1か月ぶりのミュージカル『エリザベート』を観に東京遠征してきました。
8月は予定に入れていないので(ちなみに私にしては珍しく観劇そのものがゼロ)、これが2019年版最後のエリザベート観劇となります。
※2019年6月観劇レポ↓
エリザは本当にチケットを取るのが困難な演目になってしまい、2回目を確保するのには大変苦労いたしました(汗)。ことごとく前売り抽選に外れまくっていましたが、最後の最後にダメ元で申し込んだものがついに奇跡の当選!外れる可能性の方が大きいと覚悟してたので、当選メールが来たときには逆にビビりました(笑)。
で、このチケットには漏れなく『エリザベートの扇子』がもらえることになってまして(その分チケット代もちょっとお高かった 苦笑)、指定の場所まで取りに行ってきました。
広げてみるとかなりの大きさでまたビックリ!!劇中でシシィが使っているのと同じくらいはあるんじゃなかろうか!?まぁ、あれとは質が全然違うのであんな風にバサっとは広がりませんがw。でも、良き記念となりました。
初日明けてから1か月以上が経過しているということもあり、パンフレットも舞台写真つきのものに。舞台写真は別の冊子で売ってほしいんだけどね…ホントは。
あと、前回品切れで諦めざるを得なかったクリアファイルが入荷してました!
最後のエリザ観劇ということもあり、思い切って2種類買ってしまった。
以下、ネタバレ含んだ感想です。
2019.06.25 ソワレ in帝国劇場(東京・日比谷)
主なキャスト
- エリザベート:愛希れいか
- トート:井上芳雄
- フランツ:田代万里生
- ルキーニ:成河
- ルドルフ:三浦涼介
- ゾフィー:剣幸
- マックス:原慎一郎
- ルドヴィカ/マダム・ヴォルフ:未来優希
- エルマー:植原卓也
- 少年ルドルフ:大河原爽介
少年ルドルフは大河原くん。たしか前回公演のときにもルドルフで出演していたっけかな。しっかりした歌声だったし、皇太子の孤独さも良く表現できていたと思います。将来有望なミュージカル俳優さんになりそう。
そして、やっぱりカッコいい革命家役の山田元くん。歌声もいいしビジュアルもあるから、もっと大きな作品でメイン級のところまで行ってほしいなぁ。
全体感想<1幕>
※あらすじと概要はこちら。
♪我ら息絶えし者ども♪
何度聞いてもゾクゾクくる最高のナンバー。ここでまず注目して見たのが亡霊ルドルフの三浦りょん君。いや~~~~、予想以上に美少年でビックリ!!思わず目が釘付けになってしまった。りょんくんについてはキャスト感想にまた書きたいと思います。
それから、フランツ役の万里生くんの歌声が実に心地よく響いているのもよかった。彼の歌って本当に聴き取りやすいので好きなんですよね。見所のもう一つは、ルキーニ役の成河さんの身体能力の高さ。随所に観られますが、冒頭から非常に身軽でビックリします。
さらに、個人的には精神病棟に出てくるヴィンデッシュの壊れたシシィようなカクカクした動きも非常に印象的だなと。この先に起きるシシィの不吉な兆候を表しているようで目を惹きました。
トート閣下が真上からスーーっと降りてくる登場の仕方はいろんな意見があると思いますが(人によっては面白く見えちゃうかもw)、芳雄トートの貫禄とダンサーズの見事な動きで非常にスリリングでゾクっとするような雰囲気がありました。まさに黄泉の国からの遣いって感じ。
そして最高潮に体中の血が湧き立つようにテンションが上がるのが、ルキーニとトートによる『エリザベート!!」と呼び合う歌。芳雄くんと成河さんの歌い方が格闘技のようでものすごい迫力でした!!帝劇を支配してたよ!これを目撃できただけでも来たかいがあったと思うくらい鳥肌モノでした。
以前の演出ではここの場面は全部ルキーニが歌ってたのですが、トート閣下にも歌わせることでドラマの幅が広がったように感じます。
♪パパみたいに♪
注目したいのはマックス役の原慎一郎さん。前回書きそびれてましたが、歴代のマックス役者の中で一番ハンサムで歌ウマなんじゃないでしょうか。若々しくて爽やかなので、家庭教師とベタベタしててもドキッとさせられることがあってもw厭らしくはない。
原さんは劇団四季でペテロ役を演じていたのを観た時から注目してる役者さん。『アナ雪』ではクリストフの声を演じてるんですよね。パート2にも出演するようなので楽しみです。
♪愛と死の輪舞♪
シシィとトートの距離が徐々に近づいていく演出が印象的。6月に観た時はけっこう距離感あるなぁと思いましたが、今回見た時はトートがシシィに吸い寄せられるように近づいていく演出は面白いなぁとちょっと見方が変わりました。
ここではトートはあまりあからさまにシシィに一目惚れしたように演じなくなりましたよね。それだけはちょっと残念かなw。
♪皇帝の義務♪
万里生フランツは剣ゾフィに忠実に従うイメージがすごく強かった。取り乱した母親が飛び込んできて迷いが生じた時にも、椅子からは腰を少し浮かせる程度でハッキリとした動揺を見せていなかったのが印象的でした。
なにせ、剣さんのゾフィ・・・かなりの迫力で怖いお母様だったからねww。あれは従わざるを得ないだろうって感じかな。でも、政治よりも結婚というゾフィの意見には「母上!」とちょっと抵抗を見せていたフランツ。色々思うところはあるんだろうなという印象。
♪計画通り♪
見合いの場面はシシィの可愛さがポイント。愛希さんのシシィは屈託のない少女の笑顔が可愛らしい。面白かったのは、ルキーニがシシィが座ろうとした瞬間に椅子を大きく引いてたこと。思わず座りそこなるものの慌てずに優雅にスっと座ってたシシィはカッコよかった。
あと、ヘレネの飾りが落ちてしまったのをこっそり拾ってつけてあげるのも可愛くて好き。ちょっとお転婆で可愛く機転の利くシシィをフランツは放っておかないだろうなという説得力があるシーンでもあるかな。
♪あなたが側にいれば♪
印象的だったのが、愛希シシィが「なにものにも妨げられず自由に生きていくの」と歌った時に万里生フランツが笑った場面。ここではシシィの屈託のなさにフランツが不安に感じてちょっと暗い顔になるパターンが多かっただけに、そこで笑ったのにはちょっとビックリしたし新鮮だなと思いました。フランツは本当に深くシシィに魅了されたんだなっていうのが伝わってきましたね。
それだけに、「皇帝に自由はない、皇后も等しく義務を負う」と歌う時の切なさがより一層感じられて胸が痛くなりました。
♪最後のダンス♪
結婚式のダンスシーンでは革命家になる前の山田元くんの麗しいアンサンブル姿が観れるのが楽しみだったりする。高貴な雰囲気が漂っててやっぱりカッコよかったなぁ。
万里生フランツはもうシシィにデレまくりでめっちゃ嬉しそうにダンスしてるんだけどww、トートダンサーズが混じってきた後、最後に舞台袖の奥にけっこう強引に押しやられてしまうのがなんだか気の毒だった(汗)。あんなふうにフランツは姿を消していたのかとこの時初めて見たww。
芳雄トートの歌い方が前回公演で観た時よりも表現豊かになっていて非常に見応えがありました。最初すごくソフトに入っていっていくんだけど、徐々にシシィを侵食していくような歌い方で見ていてゾクッとさせられましたね。あと、音程もちょっとオリジナル入ってた気がする。ここは自由な歌い方がけっこう許される場面だと思うので刺激的で面白かった。
結婚初夜の説明のところ、やっぱり成河ルキーニはトリさんの小道具を持ってませんでしたね。でも、彼の場合はそれがなくても十分刺激的に語っているので逆にない方がいいのかもって思いました。
シシィvsゾフィのやりとりは、剣ゾフィの貫禄勝ちって感じですかねぇ。愛希シシィも精一杯抵抗してましたが、あの迫力にはかなわなかったかも。特に布団をめくってセンスで”ある場所”を指し示す時の素振りにはゾクっとさせられる怖さがあった。氷の冷たさみたいな感じ。
あの布団のシーンは…ね…(汗)。シシィが傷つくのも無理ないなとは思うんですが。そんな二人の争いに、板挟み状態の万里生フランツは心底困惑してるようでなんだか気の毒だったよ(汗)。
♪私だけに♪
「一人にしてください!」とフランツを拒絶した後にこのナンバー始まるんですが、けっこう空白の時間が長くてなかなか音楽が始まらないw。そこの余韻はそんなにいらないんじゃ・・・とも思ってしまうんですけど、そこはシシィ役者さんとの呼吸の関係だから色々タイミング違うのかもですね。
それにしても、やっぱりあの鉄板がグオーって上がっていく演出は見ていてドキドキする(汗)。けっこうな高さまで上がってから滑り落ちてくるので、ホント最後まで怪我ないようにしていただきたいです。
結婚生活に入って子供が生まれたあともゾフィに取られてしまったりでシシィの不満はどんどん高まっていく。
で、印象的だったのが2人目が生まれたあとの夫婦の会話シーン。ハンガリーに一緒に来てほしいと懇願するフランツにシシィは「子供たちを返してくれたら行く」と強気の姿勢。このあとフランツは「母上に掛け合うよ」と折れるんですが、これまでの印象だとフランツはシシィの態度に気をもんでるような雰囲気があったんですよね。それが、万里生フランツは「必ず僕が説得して見せる!」といった積極的な雰囲気だったんですよ。完全にシシィに手なずけられてるようなww。首ったけ状態なんだろうなと微笑ましくすらあった(笑)。
ハンガリー訪問場面は前回見た時にも思ったけど、シシィたちを迎える前にひと悶着あったというエピソードを挟んだのはドラマ的にも分かりやすくなったしシシィの「ハンガリーの三色旗ドレス」の意味も伝わりやすくなりました。ちなみに、このシーンにルドルフになる前のりょん君がいるはず…だったんですが…ついに見つけることができなかった(汗)。
エルマーたち革命家の熱が6月に観た時よりも熱くなっていたのも良かったです。植原エルマーのメラメラ感も増してました。
その直後、トートがシシィの長女ゾフィの死を知らせるために棺を見せる。いつもはシシィとトートに目が言っていて気が付かなかったのですが、たしか、前演出のときには最後にフランツがゾフィの棺を泣きながら抱えて去って行っていたんですよね。
それが、今回見たら・・・トートダンサーズが棺を抱えたままでフランツがそれを追いかける形で一緒に去っていくという感じに変わってました。なんか、棺に触らせてもらえないフランツが非常に哀れで切なかった…。
シシィがフランツを拒絶する場面は、もう、万里生フランツがウルウルしまくってるからどうしてもそっちに感情移入してしまう(笑)。顔を合わせてくれないシシィに対して懇願してる姿がなんとも哀れで…。最後通牒を渡されたあと、衝撃を受けながらもその書類に真剣に目を通していたのもポイントが高いです。必死にシシィに応えようとする涙ぐましい努力が痛々しかった。
その直後にシシィの元に現れる芳雄トートの歌い方がまた包み込むような深みがあって、思わずそちらの世界に引き込まれてしまいそうになる。シシィに拒絶された後もあまり動揺を見せず、むしろ余裕があるように見えたのが印象的でした。
♪ミルク♪
ここは民衆とルキーニによるパワフルなパフォーマンスが一番の見どころなのですが…すみません、今回はアンサンブルとして紛れ込んでるりょん君に釘付けになってました(笑)。2幕から本役で登場するので後ろの方で帽子も深くかぶって目立たないように存在してるんですが、このシーンでルドルフ役者がいることはだいぶ前から知っているのでこれは見つけやすいww。
地味な扮装をしていても、キラキラオーラが漏れてる(笑)。目深にかぶった帽子から垣間見える美しい顔…!!そしてキレのあるダンスの動き。もうずっと目で追ってしまって…ついに全体像を見ずに終わってしまった(笑)。
♪私だけに<リプライズ>♪
1幕ラストの見どころは何といってもシシィの圧倒的な美しさとそれを挟むように見つめているトートとフランツの対比なのですが…今回思わずハッとして目を惹いてしまったのが万里生フランツ。
シシィが「ただ私の人生は私のもの」と歌った後、ものすごいショッキングな表情してて…最後に「エリザベート」って歌う時にホロホロ涙を流してたんですよ。あそこで泣いてるフランツを目にしたのは初めてだったのでけっこう衝撃受けて…思わずちょっともらい泣きしちゃったよ…!!
2幕感想は次のページで。