新型コロナ禍の影響で約9か月延期になっていた劇団四季の新作ミュージカル『アナと雪の女王』を観に東京まで遠征してきました。
公演が決まった後に四季の会会員先行の抽選販売があって、激戦が予想されたため行けそうな日を5日分ピックアップしてエントリーしていたのですが…、なんと、オール落選となってしまいビックリ仰天!6月はともかく、他はけっこう倍率の低い日を選択していたはずなのですが…まさかすべて外すとは思いもよらず、結果的に会員先行発売日に電話とネットと格闘する羽目となってしまいましたw。
ところが、わたしとしては珍しく30分以内に自動電話の方が繋がり…、奇跡的に6月の希望日が確保できてしまったのです!倍率からしたらとても無理だと諦めていたのですが、まさかのゲット。超端っこでもなんでも6月に見れるならと飛びつきました(笑)。ちなみに夏は”アレ”があるのでさすがに恐ろしく、あえて外しました(汗)。
取れた日にちが、この6月29日ソワレ。
居住地の中国地方は感染状況が落ち着いてきていますが、東京は収まるどころかリバウンド傾向にあり…正直その真っただ中への遠征はちょっと覚悟がいりました(汗)。が、6月中にアナ雪見れる奇跡を逃したくなかったので…できる対策はやりまくったうえでGO。ほかに行きたい場所もありましたが、ワクチン接種もいつできるか分からない状況なので、ホテルと劇場以外は外出していません(汗)。
劇団四季の演目を見に行くのは昨年秋の『オペラ座の怪人』以来なんと1年ぶり!!興味のある演目が近くにないのでずいぶんご無沙汰になってしまいました。ちなみに、今回は2演目観劇でして、2日目が『オペラ座の怪人』でした。
新しくなった浜松町の四季劇場は2度目ですが、春劇場は『アナ雪』がこけら落としになるので初めての訪問。秋劇場は2階奥にありますが、春劇場は3階までエスカレーターで上がってすぐのところにありました。四季のスタッフさんが2階エスカレーター入り口で案内してくれていたので分かりやすかったです。
ロビーは秋劇場よりもさらに広め。コロナ禍にもかかわらず非常に多くの人が訪れていたのですが(チケット的には全席完売)それでもスペースには少し余裕がある印象でした。ただ、ソーシャルディスタンスを保ったロビーベンチとなっているので、座る場所は少ない印象だったかも。ちなみにロビーでの飲食はこの時期禁止になってます。
あと、スタッフの方がしきりに「会話はお控えください」と呼びかけていましたがほとんど効果がなかったのが気になりました。ちょうど感染者も増え始めていた時期だったので、皆もう少し緊張感持ったほうがいいんじゃないかなぁとも…。
キャスト表の電光掲示は1階部分にありますが、グッズコーナーは劇場入り口と、2階部分に設置されています。劇場入り口のグッズコーナーはコンパクトなので、広めにとってある2階部分の方が結果的に早く順番が回ってくる印象でした。ちなみに私は2階で買い物しましたw。
2回販売コーナー入り口にある「アナ雪」の世界観溢れる展示がとてもかわいくて、思わず撮影してしまった。ここに展示してあるもの、全部売ってます。
ラインナップとしてはかなり多め。四季さん、頑張って色々な商品開発しましたね。
開演してから間もないということもあり相当なお客さんが並んでいたのですが…、順番がくるのが今まで以上に時間がかかっていた印象。というのも、皆さん、ご予算いくらくらい用意してきたの!?ってくらい購入されててスタッフの皆さんが必死に計算しまくってた状況だったのです。チケット代より高い金額出してる人が私の前に並んでいた人でもかなりいました。でもそのお金が劇団四季の血となり肉となるわけですから、良い傾向ではないかなと。
人気があったのはシークレットチャームってやつですかね。私の前に並んでいた人の9割が購入していたようです。
ちなみに私は、パンフレット、クリアファイル(東京限定)、キーホルダー(東京限定)、そして…オラフのマスコット買っちゃいましたw。いや、可愛かったものでつい(笑)。なんだかんだで私も結構散財してますがなww。
そうそう、四季の会会員の人はカードを提示するとエコバッグがもらえます。かさばるものはちょっと入りにくいと思いますがw、パンフやクリアファイル系のものなら余裕で入るので会員の方はカードを持参した方がいいかもしれません。
あともう一つ観劇前にお願いしたいことがあります。
アニメ映画のファンでこのミュージカルを観にいらっしゃる方も多いと思います。たぶん半分以上の方が映画版を知ったうえで見に来ているんじゃないかなと。だからこそのご注意なのですが…、くれぐれも劇場内、特に客席内では映画の内容についてお知り合いと話をしないようにしていただきたい。
というのも、私が観劇した日、真後ろの席でお友達と一緒に来られている方が幕間に映画で知りえた先の展開をほぼ喋ってしまっていたからです(汗)。ミュージカルの内容もそれに沿ったものです。私は映画を2回見ているので支障はなかったのですが、全く知らなかった人がもしもあの場にいたらとても気を悪くされたのではないかと思うのです。
映画を見た方はご存じかと思いますが、後半にちょっと驚く展開があるんですよね。そこを喋ったら絶対ダメだろう!ってやつ。これを…あの日、後ろの方たちは全て語ってしまわれてた。
映画を知っていて語りたくなる気持ちも分からなくはないですが、劇場では控えていただければと思います。全く知らずに見に来ている方も多くいらっしゃることをどうぞお忘れなく。
これまでの劇団四季アナ雪感想
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
2021.06.29公演 in 四季劇場・春(東京・浜松町)
主なキャスト
- エルサ:岡本瑞恵
- アナ:三平果歩
- クリストフ:神永東吾
- オラフ:小林英恵
- ハンス:杉浦洸
- ウェーゼルトン:山本道
- スヴェン:中野高志
- パビー:大森瑞樹
- バルダ:松本菜緒
- オーケン:竹内一樹
- アグナル王:阿久津陽一郎
- イドゥーナ妃:髙岡育衣
序盤のみや後半のみメインの役者さんはアンサンブルで活躍していたのでそれぞれ出番は全体的にかなり多めだと思います。特に、阿久津さんは顔が濃いということもあってどこにいるのかすぐに分かりましたw。2幕冒頭のシーンで出てきたときは思わず吹きそうになったww。
それから、今回も子役さんたちがとても上手い。私は個人的にヤングアナ役の山口りりのちゃんによる「おねがぁ~~い!」のセリフの言い方が可愛くてツボでした(笑)。あれってどの子役さんも同じ言い方なのかな??
概要・あらすじ
2014年に一世風靡したディズニーアニメ映画『アナと雪の女王』。制作されたアメリカのみならず日本など世界各国で大ヒットして大きな話題となりました(アカデミー賞では長編アニメーション賞・歌曲賞を受賞)。
その後2019年にアニメ映画パート2も公開されましたが、今回ミュージカル化されたのはパート1のほうです。2017年のアメリカでのトライアウトを経て、2018年3月にブロードウェイへ進出。原題はアニメ映画と同じ『FROZEN』。
日本ではディズニーと契約を結んでいる劇団四季が上演権を獲得。2020年9月に日本初演として上演される予定でしたが、新型コロナ禍の影響が深刻となり2021年6月まで延期されることに。約9か月遅れで満を持して開幕する運びとなりました。
ちなみに日本以外では…、イギリス、ドイツ、オーストラリアで上演されており(コロナ禍の影響具合にもよりますが)北米ツアーも予定されているそうです。
作詞作曲は映画と同じくロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン=ロペス。二人は夫婦関係にあります。今回のミュージカル作品では、映画の楽曲のほかに新たに12曲が書き下ろされました。
2021年6月の時点ではブロードウェイ版CDのみの発売となっていますが、近い将来、劇団四季版のCDも発売するのではないかと思われます。
簡単なあらすじは以下の通り。
アレンデール王国の幼い王女、エルサとアナはとても仲の良い姉妹。雪や氷を操る魔法の力をもつ姉のエルサは、ある夜、誤って妹のアナの頭に魔法を当ててしまう。
氷のように冷たくなったアナを助けるため、王妃は「隠れびと」を呼び寄せると、彼らの長パビーにより、アナにかけられた魔法とその記憶は取り除かれた。自分の力に怯えるエルサは、魔法の力を消してほしいと懸命にパビーに頼むが、その力もエルサの一部であり、消すことはできないと告げられる。
<公式HPより抜粋>
大まかな流れは映画『アナ雪』とほぼ同じですが、ミュージカル版はさらにそこに新曲が多数加わったことによりドラマに厚みが出ているように感じました。大人も子供も楽しめる内容になっていると思います(若干大人向けかも)。
全体感想
映画公開時には日本語版と英語版を1回ずつ見ているのですが、個人的にストーリーにはあまりハマれなかったんですよね(汗)。ただ、音楽だけはべらぼうに感動しましてCDも買ってしまったほどですw。あのクオリティがあれば実写ミュージカルもできるんじゃないかと思っていたらそれが実現。ストーリーはあんまりだったけど、生であの音楽を浴びれるならと今回の四季版の上演を楽しみにしていました。
開演前は幕が下りている状態ですが、そこにアレンデールの町の景色とオーロラが揺らめく光景の動く映像が投影されていて、氷がこすれるメキメキ音なども聞こえてくる仕掛けになっていました。また、幕間には町に雪がシンシンと降りしきる映像に変わっていました(1幕ラストの光景とリンクしていると思われます)。冷房が効きすぎてるわけでもないのに自然と体が冷えてくるような錯覚を覚えたほど(笑)。こんなふうに、本編以外のところでも劇場に入った瞬間からアナ雪の世界観に浸れる演出がとても良いなと思いました。
まだ開幕したばかりなので、ネタバレ的感想は控えめに書こうと思いますw。
観劇した後家に帰ってアニメ映画をもう一度さらりと見直したのですが、ミュージカル版は曲数がかなり増えていたからか序盤からとても丁寧に描いていたなという印象が強いです。そのぶん、ドラマもより立体的になっていて見応えがありました。
追加された楽曲はパワフルなものから心に沁みるバラードまでバラエティ豊か。♪Let it Go♪にも負けないような印象的なナンバーもあってすごい充実感があります。それから、映像の演出がとにかくすごいです!!噂には聞いてましたが、プロジェクションマッピングを駆使した氷の演出はあれを見ただけでも元を取れたと思えるほどのレベル!!演劇界の進化を肌で感じましたね。
ストーリーの大まかな展開についてちょこっと。
クリストフの少年時代はミュージカル版ではカットされていますが、エルサとアナの少女時代は映画よりもじっくり描いていたと思います。特に、両親とのやり取りが増えたことは大きいかなと。今回ミュージカル化したのは「パート1」のほうですが、親子の時間を増やしたことで「パート2」で描かれた家族の絆といったテーマも見え隠れしているように感じましたね。パンフにもそういう狙いがあった、みたいなスタッフさんの言葉もあるのでたぶんそういうことだったんじゃないかなと。
少女期から成人するまでの流れは基本的に映画と変わりなし。セットもあの世界観が見事に再現されていたと思います。ただ…最初にあれだけ親子の絆を描いていたのに、国王と王女の顛末はあまりハッキリ描いていない(汗)。映画でもサラリと流されていた印象が強かったのですが、ミュージカル版もあっさりな印象は否めませんでした。っていうか、演出的に両親に何が起こったのかあれだと初めての人はちょっと分かりづらいかもしれないという危惧も(苦笑)。
映画でも大好きだったアナが開放感たっぷりに歌う♪生まれて初めて♪は、ミュージカル版になってさらに進化した壮大なナンバーとなっていて見ていて気持ちがグワーーっと上がりました。
このシーンで面白いのは寝起きのアナが王女の扮装へと変わっていくシーン。映画ではナンバーが始まったとたん王女スタイルになっていましたが(笑)ミュージカル版では歌いながら徐々に変身していきます。アナ役の女優さんはここの着替えはすごく大変だと思うんですが、アンサンブルさんとのコンビネーションもよくあれよあれよと変わっていく様が実に面白かった。
ちなみにこの♪生まれて~♪のクライマックスでハンスとクリストフが登場してきます。映画だとクリストフが本格的に登場してくるのは結構時間が経ってからですが、ミュージカルになるとだいぶ早まったなという印象w。
それから、映画と違うな~と思ったのがアナとハンスの出会い方です。ここにクリストフが絡んでくる演出になっていて「なるほど」と。この先の展開への伏線みたいな印象がありましたね(映画で先を知っていて見ると、ですが)。
戴冠式のシーンではエルサの♪危険な夢♪というソロナンバーが追加されています。荘厳な雰囲気の楽曲で、そこにエルサの不安な心境が織り交ぜられていてとてもドラマチックな場面となっていました。
特に、王を継承するための道具を持つにあたって手袋を外さなければならなくなった時の「忘れてた、どうしよう、集中しなければ」という心の焦りを歌った部分は印象深かったですね。楽曲で描かれることによって、より繊細にエルサの不安が伝わってくるようで切なかった。
♪扉開けて♪は映画でも大好きだった楽曲。もう「ちょっとおかしなこと言っていい?」と始まったところから心の中では”キターーー!!”とテンション上がっちゃいました(笑)。セットも映画と同じような藤のような花がブワーっと垂れ下がっててとても奇麗です。
ここはエルサとハンスの若々しく軽やかなダンスが見どころだと思います。映画のようにいろんな場所に瞬間移動ができない分w、非常に難易度の高いダンスが展開されていきました。それがもう、見ていて本当に可愛らしくて最高に楽しかった。ラブラブ度も増し増しでww超お似合いカップルに見えますよ(バカップルにも見えなくはないですが 笑)。
戴冠式でウェーゼルトン伯爵がエルサにダンスを申し込むのは映画と同じですが、ミュージカル版のほうがかなりしつこく誘っていた印象(笑)。アナがエルサを庇って大げさな言葉で追い払うという展開も加わっていました。ここで伯爵は気分を害した感じですかね。
そのあとアナとハンスの結婚報告にエルサが許可を出さないことで物語が大きく展開。アナの言葉に逆上してしまったエルサが思わず魔法を出してしまうシーンは迫力がありました。また、逃げている途中で周りを凍らせてしまい戸惑うエルサのシーンは映像とスモークで表現。舞台上が寒々しい雰囲気になっていってみているこちらも冷たさの錯覚を覚えるような演出が面白かった。
エルサを追いかけて凍りかけてたアナのシーンは映画とだいぶ違います。ここではオーケンの店はまだ出てこなくて、偶然彼女を見かけたクリストフが彼女に服を提供する流れ。ここで新曲の♪愛の何がわかる♪が登場。映画パート1には出てこなかったアナとクリストフのデュエットが実現して嬉しかった。
で、この時点でアナが初対面の男性と結婚を決めたことを話す展開になるのですが…、めちゃめちゃスリリングな演出になっててビックリしました(汗)。クリストフのところも驚いたけど、アナは見ていてちょっと背筋が凍るかと思った(汗汗)。いやぁ、あれ、相当綿密に稽古して安全確認したうえでじゃないとヤバいですよね。この先も平穏に行くことを願います(汗)。
そしてアナ雪のマスコットともいえる存在のオラフ登場!私が唯一心配していたのがここなんですよね。
オラフは人がそのまま演じるんじゃなくてライオンキングのようにパペット操作になります。私がLKがちょっと苦手なのは、このパペットの演出が多用されていたからでして…(苦笑)。何せ後ろで操っている人間も人形と同体という存在なので舞台上にはキャラが2体あるって見える。役者の顔がまるまる見えているのでどっちを見て良いか分からなくなるし、違う世界観のように思えてしまって集中できなかったんですよね(汗)。
ただ、今回のオラフに関しては…この1体だけだったので思ってたよりも違和感は強くなかったです。これがもっとたくさん出てきたらちょっと…ってなったかもしれないけどww、とりあえず1体だけなら許容範囲かなってことが分かってよかった(笑)。
そしていよいよ1幕ラストにあれがきます、あれが!!♪ありのままで♪!!もうアナ雪のテーマ曲と言っていいほどの名曲ですよ。前奏が流れた瞬間から”キターーーー!”と心のなかで叫んじゃいました(2回目ww)。
映画のあの世界観をどうやって舞台上で表現するのかが大きな見どころでもあったわけですが…、いやぁ、もう、お見事というしかありません!!エルサの動きに合わせて氷を表現したプロジェクションマッピング映像が駆け巡っていくシーンは鳥肌ものです!!
さらに、エルサが不安から解放されるにしたがってそれまで身に付けていたものを次々と捨てていくのも映画と同じ演出になっていたのがすごい。そして最終形態へ!!あれは日本の歌舞伎の”引き抜き”を参考にしたやつですかね(ブロードウェイものですが)。とにかくすべての動きが流れるようで本当に素晴らしかった。これは一見の価値ありです!1幕終わって客電着いた後の客席のどよめきっぷりがハンパなかった。『ウィキッド』以来かな、こういうテンションは。
2幕冒頭、ここでようやくオーケンの店が登場します。まず2幕の肩慣らしって感じで最初にオーケンと客席との軽いコミュニケーションシーンがあったのが面白かった。実にゆる~~いふわ~~っとした癒し系な雰囲気に(笑)。
そこで新曲♪ヒュッケ♪が歌われるのですが…ここだけちょっとアナ雪の世界とは異質な感じでしたね。サウナのお客さんが出てくるところはアンサンブルになってる阿久津さんについつい目が行ってしまったよ(笑)。
さらに曲の最後にはサウナ客が素っ裸状態(もちろん裸用の衣装は皆さん装着してますww)で出てくるのが圧巻(笑)。最初なんだろう??って思って見てて、気が付いてびっくりしちゃったよw。
エルサの城に到着したアナとクリストフ。エルサはアナを懐かしんで最初は穏やかですが、一緒に帰ろうと説得する妹を拒絶してしまいます。映画では♪生まれて初めて♪のリプライズとして歌われますが、ミュージカルでは新曲♪あなたを失いたくない♪に乗せて物語が進んでいました。一緒にいたいのにいられないエルサの切ない気持ちと、それを理解できないアナのすれ違いがとても切ないです。
なかなか理解してくれない妹にストレスがたまったエルサが感情を爆発させた瞬間、アナはその攻撃を”心”に受けて倒れてしまった。ここは映画とほぼ同じですが、このあと二人を追い出すためにエルサが巨大な雪の怪物を創り出す場面はカットになりました。まぁ、あれを実写で出すと相当難易度高いですからね(汗)。
なので、その後に登場するアナとクリストフはほぼ無傷状態でケロっとしてる(笑)。その代わりに雪崩攻撃を受けたオラフの体がバラバラになってるというシーンに繋がっていきました。ここのシーンは笑っちゃいけないんだろうけど配置的に面白くて客席からけっこう笑い声が漏れてました(私も吹いたしww)。声だけが聞こえている状態の時の頭はアナが操縦してて面白かったww。
クリストフがアナを救うために自分を育ててくれた仲間”トロール”を呼び出す場面は映画とはだいぶ印象が変わりました。大きな違いは、岩のキャラ”トロール”の代わりに”隠れ人”という存在が登場すること。風貌は原住民…というかターザン的な感じ。幼い頃に凍えたアナを救ったのはそのなかのパピーとバルダです。
彼らがアナとクリストフが恋人同士であると勘違いして楽しく歌い踊る♪誰でも完璧じゃない♪は映画とほぼ同じような感じで楽しかったです。ここもダンスシーンが見応えあり。
パピーたちがアナを救おうと呪文を唱えている時、クリストフが彼女への愛を実感する場面はとても感動的でした。特にクリストフがソロで歌う新曲♪クリストフ・ララバイ♪がめちゃめちゃロマンチックで素敵!!
これは映画版でクリストフの声を演じたミュージカル俳優の原慎一郎くんにも歌ってほしかったなぁ。映画版のクリストフが歌うのってパート2からなんですよねぇ。パート1見たときに、なぜミュー俳優の原慎くんを充てているのに歌がないんだ!?と思ったものだったので(ちなみに、原慎一郎くんは元劇団四季でした←ファンだった)。
パピーたちの魔法がアナには効果なく、救えるのは「真実の愛」だけだと知ったクリストフは彼女の恋人が待つ城へと急ぐ。ここの展開は映画通り。それと入れ替わるようにアナを探しに来たハンス王子たちがエルサの城へ押しかけるシーンになります。映画だと城に入る前に雪の怪物と戦う場面が出てきますが、ミュージカルでは登場しないので一行はそのまま城の中へw。
エルサは自分を攻撃しようとする者たちに氷の魔法で対抗。ここも映画とほぼ同じ展開ですが、ミュージカル版では新曲♪モンスター♪が歌われます。これは、エルサが攻撃に対抗しながら「自分はモンスターでしかないのだろうか」と葛藤し嘆き悲しむ内容でとても切ないのですが、楽曲的には♪ありのままで♪に匹敵するほどパワフルでドラマチックなナンバーになっていてすごく胸揺さぶられるものがありました。ここも大きな見どころの一つです。
その後、エルサはすぐに囚われの身となります。映画では気を失っているうちに牢に繋がれてるといった展開でしたが、ミュージカルでは城に戻るために素直に鎖に繋がれて連行されていったというニュアンスになってました。ここの展開までは、めっちゃ好感度高いんですよねぇ…ハンス王子w。
ところが、クリストフが断腸の思いでアナをハンスに託したことで悲劇が発生。このくだりは映画とほぼ同じという印象。ここの展開は初めて見る人には事前に知らせたくないかなぁ。まぁ、知っていても驚きますけどね。あれは、人間不信になるレベルですよ、ホント(苦笑)。
ただ残念なのは、クリストフがアナを救う決意をするシーンがミュージカルではまるまるカットされていたこと。たしかに新しいソロ曲で彼女への想いは伝わっているのですが、一度手放した愛する人を再び取り戻しに行くまでのクリストフのシーンはやっぱりあったほうがよかったなぁと思いました。
クライマックス、ハンス王子が事の次第を報告しエルサがそれを知ってしまう場面。そこで発生する更なる悲劇があるわけですが、ここの演出方法が実に斬新で「おおっ!」となりました。想像していたものと違ってたので「こう来たか!」といった感じ。その後の顛末のシーンにつなげるための上手い演出だなと思った。プロジェクションマッピングもいい効果を発揮してました。
ラストシーンは大団円になるのですが、ハンスへの扱いが映画に比べるとちょっとソフトタッチ(笑)。個人的にはミュージカルはあれくらいで済んでよかったと思いました。好きなキャラなのでね。ただ、そのあと大団円に入れてもらえなかったのは展開上仕方ないとはいえちょっと気の毒だなと思ってしまった(苦笑)。
1回目を見た感想として書けるのはこんな感じかな。映画を知らなくても十分楽しめる内容になっていると思います。
主なキャスト別感想
岡本瑞恵さん(エルサ役)
岡本さんを見たのは2018年のソンダン公演以来。役として見るのはさらにその前の「アラジン」のジャスミン以来で…本当に久しぶりとなってしまいました。なのでほとんど記憶がなかったのですが(すみません 汗)、今回のエルサ役はかなりのハマリ役ではないでしょうか!!♪ありのままで♪や♪モンスター♪といった壮大でパワフルなナンバーも実に情熱的に歌い上げていて全く不安要素がなかったのが素晴らしいです。さらに、エルサとしての心の葛藤もとても丁寧に演じられていましたし、見応えが本当に多かった。これから上演を重ねていくにつれてさらに成熟したエルサへ進化していきそうでとても楽しみです。
三平果歩さん(アナ役)
三平さんは4年前に「CATS」のランペ役で見て以来。キャッツは個人的にあまり深くは見ていなかったので印象が薄かったのですが(ほんとにすみません 汗)、アナ役はめちゃめちゃインパクトありました!!なんといっても、まっすぐで清々しいほどの明るさがとてもよかった。まくし立てるセリフも完璧にこなしていたし、映画版の神田沙也加ちゃんのイメージと重なる部分も多かったです。それにとにかく可愛い!!クリストフが惚れちゃうのも納得でした。今後の進化にも期待したいです。
神永東吾さん(クリストフ役)
神永くんは3年前の『恋におちたシェイクスピア』以来。個人的にはJCSのジーザス役が印象深いのですが、彼のジーザスは感情表現が乏しいと感じてしまいあまり好きではなかったんですよね。そのイメージが強かったせいか、様々な感情を素直に出してくる今回のクリストフ役にはちょっとビックリしました。初めて神永君のキャラ良いなって思えたかも。アナに対する不器用だけど優しさが垣間見えるお芝居もとっても魅力的でした。
杉浦洸くん(ハンス役)
杉浦君は今回が初めまして、になると思います。これまではアンサンブル出演が多かったとのことで、これは大抜擢と言ってもいいのではないでしょうか。屈託ない笑顔がとても爽やかで可愛く、ダンスも軽やかで好感度大!特に♪扉開けて♪でのアナとのダンスはめちゃめちゃ頑張っていて目が釘付けになっちゃいました。ホントに先の展開を知っているとはいえ…あの彼がどうして!??とビビるww。あれはほんと、人間不信になるレベル(笑)。最後のシーンにいられない杉浦ハンスが気の毒と思えてしまうほどだった。杉浦君、イイ!!今後も注目していきたい俳優さんに出会えて嬉しかったです。
小林英恵さん(オラフ役)
今回オラフ役に女性キャストが配役されていて驚いたのですが、小林さんは見た目もオラフっぽくて違和感なかったです。ちょっとお笑い芸人さん味がある感じなのがなおさらよかったかも。キャラの操縦もとてもスムーズでしたし、パペットが苦手な私でもあまりストレスなく観ることができました。
竹内一樹くん(オーケン役)
竹内くんは「アンデルセン」のハンス役以来です。アニメのキャラに寄せるためかすごいひげを付けて登場してきたので最初は誰か分からなかったよ(笑)。2幕冒頭の客席とのコミュニケーションは、なんかもう、その時間だけお花畑に来たかのようなホンワカっぷりでww。あんな癒し系な子だったっけ!?と驚いたほどww。そのあとの♪ヒュッケ♪の歌いっぷりも楽しくてよかったです。
ちなみに、スヴェンは中野高志さんという役者さんが”演じて”いるのですが…人間の姿は全く見えず、スヴェンの着ぐるみのなかでずっと動きを操縦しているといった感じ。
演出的には中身は「ライオンキング」に出てくるキリンみたいな感じでやってるのかなと思ったのですが…毛むくじゃらなスヴェンの胴体に入ったまますべてを表現しなければいけないので、この作品のなかで一番ハードなんじゃないかと(汗)。♪ありのままで♪などのビッグナンバーも大きな見どころでしたが、個人的に「すごい」と一番驚いたのはスヴェンだったかもしれません。相当体力ある人じゃないと、あれは体壊すレベルだと(汗汗)。どうぞお身体いたわってください。
後述
この演目は感想にも書きましたが、プロジェクションマッピングの演出が要所要所で出てきます。それゆえ、あまり前のほうの座席で見るとその美しさが十分に伝わらないかもしれないなと思いました。2階席をお勧めする方が多いというのも納得です。
ちなみにこの日私は1階席の後方の端っこ席だったのですが、オペラグラスを外しても役者さんの表情がよく見えたしプロジェクションマッピングの美しさも堪能することができました。ただ、端っこだったのでサイドで見切れてしまうところはちょいちょいありましたけどねw。
次の『アナ雪』遠征は10月に予定しています。その頃にはもう少し東京のコロナ禍の影響が納まっていてほしいのですが…アレもあることだしちょっと先行きに不安も(汗)。無事に遠征できるのを祈るのみ…。