2022年明けました。今年は喪中のため新年のご挨拶はできませんが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。相変わらずな暑苦しい文章オンパレードになると思いますがw、気が向いた時におつきあいくださるとうれしく思います。
2022年最初の観劇は『劇団四季のアンドリュー・ロイド=ウェバー コンサート~アンマスクド~』となりました。この公演を…福岡の博多まで観に行ってきました!
今回の公演は全国12都市を巡るツアーということで、そこに岡山も近場の香川も残念ながら入っていなかったんですよね(苦笑)。広島公演は抑えてあるのですが、その前に何としてももう1回くらい見ておきたくて…。で、いつもお世話になってるw大阪を考えたのですが…あまりにもド年末すぎたので断念。
そして目に入ったのが「福岡」。博多への観劇は2回くらいしかなくて地理もほとんどつかめないのですが、座席がけっこう良い場所残っていたので思い切って南下することを決断w。岡山から新幹線でだいたい2時間ちょいくらいだったかな。
極度の方向音痴なので行く前に入念にグーグルマップでシミュレーション、何とか迷わずに行くことができました(笑)。キャナルシティは前に行ったことがあるのですが、現在そこでは同じく四季の「キャッツ」上演中だったようなので今回は福岡サンパレスホテル&ホールという場所でした。
施設的にはけっこう年季が入ってる印象がありましたが、リニューアルもされたのか化粧室がとても奇麗だったし数もそこそこ。座席も見やすく良い劇場だったと思います。
物販ではパンフレットとクリアファイルを購入したのですが…、ちょうど私のところでパンフレットが品切れ状態になってしまってビックリしました(汗)。持ってくる量が少なかったのだろうか。ちなみに、今回買えなかったら後々郵送ということになったようです。
この日の客入りはだいたい7~8割くらいだったかな。1階席の後ろの方はけっこう空席があったのが残念。それでも、お客さんの熱量はかなり熱くてカテコもめちゃめちゃ盛り上がりました。
以下、超ネタバレを含んだ感想になります。
2022.01.07マチネ公演 in 福岡パレスホテル&ホール(福岡・博多)
出演キャスト
笠松哲朗、山下泰明、飯田洋輔、飯田達郎、白瀬英典
真瀬はるか、吉田絢香、平田愛咲、谷原志音、江畑晶慧
今回はアンドリュー・ロイドウェバーご本人の映像がふんだんに出てくるということで、その吹替を青羽剛さんが担当されていました。
作品概要と全体の印象について
アンドリュー・ロイド=ウェバーと劇団四季は切っても切れないほどの深い関わりがあります。1973年初演の『ジーザス・クライスト=スーパースター』をはじめ、『オペラ座の怪人』『エビータ』『キャッツ』『アスペクツ・オブ・ラブ』全5作品が現在も様々な都市で上演され続けています。『アスペクツ~』はけっこうブランクが空いてるのでそろそろ上演してほしいところかなぁ。
最初は2018年にロンドンで『Unmasked』としてワークショップ形式の公演が行われ、その後2020年にアメリカのニュージャージー州で上演されたそうです。それを経ての日本上陸。
特徴的だったのは、ロイドウェバー本人の作品やナンバーについての裏話や感想が映像として随所に登場してくることです。最初の携帯の電源や録画録音禁止のアナウンスもロイドウェバーがホラー調に警告する映像が流れるくらいでした(笑)。
ロイドウェバーの作品が好きな人にとっては、これはかなり贅沢で貴重なコンサートじゃないでしょうか。本人自らが色々とユーモアや皮肉も交えてけっこう赤裸々に語ってくれてますからね。あんなにたくさんロイドウェバー映像が出てくるとは思わなかったのでちょっとビックリしました。
さらに驚きなのが、日本公演用に新たにロイドウェバーがコメント映像を撮影してくれていたことです。特に劇団四季創設者である浅利慶太さんについての熱いコメントはとても印象深かった。今、日本でこれだけミュージカルが多くの人に浸透してきているのは、浅利さんとロイドウェバー卿の絆があったからこそと言っても過言ではありません。改めて、感謝の気持ちがこみ上げてきました。
もう一つ驚いたのが、劇団四季で上演していないALW作品や、日本未上陸の作品もふんだんに登場していたことです。『サンセット大通り』はかつて四季が版権を持っていたので(事情により上演が叶わず版権を手放したそうです)ソンダンシリーズで歌われることも多かったのですが、それ以外の四季が版権を持っていない作品は殆ど登場してこなかったんですよね。
それが、今回はこれでもかってくらい色んなALW作品のナンバーが出てくる。これはかなり嬉しい驚きでした。
このツアー公演はなんと、開演5分前まで客席からの写真撮影が許可となっています。望遠レンズとかそういう立派なカメラや動画の撮影は禁止されていましたが、自分の座席からスマホで撮ることはOKでした。コロナ禍の世の中になってから集客のためかこういうパターンが少し増えたなと思います。
ということで、私も何枚か撮影してきました。
今回なんといっても嬉しかったのが、生バンドであったこと。ツアー公演になると今までは四季の場合録音の音源になることも少なくなかったんですよね。コロナ禍で大変な時期のなかこうしてバンドの皆さんも来てくれることは本当にありがたいです。やっぱり生の迫力は何物にも勝りますから。バンドの皆さんは舞台奥中央部分の少し上がったところに配置されていました。
幕が開くと、舞台下の方に装飾されていた音符が上に上がる感じに。中央の丸い部分は映像が流れるスクリーンになっていました。それから、後ろの様々な曲線はよく見るとALW作品の何かが形どられているようになってたと思います。例えば一番下手側には「エビータ」の顔のようになっていたり、中央少し下手側には「ジーザス」の十字架の形になっていたり。
③複数のシンボルが融合した、アート作品のような舞台装置。一つひとつのシンボルは、ロイド=ウェバー作品から由来していること、ご覧になった方はお気づきでしょうか?
そこで問題。画像の「?」が標す作品とは?#ALWコンサート舞台装置の秘密 #答えはツイートで— 劇団四季 (@shiki_jp) December 23, 2021
このあたりの美術はなかなか面白いなと思いました。
ちなみに、楽譜をよく見てみると…『ジーザス~』の最初のインストゥルメンタルの冒頭部分の旋律になっていました!このコンサートの幕開けの音楽がまさにそれなんですよね。芸が細かい!
主なナンバー感想
ALWコンサート”アンマスクド”で披露されるのは1幕24曲、2幕16曲の合計40曲!!作品ごとにだいたい固まってはいましたが、何曲かは違う作品を挟んでという構成になっていたのもなかなか面白かったです。すべての曲について感想を書きたいところですが、あまりにも膨大な量なので印象に残ったものだけをピックアップしたいと思います。
※注意
今回私が博多に行くほどこのコンサートに熱い想いを抱いたのは、出演者の中に超応援している飯田洋輔くんがいたからです。いつもは間際までキャストを教えてくれない四季が珍しく公演前から参加メンバーを発表してくれたことで非常にチケットを取ることの助けとなりました。約2年半ぶりに会えるということで、私のテンションは舞台中非常に危険な状態となっていました(汗汗)。ということで、洋輔くんに関することはけっこうアツアツになってること間違いなしな感想になってると思われますww。そのあたり、広い心で読んでいただければ幸い(危険を感じる方は他の方の感想を読まれることをお勧めします)。
全曲のリストは以下の写真を参照してください(クリックすると大きくなります)。
ジーザス・クライスト=スーパースター
序曲
ロイドウェバーの映像が色んな形にアレンジされてて曲調も相まってけっこうホラーなオープニングになってたのが面白かった(笑)。あんな不穏な感じからスタートするとはw。でも個人的にはJCSは大好きな楽曲のオンパレードな作品。インストゥルメンタルの不穏な旋律からドーンとスーパースターの旋律に移るところとか本当にドラマチックで大好きです。
そして何より、JCSの音楽を生演奏で聞けたことが本当に大感激!!素晴らしい音楽の厚み!!そしてそこにキャストの声がワーーーッと聞こえてきて超胸アツでした。
というか…、超個人的には…、舞台上手上の方から飯田洋輔くんの姿が見えただけで激激胸アツ状態に・・・!!!ああああ…、やっと、やっと会えたよーーー!!!オペラ座のデビューにも駆けつけられず、本当に悔しい想いをしてたので、久しぶりに元気に動く洋輔くんを見てのっけから感極まって一人ボロ泣きしてしまった(←すでに危なかった 汗)。
スーパースター
大迫力でこのナンバーを歌われてたのが白瀬英典さん。アンサンブルでは拝見したことがあると思うのですが、メインキャストで出演されたというアラジンやリトルマーメイドは私はあまり合わなくて1度しか見ていないので今回がほぼ初めましてでした。いやぁ、めちゃめちゃすごい声量でビックリ!!少し大きな体から発せられる歌声は圧巻の一言でした。
「スーパースター」(『ジーザス・クライスト=スーパースター』より)
キリストの最後の7日間を、ロックの旋律で綴るミュージカル。
十字架にかけられるために引き回されるジーザスに向かって、裏切り者のユダがシャウトする、印象的なロックナンバー。#劇団四季ALWコンサート pic.twitter.com/hJvDpM5xgP— 劇団四季 (@shiki_jp) January 12, 2022
コーラスからは洋輔くんの声も良く響いて聞こえてきたなぁ。あぁ、この包み込まれるような深みのある歌声、本当に大好き…と、またここでもひっそりと涙を流した私ですw。
私はイエスが分からない
ロイドウェバーの解説によると、この楽曲は最初違う作品のために書かれたものだったらしい!どうやらその作品に提供しようとしたものの製作者の好みに合わず却下されてしまったのだそう。今ではJCSのスタンダードナンバーになっているこの名曲がねぇ。ホント、何がどう転がるのか分からないなぁと思ってしまいました。
このナンバーは平田愛咲さんがしっとり美しく歌ってくれました。平田さんのマリアも見てみたくなりましたね。将来ぜひ実現しますように。
ゲッセマネの園
ロイドウェバー本人も思い入れが深いという、ジーザスのビックナンバーの楽曲をドラマチックに歌い上げてくれたのは山下泰明くん。彼も今回がメインで観るのは初めましてだったのですが、素晴らしい肉体が目を惹きました。あれはかなり鍛え上げていると見た!ライオンキングではシンバを演じているそうですね。
とにかく魂を振り絞るような熱唱で、一番の盛り上がりどころ「見てくれ、私の死に様」のところでは全身が痙攣していたくらいすごい歌いっぷりで本当に感動的でした。
ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート
ロイドウェバーが初めてティム・ライスと組んだ作品で、最初はミュージカルにしようと思って作ったのではなく子供たちのために学校の出し物にと書いたのだとか。
たしかこの作品は来日公演がかつて上演されていた記憶があります。日本版も2020年に上演予定だったと思いますが、新型コロナの影響でたしか中止に追い込まれてしまったんでしたよね…。見てみたかったなぁ。作品を観たことがないので、どういうシーンで歌われているのか今ひとつ掴めなかったのがちょっと残念。でも、笠松哲朗くんが纏っていたカラフルなコートがとても印象的でした。
エビータ
最初にティム・ライスからエヴァ・ペロンを題材にミュージカルを書きたいと聞いた時には乗り気じゃなかったというロイドウェバー卿。ところが、失敗ミュージカルで落ち込んでた時にハロルド・プリンスから励まされ、エヴァ・ペロンの話が来ていることを打ち明けたらすごい乗り気になられたらしい。もしもプリンスが乗り気にならなかったら『エビータ』はこの世に誕生しなかったのかもしれませんね(汗)。
エビータ役を歌ったのは本作でも主演している谷原志音さん。歌声も張りがあって力強いし、何よりも外見も本当に華やかな美人さんなのでエバ役にピッタリだなと改めて思いました。
♪共にいてアルゼンチーナ♪の楽曲は、不摂生な生活ですっかり衰えてしまったジュディ・ガーランドが自身の最大のヒット曲である♪Over the Rainbow♪を満足に歌えなかった光景にインスピレーションを受け誕生したと語っていた裏話も興味深かったです。
最盛期の頃のエヴァが演説で♪共にいて~♪を歌った後、2幕で命が尽きようとしているシーンの時にもう一度同じ旋律でこの歌を歌う。でも、その時は体力が持たなくて最後まで歌えないんですよね。その姿をジュディ・ガーランドと重ねていたというのは初耳でした。
空を行く
今回チェのパートを担当していたのは洋輔くんの弟の飯田達郎くんでした。達郎くんの歌も私はすごく好きなんですよね。ノートルダムで鍛えた伸びのある歌声が素晴らしい。今公演では髭あり姿なのでよけいにチェっぽく見えたのも良かったな。
「空を行く」(『エビータ』より)
貧しい家に生まれながらアルゼンチン大統領夫人にまで上り詰め、33歳で世を去ったエバ・ペロンの半生を描くミュージカル。
物語の狂言回し的存在であるチェが、栄光の頂点で輝くファーストレディ・エバにシニカルに歌いかける。#劇団四季ALWコンサート pic.twitter.com/dJnxzCKLoU— 劇団四季 (@shiki_jp) January 12, 2022
そういえば、私が最後に洋輔くんの舞台を観たのは『エビータ』高松公演のチェ役だった…。そこからこんなにも月日が経ってしまうまで会えないとは思わなかった(涙)。
Tell Me on a Sunday~サヨナラは日曜日に~
遥かな調べ
ロイドウェバーがチェロ奏者である弟さんのために書いたという楽曲。弟さんがいらっしゃったとは知らなかった。現在は病気のため引退されてしまったそうですね。かなりの音域の楽曲なので人の声で歌うのは難しいとコメントしていましたが、「今回は2.5オクターブの人が登場するので大丈夫」なんてお茶目な発言がw。これはかなりのプレッシャーかけてきたなと思ったんですけど、真瀬はるかさんが見事に美しい歌声で魅了してくれました!!ナンバーも初めて聞いたけど本当にジーンとくるような美しさでとても感動的だった。
真瀬さんはたしか元宝塚の方でしたよね。退団後も色々な作品に出演されていたと思うのですが(私もいくつかの作品で見ています)、四季に参加されると知った時はちょっと驚きました。ゲスト出演、ということなのかな?
放っておいてよ
これはかなり挑発的なナンバーで面白かったですね。江畑晶慧さんが歌っているのでちょっと『マンマ・ミーア』のドナっぽい雰囲気にも見えたかもw。相変わらずのパワフルな歌い上げっぷりが最高でした。
アスペクツ・オブ・ラブ
今回、アスペクツからは♪ラブ・チェンジズ・エブリシング♪1曲だけしか選曲されていなかったのが個人的には残念でした。山下くんのドラマチックな歌いっぷりが素晴らしかったんですけど、アスペクツには他にも素晴らしいナンバーがたくさんあるんですよね。また上演してくれないだろうか。
「ラブ・チェンジズ・エブリシング」(『アスペクツ オブ ラブ』より)
英国の作家デビッド・ガーネットによる同名小説のミュージカル化で、3世代5人の男女による、17年間におよぶ複雑な恋愛模様を描く。
作品の冒頭で歌われる、この物語を象徴する一曲。#劇団四季ALWコンサート pic.twitter.com/VZ9HhtnF1n— 劇団四季 (@shiki_jp) January 12, 2022
最後のコーラスには他のキャストも登場してきたんだけど、やっぱり私としては洋輔くんに視線がロックオンしてしまうw。もう彼が歌っている姿を見るだけで自然と涙があふれて仕方なかったよ(←やっぱり危険な状態の私 汗)。
っていうか、アレックス役を演じてる洋輔くんが見たいんだよなぁ~~。絶対に合うと思うんですよ。年上の女性に翻弄されて苦悩する彼のアレックスとか想像するだけで最高です。たしか、一回この役に決まったらしいみたいな話しは流れてきたことがあった気がするんだけど…結局実現しないまま終わってしまった。もしも再演されることがあったら、ぜひとも洋輔くんのアレックスに会いたいです。
キャッツ
ロイドウェバー作品と言えば『キャッツ』は外せませんよね。子供の頃に読み聞かせてもらったイギリスの詩人T.S.エリオットの猫の話が大好きで、いつか必ずミュージカル化したいと思っていたそうな。最初は皆から失敗するからと反対されたらしいのですが、結果的には大成功だったわけで、劇団四季では1983年の初演以来どこかの都市で上演され続ける人気作となっています。
私は特に♪オーバーチュア♪が大好きなので、聞こえてきた瞬間からテンションが上がりました。ロイドウェバーの語りの映像からの繋ぎもすごく良かったです。何よりも、生演奏で聴けるってことが本当に感動的だった!!
ちなみに、映画化のこともちらっと語られてたのですが「終わってしまうまでが早かった」みたいな皮肉もチクりwww。しかも「猫派だった私が犬を飼い始めたくらいです」とまで強烈なやつも(←映画は本人にとってかなり精神的苦痛だったらしい 苦笑)。私はそこまで嫌悪感なかったですけどねww。
映画の感想↓
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ロイドウェバーの愛犬のモヒートくん、可愛かったな~。
ラム・タム・タガー~つっぱり猫
タガー役は山下くんで、江畑さん以外の女性が取り巻き猫たち。そして、「こいつは厄介」と合の手を入れるところに洋輔くんが!!彼は『CATS』を見てから四季に入ることを目指した経緯がありますから、ここで登場してくれたのは嬉しいですね(っていうか、泣いたw)。
タガーの次はスキンブルのナンバー。こちらは白瀬さんが担当。本当にスカッとするようなよく通る声が心地いい。
マキャヴィティ、ミストフェリーズと続いて最後は♪メモリー♪。江畑さんが情感たっぷりに歌い上げていたのですが、なんか、早水小夜子さんに似てきたなぁと思いました。すごい貫禄感じたんですよね。
2幕感想(さらにテンションが高くなりがちです、ご注意をw)は次のページにて。