いよいよ怒涛の観劇週間も区切りのときを迎えました(笑)。最後はこれでマイ千秋楽となる劇団四季ミュージカル『ウィキッド』です。当初は7月の北澤さん目当てで観たあの日でマイ楽の予定だったのですが、やはり最後楽の週にもう一度観たくなりまして…何とかチケット入手いたしました。
千秋楽も近いということで先週あたりからウィキッドの“千秋楽限定手ぬぐい”が売り出されているという情報をゲット。この“限定”という言葉にめっぽう弱い私(爆)。偶然同じ日に観劇予定だったネット友様と早めに待ち合わせてお昼を食べ、1時間ちょっと前に劇場前に行ったのですが・・・皆思うことは同じということで(笑)大行列!事前に仕入れた情報によると、今週から100本限定で1人3枚までということになったらしい。
・・・ちょっと待て!(以下、愚痴オンパレードです 爆)
この楽の週にやってくるお客さんは『ウィキッド』が大好きで楽に近いということでチケットを取ってた人が多いと思うんですよ。限定商品なんてファンだったらほしい人多いはず。限定で100枚しか出せないというのは理解できます。
が!“1人3枚まで”っていうのはどういうことでしょうか。極端な話、全員が3枚ずつ買っていったら30人ちょっとの人しか買えないって計算じゃないですか。こういう枚数が限定されている商品はほしい人が殺到するの分かってるんだから1人1枚にしてほしいですよ。複数ほしい人は再度並ぶとかそういう風にするべきじゃないでしょうか。
後ろのほうの人もかすかな希望だけを胸に並んでいるわけで…それでも発売から5分ちょっとで完売。見事撃沈…。1人1枚制限だったら・・・私も買える位置にいたと思うのになぁ。もっと多くの人に行き届くような配慮をしてほしかったです、ほんとに。
すみません、ここまで愚痴です(爆)。
悔しいので、売り切れた後に飾られた限定手ぬぐいの写真だけ撮ってきました…(苦笑)。
可愛いよなぁ・・・デザインも。これでウィキッドはもう当分お別れなのでやっぱり記念に欲しかった。
さて、気を取り直して。6日に千秋楽を迎えるとあってか劇場もものすごく盛り上がってました。千秋楽や前楽のチケットはよほど運がないと確保できないので、せめて楽の週に・・・といった私と同じような気持ちの方が多かったと思います。久しぶりに海劇場が大混雑してるのを見ました(笑)。
カーテンコールもかなりの盛り上がりっぷりで・・・何回くらい出てきてくれたかなぁ。最後のほうは照れながらも沼尾さんが投げキスをしてくれたりして可愛かったですよ。江畑さんも北澤さんも・・・そのほかの出演者の皆さん、本当に感無量といった表情で・・・見ているこちらも胸いっぱいになりました。
ただ・・・ここでも思ったんですが・・・今週が自分の千秋楽だと思って来ている人が多いって・・・分かってるはずなんだから1週限定の特別カーテンコールとかやってくれればよかったのになぁ、なんて。たしか『オペラ座の怪人』や『キャッツ』のときは1週間か2週間、千秋楽間際に特別カーテンコールをやってくれたのになんで『ウィキッド』は2日間限定(楽と前楽)なんだろうか。
・・・と、すみません、またしても愚痴が(苦笑)。
主なキャスト
グリンダ:沼尾みゆき、エルファバ:江畑晶慧、ネッサローズ:山本貴永、マダム・モリブル:八重沢真美、フィエロ:北澤裕輔、ボック:金田暢彦、ディラモンド教授:前田貞一郎、オズの魔法使い:飯野おさみ
気がつけば、7月最後だと思って観劇したときのキャストとほとんど同じだった。違うのはボックが伊藤さんから金田さんになってたくらいかな。
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
2ヶ月ぶりに観て思ったのは、すごくいい意味で枠からはみ出した『ウィキッド』だったなぁということです。劇団四季ってアドリブは禁止と聞いてますし、毎回けっこうきちんと枠の中に納まったような優等生的な舞台のことが多いんです。
ところが、今回見たら・・・それぞれの役者さんが自分のキャラクターをちゃんと物にされてて芝居に余裕があるように見えたんですよね。余裕があるからマイクで拾わないような相槌やちょこっとした台詞とかも入れてるし、表情もとても豊かだったんですよ。それがすごく新鮮でなんだか感動してしまった!全体的に柔軟になったというか・・・かえって『ウィキッド』の世界がとてもリアルに思えました。
そして改めて思いましたが・・・やっぱり音楽がいい!!すごく好みです。歌っている役者さんも上手い人揃いなのでホント楽しませてもらいました。大阪公演を楽しみにしている皆さん、かなり期待していいと思いますよ♪今回はキャスト別に感想を書いてきます。
グリンダ@沼尾みゆきさん
毎回毎回、「グリンダそのもの!」と感動させられ続けてきましたが、この日はさらにその上をいってました!頭の先から足の先までグリンダというキャラクターを見事にモノにされてます。おバカなところもあるけど憎めない可愛いグリンダ。実は人一倍友達想いなところとか・・・色んなシーンでものすごい感情移入してしまった。それに、お芝居がとにかくものすごく自然です。最初の頃は四季独特の発声が気になったりすることもあったのですが、今では聞き取りやすい口調で自然に台詞を言ってるし、それに、細かい仕草が増えたりもしてましたね。特にエルフィーに対してマイクで拾わないような相槌や言葉をかけたりすることが多くて、グリンダとエルフィーの友情が今まで以上に色濃く感じられました。
グッときたのはオズの国の人々がエルファバのことを悪い魔女だと騒ぎ立てているシーン。沼尾グリンダ・・・その言葉を聞きながらとても心を痛めているんだけど、表に出すわけにもいかずすごく複雑な表情してるんですよ。あれはとても切ない(涙)。それからエルフィとの別れのシーン。ここはもう言わずもがな。グリンダがいかにエルフィを大切に想っていたのかがものすごく伝わってきて泣けました(涙)。
笑いから涙まで、とにかく本当に素晴らしいグリンダを見せてくれました。多少声に疲れが出てるかなと思うシーンもチラホラありましたが、ほとんど気にならず・・・高音のハリは本当に感動的でした!長い間グリンダを演じてこられたので、少し休憩して頂きたいですね。素敵なグリンダをありがとうございました。
エルファバ@江畑晶慧さん
江畑さんのエルフィは今年の6月、7月と数えて今回で3回目になるんですが・・・夏に見たときよりもかなり力が抜けて芝居もナチュラルになってきていました。沼尾さんがすごく自然でよかったので、それに引っ張られたのかもしれませんね。江畑さんのエルフィってグリンダと同等の友達というよりも、ちょっと反抗期な妹って印象で可愛いんですよ。モリブル先生に魔法を認められたときの嬉しそうな顔は観ているこちらも嬉しくなるくらい。グリンダに対する接し方も悪く言っているようで実はすごく慕っているのが分かる。こんなエルフィもありだなと思わせてくれました。
そして何よりも、あの、歌い上げるときの声のハリと伸びですよ!彼女の声は本当に迫力があるし聞いているとこちらの胸が熱くなってくるような不思議な魔力があります。特に「自由を求めて」のナンバーはガンガン心に迫ってきますよ!前回もあまりの迫力に涙してしまったのですが、今回も気がつけば落涙してる自分がいました。そのくらい、彼女の歌は感動的です。素晴らしい。
惜しむらくは・・・やっぱり芝居の部分かなぁ。夏に比べるとずいぶん自然でよくなってきているとは思うのですが、やはりまだ四季の発声による台詞回しに苦労してるのかなって思う部分がある。これはたぶん、濱田さんの完璧な台詞回しを見てしまったからだと思うんですが・・・。そこが改善されればもっとよくなるんじゃないかなぁ。歌い上げ系のナンバーだけじゃなくて他の曲にも余裕が出てくると思います。今後も頑張ってほしい女優さんです。
フィエロ@北澤裕輔さん
まさか、千秋楽の週にも北澤さんに会えると思いませんでした。7月に観たときが最後だと思い込んでいたもので・・・(汗)。正直、もう一度北澤@フィエロに出会えてほんっとに嬉しかったです!ただ、夏頃に体調を崩されているようだと聞いて・・・なんだかとても心配でもあったんですよね・・・。ずっと連投続きで大変だったんじゃないでしょうか。
なので、嬉しい気持ちと心配な気持ちが入り混じった感じで北澤さんの登場を待っていたんですが…あのエルフィとの初めての出会いのシーンで寝そべって出てきたときに“不安”という感情が吹き飛んでしまいました(爆)。やっぱ・・・カッコイイし素敵だ!!!もうそこから夢中でオペラグラスで北澤@フィエロをガン観状態(笑)。顔色もよかったし、歌声も張りがあるしきれいに伸びていたのですごく安心して北澤@フィエロに萌え続けることができました(笑)。
「人生を踊り明かせ」のナンバーはダンスが多いんですが、そこの動きだけはちょっとやはりギコちないかな・・・なんて思ってしまうんですが(汗)、あの素晴らしい歌声と笑顔で私は十分でございます。ほんっと、魅力的だわ・・・北澤@フィエロ(←もはや完全にファンモード突入 爆)。
さらにドキドキするのがエルフィとのデュエット「二人は永遠に」です。もう・・・ここのシーンでの北澤@フィエロのエルフィーに対する優しさが・・・涙が出そうになるほど素敵なんです。江畑@エルフィーは妹的な雰囲気なのでなおさら北澤さんの芝居が繊細で優しく見えるのかも。♪永遠に~♪の声の伸びも素晴らしかった。あそこのシーンは何度見てもエルフィが羨ましくなりますね(壊)。
そして今回もう一つグッと来たのが護衛兵にとらわれてしまうシーン。グリンダから「ただエルファバを愛していただけなのよね」と声をかけられたときの何ともいえない哀しそうな切ない表情に胸が痛みました(涙)。そんなフィエロが最後かかしになってしまうんですが、エルフィと再び出会うことができる。そのときの「なぁに?」とか、「おいで」とか、その台詞の一つ一つがとても優しくてまたまたグッとくるんだよなぁ(萌)。
北澤さんのフィエロは遅まきながら今年の6月に初めて出会って・・・そこから一気に陥落させられました(笑)。と、同時に、北澤さんのファンにもなりました。それほど魅力的だった。でも、やはり終わった後は少し休息して頂きたいかも。心と体をゆっくり休めて、また違う舞台で素敵なお芝居や歌を魅せて欲しい。心奪うようなフィエロを演じてくれたこと、ほんとに感謝してます!
ネッサ@山本貴永さん
山本さんのネッサは感情がこもってるし歌声も張りがあるので大好きだったのですが・・・この日に観た山本@ネッサはさらにその上をいってた気がします。一つ一つの感情表現がとても繊細で、ことあるごとにネッサに感情移入してしまいました。ボックからダンスに誘われたときの嬉しそうな顔は観ているこちらも思わず笑顔になってしまうほど可愛かったし、ネッサの喜びが痛いほど伝わってきました。
それだけにあの2幕の「東の魔女」シーンは今回特に切なかった(涙)。ただただボックに愛されたかっただけのネッサの切ない思いが痛いほどわかる。山本さんの絶唱とも言える感情表現が本当に素晴らしかったです。
ボック@金田暢彦さん
私は今までボックはどちらかというと伊藤さんのほうが可愛くて好みだったんですよね。公演当初の金田ボックはなんだか見ていてイライラすることが多く、ほとんど感情移入することができなかった(苦笑)。
でも、今回見て・・・初めて金田ボックの切ない想いがものすごく伝わってきました!ボックもただグリンダに愛されたかったんですよね…。そのことを言い出す機会を失ってしまうもどかしさ、切なさ・・・ここにきてようやく感情移入できたかも。表情の一つ一つもすごく豊かになっていたし、これならもっとたくさん金田さんのボック見たかったかも・・・なんて思っちゃいました。
モリブル@八重沢真美さん
前回観たときまではただただ怖かった八重沢@モリブルだったんですけど(笑)、今回はちょっと人間的に丸くなったかなと思いました。気のせいかもしれませんけど(笑)。でも、あのオズの国で豹変するまでは以前よりも台詞回しとか雰囲気がソフトになったように感じられました。そのほうが私的には好みかも。2幕後半の迫力はまさに“悪い魔女ウィキッド”そのものって感じで怖かったですけどね(笑)。
ディラモンド@前田貞一郎さん
ヤギのディラモンド先生ですが、今回は楽も近いからか「メェェェ」の鳴き方が以前聞いたときよりも長めに感じられました(笑)。言葉を失いそうになってるディラモンド先生はなんだかとても苦しそうで、エルフィが感情移入してしまうのも分かる気がしました。哀愁があってよかったです。
オズ陛下@飯野おさみさん
ひたすらカッコイイです!ダンディなオズ陛下です!特に♪ワンダフル♪の時の飯野@陛下の軽快な動きと歌声は見ているこちらも楽しくなってしまう。そんな楽しく優しい一面とマダム・モリブルとの悪巧みしてるときの落差の出し方がやはりとても上手いです。ダンディーでちょっとダークな飯野陛下、大好きでした。
他のキャストの皆さんも・・・やはり四季はレベルが高いと思ってしまいますね。先日観た「AIDA」のアンサンブルよりも動きにキレがあるなと感じたし。それに歌声がハッキリ聞こえるしハリがある。まさに、楽週に相応しい素晴らしい舞台でした。
これで私の『ウィキッド』観劇も終了です。約2年間で8回観ることができました。その間に四季に関しては色々と考えさせられることもあったし、悲しみに沈んだこともあった・・・。ホント、いろんなことがあったなぁ。特に2年前の9月は『誰にも愛されることなく死んでいった』という歌詞に過剰反応して一人で号泣したこともあったっけ…。
次は大阪で上演されるようですね。初めてご覧になる皆さんも多いと思います。私としてはかなりオススメのミュージカルなので大阪の皆さんも楽しんでくれるといいな。
2年間、感動をありがとう、ウィキッド!