劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』 2017.09.22

約1か月ぶりに劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』京都公演を観に遠征してきました。関西でこの作品を観れるのももうあとわずかとなってしまって…ちょっと寂しいです。

この日に座っていた席の近くのグループの人が話す声が聞こえてきたのですが、どうやらアニメ映画版と同じ内容だと思っていたようで。あ~、分かるなぁ~と。私も一番最初に見に行ったときはアニメ版を少し内容濃くして舞台にしたものだと思ってましたのでw。なので、最後に観終わった時にどう思ったのかなとちょっと気になりました。
映画と同じものを想定して観ていくとけっこう衝撃が大きい作品なので、映画版ストーリーが好きで期待しているともしかしたら「これは違う」という感想になるかもしれません。でも、あの映画では見えなかったもっと深い物語が心に少しでも沁みこめば、この作品を愛することができるのではないかなと思うんですよね。そうあってほしいなと、昨日ふとそんなことがよぎりました。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2017.09.22マチネ公演 in 京都劇場(京都駅)

主なキャスト

  • カジモド:海宝直人
  • エスメラルダ:宮田愛
  • フロロー:野中万寿夫
  • フィーバス:佐久間仁
  • クロパン:吉賀陶馬ワイス

9月に大阪でミュージカル『レ・ミゼラブル』が上演されていて、海宝くんはそこでマリウスを演じていました。

2年ぶりに再演されたミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に大阪遠征してきました。 今回上演された箱が、大阪のフェスティバルホール。以前、...

同じ関西にいるのに勿体ないなぁと思いつつ、レミゼとノートルダムのハシゴはやっぱり厳しいだろうなと…京都で海宝くんカジは見られないものだと諦めていたんです。
が、大阪レミゼが終わった直後からなんと、海宝くんが京都でカジモド役に連続で入っていてビックリ!!カジモド役は役者が日替わりで演じると聞いていたので、レミゼ終わった直後にこんなハードスケジュール入れて大丈夫か?と心配になってしまいました。が、やっぱり来てくれたことは嬉しかったです。

でも、私の観劇予定はその翌週だったので…直近に名古屋のレミゼ出演が入っている海宝くんを見られるかどうかは非常に微妙😅。と思っていたら、なんと、私の観劇日までが出演予定となってて…思いがけず、海宝くんカジモドの京都楽公演を観ることができました。非常に幸運でした!

雑感

海宝カジモド、宮田エスメラルダ、野中フロローの組合せで見たのは昨年東京で初めてこの作品を目にして以来です。久しぶりにもう一度観て、あの頃とだいぶ印象が変わったなぁと思いました。まぁ、初めて見たときは色々と圧倒されてじっくり感想を考える余韻もなかったんですけど😅、でも、確実にあの時よりも人間ドラマは濃くなっているように感じました。

野中フロローとカジモドの関係の見え方についてですが、今回見て思ったのが、相性的には達郎くんのカジよりも海宝くんのカジのほうがしっくり見えてくるかもという事でした。
野中フロローは芝さんと比べると感情の起伏がガっと前面に出てくるタイプではないので、達郎くんの無垢すぎるカジモドとの組み合わせで見るとなんだか悪の印象の方が前面に出ているように見えてしまったんですよね。それに対して海宝くんのカジは野中フロローをあまり刺激しすぎていないというか…合わせ方が上手いというか…。なので二人の関係は実は上手くいったままでいられた可能性もあったのに、と思えたんです。エスメラルダがあのような仕打ちに遭うまではお互いの中に信頼関係があるように感じられたんですよね。達郎くんのカジとの場合だと、途中でフロローが彼に対して蔑んでいくように思える瞬間が何度かありました。なので「僕の愛した人はみんな横たわっている」というカジモドのセリフが、野中フロローとの相性で考えると海宝くんのほうが生きているように思いました。
これは芝居がどうの、というよりも、個人的に感じた相性の印象ですのであしからず。

今回の観劇でも色んなことを感じてきましたが、やっぱりこの作品は「人間」について色々と深く考えさせられるなぁと思いました。人間の弱さをまざまざと見せつけられる存在がフロローだったりするんですけど、真面目で誠実で信心深い人間がふとした出来事がきっかけでどんどんと欲望へ引きずり込まれていく様は何度見ても心が締め付けられる想いがしますね😣。
カジモドに二度とエスメラルダと会うなと言っておきながら、自分だけこっそり彼女を探しに出かけて怪しい店で彼女を見つけ、フィーバスとキスを交わす姿を「(破廉恥な現場なのに)目を離す事ができない」と歌う姿がすごく印象深い。抑えようとする理性をどんどんと欲望が上回ってしまう恐ろしさ。誰にでも起こりうる感情だと思うと、私は毎回あのシーンは戦慄を覚えながら見てしまいます😖。エスメラルダという一人の魅力的な女性の出現で心の均衡をどんどん失って破滅していく様は非常にショッキングであり悲劇的で…心に痛みを覚えました。

「人間」とはなんと脆くて厄介な生き物なんだろうと見るたびに思います。「怪物」とは何かを問う作品ですが、それは見た目ではなく心に住み着く「魔物」であってどんな人の心にもそれが覚醒する恐れがある。ラストシーンでカジモド以外の人々が「怪物」化していく場面にそんなメッセージが込められている気がしました。その中で一人、カジモドだった青年がきれいな顔で立ち尽くし語る姿は神々しく…そして美しく悲しく映ります。
すごく深くてズシンと響く作品だなぁと改めて感じました。

あともう1回観る予定があるので、その時は場面ごとの感想を書いてみたいと思います。

主なキャスト別感想

海宝直人くん(カジモド)

今年初めに見て以来の再会。

2017年1月27日マチネに観劇した、劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』の感想です

あの時、時間が経った後にもう一度会ってみたいと思ったことが実現しました。東京で見たときは澄んだ美しい歌声に説得力のある確かな芝居に魅了されてとても感動しましたが、今回はそれプラスアルファの部分がすごく感じられて…色々とビックリしました。
まず、歌の説得力の力強さが増していたというのがすごく大きい。まっすぐで美しく魅了する歌声は変わりませんが、今回はそれにこれまで感じられなかったカジモドの感情のドラマがものすごく色濃く胸に響いてきたんですよね。時々感情が高ぶって台詞のような歌い方になったりすることもあって、美しい歌声の中にさらに強くカジモドの想いを共感することができた。

「アウト・ゼア」は特にそれを感じたナンバーの一つ。外へ出ていこうと決意するまでのカジモドの心に徐々に湧き起ってくるワクワク感や喜びの感情がものすごく伝わってきて、見ているこちらもそれを一緒に共有するみたいな感覚になったんですよ。今までとは違う海宝くんの歌の力に、気付いたらもう涙が止まらなくなっていて…号泣しまくってしまいました😭。マリウスを演じたことによって、さらに歌の表現の深みが増したなと思いましたね。
それから「石になろう」がまた圧巻すぎて…!!!これまでになかったカジモドの激しい憤りややるせない気持ちが爆発した感じが全て込められてました。なので綺麗な歌声なんだけど、激しく燃え上がるような…壊れてしまう寸前みたいな想いがものすごく強くて…ここも衝撃のあまり涙が止まりませんでしたよ😭。最後の「心、閉ざして」声の伸びはありったけの心の叫びのように聞こえて…圧巻というかなんというか…聴いているこちらの心も破滅しそうな気持ちにさせられるほどでした。その気持ちを保ったままあの声の伸びを維持できることもまた驚愕させられました😮!!

最も泣けたのが、カジモドがフロローを突き落してしまった後に「僕が愛した人たちはみんな横たわっている」と言って泣き崩れた場面です。カジモドをこれまで支えてきた大切な存在を失ってしまったことへの絶望感がひしひしと伝わってきました…。その泣き声のあまりにも哀しく悲痛な響きに、見ているこちらも一緒に声を上げて泣きそうになってしまったほど😭。
そして、エスメラルダの死に悲しみに暮れるフィーバスの頭に手をやった時の優しい仕草がまたグッときました。カジモドとフィーバスはエスメラルダを巡ってライバル関係というか、反発し合う関係でもあったのでラストのこの場面はいつも泣けるんですが…海宝くんの芝居がなんともはかなく弱々しく消えてしまいそうに見えてしまって。あぁ、あのカジモドみたらフィーバスも譲る想いが芽生えるかもしれないといった説得力がありました。

カジモドの父と母が上から見下ろして歌う場面の時は、達郎くんとは違ってあまりそちらに視線を送ることなく、ただひたすらに天を仰いで許しを請うように祈りをささげ涙していました。この表現もなんともいえない哀しみが背中からひしひしと感じられて泣けましたね…😭。そしてカジモドから一人の青年に戻った時の表情は美しく、神々しさすら感じたほど。その落差がまたすごい。非常に印象的でした。

あんな激しい海宝君の芝居を見たのは初めてだったかも。あの芝居のクオリティを毎日演じていたのかと思うとホント衝撃です。進化した海宝君を目撃できたことは本当に幸運でした。とても素晴らしかった!また名古屋でレミゼを頑張るとのことですが、その前に京都に来てくれて嬉しかった。きっとマリウスもさらに成長したものになるのでは。
また時間が経った頃に会いたいカジモドです(そのためにはやはり横浜行くかなぁw)

宮田愛さん(エスメラルダ)

宮田さんのエスメラルダも東京公演以来だったので本当に久しぶりです。岡村さんがちょっと男性的魅力を備えたエスメラルダに思えたのに対し、宮田さんは女性的魅力が大きいエスメラルダだなと思いました。たぶんフロローは宮田エスメラルダに対しては女性的な柔らかさや妖しさに惹かれてしまったのではないかなと。
一番印象深かったのはダンスの美しさです。力強さもありますが、宮田さんの場合はそこにさらに柔らかさとしなやかさが加わっている。エスメラルダが初登場した時のあのダンスには男性のみならず女性たちも釘付けになるっていうの…すっごくよく分かりますよ😃。私も目が離せませんでしたから。そりゃフロローはなおさらだなと😅。指の先から足の先まですべてに細かい神経が行き届いていて素晴らしかった!

カジモドへの接し方も姉御肌というよりは優しい姉のような感じかな。「あの人は僕に優しくしてくれた」というカジモドの台詞がすごく納得できる。「世界の頂上で」を一緒に歌っているときの二人の周りには温かいオーラみたいなものも感じられて、見ていて心がジワっときました。
それに対してフィーバスには女性である一面を魅せる。初めてキスをされて駆け出した後一人で悦に浸る表情がとても印象的でした。これはカジモドには芽生えない感情だなっていうのも悟るわけで見ている方としては切ないんですけどね。

宮田さんはもう一度見れそうなので次も楽しみです。

佐久間仁さん(フィーバス)

やはり何度見てもカッコいい佐久間さんのフィーバス。この人の魅力は何といっても表情です。
登場した時に語られる戦で受けた心の傷。立ち尽くして苦悩に顔をゆがめているあの表情の中に見ているこちらもその凄惨な光景が見えてくる気がするんですよね。なので彼が「息抜きしよう」と羽を伸ばして祭りを楽しんでいることの説得力がある。そんな恐ろしい辛い経験をしたら、少しでも心を休めたくなるよねって共感できてしまう。あの芝居は毎回すごく良いなって思いながら見てます。
あと、色気ですね(笑)。女性を口説くときの目のイケメンオーラがすごいです😁。ありゃみんなメロメロになっちゃうわ、みたいなww。

エスメラルダと牢で最後に語り合い歌うシーンはとても切なくて泣けます。エスメラルダを一人の大切な女性として想う心がひしひしと伝わってきて、刻一刻と迫る最期の時を想うと見ているこちらも胸が苦しくなるほど。
でもねぇ、この場面見るたびに思うんですが…『アイーダ』でのアイーダとラダメスの二人のシーンと被るなぁと。佐久間さんのラダメスと宮田さんのアイーダでも見てみたいって思っちゃいますねw。

佐久間さんのフィーバスもあと1回。心して見届けたいと思います。

後述

前回、京都公演限定グッズを購入していたので…今回は何も買わずにいる予定だったのですが、あまりにも海宝くんのカジモドに感動してしまっってCD購入してしまいました😜。何気に京都公演限定の缶入りマシュマロも同時購入ww。

達郎君バージョンのCDは豪華版で購入済みで、そこに海宝君もボーナス版で収録されていたので改めて買うつもりはなかったんですが・・・今回の見たら、休憩時間に弾かれたように売店コーナーへ向かってしまいましたw。衝動買いしたマシュマロも美味しいです😋。
ちなみに、前回購入した京都限定キーホルダーは完売していました。あの時買っておいて本当によかった😅。

私の『ノートルダムの鐘』観劇も残すところあと1回。次の横浜公演へはたぶん行かれないので(第2期発売とかあればそのあたりで行くかもしれませんが)、しっかり見届けてきたいと思います。