ミュージカル『モーツァルト!』大阪公演 2021.06.02ソワレ感想

主なキャスト別感想

古川雄大くん(ヴォルフガング)

ここ最近は映像への出演も増え、昨年は朝ドラにも出て一気に知名度が上がった古川くん。彼の舞台を見るのはとても久しぶりだったのですが、3年前のヴォルフ役と比べてすごい表現力がアップしたなぁというのを肌で感じました。映像作品での経験がすごく舞台に生かされてたような気がします。

古川くんのヴォルフはキラキラした爽やかさと、たまに見え隠れする繊細でほの暗い一面が同居するような複雑さがあって、どのシーンもとても魅力的です。さらに歌声がまた一段と力強くなった気がする!♪僕こそミュージック♪や♪影を逃れて♪といったビッグナンバーの説得力が3年前よりもぐんとアップしてて、なんだか古川ヴォルフ見てるだけで自然と涙も溢れてきてしまった。
多少声が裏返ってしまうシーンもあったけど、それはヴォルフとしての熱い想いがあるからこそだと解釈してます。あと一息声の伸びがあればもっとよくなるかも。再演を楽しみにしています。

そうそう、1幕途中でヴォルフガングがタンクトップになるシーンが出てくるんですが、この時の古川くんの二の腕の見事な筋肉に釘付けになってしまったw!体鍛えて頑張ってるんだなぁと思うとなんだかジーンともしてしまいましたね。

木下晴香さん(コンスタンツェ役)

前回は観れなかったので今回が初めての晴香ちゃん演じるコンスタンツェ。いや~~、ビックリしました!!おそらく、今まで見てきた歴代コンスタンツェのなかで一番ドンピシャでしたよ。それくらいハマりっぷりがすごかった。

最初に登場した時の可愛さはもう天下一品!なぜヴォルフは最初に目をつけなかったんだと思うほど(笑)。再開した後にヴォルフに恋してのめり込んでいってしまう未熟さも繊細に表現。この時の恋する女の子っぽさがたまらなく良かった。
そして結婚した後に退廃していくコンスタンツェですが、恋に落ちた頃とはまるで表情が違っててすごく大人っぽい艶っぽさが全開でビックリしました。心の中に渦巻くほの暗い想いとか、どんなに愛してもヴォルフに振り向いてもらえないやるせなさだとか、彼女の心の孤独みたいな部分が手に取るように伝わってきた。

ほんと、晴香ちゃん最高だったわ!!ますますすごい女優さんになっていくんじゃないかな。次回上演する時もぜひまた進化した姿を見せてほしいです。

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山口祐一郎さん(コロレド猊下役)

初演からコロレドを演じ続けてる祐一郎さん、あの頃から変わらないどころか若返って見えるのがまずすごいです。祐一郎さんは歌う時に両手をあげる癖があるので(両手が上がると歌のスイッチが入る、みたいなw)役柄によっては違和感を感じてしまうのですが(汗)、このコロレドはその祐一郎スタイルが活かされるハマリ役だと思います。

朗々と歌うソロナンバーは相変わらず圧巻の一言。特に2幕の♪神よ、何故許される♪は最大の見どころです。クライマックスの「♪音楽のまーーーじゅーーー、つぅーーー!!!はもはや聞いていてクセになるレベル(笑)。また再演でもお会いしたいです。

市村正親さん(レオポルト役)

市村さんも初演からずっと出演されているキャストの一人。祐一郎さんと同じく、時が経つにつれて逆に若々しく声に張りが出ているのが本当にすごいと思います。滑舌はそんなに良くないんですけど、それでもレオポルトの息子に対する複雑で切なる心境は手に取るように伝わってきます。このあたりの表現力はさすがとしか言いようがない。

ただ、市村さん、数年前に「サイゴン」に対してリップサービスからかちょっと不愉快な発言しちゃったことがあるので…それ以来少し遠くなっちゃったかなという印象もあるんだよなぁ。あれさえなければ今もずっと大好きな役者さんだったんだけど…。

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遠山裕介くんのシカネーダーは3年前よりもセリフのお芝居がしっかりしていて見応えありました。遠山君って言うとどうしてもダンスの人ってイメージが先行してしまうのですが、今回のシカネーダーはヴォルフの悪友として彼を巻き込んでいく様がリアルに表現されていて面白かったです。身のこなしっぷりはさすがでした。

和音美桜さんのナンネールはとても愛らしく、姉として弟に心を寄せ続けている姿がいじらしかったです。歌声も美しく聞いていて癒されるような気持にさせられました。

涼風真世さんのヴァルトシュテッテン男爵夫人は久しぶりに見たのですが、相変わらず圧巻の存在感でしたね!あのドレスに全然負けてない(笑)。特にソロ曲の♪星から降る金♪は劇場全体を支配していくようなドラマチックな歌いっぷりが最高でした。

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後述

カーテンコールは2回目でスタンディングとなり大いに盛り上がりました!やっぱり劇場で見るミュージカルは最高だと改めて思ったなぁ。

この日はアマデ役の設楽乃愛さんが大千穐楽ということで、古川くんが彼女に「素敵なアマデをありがとうございました」って頭を下げて感謝の気持ちを伝えていたのがすごく可愛らしかった!乃愛さんは古川くんのピンマイクに向かって元気よく「ありがとうございました!!」って挨拶。アマデはセリフが一切ないので、小学生らしい元気な声にほっこりしました。

古川くんは最後の挨拶の時も「整列退場にご協力くださればと思います」と丁寧にコメントしてましたね。なんか人柄が出てるなぁと微笑ましく思ってしまいました。

東京公演後半と大阪公演前半が中止になってしまった今回の『モーツァルト!』。完走とはいかなかったことがとても残念でしたが、大阪公演の前楽と楽が動画配信されるというサプライズ企画がありました。いっくんのヴォルフはチケット代が高くて諦めていたので、思いがけず配信で見れることになりとても嬉しかったです。古川くんの大楽も勢いで購入しちゃったw。

※千穐楽の配信公演観劇レポはこちら↓

でもやっぱり舞台は生で観るに限るので…、次に上演される時は全公演休演することなく完走できる世の中であってほしいなと思います。

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