『オペラ座の怪人』はなんと昨年8月以来の観劇!今回海劇場ファントムMy楽を迎えることになりました。
一時期(映画公開前後は特に)毎月必ず海劇場のファントムに通っていたこともあるので来週千秋楽というのはやはり寂しいです。多くのキャスティング見れたし(ファントム・ラウルは全員制覇)、リハーサル見学にも行ったし、ファントムベアも買っちゃったし(笑)・・・色々思い出があります。
最後の観劇ということもありパンフレットも購入しちゃいました。オペラ座の怪人パンフ買うの、それこそ何年ぶりだろう。
千秋楽1週間前ということもあり劇場も大入りでした。いつもは1階A席だったんですが今回久々にやや後ろ寄りながらもS席で観ることができました。久々の1階S席!やっぱり舞台の全体像が見やすくて良かったです~。後方席には多くの学生さんが座っていたんですが、今まで見てきたよりも静かに観劇してくれてて良かったです。楽も近いですしね。
ちなみにいつものカーテンコールのあとに千秋楽特別カーテンコールがありました。暗くなって舞台上に映し出されるファントムの仮面、そして3月21日千秋楽の文字。あ~終わるんだなぁ・・・と感慨深く思っているとキャストの皆さんが登場。マスカレードを振り付けつきで披露してくれました。もちろんファントムもその中に!いや~、ファントムがマスカレードを踊る姿は実に新鮮ですよ(笑)。佐野さんのマスカレードの振り観るのも久しぶりだったなぁ。それだけでも得した気分。
そのあとは林さんと小林さんからお礼の挨拶がありました。東京公演2年2ヶ月というのは今までの中で最長なんだそうですね。赤坂よりも長かったんだ~。
そしてそのあとも何度かカーテンコールが続いて会場もスタンディング。今回は本当に私好みの素晴らしい舞台だったので私も立ちましたよ~!!佐野ファントムは感激をかみ締めるような表情、苫田さんは感動で笑顔が絶えなかったのが印象的でした。
以下、舞台ネタバレ感想です。
劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧
主なキャスト
オペラ座の怪人:佐野正幸、クリスティーヌ・ダーエ:苫田亜沙子、ラウル・シャニュイユ子爵:鈴木涼太、カルロッタ・ジュディチェルリ:種子島美樹、メグ・ジリー:今在家祐子、マダム・ジリー:秋山知子、ムッシュー・アンドレ:林和男、ムシュー・フィルマン:小林克人、ウバルド・ピアンジ:半場俊一郎、ムッシュー・レイエ:喜納兼徳、ムッシュー・ルフェーブル:川地啓友、ジョセフ・ブケー:岡智
約半年強ぶりの『オペラ座の怪人』でしたが、今回観に行って本当によかったと思えるほど素晴らしい内容でした。オーバーチュア聴いた瞬間から「おおっ!キターー!!」みたいなゾクゾク感も味わえたし、何よりもキャストの皆さんがすごく乗っていてこちらまでビリビリと感情が伝わってくる・・・客席と舞台が一体になったようなそんな感動的なひとときでした。
全体的な流れとしては今まで観てきた四季バージョンの『オペラ座の怪人』のなかで一番映画(J.バトラー主演)に近かったような気がしました。特にラストシーンの雰囲気がすごく映画と似ているんですよ。四季でこのことを感じたのは初めてかも!舞台版と映画版はそれぞれ演出方法が違うのである意味別ものだと思っていたのですが、ここにきてより映画に近いファントムとクリスティーヌを観られたのは個人的にものすごく嬉しかったですね。特に印象深かったシーンをいくつか挙げてみます。
<ハンニバルリハーサル>
何が印象深かったかって支配人コンビですよ!林さんと小林さんはいつも息がピッタリでとてもコミカルな演技をしてくれているんですが、今回はその完成形を観たって感じ!ビックリしたのが小林さんです。いつものバリバリ四季発声的な台詞回しではなくものすごく自然体で演技されていたんです。もうこれだけで私感無量・・・!!小林さんに関してはまた後ほど語りたいと思います。
ひとつ気になったのがピアンジの半場さん、ちょっとお疲れ気味?初めて半場ピアンジの声が裏返るのを聞いたような気がします。あと1週間頑張っていただきたい!
<Think of Me>
ハンニバルシーンではちょっと元気がないような感じがした苫田クリスでしたが、このシーンではものすごく感情豊かな歌いっぷりを見せてくれてビックリです!今までけっこう淡々と歌っているような感じだったのでとても新鮮に映りました。客席からも大きな拍手をもらってました。
鈴木ラウルはオペラグラスでほとんどクリスティーヌ追っかけてますね(笑)。ちょこちょこ覗くというよりもジーッとオペラグラスから見つめてる感じがなんだか可愛かったです。
<ミラー>
手に汗握った昨年8月を思い出し、佐野ファントムの「♪わーたしの」が聞こえてくるまでものすごくドキドキしてしまいましたが(笑)今回はとても美しい歌声で大感動!!ちゃんと音程も音符に乗ってるし気持ちも入ってます。昨年のドキドキが嘘のよう・・・。なんかそれだけで私は感無量の気持ちになってウルウルしてしまいました。
<ミュージックオブザナイト>
佐野ファントムの妖しさが際立っていてものすごくよかった!!しかもスタイルいいしカッコイイし、クリスティーヌに執着していく過程がものすごく伝わってきました。ただ惜しかったのは
「♪心の赴くまま~」
「♪夜の調べの中に~」
の2つ。ここは昨年もすごく手に汗握りながら聞いたんですが(笑)やはりちょっとまだうまく感情が音に乗り切れてないです。高い音で感情をぶつけるのって難しいんでしょうねぇ。ここさえ改善すればほんとうに完璧ですよ、佐野ファントム!!
<支配人のオフィス>
ここでも最高な林アンドレと小林フィルマン!もうこの二人に尽きます。小林さんが自然な台詞回しの演技をするとこうも変わるのかって感じですね。鈴木ラウルの凛とした感じも素晴らしかったし。このシーンで私初めて涙出ました。
<オールアイアスクオブユー>
苫田クリスティーヌと鈴木ラウルの愛に満ちた歌も感動的でしたが、やはり佐野ファントムの悲痛な歌声がものすごく痛々しくて印象深かったです。第一声聞いたときからファントムが泣いているのがすごくよく分かる!ストレートに心の痛みが伝わってくるような歌い方で、ほんと涙出ました・・・。そのあと怒りのシャンデリア落とし(笑)するんですけど、そのときのシャウトがまたスマートでカッコよかったです。
<マスカレード>
ここでも最高、林アンドレと小林フィルマン!でも注目したのは苫田クリスと鈴木ラウルかな。とてもスマートでお似合いなカップルでした。久々にラウルがクリスティーヌを肩リフトするところも見れたし、華やかで素晴らしいシーンでした。あ、でもそういえばラウルとクリスが婚約についてあれこれ言ってる間、太鼓たたきのお兄ちゃんがスティック落としちゃってました(笑)。でもそれもご愛嬌~。
<支配人のオフィス>
相変わらず目を惹く林アンドレと小林フィルマン(笑)。でもここで一番注目しちゃったのは鈴木ラウル。ファントムに挑みかかる表情がものすごくカッコよくてドキドキしてしまいました~。あまり派手な演技ではないんですが、要所要所で光ってますよね。
<墓場>
久々にこのシーンで大感動させていただきました!苫田さんのクリスティーヌのなんと感情豊かなことか!!父親を思い出しながら「♪涙溢れる~」と歌うシーンでは本当に泣いているような感じで観ているこちらも思わずウルウルしてしまいました。今までの中で一番ストレートに感情が伝わってきたクリスティーヌだったかも。
そしてファントムとのデュエット。これがもう、またさらに感情と感情がぶつかり合ってて・・・なんともいえないほど素晴らしいハーモニーに!本当にすべてが見所でした。
<ポイントオブノーリターン>
いつも感動しているこのシーンですが、今回一番印象的だったのがクリスティーヌがファントムの正体を知るところ。
いつもは手を握られて顔をつけたときにマスクの感覚でクリスティーヌは悟るんですが、今回の苫田さんは手を握られた時からなんとなく「怪しい」と思い始めててマントを被ったファントムに顔を近づけることを少しためらう仕草するんですよね。
それをファントムがちょっと強引にクリスティーヌに顔を寄せさせて、そこで確信を得た彼女がおびえるといった感じ。このやり取りがとてもスリリングでそれでいて切なくてグッと来ました。なんか今回本当に色々たくさんの発見をくれるよなぁ。
また秀逸だったのが佐野ファントムが苫田クリスに指輪をはめるシーン。もう佐野ファントム、懇願状態でクリスティーヌに半ば中腰になりそうな姿勢で迫るんですよ~。しかもあふれ出る愛がもうどうにもならないみたいな表情で・・・。切な過ぎて思わず涙でました。素晴らしい!!
<ファントムの隠れ家>
ここはすべてが見所!もういつも以上に感動いたしました!3人のコンビネーションが非情に素晴らしい。「♪もはや戻れない」とどうにもならない気持ちのやるせなさを切々と歌った佐野ファントムに苫田クリスが徐々にその心の寂しさを感じ取っていくようなシーンがあったのが特に良かったです。
このあたりが映画版と似ているんですよね。「許さない」と背を向けた佐野ファントムが哀しすぎる・・・。そんな佐野ファントムに聖母のような微笑を浮かべ優しくキスをする苫田クリス・・・!!!このキスシーンは今まで観た中でも3本の指に入るほど感動的でございました!!1度目のキスをしたあと、苫田クリスは優しく母のような愛でポンポンと佐野ファントムの背中をたたくんですよ~~。そして2度目もすごく優しいキスで、佐野ファントムは抱きしめたい感情が爆発しそうになってる・・・でもグッと堪えた・・・みたいな。
いや~~、ここにきてこんな素晴らしい感動的なクライマックスを魅せてくれるとは!!!もうこのシーンだけでもお金払ってよかったって思いましたよ。本当に観に行ってよかった・・・。キスのあとにラウルとクリスを逃がすシーンもまた泣けます。
「♪行け、行ってくれ、お願いだ!!」はいつもどのファントムも切なくて涙出るんですけど、今回の佐野ファントムはまた格別。「行け」と言っているのに私には「ああ、行かないでくれ~~!」と言う悲痛な叫びに聞こえて仕方なかった・・・。そう感じたのはもしかしたら佐野さんが初めてだったかも。もうそれこそ私のドンピシャ的ファントムですよ!!
そして、戻って来た苫田クリスがまた泣ける・・・。もう完全にファントムに心が傾いているのが分かるんですよ。指輪の渡し方も今まで観たクリスの中でも一番愛情がこもっていました。両手でファントムの手を優しく握りウルウルしながら見つめ合う二人・・・「♪クリスティーヌ、アイラブユー」というファントムの最後の告白が今までの中で一番心に響いたかも。クリスティーヌはこのまま怪人とともに残るんじゃないかって思わせるようなシーンで切なくてたまらなかったですね。
そして最後の「ミュージックオブザナイト(リプライズ)」。もう、佐野ファントムブラボーですよ!それ以外言葉なし!!カーテンコールの頭くらいまで涙止まりませんでしたよ、ほんと。そのくらい素晴らしかったです。
キャストの皆さんも本当に素晴らしかったのですが、今回特に印象に残った方たちについて少しだけ。
●佐野正幸さん
昨年初めて観たときに手に汗握りまくっていたのが嘘みたいに進化していて本当にビックリしました!あの時「この人のファントムは私好みになると思う」と書きましたが、本当にその通りになってくれてすごく嬉しかったですね。ある一定の音程の箇所を修正すれば本当に完璧ですよ!このファントムだったら何十回も観たい!って思わせてくれた佐野さん、本当にありがとう!!
●苫田亜沙子さん
彼女も「どうしちゃったの?」ってくらい素晴らしく進化していてビックリしました。以前観た時はあまり印象に残らなかったんですが、今回はまるで別人を観ているような感じ。クリスティーヌの愛を見事に表現しつくしてくれました!!
●小林克人さん
大好きな小林さんですが、いつも気になっていたのがバリバリの四季発声的な台詞回しだったんですよ。言葉はハッキリ聞こえるけれどもちょっと別の見方をすると棒読みっぽく聞こえてしまう。それが、今回全然感じさせなかったのにビックリ!今までの台詞回しが嘘のような自然体の演技!!これ、これを待っていたのよ~~!!って感じで小林さんが出てくるシーンはもう内心興奮しっぱなしでした(笑)。
何かそうさせるきっかけがあったんでしょうか。大阪出身の小林さんらしいコミカルな演技がたくさんあって本当に楽しかった。今まで抑えていたものがバーンと解放されて出てきたって感じかな。あ~、もっと観ていたかったです。
●今在家祐子さん
今まで褒めに褒めまくっていた今回のオペラ座の怪人ですが唯一首を傾げたくなるのがこの方でした(爆)。正直、今まで観てきたメグのなかで一番ヒドイ演技だったかも。けっこう微妙な方も多かったんですが、今在家さんはさらにその上を行きますね。ある意味ビックリ仰天です(苦笑)。
台詞も棒読み、歌もダメ、感情も入ってないとダメダメ三拍子。彼女が出てくるとなんか変な汗かいてましたよ、私(爆)。何故今、彼女がメグにキャスティングされてしまったんでしょうか。それくらい人材不足!?とても舞台に立てるレベルじゃないと思うんですが。あ、ピアンジ殺害のときのシャウトだけは良かったです・・・。
と、ちょっと腑に落ちないこともありましたが(苦笑)全体的にはそれも吹き消すような素晴らしい舞台でした。しばらくまた観られませんが、大阪でも頑張ってほしいですね。