劇団四季のミュージカル『アナと雪の女王』を観に東京遠征してきました。
本来であれば3月に4回目のアナ雪観劇をしているはずだったのですが、手術退院後の体調の回復が遅れてしまい手放さざるを得ませんでした(汗)。ようやく体調も元に戻った感じなので、こうして2022年最初のアナ雪遠征することができるようになって良かったです。
あとは、コロナさえ治まってきてくれればいいんですけどねぇ…。まだ突然中止になってしまう舞台の話もチラホラ聞きますし、劇団四季もその例に漏れずだったりする。早く安心して劇場に行ける日が来てほしいものです。
アナ雪は相変わらずお客さんの動員数も順調のようで、私が観劇した日もほぼ満席状態でした。グッズ売り場もかなり混雑していました。
ちなみに、パンフレットが今年2月から新しくなったようなのでつい購入。さらにはシークレットチャームと、未だに購入していなかった四季版のCDまでゲット(笑)。テンション上がってちょいちょい散財してしまったw。
普段めったに購入しない「シークレット・チャーム」。素敵なデザインが出てきました。良い記念になります。
これまでの劇団四季アナ雪感想
以下、超ネタバレを含んだ感想になります。
2022.05.18 マチネ公演 in 四季劇場・春(東京・浜松町)
主なキャスト
- エルサ:岡本瑞恵
- アナ:三平果歩
- クリストフ:北村優
- オラフ:山田充人
- ハンス:塚田拓也
- ウェーゼルトン:山本道
- スヴェン:沢樹陽聖
- パビー:大森瑞樹
- バルダ:柏谷巴絵
- オーケン:竹内一樹
- アグナル王:田川雄理
- イドゥーナ妃:髙岡育衣
前回観劇したときに”3回連続同じキャスト”と挙げていた方たちが抜けて今回は新しいキャストの皆さんで観ることができました。おそらくこれでオリジナルの主要メンバーは全員見たことになるかな(たぶん)。
今年に入ってから発売されたパンフレットを購入したところ、3人目のキャストが数人追加されていました。気になったのは、アグナル王候補に鈴木涼太さんの名前があったこと。そうか~、王子的役が多かった涼太さんもついに”お父さん”役が来たんだなぁとなんだかちょっと感慨深かったです。一度見てみたい。
ちなみに、オリジナルキャストだったオーケン役の阿部よしつぐ君は退団したので出番的には今後少なくなるかもしれません。新しい世界でも頑張ってほしい(もともと彼は四季じゃなかったけどね)。
概要・あらすじは2021年6月29日公演のレポを参照してください。
全体・キャスト感想 -1幕-
♪VUELIE♪
この作品はやっぱり最初のアンサンブルさんたちによる荘厳なコーラスが聞こえてくると本当に心が躍ります。ここからすごい惹き込まれるので。改めてすごい引力のある作品だなと思いました。
田川アグナル王と高岡イドゥーナ妃はとてもいい雰囲気の御夫婦。特に田川さんはかなりイケメンさんで優しいパパっぷりが光ってました。だけど歌があと一歩かなぁ。音程は外してないんだけどちょっと物足りない。
エルサがアナと遊んでいる中で魔法の力が強くなり妹を傷つけてしまった場面。慌てた母親が”森の隠れ人”を呼ぶんですが…、大森パビーの”ザ・漢!”的な迫力にちょっと驚いた。上半身が裸なのでなおさらその肉体に目がいくw。魔法よりも力仕事の方が得意そうな雰囲気(笑)。
生まれて初めて
幼いころの記憶を消されたアナは、大好きな姉・エルサがなぜずっと扉を閉ざし続けているのかずっとわからないまま。扉を挟んでの成長した二人の表情の対比がとても印象的です。アナはエルサに会いたくてたまらないし、エルサはアナに会いたいけど傷つけたくなくて断腸の思いで避けてる。これがとても切ない。
でも、エルサの戴冠式だけは城の扉が開き外の世界に触れることができる日。アナのワクワク感がこれでもかというほど伝わってくるナンバー♪生まれて初めて♪は何度聞いても胸が躍ります。三平アナは最初に見た時よりも元気度がかなり増し増しで超弾けまくってたなw。”元気印”そのものです。
そんななかで着替えをしていきながらこのナンバーを歌うわけですから、あれは相当体力と技術を必要とすると思う。改めてすごいなぁと感心してしまった。
一方のエルサはアナとは真逆で”魔法の力”が表に出てしまわないか気が気ではない。一刻も早くこの窮地を乗り切りまたいつものように閉じこもった生活に戻りたいと願っているように見える。岡本エルサはそんな繊細な不安な気持ちを表現するのがとてもうまい。本当は妹に会いたいんだけどできない、そんなもどかしい気持ちが伝わってきて観ているだけで胸が痛くなってしまいます。
♪生まれて~♪で一番の見どころはやっぱり門が開いた瞬間でしょう。薄暗かった照明が扉が開くと同時にパーッと明るく光が差し込んできて、その奥からアナを先頭に国の人たちが中に入ってくる。
さらにメインキャストのウェーゼルトン、ハンス、スヴェンを連れたクリストフが満を持したように登場。このワクワク感は何度見ても本当に最高!アナ雪の中でも特に好きなシーンだったりします。
この時ついに初めての塚田ハンスと北村クリストフを観ましたが、二人ともキャラの雰囲気がすごくマッチしているようにみえて好印象でした。
特に塚田くん。彼は『ノートルダムの鐘』に出演している時に見てから注目してるので、こうしてメインキャラとして登場している姿に会えたことはとても嬉しかったし感慨深いものがありました。
端正な顔立ちは相変わらずで王子の格好をしているとさらにその美しさが目を惹く。快活で明るい杉浦ハンスと比べると、塚田ハンスは美しい顔立ちの奥にどこかちょっと影を感じさせる雰囲気を感じました。それだけに、後半のあの展開が”ちょっと透けて見える”印象を受けたかも。
サザンアイルズのハンス
門が開いた直後にアナが躓いてクリストフの氷の上に倒れてしまい、それを助けようとしたハンスとドキドキな感じになる場面もすごく好き。アナを巡る2人の男性による最初のコンタクトで、ハンスはアナにすごく興味を抱いているんだけどクリストフは商売道具の上でイチャイチャされてしまうので気分を害してしまう。この関係が後半変わってくることを考えると、とても印象深いシーンでもあるなと思います。
初めてのイケメンとの出会いに興奮を抑えきれないアナがペラペラと自分語りをしてしまう場面。三平アナはもう抑えたくても抑えきれない感情がダダ洩れしまくってる感じ(笑)。それを塚田ハンスがちょっとビックリしながらも優しい笑顔で受け止めてるのがなんだかとても萌えたw。この時点では彼はまだアナを…とは思ってなかったのではないかなぁ…と信じたい。
あまり一気に話過ぎて情緒不安定気味になるアナに対し、ハンスが自分の家族のことを語る♪サザンアイルのハンス♪のナンバー。サバサバと歌っているようにも見えるけれど、その心の奥には育った環境への苛立ちや諦めといった心の隙間風みたいなものがうっすら伝わってくるような気がしました。こういうことの積み重ねが後半のあの行動につながってしまうのかな…なんて思うとちょっと切なくなってしまう。
危険な夢
戴冠式で印象的なのはエルサの苦しい本心が歌われる♪危険な夢♪です。岡本エルサは本当に切なそうに歌うのでやるせない気持ちにさせられてしまう。魔法のせいで大好きな妹を遠ざけなければならない苦しみが切々と伝わってきた。
そしてそのことを考えすぎたが故に手袋を外すための心の準備ができなくなるシーン。「どうしてミスしたんだろう、集中力を切らしてしまった」というフレーズが見る者に緊張感を与えます。なので、無事に乗り切った時には一緒にほっとしてしまう。このあたりの気持ちの伝え方も、岡本さん素晴らしいと思います。
手袋なしでも乗り切れたことで安心し「やればできるんだ」とテンションが上がったエルサは久しぶりにアナと楽しいおしゃべりの時を過ごす。この時の2人の様子が本当に微笑ましくて、早く気兼ねなくこんな風に仲良くできる日がくればいいのにって切なくなりました…。めちゃめちゃ雰囲気良いんだもんなぁ。
特に、ウェーゼルトン男爵のエルサに対するダンスの誘いをアナが気を利かせて遠ざけるシーンが私は好きです。山本ウェーゼルトンのテンションがけっこうハイで張り切ってる動きしてるのがちょっと面白いんだけど(笑)、それに負けずにアナがめっちゃチャーミングな表情でそれをかわすんですよね。あの時のいたずらっ子みたいな表情がすごく好き。
ところが、アナが「これからは城の門を開けていろんな人を入れよう」と提案すると途端にエルサの態度が変わってしまう。エルサは幼い時にアナを傷つけたことがトラウマになっているのでどうしてもそれを受け入れることができないのですが、アナはその記憶を消されているのでなぜ姉が頑なに閉じこもりたがるのか理解できない。
直前まですごくいい雰囲気で笑い合っている場面があっただけに、二人のすれ違いのシーンは見ていてとても胸が痛みます…。
扉あけて
姉を怒らせてしまい凹んだアナのところに、タイミングよくハンス王子が声をかけてくる。この時はまだ下心があるようには見えないんだけど、杉浦君の時よりも塚田君のほうが「ひょっとしたら…」という可能性がうっすら浮かびました。
だけど、塚田ハンスめっちゃ気の良さそうな柔らかい笑顔浮かべてて…やっぱ奇麗な顔立ちしてるなぁと見惚れてしまう(笑)。親身にアナの話を聞いている姿も非常に好印象です。
そこからの♪扉あけて♪。アナ雪の中でも特に大好きなナンバー。映画版よりもアクションが大きくて楽しいショーのようになってるのでとても見ごたえがあります。塚田君、頑張ってキレキレ三平アナの動きについて行って踊っててめっちゃ可愛かったわ~~(多少贔屓目ww)。
表情もとてもいい。見た目はクールなんだけど、アナを持ち上げたり回したりするアクションの時の漫画チックな雰囲気がとても好印象。特にアナと手をパチンと合わせてノリノリみたいになってる時の表情も最高(笑)。のびやかで爽やかな歌声も素敵。『ノートルダム~』ではほとんどソロがなかったのですが、今回初めてじっくり聴けて嬉しかった。
テンションが上がって熱いキスを交わしたアナとハンスは、その勢いでエルサに結婚を報告。あまりにも突然のことすぎて受け入れられないエルサは二人の申し出を拒絶してしまいますが、姉としてはあれは当然の態度だよねって見るたびに思う(笑)。
なかなか姉に理解をしてもらえないアナは苛立ってしまいエルサの手袋を奪い取ってしまう。これに焦ったエルサもまたアナに理解してもらえない苛立ちを募らせ、ついに大衆の目の前で魔法を使ってしまった。居たたまれず逃げ出してしまうエルサがとても切ない…。すべては大好きな妹を傷つけたくない一心なのに、意にそぐわない出来事ばかりだもんね(涙)。
アナはエルサを追い詰めてしまったことを悔いて彼女の後を追いかける。この時に城を任されたのがハンス王子。あの時点ではまだアナのことを信頼している雰囲気があるんだけどなぁ…。
トナカイは人間よりマシ
カチコチに凍りそうなアナがやってきてクリストフとスヴェンはあきれてしまうのですが…、北村クリストフがめちゃめちゃイイ!!!本当に雪の中で暮らしてる逞しい野生児感がめっちゃ出てるっ!!彼がこんなにもこの役にハマるとは予想外だったので驚いた。
神永君はちょっとキザっぽい雰囲気があったけど、北村君はちょっとガサツで不器用な感じかな。アナに対しても最初すごい不審者目線なんですが、その表情がアニメっぽくて面白い。
さらにいいなと思ったのが、三平アナと北村クリストフのテンポのいい会話劇。もういつまででも聞いていられるっていうくらいすごい良いコンビ。実際には売り言葉に買い言葉で言い争ってたりするんだけどw、波長がめちゃめちゃ合う雰囲気をビンビン感じたんですよ。
雪山用の服をアナに渋々貸すことになるクリストフでしたが、そこには彼の優しさもちゃんとしっかり感じられる。口ではなんだかんだ言っちゃうけど、本当は凍えそうになってるアナのことを心配してくれてるというのがちゃんと伝わってきました。北村クリストフ最高!
愛の何がわかる
このミュージカルオリジナルのナンバーもポップでノリがよくて大好き。三平アナと北村クリストフは最初バチバチになりながら歌ってて全く意見が噛み合ってないんだけど、心のどこかで共鳴し合ってる雰囲気をすごく感じたんですよね。ちょっとしたきっかけがあれば二人の関係は一気に進むんじゃないだろうか、みたいな。
梯子から落ちそうになるのをお互いに助けるシーンも好き。なんだかんだブツクサ言ってるんだけど、ちゃんと相手のこと思いやってる。その延長線上にあの思わず抱き合ってしまう瞬間があるわけで。なんかこの二人見てるとキュンキュンが止まりませんでしたわ(二人の密着度がめちゃめちゃ高い 笑)。
三平アナは「なんかちょっとモニャっとした感覚」に戸惑ってたけど、北村クリストフはアナを抱き留めた瞬間に初めて彼女を一瞬「女性」として意識してたような気がした。最初に惹かれるのはクリストフだったんじゃないかと思うとなおさらワクワク感が止まらないww。
二人がエルサを探す旅を続ける最中、雪だるまのオラフと出会う。この日は山田オラフでしたが、相変わらずチャーミングで表情豊か。ユーモアと癒しを兼ね備えてる山田オラフ大好き。
彼に出会ったことでアナは幼い日にエルサと一緒に雪だるま(=オラフ)を作ったことを思い出しました。だけど、エルサの魔法で命が危なくなったことの記憶までは蘇ってこなかった。つまりこの時点ではまだ彼女は姉の苦悩に気づけないんですよねぇ。
オラフは雪だるまなのに夏の暑さにめちゃめちゃ憧れを持ってる。♪夏がきたら♪を陽気に歌い踊るオラフを見たクリストフが微妙な心境で「教えてやらなくていいのか」と苦笑いしてるのが面白くて好きw。
アレンデールの城に残り凍える市民たちに必死に寄り添おうとしているハンス王子。この時の彼はとても真剣で本当にアナの留守を守り抜こうという覚悟が見え隠れしてる。この時点で黒い感情が芽生えていたとは…やっぱり思いたくないよなぁ。塚田ハンスも熱く一所懸命みんなのために尽くそうとしてる様子だったし…。
むしろ、ウェーゼルトンのほうが分かりやすく黒い感情を表に出してる。ハンスはそれを阻止しようとしてますからね。この場面がある時点で、ウェーゼルトンも罪に問われてもいいと思ってしまうんだけどなぁ。
ありのままで
映画でも大きな話題をさらった♪ありのままで♪。ミュージカル版もここが大きな見せ場となります。無数のスワロフスキーの雪の結晶がキラキラしていて、本当にエルサの雪の城のよう。このナンバーの間にはいくつも彼女に仕掛けが施されていて、歌のテンションが少しずつ上がるたびに手袋やマントといった自分を「隠して」きたアイテムが上手い具合に風に乗って取り払われていく。
一番の見どころは、アナの服装がお城のドレスから雪の女王スタイルへと早替えされる場面。初見の皆さんは特にこの場面で「おぉっ」と驚きの喚声が上がります。私も最初に見た時同じ心境だったので思わず声が出てしまう気持ちはよく分かる!
髪の毛も束ねたものをほどきラフな形に変化。自分らしい「ありのまま」の自由な姿に生まれ変わった岡本エルサが歌う「少しも寒くないわ!!!」の最後の歌唱は圧巻!!ゾクゾクっときます。この一連の流れは本当にカッコイイ。客電ついたあとも興奮気味に話したくなる人が多数。あれを見ておとなしく休憩時間過ごすっていうのは難しいよね(汗)。それくらいすごい1幕ラストだと思う。
2幕感想は次のページにて。