【ミュージカル映画】『レ・ミゼラブル』 舞台版との比較感想

対決
ビックリしたのが対決シーンです。舞台だとファンティーヌのベッドひとつしかなくて個室のようなイメージがあったんですが、映画だと他にもベッドがたくさん。ファンティーヌの臨終に立ち会ったバルジャンは彼女の最後の願いであるコゼットを育てることを決意するわけですが、そこへジャベールが現れます。ここで二人が激しく対立するんですけど…、他にも患者がいるのに二人とも凶器を手にやりあってる(汗)。めっちゃ危ないだろう!!と見ながら思わずツッコミを入れてしまったw。

ちなみに舞台だとジャベールは警棒みたいなものでバルジャンに対抗してます。映画ではサーベル抜いててビックリしたよ(汗)。対するバルジャンは早い段階で病院の一部を壊して木の棒を手にしてましたが…器物損壊だろう、みたいな(爆)。舞台だと近くにあった椅子をぶっ壊して武器にするっていう演出だったんですけどね。で、最終的には二人とも素手でやりあってバルジャンが勝利するんですが、映画では最後まで素手にならなかったな(汗)。バルジャン、めっちゃ凶暴…って思ってしまったw

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宿屋の主人~裏切りのワルツ
映画に出てきた幼いコゼット役の子が作品のシンボルであるあのイラストとかなりそっくりだったのでビックリ。日本だとどうしてもあの雰囲気と似ている子っていうようには見えないので。マダム・テナルディエは舞台だと最近モリクミが基準になっているのか恰幅がいい人が多くなりましたが(笑)映画は意外とスリムだなと思いましたw。森へ行くことを怖がるコゼットに対し、テナルディエの娘のエポニーヌは舞台だと早く出て行けと彼女の背中を押しています。映画ではこのシーンが出てこなかったので、将来的なこの二人の対比というのがちょっと弱いかなと思いました。

宿屋の雰囲気は…いやぁ、映画だとひっどいですね(笑)。よくあんなところに金持ちっぽい人が訪れる気になったと思っちゃったよww。舞台ではただイスと机が並んでてそこに個性的な人々が集まってるみたいな雰囲気だったけど、映画で見るテナルディエの館はものすごい退廃的でビックリしましたw。一番グワッとなったのはやはりミンチを作るシーンですかね。舞台だと変な機械を回してるだけなんですけど、映画では怪しい肉が出てきてましたので(汗)。

その頃、コゼットは森の中でバルジャンと出会います。舞台だとなぜバルジャンがあんな場所にいたのかが謎に思えるんですけど、映画ではちゃんとファンティーヌから居場所を聞き出すようなシーンがあったので不自然には感じませんでした。そしてテナルディエ夫妻を金で黙らせてコゼットを引き取るバルジャン。基本的に舞台と流れは同じですが、映画のテナルディエが何度もコゼットの名前を言い間違えているのは面白かったですw。あと、バルジャンの置いていったお金に対する夫妻の反応が舞台と映画で微妙に違ってたかな。舞台では大喜びしてたけど映画では「なんであれしきの金で満足しちゃったんだよ」とマダムがダンナを叱りつけてさらにたかろうと画策するシーンがありました。映画のマダム・テナルディエ…超コワイよ(汗)。

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Suddenly
幼いコゼットと共にパリへ向かうバルジャンが馬車の中で未来に想いを馳せるシーン。ここは舞台には出てきません。舞台だと幼いコゼットに人形を与えた後彼女を抱きかかえ去っていき、そのまま時が流れたパリへと移っていきます。なので、映画でこういった余白の部分が捕捉されたことはすごく良かったなと。このあとバルジャンはコゼットを溺愛していくことになるんですけど、何故彼がコゼットに対してそこまで傾倒していくのかが、このナンバーに込められているような気がして…なんだかものすごく泣けました。

いつも独りで孤独だったバルジャンにとって、コゼットという存在は唯一の希望の光であり救いだったんだなと。ヒュー・ジャックマンの穏やかで幸せそうな表情を見たら思わずこみ上げてきてしまった。
ジャベールから逃げるようにしてたどり着いた場所はかつて馬車でつぶされそうになっていたのを助けたフォーシュルバンのところ。ここで二人は隠れるように暮らすことになっていますね。舞台では描かれなかった余白のシーンでもあります。

乞食たち~星よ
大きく成長したコゼットを連れてバルジャンがパリの街へ施しにやってくるシーンは基本的に同じなんですが、ジャベールが現れた後の展開は映画のほうがスリリングでした。暗い雰囲気のラッセル・クロウが執拗にバルジャンたちを追いかけるわけで、けっこう見ていて怖い。舞台では「逃げちゃったのか、まぁ、泳がせておくさ」とけっこうあっさりしてそのままの流れで「星よ」のナンバーに入るのでけっこう印象が違うなと思いました。

ジャベールの「星よ」はかなり舞台だとビッグナンバーで歌い上げられる場合が多いのですが、映画では比較的落ち着いた雰囲気で歌われてるなという印象。なのでなおさら不気味。ちなみに映画のジャベール、今にも落ちそうなやたら高い危険な場所でこのナンバー歌ってます(汗)。これは、後に対となる「ジャベールの自殺」シーンとの関連性を出すための演出なのかなと後から思いました。

ABCカフェ~プリュメ街
いよいよここからアンジョルラスやマリウスたちが登場。マリウスは演説活動の最中にコゼットに一目惚れしますが、離れた場所からの一目ぼれになってますね。舞台だとエポニーヌを追いかけようとしてコゼットとぶつかった時にビビっとくる演出でした。エポニーヌはマリウスに片想いしてますけど、マリウスにチョッカイ出すシーンは映画と舞台とでは微妙に違ってましたね。難しい本だけど私には読める、とか、その髪が好き、とか、舞台に出てくるフレーズはなかったように思います。

ABCカフェで革命について語り合うアンジョルラス達ですが、映画だと既にぼんやりしてるマリウスがいるw。舞台だとコゼットのことが気になりすぎて会合に遅刻してるんですけどね(笑)。グランテールが酒飲みなのは舞台も映画も同じキャラ。ラマルク将軍が死んだとガブローシュが伝えに来るシーンのニュアンスも映画と舞台ではちょっと違った演出になってますね。

ラマルク将軍の死でアンジョルラスが立ち上がろうと仲間に呼びかけるのは基本的に同じですが、そのあと街に飛び出して仲間を増やそうとするシーンが映画では出てこないのであれっと思いました。舞台だと民衆の歌を歌いながらアンジョルラスやマリウスたちが町を練り歩くんですけど、この後どうするのかなと。そうこうしてるうちにエポニーヌがマリウスにコゼットの居場所を知らせにやってくる。舞台だと行進してる最中に来ることになってるのでマリウスは後ろ髪惹かれる想いでその場所を離れてたんですが、映画だと心置きなくエポニーヌについていってました(笑)。

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心は愛に溢れて~ワン・デイ・モア
バルジャンに孤独を告白したコゼットが寂しい心のまま庭に出ます。ここは舞台も映画も同じ。ただ、そのあとのマリウスとの再会シーンの演出がちょっと違う。映画では門を挟んで「心は愛に溢れて」を歌い二人で愛を確かめ合っていましたが、舞台ではマリウスが塀を乗り越えて庭に侵入してコゼットと遭遇してます。ここは舞台版マリウスのほうがかなり積極的(笑)。積極的なんだけどいざコゼットを目の前にすると「君を困らせた」とヘタレモードになってしまったりして可愛いんですよねw。映画ではそういった仕草がなかったのがちょっと残念。

このあとテナルディエたちがバルジャン宅を襲撃しにやってくるわけですが、映画では庭に侵入していないのでそのまま門の外でマリウスは隠れます。舞台だと二人で愛を確かめ合った後に庭の奥の方に行ってしまうんですよねw。エポニーヌの叫び声を聞いて飛び出してきたマリウスはコゼットにエポニーヌを紹介。彼女が助けてくれたとコゼットに引き合わせるわけですが、ここのシーンは役者さんによって表現がいつも変わってました。コゼットを目の前にして動揺するエポニーヌっていうパターンが一番多かったかな。

時にはコゼットもエポニーヌに気付いて二人で固まってしまうというパターンもありました。私はこちらのほうがドラマチックで好きだった。叫び声を聞いてバルジャンが慌てて出てくるんですけど、舞台版だとマリウスはこの時ようやく柵を乗り越えて門の外に身をひそめるんですよね。映画ではバルジャンが無理やりコゼットを自分の家の中に引き入れて退去する準備を始めます。
驚いたのは、コゼットと引き離されて憔悴したマリウスを見たエポニーヌがそのまま「オン・マイ・オウン」を歌ったことです。舞台では2幕の初めにバルジャンへマリウスの手紙を届けた後歌われていたので、まさか1幕のゾーンの中にこのナンバーを入れてくるとは思いませんでした。でも、映画では実際にエポニーヌが雨に打たれながら歌っていたのでなおさら切なく感じましたね。舞台でも泣けるんですけど。

ワン・デイ・モアまでの緊迫感は映画のほうがあったな。あと、マリウスが闘う決意をするシーン、映画ではここで赤い旗を手にしていましたが・・・舞台ではラマルクの死を知ったアンジョルラスが赤い旗を手に仲間を鼓舞する演出になってます。あと、ジャベールが学生の動きを探るために変装するシーンは映画よりも舞台のほうが簡潔で分かりやすいかもしれません。グッときたのはエポニーヌが一人で自分の体にさらしを巻きながら歌っているシーン。彼女はこのあとマリウスの傍にいるために少年に扮して革命の仲間に入ります。そこに至るまでのエポニーヌの様子が映画では描かれていたのでかなり胸が熱くなりました。

私はレミゼの中では「ワン・デイ・モア」が一番好きだったりします。この曲は本当に素晴らしい。高揚感の中、舞台ではここで1幕が終わります。