【ミュージカル映画】『レ・ミゼラブル』 舞台版との比較感想

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マリウスとコゼット~バルジャンの告白
今回、私が映画『レ・ミゼラブル』を見るにあたって一番気になっていたのが実はこのシーンです。ここが出てくるまで正直、なんか、妙に緊迫してまして(苦笑)。

自分を助けたのが誰なのかと混乱するマリウスを優しく励ますコゼット。そんな二人の姿を見てバルジャンはもう自分の入る隙はないと悟ります。ここは映画も舞台も泣けました。舞台と違っていたのは、その場所にマリウスの祖父がいたこと。傷ついたマリウスを看病していたのは彼のおじいちゃんだったようです。原作には出てくるんだろうけどすっかり忘れてた(汗)。
そしてマリウスはバルジャンに感謝の気持ちを込めて「あなたは二人の父です」と語ります。ここからです!それを聞いたバルジャンの言葉…ちょっと期待したけど…舞台と同じだった(涙)。あぁ、たぶん、新演出になってもそのままなんだろうなと希望を捨てました。短縮される前、バルジャンはマリウスにこう語るんです。

「もう言うな、マリウス。愛する息子よ。わしも話そう、恥に満ちた物語を。君だけには話しておこう。コゼットにさえ聞かせていない…哀しい想いをさせる話だ。昔だ…」

というフレーズが入ってたんです。ここの旋律がまた哀しく美しく、私はいつもここで大号泣してた。それが舞台のみならず映画でもカットになってたので・・・なんか変に力が抜けてしまった。
ただ、映画版の唯一の救いだったのが・・・「もう何も言うな、息子よ」と訳されていたこと。マリウスのことを息子と呼ぶことに大きな意味があると考えているので、あそこの訳は嬉しかったです。舞台だと「もう言うなマリウス、話があるのだ」と異様にそっけない対応なので(苦笑)。ここの部分、新演出でなんとか変えてくれないだろうか。

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結婚式~エピローグ
舞台ではバルジャンがマリウスのもとを去ってからすぐに結婚式シーンになりますが、映画ではマリウスがコゼットにバルジャンが旅に出たことをちゃんと伝えている場面が描かれてます。これがあることで次の結婚式までのシーンが違和感なく見れますね。それから、バルジャンが馬車に乗って遠くへ旅立とうとする場面も描かれていて、なおさら切なさが増しました。

結婚式シーンでテナルディエ夫妻が妙な格好で乱入してくるシーンは基本的に同じです。ただ、マリウスが自分を救ってくれたのがバルジャンだと気が付くところは映画のほうがより詳しく描かれてます。まずはテナルディエがマリウスの指輪をしている時が付くシーン、これは舞台にも出てきますが映画では盗まれるシーンがクローズアップしていたのでより分かりやすくなってます。このあと舞台だとマリウスはテナルディエ夫妻に持っていた金を投げつけコゼットを連れてバルジャンのもとへ行こうとするのですが、どうやってその場所を知ったのかが謎だったんですよね。それが、映画ではマリウスがテナルディエを脅してその場所を聞き出しているシーンが出てきた。その上でコゼットを連れて立ち去っているのでとても分かりやすくなっていると思います。

バルジャンが最期を迎えようとしていた場所は教会。舞台では死の間際に自分が変わるきっかけとなった銀の燭台に火をつけるシーンがあるのですが、映画ではただ静かに死を待つ老人として存在していました。そこへファンティーヌの霊が現れるのは舞台と基本的に同じ。駆けつけたマリウスとコゼットに手紙を託そうとするシーンも同じで泣けるんですけど…、死の間際に娘に最期の愛情を注ぐといった点では舞台のほうが感動できるなと思いました。

ラストシーン、舞台と違うのはバルジャンを迎えにくるのはファンティーヌだけだったこと。舞台ではエポニーヌもやってきてバルジャンを天の道へ導くんですよね。ただ、映画ではバルジャンとエポニーヌの接点がほとんど皆無に近かったので、ここに出てこなかったことは自然だったなとは思います。ちょっと何かが欠けてるような感じで寂しくはありましたが(苦笑)。

最後に「民衆の歌」を亡くなった魂と共に歌うシーンは、映画ならではの感動がありました。あの大行進した場所にみんなが集まっている映像は圧巻の一言。素晴らしかったです!

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と、長くなりましたが(汗)私は映画版を見ながらこんな風に勝手に比較しておりましたw。思い切り泣けなかったのはそのせいではないかと…。

映画版はどちらかというとバルジャンの生涯に思いっきり視点を置いた形になってますね。舞台はどちらかというと群像劇といった色合いが強いので、アンサンブルの役者さんたちにもファンが付くことが多いです。映画ではその部分が弱かったので、レミゼに出てくる学生ファンの人が見たらもしかしたら物足りなく感じるんじゃないかなと思いました。クローズアップされてるのはアンジョルラスとグランテールくらいですしね。その二人の関係も結局ちょっとぼやけててあまり重要視されてなかったようだし。

ただ、映画には映画の・・・舞台には舞台の良さがあります。今年上演される新演出でまた印象が変わると思うので舞台も楽しみです。もうあのシーンについては…あまり深く考えないようにしようと思います(苦笑)。それを考えると感動できなくなっちゃうので(汗)。

以上、やたら長いレミゼ比較でした。ちょっとすっきりしたw。

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