2010年の観劇納めは劇団四季の『美女と野獣』ということになりました。
第2期チケット発売の時にクリスマスシーズンを狙っての購入。ということでかなり前に確保していたのですが…この日がやってくるのは本当にあっという間だった気がします(苦笑)。
ちなみに昨年のクリスマス観劇は同じく四季の『アイーダ』でした。あの時に初めてナベラダ観たんだったよなぁ…とか、メグとのコンビだったなぁ…とか…、色々思い出しますな…。そのときはクリスマスの記念品みたいなものをもらったんだけど、BBは何もなくてちょっと寂しかった。
家を出る前はまったくクリスマスイブを実感できずにいたのですが、劇場の入り口にあった大きなクリスマス仕様の看板を見てちょっとクリスマステンションに。劇場内も可愛い置物がロビーの角っこに置かれていたりしてさらに実感がわいてきました。キャスト表も華やかに。
キャスト表も華やかに。こんな豪華にクリスマスっぽく飾り付けされててたくさんの人が写メしまくってました(私もその一人 笑)。
こんなふうにBBに関するアイテムが色々飾られてましてホントに可愛いかった。で、入り口に入ったら驚くことにテレビカメラを構えたマスコミさんがいるじゃないですか!
BBのクリスマスカテコ目当てか?と思ったんですけど、家に帰ってから理由判明。どうやらテレビ東京系列の経済番組でチケットレスのシステムについての取材が入っていたらしい。同じ日に『モーツァルト!』にも取材が行っていたらしくこちらではおけぴについて特集してました。この番組をちょうどダンナが見ていたのでガッテンした私です(笑)。あぁ、映らなくてよかった(汗)。
劇団四季ミュージカル『美女と野獣』感想一覧
主な出演者
ビースト:飯田洋輔、ベル:鳥原如未、モリース:石波義人、ガストン:田島亨祐、ルミエール:百々義則、ルフウ:赤間清人、コッグスワース:青羽剛、ミセス・ポット:遠藤珠生、タンス夫人:大和貴恵、バベット:長寿真世、ムシュー・ダルク:川原信弘、チップ:牧野友紀
以下、ネタバレを含んだキャスト中心の感想になります。
美女と野獣の夏劇場公演はこれで3回目になるのですが、実は過去2回観てきて…もう今ひとつ「また観たい」と思える何かがなかったんですよね。その原因のひとつがキャストだったかなぁ。福井ビーストも坂本ベルも素晴らしいとは思ったけど正直個人的には好きにはなれなかった気がするんです。なので、もしも私が観劇する週になってもこの二人がキャスティングされていたらチケット放出しようかと本気で思ってました(汗)。
そんな私の心を見透かしたように(←そんなわけないけど 笑)間際になって主役が交代!チケット手放さないでよかったです、ホントに(汗)。
まずはクリスマスカーテンコールの様子から。
通常のカテコのあと幕が開いて主要キャストが中央に並んで「もろびとこぞりて」を合唱。上からはクリスマスのパネルみたいなものが3つ降りてきて舞台上はすっかりいい雰囲気に。さらに幕がもう一つ開くと明かりがついて善キャストが登場。
「もろびとこぞりて」の2番を合唱。最後は全員で英語オリジナルの歌詞で大合唱。私はこの歌に関しては英語詩のほうが慣れているので(昔英語劇で何度も歌わされたので 笑)思わず一緒に口が動いてしまいました。
終わった後は皆さんとってもいい笑顔で幸せな気持ちに。特に飯田君がちょっと感無量みたいな表情になっていたのが印象的だったな。鳥原さんも笑顔が溢れていました。派手ではないけど温かいいいカーテンコールになったと思います。
さて本編ですが、この日はなぜかトラブルがちょっとね…(汗)。
1つはルミエールのろうそくが不調だったこと。ベルが城に入ってきたばかりの時につくはずの火が不発(苦笑)。慌ててコグスワースが吹き消すってシーンなんですが…はじめから火がついていてなかったのでただコグスワースがアタフタ空回りしているように見えてしまった(笑)。
そのあともルミエールの出番はけっこう続くのでしばらく片方のろうそくはほぼ不発のまま、もうひとつも火がついてるんだかついてないんだかみたいな不安定な状況でお芝居が続けられることに(汗)。中盤でベルとビーストのやりとりがあったあとにようやくろうそくが復活。ビーアワゲストに間に合ってよかったと思いました(笑)。
もう1つは舞台装置の不具合。派手で盛り上がって拍手も大きいビーアワゲストのナンバー。この日も絶好調で大盛況のまま終了したのですが、そのあと舞台セット交換を隠すための幕がなかなか下に降りてこない。芝居はいつもと同じテンポで続けられているため幕も必死に下に降りようとしてるんですけど舞台半分くらいまでが精一杯みたいな状況で(笑)。
おかげでスタッフさんたちが腰をかがめて必死にプレートのセットを取り外したりしている姿が今回初めて垣間見ることができました。いつもああやって皆さん頑張っているのね…と感心して見入ってた私ですが、裏ではスタッフさん大慌てだっただろうなと(苦笑)。やっとのことで下まで幕が降りたときにはもうすぐに上げなければいけないようなシーンになってたし。
で、幕が上がってコグスワースたちがベルに城を案内してあげるシーンになるのですが…幕が上に上がったあとにバサッバサッとものすごい音がしてました(汗)。何かが引っかかって上手く作動しなかったのかな。さらにはビーアワゲストのクライマックスで上から降りてくるプレートの板が城のセットが出てきても残ってしまってて…城の上部に皿がいくつも並んでるようなレイアウトに(笑)。でもあれはあれで違和感なかったけどね。案内している途中でようやく本来の城の姿に戻ってましたが…この間のスタッフさんたちの気持ちを思うとなんとも…。こんな日もありますよ、ドンマイ!と声をかけてあげたくなりました(汗)。
次からは上手くすべてが回るように頑張ってほしいですね。
以下、キャストの感想になります。
ビースト@飯田洋輔くん
すごく観たかったんです、飯田君のビースト。他の公演地で観た人が「可愛くてよかったよ」と言ってて評判もなかなかだったので楽しみにしていました。先月本当は観れると思ったんですが土壇場でキャスト変更しちゃって…今回念願の初対面。
いやぁぁ、よかった!!
かなーーり私好みのビーストを演じてくれました。「このシーンはこんな風に演じてほしいな」と思った部分をその通りに演じてくれてて観ていて嬉しくなってしまいましたよ。福井さんのような真面目でオーソドックスなビーストもいいんですが、私はやっぱり最初のベルとのやり取りから子供っぽさを見せ思わずクスッと笑ってしまうようなビーストが好みです。初演で芥川(現・綜馬さん)や石丸さんがそういう芝居をしてくれててそれが好きだったんですよね。飯田君はまさにその路線のビーストを演じてくれました。
それに最初にコワモテで登場した時から「わがまま王子」の雰囲気を出していたので魔女に諌められたというのがすごく腑に落ちてくる。甘やかされてわがままに育った王子でした、ホントに(笑)。
1幕でのベルとのやり取りシーンもすごく楽しかったなぁ。威嚇してる時と必死にその感情を抑え思わずヘタレキャラになっちゃう時との落差の芝居がものすごくいい!子供っぽいんですよね、飯田ビースト(笑)。強がっている中で思わず出てくるヘタレな部分がものすごく可愛くて観てて思わずキュンとしてしまったw。あれは萌えるわ(笑)。
ベルと心が通じ合った後の慌てっぷりも最高です!特に夕食へ向かう前に自信を失いかけてる時の仕草や台詞回しが可愛くて仕方ない。鏡を見て「おおっ!?」と自分に自信を持ったかと思うと「あぁ…ダメダメダメ…」と超ヘタレモードで凹んじゃうあの仕草がたまらなく萌えた(笑)。恋に戸惑い、必死に告白しようとするシーンも弱い自分からなんとか脱皮しようと必死になってて見ていて思わず応援したくなる。
若いのにとても深みのある素晴らしい声を持っているので歌も素晴らしいです。特に「愛せぬならば」の最後の伸びの部分は思わず鳥肌がくるほどの迫力で…それなのに気持ちが折れかかっているから歌い終わった後手すりにガックリとうなだれてしまう姿がなんとも切なくてちょっとウルッときたよ…。あの深みのある声だから野獣の迫力もすごく臨場感あってよかったし。
王子姿もきれいな顔立ちでカッコよかった!もう、文句なしです(笑)。
飯田君は過去に「ジーザスクライスト~」でカヤパとペテロを観ていましたが、私はビーストのほうが断然好みですね。"こうあってほしいな"と思う私の希望をほとんどクリアしてくれた飯田ビーストに拍手!
実は劇団四季とはこの公演を最後にナベさん出てくるまではしばらく距離を置くつもりでしたが、飯田ビーストがいるんだったら『美女と野獣』だけは何回か観に行きたいと思いました。来年早いうちにもう一度会いに行きたいなぁ。その時まで飯田君、ビースト頑張って(笑)。
ベル@鳥原如未さん
やっと…ようやく、若い年齢のベルに出会うことができた(汗)。坂本さんは初演からずっと演じているのでもうすべてが達観していたんですけどベルというにはどうも貫禄がつきすぎて違和感を覚えてきてたんですよね(あくまでも個人的感想なのであしからず)。鳥原さんは今回が初見。宝塚に以前は在籍していたとのことでとても美人さんでございました。肌艶もいいし、年相応のベルって感じでフレッシュな感じ。
登場してきたときはパッと目を惹く若さと美しさに感動したのですが、最初の歌い方と台詞回しにちょっとビックリしまして…坂本ベルとほぼ同じテンポと声の抑揚だった(汗)。あそこまで坂本さんのキャラをコピーしないといけないのかなぁとかちょっと思ってしまった…。
これが四季なんだろうなと。個性出してはいけないのかなぁ、せっかく若くてシャンとしたベルなのにもったいない…とか出だしは思っちゃったんですけど、モリースを探しに出かけビーストと出会うあたりからだんだん鳥原ベルらしさが出てきたかなと感じられました。飯田ビーストとの最初のやりとりなどは若くて気がちょっと強いベルって感じで面白かったですよ。最後のカップルになったところもバランスよかったし、やはり年相応のベルはいいなと(笑)。
ガストン@田島亨祐さん
田島さんは夏劇場開幕してからずっとガストンで頑張っていますが、夏頃に観た時よりもずっとよくなってますね!まさに"ザ・ガストン"っ!すっかり役柄が染み付いたようで動きに無駄がなく表情もとても豊かで見応えがありました。赤間ルフウとのコンビも息が合っていて違和感ないし、悪巧みしてる時の悪人顔もアニメっぽくって面白かった(笑)。
ルミエール@百々義則さん
百々さんも夏劇場開幕から変わらず頑張っていますが、なんとなく下村さんのキャラが宿ってきてるような気がしましたね(笑)。歌とか仕草とかコミカルな芝居とか、なんだか一つ一つに懐かしさを感じたりして。ただどうしても気になってしまうのがあのおっとりとした四季の母音法発声。もうすこしスラスラとセリフが言えれば今ほど違和感ないんだと思うんだけどねぇ…。キャッツで観た時からずっと気になってたから…これはもう観ているこちらが慣れるしかないのかも。ただ、そろそろ違うルミエールが見てみたい。
コグスワース@青羽剛さん
ついにお初のコグスワースに会いましたよ!初演の時も吉谷コグスワースが多かったので新しい人で見るのは本当に久しぶり。青羽さんは少し年齢が若返ってちょっとスマートで気取った感じのコグスワース。それだけにルミエールに翻弄されてワタワタしている姿は逆になんだかとても可愛いのです。姿勢もピンとしててちょっとカッコイイのにいざとなるとどこかヘタレてしまうみたいな。セリフの言い回しもすごく上手いです。特に間がよかったな。客席も青羽コグスワースにドッと沸くことが多かったですよ。とても新鮮でよかった!
モリース@石波義人さん
こちらもお初にお目にかかるモリースさんです!今まで観てきたモリースよりも恰幅がよくてどっしり構えた感じのキャラクターでこちらも新鮮。優しいおじいちゃんキャラっていうよりも、ちょっとどこかに厳格さみたいな部部も兼ね備えてる感じ。ベルとのシーンもいつもとは違う光景が見えた気がします。こんな貫禄のあるモリースもいいんじゃないでしょうか。
それから、アンサンブルの中に『アイーダ』に出演してた大石眞由さんを発見!背が大きいし目も印象的なのでけっこうすぐに分かりました。ナプキン役で華麗に回って頑張ってましたね~。あの頃熱烈応援していた作品に出てた人がこうして頑張っている姿を見るのはうれしいものです。
やはりキャストが変わると作品の色も違って見えていいものですね。飯田君のビーストのおかげでようやく今回の『美女と野獣』公演が本当の意味で好きになれた気がします。行ってよかった。