ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』19.02.19マチネ

1月に遠征して以来…約1か月ぶりとなるミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』を観に行ってきました。

日本初演を観に行くことができなかったこともあり、今回はその鬱憤を晴らすがごとくw数回チケットを確保しておりまして。観る前から「これは私の好みの作品になる予感がする」という予感があったのですが、それが当たった形になってよかったです。
ちなみに、このあともう1度遠征します(←どんだけ 笑)

今回は母も一緒の観劇。ストーリー的には「?」と思う部分もあるかもと案じていたのですが、やはり1幕のサーカスのくだりはちょっと分かりづらかったらしい(苦笑)。後ろに座ってたご婦人方も同じようなところで躓いたような話をしてたし、あそこは鬼門かもしれんなぁと。

ということで、1幕が終わった休憩時間に急いで私の得た知識の1幕まとめをざっと解説ww。その甲斐あって2幕ではえらく感激していたのでホッといたしました。やはり自分の好きな作品は気に入ってもらいたいって思うので結果的によかったです。

以下、ネタバレ含んだ感想になります。

 

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2019.02.19 マチネ公演 in日生劇場(東京・日比谷)

主なキャスト

  • ファントム:石丸幹二
  • クリスティーヌ:濱田めぐみ
  • ラウル・シャニュイ子爵:小野田龍之介
  • メグ・ジリー:夢咲ねね
  • マダム・ジリー:香寿たつき
  • グスタフ:加藤憲史郎


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あらすじと概要については1/18-19観劇レポ参照↓

グスタフ役の加藤憲史郎くんは、本当に表情が豊かで可愛らしい!クリスティーヌに甘える時のお芝居とか本当に微笑ましくて和んでしまいます。

また、ファントムに対してすごい興味を示してのめり込んでいくわけですが、グスタフの中でも無意識にファントムへの何かの引力があるのかもしれないと感じさせるお芝居もとても良かったです。

初めて舞台で観た時はまだ小さな子供だったのに(たしかミスサイゴンのタムだったかな)、こんなに立派なミュージカル子役に成長して…となんだか母親目線みたいになってしまいましたw。数年後にはお兄ちゃんの清史郎くんと同じように声変わりするかもしれないですね。その後の活躍にも期待したいし楽しみです。

 

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全体感想

前回遠征した時は石丸ファントム×平原クリスティーヌでの観劇でしたが、今回は石丸ファントム×濱田クリスティーヌ。ジキハイ以来の二人のコンビ舞台に観る前から期待が高まりました!
キャスト感想については後述しますが、石丸さんと濱田さんのコンビもやはり期待以上の素晴らしさでしたね。前回観た時少しマロヤカに感じられた石丸ファントムが、濱田クリスティーヌが相手になった今回は情熱の炎のギアがワンランク上に入った感じになってて♪月のない夜♪のナンバーは特にドキドキさせられました。

この作品の魅力は色々ありますが、個人的にはやはりところどころ『オペラ座の怪人』の音楽や展開とリンクしたシーンが出てくるところかなぁと思っています。

♪コニー・アイランド・ワルツ♪ではサーカス団のメンバーがワラワラと出てきますが、よく見てみると「オペラ座の怪人」の♪マスカレード♪のシーンで登場してきたキャラと被ってるような人物がちょいちょいいるんですよね。
そして目を惹くのが・・・オルゴールの猿をピエロが自転車で引いて現れるシーン。「オペラ座の怪人」ではこの”猿のオルゴール”はキーアイテムでしたから。ファントムが仕切るコニー・アイランドの世界というのがあのシーンで伝わってくる気がします。

クリスティーヌの部屋にファントムが登場するシーンは、「オペラ座の怪人」でファントムがミラーから現れる場面を彷彿とさせるものになっています。クリスティーヌが一人きりになったチャンスを見計らって満を持してファントムが現れるっていう展開も同じ(笑)。
そして、クリスティーヌが衝撃のあまり倒れてしまう場面は、「オペラ座の怪人」でファントムが♪The Music of the Night♪を歌い終わった後に花嫁人形に衝撃受けて気を失ってしまうシーンを思い起こさせるものになっているんですよね。

「オペラ座~」ファンとしてこういった比較して楽しめる場面が散りばめられているのもこの作品が心をとらえて離さない理由の一つかもしれません。以下、そのほか気付いたシーンを挙げてみます。

クリスティーヌに自分の歌を歌えとファントムが強要するシーン、これは音楽も「オペラ座~」と同じ旋律を使っています。初めてクリスティーヌに仮面を取られたシーンや、「ドンファンの勝利」を上演する直前にファントムが歌っていた旋律なんですよね。不安を煽る感じ。

メグが♪水着の美女♪を稽古するシーンは、「オペラ座~」で若き日のメグがマダム・ジリーから仲間たちと厳しいレッスンを受けるよう叱られる場面が思い起こされます。
10年が経過して、相変わらずレッスンは厳しいように見えましたが…マダム・ジリーの稽古に対する厳格さはちょっと薄らいだように感じたかな。その代り違う方向にメラメラいっちゃってるんだけどw。

ラウル・クリス・ジリー母娘が久しぶりに再会する♪懐かしい友よ♪のシーンは4人の心情が歌で語られる美しく面白い場面になってます。この複数の人物が歌うシーンを見ると、やっぱり思い出しますよねぇ、「オペラ座~」に登場してきた支配人やカルロッタたちの場面を。♪懐かしい~♪は声が重なるシーンはないのですが、流れるような美しいメロディーは「オペラ座~」を思い起こさせます。
ちなみに、声が重なってそれぞれの心情を歌うのが2幕の♪負ければ地獄 カルテット♪。ここは美しいメロディーではなく不穏な空気感を漂わせた感じになっててハラハラさせられる。でもやっぱり耳馴染が良くて惹きこまれちゃうんだよなぁ。

♪美の真実♪はファントムがクリスティーヌの息子のグスタフに気持ちを高ぶらせていくロック調のナンバーなのですが、個人的に特に好きなシーンでもあります。ナンバーとしては物語の中で異質な存在なんですが、気持ちを高ぶらせ続々させられるロック調音楽に心のテンションが爆上がり!
「オペラ座~」でロック調になるのはタイトルロールの♪The Phantom of the Opera♪ですが、あれよりも数段攻めたシーンに仕上がってると思います。

 

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♪負ければ地獄♪はラウルとファントムの直接対決が描かれていますが、「オペラ座~」での対決シーンに比べると・・・個人的に感じたのは、ファントム優しくなったんじゃね?ってことでしたww。
だって、「オペラ座~」の時には本気で殺してやるっていう殺気が二人の間にあったけど、ラブネバでは「俺が賭けに勝ったらお前は一人で立ち去れ」としか脅迫してない。首根っこ掴んだりはしてるけど(汗)殺気はないんですよね。このあたりはファントムも気持ち的にちょっとは進歩したところかなと思ったりw。

♪歌う前に♪ではラウルがクリスティーヌに跪きながら「歌うのをやめて一緒に戻ろう」と説得するのですが、ここの場面は「オペラ座~」でラウルがクリスティーヌにプロポーズする♪All I Ask of You♪を彷彿とさせる見せ方になっています。
だけど、ラブネバではラウルの方が圧倒的に不利な状況だったりするので(苦笑)何だか同情してしまうんですよねぇ。「オペラ座~」ではそんな気持ちにさせられなかったラウルが、10年経って哀れに見えてしまうとは…(苦笑)。

そしてクリスティーヌは♪愛は死なず♪を結局歌ってしまうわけで、ラウルは敗北。一人何も告げずに立ち去ることに…。ここのくだりはホント気の毒でたまらん。
しかも、置手紙に添えられた一本のバラと共に歌われる旋律が「オペラ座~」で楽屋にラウルが現れた時に歌う♪Little Lotte♪っていうのがまた哀愁を感じさせるんですよねぇ…。今回のラウルは全体的に本当に貧乏くじ引かされたみたいに思えて気の毒だった(汗)。

とはいうものの、私はやっぱりファントムに幸せになってほしいって言う気持ちの方が強いのでラブネバの展開は好きだったりするんですけどね(ラウル、ごめん 笑)

そしてラストシーンの”あの展開”。メグの行動は「オペラ座~」でファントムが狂って自暴自棄になってたあれと重なりますよね。初めて見た時はその役割をメグが担うことになっていたのがかなりの衝撃でした。
ただ、ラブネバだと何だかこのシーン全体はちょっとこれまでの展開とは異質な印象。メロドラマから突然サスペンス劇場になっちゃう、見たいなwww。しかも海の音まで聞こえてるし、があるように思えちゃうしww。

そして、ファントムが・・・船越○一郎さんに見えてしまうことも何度かwwww。

いや、ほんと、あのやり取りのところだけはホント、急に現実が付きつけられてるような感じに思えて仕方ないもんで。このあたりについては次回またちょっと触れますw。

でもラストシーンは感動的です。泣けます!!!特にグスタフとファントムの最後のドラマは涙なくしては見れない。

結果、やっぱり大好きな『ラブ・ネバー・ダイ』なのです。

 

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主なキャスト別感想

石丸幹二さん(ファントム)

前回観た時より数段クリスティーヌへの飽くなき情熱が上がっているように思いました。もうクリスに対する想いがどうしても溢れすぎちゃって♪月のない夜♪のシーンでは目がウルウルしてる石丸ファントム。あのすがりっぷり見るだけでもなんかキュンときちゃったよーー!

自分の思い通りに行かなくなって感情のコントロールが効かなくなるようなシーンでも、常にどこか品があって感情移入しやすい隙を感じさせるのも石丸ファントムの魅力かなぁ。もちろん鬼気迫るものも強いんだけど、なんていうか…心の弱さの部分が浮き彫りになった時に思わず寄り添ってあげたくなっちゃう魅力がある。石丸さんならではのファントムじゃないかなぁと。

あと、グスタフに対する想いというのも前回より濃く感じられて感動的でした。特にラストシーンは涙なくしては見れない!!クリスティーヌとの永遠の別れの後、恐る恐るグスタフと触れ合い、最後に仮面を・・・のくだりは特に情感あふれてて温かいものを感じさせます。ファントムの心にこの先の未来光がさすかもしれない…っていう希望が感じられるのも石丸さんならではじゃないかな。

そして何と言っても歌唱力の豊かさ!!冒頭の♪君の歌をもう一度♪は特に圧巻で・・・クリスティーヌがいなければ生きていけない…的な絶望感がひしひしと伝わってきます。最後のロングトーンのところなんか、聞いてて知らないうちに涙が溢れるくらい感動的!
やっぱり石丸さんの歌の魅力は無限大だなぁと実感させられました。もう一度見れる予定なので楽しみです。

 

濱田めぐみさん(クリスティーヌ)

船から登場しただけでハっとさせられるオーラを放っているのがまずスゴイ!!衣装の美しさもあるけど、めぐさんの場合はそれがなくても人を惹きつける雰囲気がありますよねぇ。

今回特に印象的だったのがグスタフに対する母性愛。前回もすごい母性が前面に出ていたんだけど、今回はさらにその上を行く溺愛っぷりで・・・見ようによっては「ラウルは嫉妬しちゃうんじゃない!?」って思うほどでした(笑)。まぁ、結果的にはそういうことに繋がるんですけどね。

ファントムに対しては、「今さら出てこられても」と拒絶はするんだけど、結局は彼の魅力から逃れられないクリスティーヌの心情をリアルに演じていたと思います。ファントムの音楽=クリスティーヌへの愛なので、そこに触れてしまうともう周りが見えなくなるくらい心酔していってしまう。
ラウルへの申し訳なさも感じていながらも、ファントムの音楽に気持ちを全部持って行かれてしまうクリスティーヌの心の動きがとても分かりやすく表現されていました。

それにしても本当に・・・♪ラブネバーダイ♪のシーンは圧巻以外のなにものでもない!!劇場を支配するあの歌声・・・!!衝撃です、何度見ても。

 

小野田龍之介くん(ラウル)

小野田ラウルは前回にも増して気難しさがアップしているなぁという印象でした。たしか万里生くんはグスタフに対してちょっと笑顔を見せるシーンがあったかと思うのですが(1月の時点では)、小野田ラウルは全くそういった柔らかい表情を見せない。
もう出てきた瞬間から心が追い詰められてるような雰囲気で、笑顔を忘れてしまったかのようなラウルがなんだか切ない。

唯一ちょっと柔らかくなるのが♪懐かしい友よ♪のシーンだけど、あの時もラウルは心から喜んでなくて。挙句にファントムの存在まで聞かされちゃって踏んだり蹴ったりなんだよね(苦笑)。

本当はクリスティーヌに優しくしたいのに、心に巣食ったモヤモヤした感情が邪魔をしてそれができない。それだけに、ファントムと危険な賭けをした後に「彼女を永遠に失ってしまうかも」と初めて事の重大さを自覚してクリスティーヌの元へ駆け出していく姿はすごく切なくて泣けました。

 

夢咲ねねさん(メグ・ジリー)

前回観た時は歌の不安定さばかりが気になってしまってちょっと微妙な印象だったんですが、今回はそこまでじゃなかったかも。っていうか、ちょっと慣れたのかもw?

ただ、メグの非常に不安定な心情部分の芝居はとても良かったです。クリスが来るって初めて聴かされた時には「旅行で来る」と捉えていたので無邪気に喜んでいましたが、彼女がショーで歌うと知った瞬間から「え?なんで?・・・」と非常に複雑な心境へと陥ってしまう。
このあたりの心の動き、見ていて・・・その気持ちわかる!!と思わず同情してしまうほどリアルだったんですよね。

その後もファントムとクリスの特別な関係を目の当たりにさせられたり、いつまでたっても自分が報われない環境にいることを実感させられたり・・・とにかくメグが気の毒。心のバランスを失ってしまったが故のあのラストシーンへと繋がってしまうわけで…。
お芝居の部分では本当に同情させられてしまうような感情表現が多かったですね。

 

香寿たつきさん(マダム・ジリー)

未だにまだちょっと鳳蘭さんの貫禄ありすぎマダム・ジリーがちらついてしまうのですが(笑)、タータンさんのマダム・ジリーはファントムに対する「女性」的感情をリアルに表現しているところがすごく印象深いです。

才能に惚れたって歌ってるけど、あれは明らかにそれ以上の感情があって・・・彼女の中ではファントムは「男性」になっちゃってるんですよね。そこがなんとも切ない!
タータンさんはマダム・ジリーの女性としての嫉妬心をすごく繊細に演じられていたのがとても印象的でした。

 

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後述

初演の時には舞台映像のアップがあったのに、2019年版はなぜか出てこないみたいですね(汗)。素晴らしい楽曲やシーンが多いので舞台映像も残してほしかったんだけど…。

ラブネバ公演も残りあとわずかとなりました。連日満員御礼状態のようで、当日券を求めてキャンセル待ちの列も増えているようです。

次の観劇は、石丸さん前楽と市村さん楽。1日で2公演ガッツリ見てきます(笑)。

2月25日マチソワ観劇レポ↓

ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』19.02.25マチネ・ソワレ前楽
ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』公演感想。日生劇場にて2019年02月25日マチネとソワレ前楽公演を観劇。主なキャストは、石丸幹二・市村正親・平原綾香・濱田めぐみ・田代万里生・夢咲ねね・香寿たつき・鳳蘭
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