ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』を観に日生劇場へ行ってきました。
前回公演から6年、待ちに待った再演!長かった…(汗)。いつになったら上演されるのかと首を長くして待っていたので、本当に嬉しいです。初演を見逃した(当時は東京でしか上演できないことを知らず関西公演待ち続けてしまったので 苦笑)反動で、2019年公演時に四国から3回も東京遠征してどっぷり漬かったwwことを懐かしく思い出します。
2025年版はキャストが半分新しくなったこともありチケット戦線大変だろうなと思いながら前売り抽選に複数エントリーしたところ…まさかの全当選w!そんなわけで前回と同じく合計5回観ることに(笑)。一時期ラブネバ貧乏になったほどですw。
ちなみに、今回は市村ファントムの回だけは入れませんでした。市村さんは大好きな役者さんではありますが、前回見た時にラブネバよりも『オペラ座の怪人』のファントムで観たかったなという感触があって。もしかすると今公演で市村ファントムは見納めになるかもしれないとは思ったのですが、個人的な好みもあって外させていただきました。
今回はソワレとマチネの2連ちゃん観劇(しかも28日はマチネでレミゼ見てるw)。座席は28日が前方列(ファンタズマシートではありませんが、そこに近い席)で29日が1階席後方列と見え方が違う場所で堪能できたのが良かったです。
ラブネバはセットが複雑だし上部での芝居もけっこうあるので前方すぎるとちょっと見づらいと思うシーンもありますね(汗)。逆に後ろからのほうがめちゃめちゃ見やすかったです。目が慣れてくればオペラグラスがなくても役者さんの表情を裸眼で見ることもできたし。セットも全体が見渡せるので、役者さんを被り付きで見たい人以外だったら後方から見るほうがベストなのかもしれません。
『ラブ・ネバー・ダイ』の観劇感想一覧
以下ネタバレを含んだ感想になります。
2025年01月28日ソワレ・29日マチネ公演 in 日生劇場(東京・日比谷)
概要(原作・上演時間など)とあらすじ
作品についての簡単な概要
ベースになっているのはミュージカル『オペラ座の怪人』(ガストン・ルルー原作の大元は登場人物の名前以外ラブネバとの関連性は見られませんw)。1986年の「オペラ座~」ミュージカル版を成功させたアンドリュー・ロイド・ウェバーが1990年頃から続編の構想を練っていたと言われています。その後、紆余曲折を経て2010年にロンドン・ウエストエンドで初演。ところが評判があまり芳しくなく、予定していたブロードウェイ公演も中止が決定して今に至っているとか(苦笑)。
その後、演出など練り直し改定したバージョンが2011年~2012年にかけてオーストラリア(メルボルンとシドニー)で上演されたものが成功をおさめ、以降数カ国で上演されました。現在日本で上演されているものは、この改定されたオーストラリア版になります。
メルボルン公演はディスク化されていて日本で購入可能。
ちなみに、改定前のロンドン版でファントム役を演じたのは、日本でも大人気の(私も大好き)ラミン・カリムルーさん。ラブネバを演じているラミンを見ることはできませんが、日本で発売されている彼のCDには♪Til I Hear You Sing♪が収録されています。
私はこのCDで初めてラブネバの音楽に触れました。
2025年1月17日初日 ‐ 2025年2月24日千穐楽
あらすじ <公式HPより引用>
オペラ座からファントム(市村正親/石丸幹二/橋本さとし)が謎の失踪を遂げて10年。
ファントムは、マダム・ジリー(香寿たつき/春野寿美礼)&メグ・ジリー(星風まどか/小南満佑子)親子の助けを得てニューヨークに移り、コニーアイランドの遊園地に身を隠していた。ファンタズマ(見世物小屋)を経営し財をなしていたが、クリスティーヌ(平原綾香/笹本玲奈/真彩希帆)を想い続けるファントムの気持ちが満たされることはない。クリスティーヌの幸せを願い、一度は彼女への愛を押し殺したファントムだったが、その灯は消えるどころか10年という月日とともに狂おしい程に膨らんでいくのだった。一方、ラウル(田代万里生/加藤和樹)と結婚したクリスティーヌは一児の母となり、“伝説のソプラニスト”としてオペラ座で活躍していた。しかし、一家の幸せに水を差したのは、ラウルがギャンブルでつくった多額の借金だった。この事実を知ったファントムは、謎の興行主を装い、クリスティーヌがファンタズマに出演すれば多額の報酬を払うと、話をラウルに持ちかける。
借金返済のために、ラウルと息子・グスタフを連れてアメリカへ渡ったクリスティーヌは、この計画の背後にファントムの影を感じ始めて―
上演時間
休憩・カーテンコールを含み約145分(2時間25分)です。
内訳は、1幕65分(1時間05分)、休憩20分、2幕60分(1時間)、になります。平日マチネの終演時間はだいたい16時00分前後、ソワレの終演時間は20時55分前後でした(カーテンコールの回数による)。
キャスト
<2025.01.28ソワレ>
- ファントム:石丸幹二
- クリスティーヌ:平原綾香
- ラウル・シャニュイ子爵:加藤和樹
- メグ・ジリー:小南満佑子
- マダム・ジリー:香寿たつき
- グスタフ:小野桜介
<2025.01.29マチネ>
- ファントム:橋本さとし
- クリスティーヌ:真彩希帆
- ラウル・シャニュイ子爵:加藤和樹
- メグ・ジリー:星風まどか
- マダム・ジリー:春野寿美礼
- グスタフ:後藤海喜哉
知念紗耶(フレック)、辰巳智秋(スケルチ)、加藤潤一(ガングル)
<アンサンブル>
⻘木美咲希、石川剛、尾崎豪、川島大典、神澤直也、木村つかさ、咲花莉帆、白山博基、菅原雲花、鈴木満梨奈、高瀬育海、髙田実那、⻑瀬可織、光由、村上すず子、安井聡、吉田玲菜
<スウィング>
熊野義貴、小峰里緒
全体・キャスト感想
2025年版ラブネバは5回行く予定になってるのでw、今回の感想はいつもよりもザックリしたものにしようと思います(←あくまでも個人比なのであしからずww)。
まずセットについてですが、これはおそらく初演からほとんど変わっていないと思います。相変わらずものすごい複雑で大掛かりなものばかりで、至近距離から見ると迫力がすごいです。日本公演はロンドン公演を修正したとされるオーストラリア版が上演されていますが、ディスク版を観る限りそれとほぼ同じですね。
ラブネバはこの複雑で巨大なセット故に日生劇場でしか上演できないと言われています。私が思うに、一番ネックになってるのはやっぱり舞台前方で上下する「桟橋」じゃないかなぁと(汗)。あれを設置するには劇場にそれなりの工事も必要だと思われるし、かなりの精密機械が仕込まれてるのではと。あとは冒頭に登場するUFOみたいなwファントムのお部屋装置ですかね。最初のシーンしか出てこないんですが、あの仕掛けは本当に一気に観る人を物語の世界に引きずり込むくらいの迫力がある。
でも本当はせめて関西公演くらいは実現できればいいのになぁと思います。2年前まで関西で四季の『オペラ座~』やってましたし、そういう意味でも上演出来たらいいのにと。海外ではツアー用に簡易セットで上演したそうですので、やろうと思えばできそうな気が…。でもコロナ禍以降の演劇界はけっこう苦しいという話も聞きますから、金銭的に色々難しいのかもと思うと残念です。
そういえば、初日にセットのトラブルがあったとSNSで知りました。かなり大掛かりで複雑なセットなのでスタッフの皆さん、調整大変だったかと思います。とにかくカンパニーが無事で本当に良かったです。
ラブネバのストーリーは、『オペラ座の怪人』の後日譚(つまり続編)という立ち位置にありますが…雰囲気はかなり違います。特に四季の『オペラ座~』の延長にある作品と思って観に行くとヤケドしかねない危険性のあるミュージカルではあるんじゃないかなとw。
『オペラ座~』は美しい愛の物語に焦点を置いていますが、『ラブネバ~』はドロッドロの人間関係が炸裂する、いわゆるかつて放送されていた”昼ドラ”テイストのエピソードがゴロゴロ出てきます(笑)。それ故、オペラ座ファンの方からは敬遠されがち…というのは正直あると思うんですよね。けっこう「そんなアホな!!」とツッコミ入れたくなるシーンもありますww。
そんな感じなので、『オペラ座の怪人』を知らない人でも全然ついていける内容だと思います。むしろ、知らないほうが幸せかも…という考え方もできるかも(笑)。でも知っていた方が楽しめる部分も多いかなとも思います。その最たる要素といえるのが、”音楽”です。
声を大にして言いたいのは…
アンドリュー・ロイド・ウェバーの音楽が偉大すぎる!!
ということ。ラブネバはそれに尽きるかもしれない。この音楽がなかったら、ストーリーの世界観にハマれなかったと言っても過言ではありませんww(一部ではロイドウェバー卿の妄想物語って言われてるし 汗)。たとえストーリーが「えっ!??」っていう展開満載であっても、それを凌駕しちゃうんですよね、この作品って。
私は初めて見た時に、予想外のドラマが展開されていることに驚いた以上に音楽が素晴らしすぎて「またすぐに見たい」という衝動に駆られてしまった。それくらいハマったんです。今回も観終わった後に頭の中をラブネバの音楽がこびり付いて離れませんでした。
楽曲一つ一つが本当にバリエーション豊か。美しさ、楽しさ、ゾクゾク感、全部詰まってる。さらに特筆したいのが、随所に『オペラ座~』の楽曲がそのまま組み込まれているという事。それが流れてくると、「あ、これはオリジナルの展開とリンクさせてるんだな」と気づくよう構成されているんですよね。この入れ方が実に巧みで。ラブネバのストーリーに「!?」となりながらも、『オペラ座~』の気配も散りばめられているので気持ちが惹きこまれていって離れられなくなる中毒性みたいなものすら感じてしまうのです。
以下、キャスト感想も絡めて軽く楽曲やシーンを振り返ります。
♪君の歌をもう一度♪
もう冒頭のこの楽曲から超ビッグナンバーになってるのがすごすぎる!!本当に壮大で美しいナンバーで、私は毎回胸震わせながら聴き入っております。
石丸幹二さんのファントム、クリスティーヌへの尽きせぬ愛に身を焦がして孤独に打ちひしがれている気持ちが痛いほど伝わってきました。あの情熱的な歌いっぷりとかもう最高すぎて涙出ます!!
橋本さとしさんのファントム、今公演から初登場です。ものすごく興味があったさとしさんのファントム。最初に見た印象は、めちゃめちゃカッコイイということ。スタイル的には市村さんとちょっと似てるかも。クリスティーヌへの苦しい想いがひしひしと伝わってきてグッときました。あと、さとしさんの朗々とした歌唱は初めて聴いたので、その巧さに驚かされました!!
♪コニーアイランド♪
見所は何といっても不気味で華やかながらも何故か聞いているとクセになる音楽、そしてファントムの忠実な従者3人組。知念紗耶さんのフレックは可愛いし運動神経抜群で見応えあり!辰巳智秋くんのスケルチは大きな体で不気味な存在ながらもどこか可愛らしい。加藤潤一くんのガングルは身長のデカさが生きていて不気味なんだけどスマートでカッコよかった!!
♪あなただけに♪~♪この10年♪
メグのショー。このナンバーも本当に楽しい旋律で聴いてるとクセになるんですよねぇ。
小南満佑子さんのメグ、スタイル抜群でスラリと高くてモデルさんみたいだった。そして笑顔がめちゃめちゃキュート!!ホント可愛かった。あれはすごいモテるメグだなって思ったし。
星風まどかさんのメグ、今公演から初登場。宝塚を卒業されてまだ日が浅いそうですが、歌声がとても可愛らしくちょっとキャピッとした雰囲気が楽しかったです。
小南さんも星風さんもメグの雰囲気にピタリとはまってました。
メグのショーの後マダム・ジリーとの会話シーンがあるのですが、ここでそれまでの10年間に起こったことがざっと語られます。「え!?そうだったの?」というくらい二人ともファントムに入れ込んでてww初めて見た時はビックリしました(笑)。
香寿たつきさんのマダム・ジリー、初演から演じられているということもあってかどっしりとした存在感がさすがでした。ファントムに執着してる感がすごいこの時点から滲み出ていて不吉な雰囲気プンプン漂ってたw。
春野寿美礼さんのマダム・ジリー、今公演から初登場です。大人の女性の色香を漂わせながらも最初の方は比較的落ち着いた感じでカッコよかったです。香寿さんと比べるとちょっと柔らかさがあったかも。
クリスティーヌ到着
「オペラ座~」を念頭に置いてラブネバを見た時、最初に驚くのが10年後のラウルの現状かと思います(汗)。優雅な生活を送っていたかと思いきや、ギャンブルと借金に溺れ妻のクリスティーヌの稼ぎを頼っている男になり果ててしまうとはw。人生何が起こるか分からない。ただ、このシーンはクリスティーヌの登場が非常に印象的に演出されているので思わず目を奪われてしまいます。
平原綾香さんのクリスティーヌ、もう本当に貫禄の美しさ!!初演から演じられているということもあり、どこから見ても”クリスティーヌだ”という説得力があります(ラブネバの物語の仲の、という意味ですが)。優雅な振舞い、ラウルへの戸惑い、グスタフへの母としての愛、すべてに惹きつけられる。
真彩希帆さんのクリスティーヌ、今公演から初登場です。真彩さんといえばミュージカル『ファントム』での可愛らしいクリスティーヌ役がとても印象的だったのですが、ラブネバでは可愛らしい雰囲気もにじませながら儚げで柔らかい女性らしさが出ていたと思います。
加藤和樹くんのラウル。『ファントム』の時にはエリックを演じてた和樹くんがまさかラウルに転身するとはww!最初に聞いた時はビックリしました。最初は迎えに来るはずのハマーンスタインが来なくてめちゃめちゃイラついてるし、借金地獄で酒にも溺れたどうしようもない男感が漂ってた(笑)。でも、息子のグスタフとオルゴールを眺める時はちゃんと「父親」の表情になってるんですよね。眼差しがとても優しかった。あの顔を見た時に、和樹くんのラウルはただのクズ男にはならないんじゃないかなという予感がありました。
♪心で見つめて♪
クリスティーヌが寂しそうなグスタフに語り掛けるシーン。この楽曲が本当に温かくて優しくて、さらにとても心地がいい。大きな愛に包まれていく感じがして酔いしれてしまいそう。何故かこの旋律がめちゃめちゃ頭に残るんですよね。
グスタフ役の子役さん、小野桜介くんと後藤海喜哉くん、天使のような美しい歌声で魅了されてしまいます。小野君は本当に美しい音色で歌っていて、ウィーン少年合唱団入れそうと思ったかも。後藤君は背が少し大きい大人っぽいグスタフ少年だったのが印象的でした。
♪月のない夜♪
ラブネバのストーリーで第二の衝撃エピソードが展開するのがこの場面かとww。いったいどのタイミングで”あんな出来事”になっていたのだろうかと思わずにはいられないw。
一説によれば、クリスティーヌはラウルと結婚する前夜に…らしいのですが、たしかジリー母娘は「警察に追われたファントムを匿ってあげた」と歌ってたはずで。だとしたら、クリスティーヌはどうやってファントムの潜んでた場所を知ったのか?そもそも、どのタイミングでファントムはアメリカに逃がしてもらえたのか?今もって謎が多いシーンであります(笑)。
ただ、ファントムは『オペラ座~』では見た目ではクリスティーヌに選ばれない結末を迎えているので、そういう意味では、この『ラブネバ~』で語られる”出来事”が彼に訪れたことは良かったなと個人的には思います。石丸ファントムも、さとしファントムも素敵すぎるし一途なんだもの。報われてほしいと願ってしまう。でも、ファントムは”出来事”のあと我に返って彼女から離れてしまうんですよね…。その気持ちを語るシーンは切ないです。
ちなみに、28日ソワレの時に平原さんがセットにドレスの裾を挟んで動けなくなってしまうアクシデントがありました。歌いながら必死に裾を取ろうとされていましたがなかなか抜けなくてどうなるのだろうかと見ているこちらも緊張してしまった。
すると、石丸ファントムが芝居を続けながらしゃがんでスッと平原さんのドレスの裾をスマートに元に戻してあげていました。この仕草がめちゃめちゃ紳士でほんっとに見惚れてしまった!!
この後の二人のナンバーもめちゃめちゃ素敵なのですが、それは次回以降の感想で書きますw。
♪懐かしい友よ♪
クリスティーヌ、ラウル、メグ、マダム・ジリーの4人が久しぶりに再会してキャッキャ(?)する場面。ここのナンバーもめちゃめちゃ難解なのですが、本当に聴き心地がいいんですよね。楽しいシーンではありながら、それぞれ不安や虞を感じながら歌ってて不穏な空気がプンプン香ってくる。
特にこのシーンはマダム・ジリーがけっこう怖いですw。クリスティーヌが来てしまった事でファントムの興味が自分から離れるのではないかという後ろ暗い気持ちが勝ってしまい、ラウルに”裏事情”をあっさり打ち明けちゃってる(苦笑)。それがこの物語の肝にもなってるかもしれません。
♪Beautiful♪~♪美の真実♪
ラブネバの中で異色といえるだろうこのナンバー。最初にこのシーン見た時は本当に衝撃でした。超ロックです!!!私はラブネバの楽曲の中でここが一番好きかもしれない。このシーン見たさにチケット取ってると言っても過言ではないくらい好きなんですよね。めちゃめちゃゾクゾクさせられるし、体中の血が湧きたつ感じがたまらなく心地いい。オーストラリア版のディスクもこの場面を何度繰り返し見たか分からない(笑)。これをあと3回観れるかと思うとワクワクが止まらない!
♪美の真実♪ではファントムがグスタフの前で”真実”を見せるシーンが出てきますが、28日ソワレの石丸さんファントムにちょっとしたアクシデントが。カツラの取れ方がちょっと引っかかった感じになってしまい、グスタフが走り去った後ミラータワーの後ろに行った時一生懸命”髪型”を手で整えてました(汗)。さとしさんは無事にやり過ごせていたので、あれはたぶん”事故”だったと思います。
でも結局元に戻らずそのまま前に出てお芝居されることになったのですが、見た目がちょっとマンガちっくになっててw。シリアスなシーンなのに少し面白く見えてしまった(石丸さんの熱演素晴らしかったのにーー!!)。
1幕ラストは、けっこうな”ホラー”仕立てになってます(笑)。最初に見た時は呆気にとられたけど、今は面白がって見てますww。
『オペラ座~』と同じく2幕始まる前にはオーケストラによる♪アントラクト♪があります。これがまた非常に美しく酔いしれてしまうんですよねぇ。客電はついた状態で演奏されますが、ぜひ最初から聞いていただきたい。
♪なぜ僕を愛する♪~♪負ければ地獄♪
”裏事情”を知ってしまったラウルがバーで酔いつぶれてクダまいてる場面。以前このシーン見た時よりもラウルに感情移入してしまったかもしれません。和樹くんが公演前にインタビューで「ラウルを悪役に見せたくない」と語っていましたが、本当にそんな雰囲気だなと。彼のラウルは、クリスティーヌと結ばれた後もずっとどこか心に引っかかるものを感じ続けて今も引きずってる苦しさが滲み出ていたんですよね。それ故、ギャンブルと酒に溺れて身を崩していったんじゃないかなと。非常に人間的で、同情の余地があるかもと思えて仕方なかったです。
♪負ければ地獄♪では和樹くんラウルと石丸ファントム、さとしファントムの熱のこもった対決がみられゾクゾクしました!今回のキャストで特に楽しみにしていたシーンのひとつでもあったのですが、石丸さんと和樹くんの対決はすごい貴重だなぁとワクワクしながら見て。さとしさんと和樹くんは、『カム・フロム・アウェイ」ではあんなに仲良かったのに…と思いながらwそれと全く違う関係性にドキドキさせられて面白かったです。
♪水着の美女♪
メグの華やかなショーの場面。改めてこのナンバーを見ると、彼女の”哀しい過去”が浮き彫りになってるシーンでもあるよなと感じてしまいますね。メグについては最後の最後に衝撃的真実が語られますが(汗)、その伏線のひとつにもなってる。ショーそのものは華やかで楽しいんだけど、私はすごい切ない気持ちで見てしまいます。
ここの楽曲もすごく頭に残る。終演後もけっこう長いこと頭の中にグルグル旋律が巡ってました。ロイドウェバー卿の楽曲の魔力、おそるべし。
♪負ければ地獄 カルテット♪~♪愛は死なず♪
ファントムと酒の勢いでほぼ勝ち目がない賭けに乗ってしまったラウル、哀れとしか言いようがない(苦笑)。『オペラ座~』では最終的にクリスティーヌに選ばれたラウルでしたが、『ラブネバ~』ではどうあがいてもファントムのほうが優勢に感じられるのでね…。
クリスティーヌは一度はラウルともう一度やり直そうという気持ちになりますが、彼が去った後にファントムと遭遇したことでどうしてもそちらに気持ちが傾きかけてしまい大いに苦しみます。でも彼女はファントムの歌の魔力にやられているようにしか見えなかったので、勝負は決まったなと悟ってしまう。
『ラブネバ~』の一番大きな見どころと言っても過言ではないシーンが、クリスティーヌが独唱する♪愛は死なず♪でしょう!!どんなにドロドロのメロドラマが展開されていたとしても、この時のクリスティーヌの歌いっぷりを観たら吹き飛んでしまうくらいのインパクトがあります。
平原クリスの歌いっぷりはもうオペラ歌手のようで、息をするのも忘れてしまいそうなくらいの迫力があります。真彩クリスはそこまでの威力はないのですが可憐で繊細な歌声に魅了されました。
これが決定打となり、ファントムとクリスティーヌの結びつきはさらに強くなります。石丸ファントムもさとしファントムも、それはそれは喜び爆発で情熱的な愛を彼女に捧げておりましたよ!!ここだけ切り取ってみると、ファントム、本当に良かったと思えてしまう。流れで見ると「メロドラマ沼に一直線じゃないか」的なツッコミもしたくなるかもしれないんですけどねwww。
その一方で哀れなのがラウル。ここで『オペラ座~』の旋律をラウルに歌わせるの、ほんと残酷で切ないんですよねぇ…。
そして第三、第四、の衝撃波がクライマックスからラストシーンにあります(笑)。『オペラ座~』の続編的な意識でここを見るとかなりビビるかとw。ここについては壮大なネタバレになるので次回以降に触れようかと思いますが、メグが一番の被害者だったのかもなと。あと個人的には緊迫したシーンの時にファントムがキャラ変するのが未だに「!??」と思ってしまってww。なぜあんなヘタレに!?みたいな(笑)。
ただ、私は石丸ファントムの号泣姿にめちゃめちゃ胸打たれるんですよね…。もう石丸ファントムが愛しくてたまらなくなる。さとしファントムも激情のまま泣き叫んでてグッときてしまった。どちらも甲乙つけがたいくらい愛しい。
ザックリと言いながらもけっこう書いてしまった(しかも感想が雑ですみません 汗)。
後述
カーテンコールは短めですが、1階席はソワレもマチネもほぼスタンディングオベーション状態で大いに盛り上がりました!!あと1ヶ月、トラブルやケガがないよう公演頑張ってほしいです。
グッズの種類はけっこう多くて、主要キャストのアクリルスタンドもありました。あと可愛らしいシークレットチャームも気になるところ。私は今回はパンフレットとクリアファイルだけにするつもりだったのですが…、石丸ファントムのアクスタとミラータワーのチョコにも手を出してしまいました(笑)。次回は和樹くんラウルに手を出す…はずw。
日生劇場恒例のリスさんたち。今回もめちゃめちゃ可愛くて癒されます。