ここ最近の劇団四季についてはちょっと理解しがたいことが多くしばらく遠ざかっていたのですが(苦笑)、夏に押さえていた『ウィキッド』で久々に四季作品復帰してきました。
今回は母親と一緒です。是非一度、濱田さんの歌だけは聞いてほしいなと思っていたので誘ったのですが、結果的にとても感激してくれたのでよかったです。
主なキャスト
グリンダ:沼尾みゆき、エルファバ:濱田めぐみ、ネッサローズ:山本貴永、マダム・モリブル:森以鶴美、フィエロ:李涛、ボック:金田暢彦、ディラモンド教授:武見龍磨、オズの魔法使い:松下武史
ネッサがセカンドキャストになりました。他は開幕当時と変わっていないようです。
以下、ちょこっとネタバレの感想です。
正直なところ、つい先日の四季コメントで相当テンションが落ちていたので『ウィキッド』を観に行くことへの楽しみというものがちょっと薄らいでしまっていました。劇団四季の作品や出演している俳優さんは好きなのに、あんなことでテンションが上がりきらないっていうのもなんとも複雑なことでして…。本当にあれは個人的にもタイミングが悪かった。
ですが、実際に舞台が始まって見ると・・・やっぱり悔しいくらいに素晴らしかった『ウィキッド』。8月に観て以来だったのですが、ますます熟成されている感じでレベルの高さをまざまざと見せつけられたって感じがしてしまいました。主要キャストはネッサ以外オープニングから同じメンバーでしたが、ちょうど今頃が脂が乗ってきていい感じになってますね。
グリンダとエルフィーが次第に心を通わせていくシーン、特にダンスホールのところが以前にも増して濃く作りこまれているようで感動的でした。その後の二人が親密になっていくのも以前より絆が深くなっているように感じられてよかったと思います。
フィエロが絡んでくると、グリンダとエルフィーはお互いを思いやる心を忘れてしまったかのように「自分のため」という信念で行動してしまう。皆から愛されながらも本当に愛してくれる人を探していたグリンダと、いつも疎外感を感じていたがゆえに愛に飢えていたエルフィー・・・彼女達の心の寂しさが伝わってくるだけに後半は切ないですね。
でもやっぱり一番この物語の中で気の毒なのはネッサだよなぁ…。彼女に落ち度はないし、ただ愛されたくて寂しかっただけなのに・・・オズの魔法使いのストーリー冒頭で死んでしまう魔女がネッサだというのは本当に哀しすぎるなぁと思ってしまいます。
クライマックスは今まで2回見てきて「シビアなラスト」だと思ってましたが、今回観た時はこれもありかなって思えてしまいました。グリンダもエルフィーも、二人ともお互いの幸せは掴んだってことですし…。でもやっぱりちょっと切ないですけどね。
楽曲は本当に素晴らしいものばかり!そろそろCD購入しようかなぁ。四季からCD出す予定はあるんだろうか?オリジナル版を購入するのも時間の問題かも(笑)。
グリンダの沼尾みゆきさん、「おばか」っぷりがますます進化していて(笑)とっても可愛かったです。歌声もすごい安定していたしきれいでした。
エルファバの濱田めぐみさん、本当にこの人は底知れぬパワーを持ってますなぁ~。オープニング当初と変わらない素晴らしい歌声や演技にホント脱帽です。
ネッサの山本貴永さんは今回初めてだったのですが、苦悩する演技がとても印象的でした。ソロの部分の声の迫力がもうひとつほしかったなぁと思います。
フィエロの李涛さん、以前にも増して色男ぶりがアップしててカッコよかったです♪日本語の台詞も少しマシになってきたかな(笑)。モリブルの森さんもオズの魔法使いの松下さんもボックの金田さんも皆さんとても素晴らしかったです。
ちなみに、今回、小林さんが亡くなられてから初めての四季舞台観劇だったので・・・舞台とは別の意味でやはり最初は涙が出ました・・・。この舞台に小林さんが立つ日もあったかもしれないと思うとやっぱり居た堪れなかったです・・・。
『ウィキッド』に出演している俳優さん達は本当に素晴らしくて私たちを感動させてくれました。だからこそ、潰してほしくない!志半ばで逝ってしまった小林さんのことを思うと、心の底からそんなことを思ってしまうのです。長いロングランになる作品だと思います。うまくローテーションしていつまでも素晴らしい舞台を見せてほしいと思います。