさが町の人たちにも浸透してるっていうのかな…。洋輔くんのデュティユルって本当に構ってあげたくなっちゃうような雰囲気なんですよ。だからなおさらあのシーンは泣けます。

頭痛を抑えながらのイザベルとのダンス。幸せいっぱいなんだけど調子が悪くて彼女と別れた後に道端で寝込んでしまう。ここからはもう、クライマックスの先を知っているだけに切なくて切なくてゴーゴー泣きました(涙)。「早く効け効け、聴けよ頭痛薬」とイザベルの部屋に入る瞬間まで、壁抜けちゃダメって心の中で叫びながら見てしまったくらい感情移入した。

ラストシーン、壁から抜けられなくなったデュティユルが抜け殻のようになって歌う「愛のセレナーデ」はもう号泣です…。デュティユルが壁の中から歌うのは自分の悲劇ではなく、イザベルのこと…そして町の皆のことなんです。そんなデュティユルだったからこそ、みんなに愛されたんだってすごく実感しました。「壁の中はすごく寒いんだ」と歌いつつもイザベルだけでなく自分を支えてくれたみんなを思いやる。最後の最後まで誠実で温かい洋輔くんのデュティユル…。涙ぐみながらその心情を切々と歌っている姿に、楽は特に号泣させられました…。なんか、以前にも増して優しさと哀愁が籠もっていたような気がするよ…。「君たちのために力を貸せたね、さようなら、みんな・・・」の最後の歌詞がもう本当に切なくて切なくて思い出すだけでも涙が出ます(泣)。デュティユルと洋輔くんが本当に一心同体になってたね・・・。

フィナーレでは最高の笑顔を見せてくれて、ジャンプも張り切ってた(笑)。カーテンコールで「もう一度最後の歌を皆さんと一緒に歌いたいと思います」って最初に言った後、しばらく間があったんですよね。すごく胸いっぱいになってるみたいでちょっと顔を空に向けて涙抑えているような感じで…それだけでもう、本当に見ているこちらも涙があふれてまた止まらなくなりました。
最後の最後は可愛い笑顔で(⌒∇⌒)ノ""こんな顔してくれてて(笑)。会えてよかった!洋輔くん、たくさんの愛をありがとう!

次はどの舞台で会えるかな…。大阪はしばらくライオンしかやらないみたいだから(苦笑)行くとしたらまた遠征になるけど…でもその時には必ず都合つけて行きたいと思います。

劇団四季ミュージカル『壁抜け男』の感想一覧

error: Content is protected !!