劇団四季ミュージカル『美女と野獣』2012.01.20マチネ

新年最初のミュージカル観劇は劇団四季の『美女と野獣』です。今年に入ってからまだ"ミュージカル"を観に行ってなくてそろそろかなぁと思っていたのでちょうどタイミングが良かった。

昨年は飯田洋輔くんのビースト会いたさに週一ペースで通い続けていましたがw、今回は洋輔くんは新役準備のためにBBには出演していません。それでも足を運びたいと思ったのは…中井智彦さんがこの日にビースト役としてデビューすると知ったからです。
以前『オペラ座の怪人』を観に行った時にとても印象的だった中井さんのラウル。その時からけっこう気になる存在になってました。これはぜひともビースト初日を見届けたい!ということで前日予約でチケット取りました。ハイ、結局は突発ですw。

それにしてもこの日は雪混じりの天候で本当に寒かった…!まさにモリースが骨まで冷えるっていう感覚を味わったみたいな(苦笑)。でも、久しぶり(といっても一ヶ月ぶりですがw)に大井町に降り立った時にはなんだかちょっとテンションが上がったな。昨年あれだけ通いつめた場所なんでね。

相変わらず団体の学生さんも多い。この演目は本当に団体さんが入る日が多いですよね。演目的にも需要が高く営業がしやすいのかな、とか勘ぐったりして。でも客席が埋まるのはいいことです。しかもこの日は初見のお客さんと私のように中井さんデビューを見届けたいという人も多くきていたようで、客席の反応も良かったように思います。

2階席ロビーにあったガストン酒場がいつの間にかBOGバージョンになってました。マットのところに顔を入れて撮影しているお客さんは…私が見た限りでは見かけなかったw。

劇団四季ミュージカル『美女と野獣』感想一覧

主な出演者

ビースト:中井智彦、ベル:坂本里咲、モリース:松下武史、ガストン:野中万寿夫、ルミエール:百々義則、ルフウ:遊佐真一、コッグスワース:青羽剛、ミセス・ポット:早水小夜子、タンス夫人:大和貴恵、バベット:長寿真世、ムシュー・ダルク:田辺容、チップ:牧野友紀

以下、ネタバレ含んだキャスト中心感想です。

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キャストボードを見て、なんかちょっと胸が熱くなったかも。洋輔くんのときとは違った高揚感があったなぁ。いよいよ新しいビーストのデビューを目撃するんだなぁって思ったら自然とテンション上がってしまった。

既存の作品で新しい役者が主演デビューする瞬間に立ち会うのは今回が初めて。そう思うとなんだか特別な日のように思えてしまう。

他にも昨年とは違うキャストの方がチラホラ。特にガストン!昨年末にようやく田島さんが長きお勤めから解き放たれ・・・野中さんが入られました。それからポット夫人に早水さん、ガストンの取り巻きガールズも微妙にメンバーが変わっていたように思います(ウィンクされて倒れちゃうガールさん)。
坂本さんと松下さんと野中さんはBB初演体験者ですし、全体的にはとても締まったいい舞台だったと思います。なんか皆がデビューしたての中井さんを見守るような…そんな雰囲気もあったかなぁ。

今回いつも以上に真剣に見入ったのはビーアワゲストのシーンだったかな。今ちょうど日テレ系情報番組ヒルナンデスでいとうあさこさんがベル挑戦っていう番組をやってて。ビーアワゲストのレッスンの様子がとても印象的だったんですよ。皆さん簡単そうに躍っているように見えて、ものすごく高度な技術の連続なんだということが分かりました。いやぁ、本当にミュージカルって凄いんだなぁと。
いとうあさこさんのその後の展開もになる。ベル未定キャストだった時にふっと「まさか、あさこさん?」とか思った私(笑)。

カーテンコールは通常のに加えて3回くらい多くあったように思います。これはたぶん、中井さんがデビューだと知っていたお客さんが拍手を続けていた影響があったんじゃなかろうか。
最初はちょっと感無量っぽい表情を見せていた中井さんも最後のほうは満面の笑顔で客席隅々まで手を振って袖に下がっていきました。私もなんか、自然に、4回目くらいのカテコで思わずスタンディングしちゃった…。この場に立ち会えたことに感動しちゃったなぁ。中井さん、ビースト役デビュー本当におめでとうございました!

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以下、キャスト別の感想。

坂本@ベル松下@モリースの安定感は流石ですね。特に坂本さんはかなり連投が続いてますが、そんな中でもきっちりとベル役を魅せてくれているのがすごいです。

中井さんが新人ビーストなので、なんか、洋輔くんの時以上に"お母さんベル"って印象が強かったんですが(笑)ちゃんとビーストへの恋愛感情も伝わってくるし、逆に温かい感じでいいカップルだなぁと思いました。中井さんが熱演しすぎてビーストの手の皮手袋みたいなのを破ってしまった時、その切れ端が舞台上に落ちていることに気がついた里咲さんが自分にライトが当たっていないときにさりげなく拾って処理していたのを目撃。昨年もティッシュが落ちてしまったのをさりげなく動きながら拾っていたし、こういう機転はさすがだなぁと今回も感心してしまいました。
松下モリースは長寿バベットにひざ掛けをかけてもらったときにデレデレしているのが可愛かった(笑)。

野中@ガストン、いったい何年ぶりだろうか…。気になって昔のキャスト表を探ってみたら、なんと、赤坂初演で一番最初にBBを観に行った日(97年)以来だった!!約15年ぶりの再会ですよww。あの当時の野中ガストンのことは実はほとんど覚えてなくて(ビーストのインパクトが強かったので 汗)ほとんど初めまして状態でした。

いやぁ、面白かったよ、野中ガストン!田島さんとは本当に雰囲気がまるで違います。田島ガストンが硬派なガストンだとしたら、野中ガストンはかなり軟派なほう。時折チャラ男っぽく見えて本当に面白かった。ベルを口説いてるときが特にチャラ度が高かった気が…(笑)。

で、ベルに振られた後のふてくされっぷりがスゴイ!田島ガストンは酒場で凹んでるって感じだったのに、野中ガストンは振られたことに対しすでにメラメラと怒りを募らせてて既に悪モード突入(笑)。悪いチャラ男って感じ!?マグカップダンスの時の弾けっぷりもすごくて、終始音頭とって周りを鼓舞しているような雰囲気だったのが印象的です。

田島ガストンがジワジワと悪の道に足を踏み入れていくのに対し、野中ガストンはスパーンと悪の道に入っちゃってる感じかな。ガストンという好感度から言えば、田島ガストンのほうが同情的に見えるしホントはイイ奴だったのに…みたいに思えるかも。そういった意味では野中ガストンはとても新鮮で見応えありました。
ただね…、お年が顔に…(汗)。いや、田島さんがけっこう若々しいガストンだったので・・・野中ガストンの第一印象が「なんか、ガストン、老けた?」だったんです・・・(汗)。ごめんなさいっっ!(←すげー失礼だよ 汗汗)。

早水@ポット夫人、久しぶりに見たけどやっぱり母性が出ていて好きだなぁ。チップに対する母の顔、雰囲気が本当に温かくて深くて感動的です。そしてビーストに対してもやっぱり母性が出てる。後ろからそっとアシスト師弟ゲルみたいな雰囲気が好き。♪美女と野獣♪のナンバーもベルとビーストのいい雰囲気を前面に出すような歌い方でとても良かったです。

百々ルミエール青羽コグスワース長寿バベットは相変わらず楽しいし安定感のあるお芝居。大和タンス夫人は下着が出てきた時の笑い方の迫力が一段とアップしてた(笑)。遊佐ルフウはベテランの野中ガストンとの息もピッタリでいい動きをしてました。この日はルフウのアクションに対する客席の反応がとても良かった気がします。

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最後にこの日デビューした中井@ビースト

なんか、冒頭で野獣に変えられた姿で出てくるまで緊張しちゃったよ、私がw。鏡はマントから出す感じではなくて最初から手に持ってる感じだったかな。

モリースに怒鳴るシーンはとても良かったです。声にも張りがあるし、ちゃんとカミナリ鳴っていても移動する姿は映らないように動いてたし(洋輔くんはよく見えちゃってるんだけど 笑)ガオーの効果音も合ってた。吼える表情はかなり迫力ありましたよ。

ベルと最初に出会うシーンは、まだちょっと動き慣れていない感じが出てたかなぁ。出てくるタイミングがこれまで見てきたビーストの中で一番早くて見てて手に汗握ってしまった(汗)。それと動きが段取り通りというか…けっこうカクカクしてたかも。余裕がない感じ。中井さん、必死なんだろうなぁって思って見ているこちらも緊張してしまった(汗)。

ただ、ベルを部屋に案内するときの芝居はなかなか良かったです。かなり最初からヘタレが前面に出てるかも。ベルに拒絶されたショックを引きずってしまってる…みたいな。最初からベルに負けてるビーストっていうのも可愛いとか思っちゃった(洋輔くんよりもヘタレだと思ったし 笑)。

ベルを夕食に無理やり誘うシーンでの中井ビーストの熱さはすごかったなぁ。もう、本当に、『必死』!!全速力ですよ。で、全力すぎてビーストの皮手袋がちょっと破けちゃってた(笑)。ビーストの手のところがずーっとペラペラしてて気になったんですよね、あれ以上取れちゃったら大変、とか思ってww。夕食を自分で作りに行こうとする時も動きに余裕がなくてバタバタしてて、鏡のかけ方とかけっこう雑だったけどww逆にリアルに見えてよかったかも。

ベルが西の塔に入ったのを諌めるシーンでは、これまた今まで見てきたビーストの中で一番早くに姿を見せててちょっとまた手に汗握った(笑)。バラに触ろうとするベルを見て突然カーテン向こうから「触るなっ」と出てくるのが今まで見てきたパターンでしたが、中井ビーストはベルがバラに近づいていった時点で姿現してて触るか触らないかの微妙なタイミングの時に「触るなっっ」と怒鳴る感じ。ここのタイミングは追々修正されていくかもしれません。

でも、『愛せぬならば』のナンバーはとても素晴らしかったよ!!なんか、全身全霊かけて歌っているのが客席にヒシヒシと伝わってきた。声が裏返るかもっていうギリギリのところまで上げて切々と歌いこんでいる姿を見て、思わず涙してしまった…。中井ビーストの魅力はあの熱さだと思う。

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2幕でベルを助けに入るシーン、ガオーーっのときの口の開け方が半端なくスゴイ(笑)。吼える時も全力疾走の中井ビースト!

印象的だったのは、ベルに初めて「助けてくれてありがとう」と礼を言われた時の反応です。これまで見てきたビーストはけっこう早いタイミングで「どういたしまして」と返していたのですが、中井ビーストは言われた瞬間にものすごく戸惑ってて、そのあと召使たちを見回して、そして息を呑んだ後に初めて「どういたしまして」と返してました。おそらくあのシーンで一番時間を使ったビーストだったような気がするw。あの反応がもしかしたら一番自然だし私は好きなんですが、舞台進行の事情でもしかしたら今後もう少し短縮されていくのかもしれません。

さらにスープを飲んだ後の反応もけっこう時間をかけていたような気がします。あそこはナンバーもかかっているのでタイミング大丈夫かな、とか思ったんですが、音響さんの協力もあってか上手く切り抜けてました。

ベルへのプレゼントをルミエールたちと考えるシーンは好きだったなぁ。これまでは彼らに任せて考えが出てくるのをソワソワ待っているタイプが多かったけど、中井ビーストはルミエールたちと離れたところで一緒になって腕組んで「うーーん」って考えてるんですよ(笑)。あの姿は萌えた!!!熱くて可愛いw。

図書館でベルに本を読んでもらっているときの中井ビーストは、たぶん、一番幼く見えるかもしれない。そのせいか、里咲ベルが超お母さんベルに見えてしまった(笑)。もう、本当に子供みたいに無邪気で。反応の一つ一つが分かりやすいというか、熱血と言うかw。たぶん、余裕がないんだろうなぁなんて思いながらちょっとドキドキしながら見たシーンでもあります。

夕食前のヘタレビーストシーン、あそこはちょっと洋輔くんと雰囲気が重なる感じ。怯えてる姿が可愛い!で、鏡を見せられる時の時間の使い方がこれまた一番長かったw。自分の姿を見て「えっ?」となった後に横向いたり後ろ向いたりと、まぁ、熱心に確認してましたわ(しかも2回とも 笑)。可愛いんだけど、けっこう時間使いすぎかも!?

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感動的だったのはダンスのあとベルを返してしまうシーン。ベルが行ってしまったあとの凹みっぷりが尋常じゃなくてボロボロ泣きながらリプライズ歌ってるんですよ…。熱く熱くベルを愛した故にその失った衝撃はあまりにも大きいって感じだったな。ここで私、またしても思わずもらい泣きしちゃったよ(涙)。

そして、王子変身。いったいどんな王子が出てくるのか…瀕死のシーンあたりから緊張感高まってた私(←コラw)。で、無事に王子様に変身したわけですが…、ひゃーーーー、中井さん、若い!!!!ラウルではヒゲがついていたけれど王子はヒゲなしですから、なおさら若く見えたのかも。洋輔くんよりも若く見えたよ(笑)。なんとも初々しい、肌もつやつやだし、本当にキラキラ王子様。こりゃビックリだ!これは一見の価値ありではないでしょうか。

変身した後、召使たちを抱きしめる王子のシーン・・・その抱擁の熱いこと!!もうヒシッッと抱きしめてるよ。心底嬉しいんだろうなぁっいうのがリアルに伝わってきた。

ベルとの最後のダンスシーンはとても初々しい感じ。笑顔も若々しく爽やかで素敵な幕切れ。中井さん、初ビーストにしては台詞回しも良かったし歌声も安定してとても素晴らしかった。動きに余裕がない感じもビーストの戸惑いと上手い具合にリンクしていて違和感なかったし(笑)。これでもう少し慣れて表情にも余裕が出てきたらさらに素敵なビーストになるんじゃないかなと思いました。今後がとても楽しみです!

そんなわけで、洋輔くん以外にも個人的に気になるビースト発掘!私の中の一番は洋輔くんのビーストだけど、中井ビーストも今後見守っていきたいなと思いました。期待しています。

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