ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター ~北斗の拳~』愛知公演 2022.01.15マチネ・ソワレ前楽

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター ~北斗の拳~』を観に愛知・名古屋まで遠征してきました。

実は前売りの段階で愛知公演初日を確保していましたw。その時はこのミュージカルの全貌が分からないまま、制作発表の映像を見ただけで「好きな作品かも」という直感を信じて購入。結果、大正解でした。ちなみに前楽は大阪公演観た後に買い足してます(笑)。こんなことなら最初から大千穐楽購入しておけばよかったなぁとちょっと後悔してますが、それでも、前楽を見届けられたことは本当に良かったです。

愛知県芸術劇場に来たの、何年ぶりだろう…。たぶん、石丸幹二さん主演の『ライムライト』を観に遠征して以来。ちょうど宿泊したホテルから行きやすい場所にあったので迷子にならずに済んでよかったw。

劇場は本当に大きくて、話によると『フィスト~』公演最後の地であるここが一番広かったとのこと。客席は5階まであるらしいですからね。5階席から見る舞台の光景ってどんな感じなのだろうか。

ちなみに私は15日ソワレは2階席後方となったのですが、愛知芸術劇場の2階席は他の劇場とはちょっと違ってて。1階席が17列目まであるのですが、そのすぐ後ろが2メートル弱くらい高くなっていてそこからが2階席になっている。つまり、ほぼ1階席と同等(2階席から1階席に降りていかれるくらいなので)。
さすがに細かい役者の表情はオペラグラスがないとちょっと厳しいですが、裸眼でもよく見れば大まかな様子は掴めるほど近い印象がありました。前の人の頭も気にならないくらいの段差もあったし、なかなか良心的な劇場だと思います。

愛知のラスト3公演には私のような遠征組もけっこう駆けつけていたようです。どんどん新型コロナ禍の状況が悪化している時期ではありましたが、1-2階席は私が見た回はサイド以外は(座席が完全に横向いてるゾーンはチラホラくらい)ほぼ満席に近かったんじゃないかな。それだけこの作品を愛したファンがたくさんいたということだと思う。素晴らしい瞬間に私も立ち会えてとても嬉しかったです。

以下、ネタバレを含んだ感想です。

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2022.01.15 マチネ・ソワレ(前楽)公演 in 愛知県芸術劇場(愛知・名古屋)

主なキャスト・あらすじと概要は1月8日公演の記事を参照してください。

※1月15日のユリア役はマチネ・ソワレとも平原綾香さん、リン役は山﨑怜奈さんでした。

マチネではラオウ役の宮尾俊太郎さんが、ソワレではユリア役の平原綾香さんとシン役の植原卓也くん大千穐楽を迎えました。カテコでの様子は後述します。

リン役の山﨑怜奈ちゃんは今回が初めましてでしたが、歌が本当に素晴らしくてビックリしました。ホリプロスカウトキャラバンでグランプリを獲得したという逸材とのこと。これからどんどんいろいろな作品に出演してさらに素敵な女優さんに成長してほしいなと思いました。

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全体感想 -1幕-

今回は主に印象に残ったナンバーごとのシーンについて振り返ってみたいと思います。

M0.序曲 / M1.宿命

のっけからナンバーがめっちゃカッコイイです!!夢中で少年漫画を読んでいた時代のドキドキ感をちょっと思い出してしまった。このあたりの掴みはさすがワイルドホーンだなと思います。

川口竜也さん演じるリュウケンの養子の中から北斗神拳伝承者を選ぶ儀式が行われるシーンから物語はスタート。川口さんはリュウケンを演じるためにスキンヘッドにされるほど気合入られてました。めっちゃお似合いでしたよ。個人的には、リュウケンがラオウに技をかける時に後ろの映像でアニメみたいに増殖するやつがけっこう面白くて好きでした(笑っちゃうけどw)。あれ、タイミング合わせるのも大変だったと思う。

この冒頭のプロローグでは色んなドラマが詰まってて。個人的にはやっぱり加藤和樹くん演じるトキがユリアに微笑みかけたんだけどほぼスルーされてケンシロウのもとに行っちゃうのが毎回切なくてたまりませんでした(涙)。哀しそうな瞳でユリアを見つめながら自らの想いを閉じ込める和樹君トキに毎回ウルウルさせられっぱなしだったな。こういう繊細な表現のお芝居がホント大好きです。

それから、一子相伝の北斗神拳伝承者に選ばれるのは長兄ラオウだと思い込んでいたケンシロウがまさかの自分指名を受けて「え…!?」と動揺しちゃう場面も印象に残りました。この時のケンシロウはまだまだ精神的にも未熟で自信がない感じ。私の記憶に残っているケンシロウは無口で偉大な超人みたいなイメージが強かったのでww、大貫勇輔くんケンシロウの反応はとても新鮮でした。

自分が選ばれなかったことに激怒しちゃうラオウをリュウケンは封じ込めようとするんですが、運悪くそのタイミングで突然体調が悪化。ここはちょっと突然すぎて「え、師匠、そこで具合悪くなるんかい(汗)」とちょっとビビったw。しかもラオウに呆気なくズボォってやられて終わっちゃうしね(汗)。
最初に見た時は川口さんここだけ!?勿体ない~なんて思ったんですが、その後も重要なシーンでちょいちょい登場されてたのでホッと胸をなでおろしましたw。

それからしばらくして人類が恐ろしい攻撃にさらされて苦しめられる場面となるのですが、ここでもやっぱり和樹くんのトキがめちゃめちゃ切ない!!自分もユリアを愛しているけれど、ケンシロウと彼女が愛し合っているのを知っているから大好きな二人のために身を引いてるんですよね。だから、シェルターに逃げ込むシーンの時にケンシロウとユリアだけ中に入れて自分は犠牲になる道を選んでしまう…。トキ、もう冒頭からずっと切なすぎる(涙)。

この場面は、大貫ケンシロウの表情も泣けるんだよ~~。扉を強引に閉めようとするトキに「何をするんだ!?」ってものすごく哀しそうな眼をしながら最後まで助けようともがいてた。ケンシロウはトキもすごく慕ってたから、あの場面はホント辛かっただろうな…(涙)。また大貫くんが本当にとても優しいケンシロウを演じてるわけですよ。彼の元々の人柄みたいなものが滲み出まくってる。それだけにめちゃめちゃ泣けるんです。

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M3.愛のテーマ

攻撃を受けて不治の病に侵されてしまったトキは、ケンシロウとユリアの元を離れ自らの生きる道を模索する旅に出る。自分たちを助けるためにトキを犠牲にしてしまったことをケンシロウはものすごく悔いていて、ユリアと旅を続けていても心が痛いまま…。
そんな彼を励ますためにユリアは初めて出会った日のことを思い出してもらおうと語り掛けます。っていうか、ユリア的にはトキは殆ど眼中にない存在だったのかもってこの時思った(汗)。か弱いように見えて割り切れてるみたいなw。ひたすら彼女はケンシロウ一筋だったのが印象深い。

少女だったユリアはリュウケンの3人の養子と初めて出会った頃は感情のない状態だった(母親の胎内に感情を置き忘れたっていう設定がトンデモすぎてビックリw)。でも、ある日落ちたボールをケンシロウから拾って手渡された時にムクムクと感情が沸き起こり歌を歌い出すユリア。二人は共鳴したんですよね。それを複雑な表情で見てた少年トキと少年ラオウ…。

ちなみにこの時少年ケンシロウを演じてたのは、このすぐ後のシーンでバットとして登場する渡邉蒼くんでした。

その当時を思い出したケンシロウはユリアとラブソングを歌い希望を見出すのですが、このナンバーがまた実にドラマチックで美しい!一気に二人の世界に惹きこまれた。でも、シン一派の登場で途中でブッチされちゃうのが残念。

シンはユリアに歪んだ愛情を抱いていてケンシロウから彼女を奪い取ろうとするわけですが、かなーり呆気なく引き離されちゃって(汗)最初に見た時は「え!?もう??」とビックリしましたw。いや、漫画やアニメのケンシロウって無敵なイメージがあったのでそれとはかなり違う人物像だなと思って。
二人の戦いはワイヤーアクションで表現。最初に見た時はスピード感が落ちてちょっと微妙…と思わなくもなかったんですが、今回はちょっと慣れましたw。っていうか、ケンシロウもシンも実に美しい型でフライングしてて圧巻だなと思いました。よほどの体感がなければあの姿勢は保てないはず。

そして捕らわれたケンシロウはユリアの前でシンから胸に”北斗七星”の深い傷を刻まれる。あれ、普通の人が受けたら1発目でもうサヨナラになってるレベル(怖)。アニメやマンガだとあの場面は胸からプシャーって表現がありそうですが(あまり記憶がない 汗)舞台では後ろからのライティングがズバッズバッと当たる感じになっていたのであまり恐怖せずに見ることができたと思います。でも、大貫ケンシロウの断末魔が痛々しくて辛いんですけどね(涙)。
あまりにも凄惨な光景を目にしたユリアはシンの女になることを決意。二人がこういう形で別れ別れになってしまったことを今回のミュージカルで初めて知りました。切なかった(涙)。

それでも、ケンシロウは呻きながら立ち上がって歩き始めるわけですからね。いくら筋肉ムキムキでも、あんなズボズボ体に穴をあけられたら命の危機だよ(汗)。ケンシロウがいかに人間離れした超人かというのを思い知らされたシーンでもあったw。

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M4.暴力バンザイ

いよいよ渡邉蒼くんのバットが本格的に登場。ハスキーな声ながらもハッキリと聞こえるセリフ回し、そして縦横無尽に舞台のセットの上を軽々と駆け回りながらも完璧に歌えるあの歌唱力!!大河ドラマ『西郷どん』で西郷の少年時代を演じた蒼くんに「上手い子役さんだな」と感動したことはありましたが、まさか舞台の上でこんなにも輝ける子だとは思いもしなくて本当にびっくりしました!

最初はものすごく強がってるバットでしたが、盗んだ食糧を他の人たちに盗られてしまって絶望感が襲った時に急に孤独がこみ上げてくる。「死ぬのは怖くないけど、一人で生きるのは怖い」と一瞬震えながら歌うシーンがあるんですが、この時の蒼くんの表情の変化のお芝居がものすごく繊細で、見ていて思わず涙がこぼれてしまいました(泣)。彼の孤独な本心が浮き彫りになって見えてきてホント切なかったです…。

そんな時に、水を求めてやって来て倒れるケンシロウと遭遇するバット。そのまま二人とも牢獄に入れられてしまう。そこへ牢番の少女・リンがケンシロウのために水やパンを持ってきてくれた。そのことに感動したケンシロウは、あまりにも辛い過去ゆえに言葉を話せなくなった彼女が再び元に戻れるようきっかけになるような秘孔を突いてやる。

M5.心の叫び

Z一派が襲って来たことでリンが殺されてしまうかもしれないと知ったケンシロウは、自分の胸の傷が彼女の心の痛みとリンクしているのを感じる。ケンシロウの北斗七星の傷が、初めて他人の心の痛みを感じたシーンでもありとても印象的。大貫ケンシロウがとても哀しそうな眼で歌ってて、そして徐々に怒りの感情が沸き起こり牢の格子をグワッと広げて呆気なく脱出。
バットは必死に鍵を拾って開けようとしてたけど、全くそれが役に立たないまま一緒に脱出できてしまったっていう顛末は面白かった(笑)。

Z隊長がリンを人質にとって人々に食料要求しているのを目の当たりにしたケンシロウ。その時リンがついに自らの意思で声を発したのを見て、着ていた服を筋肉で拭き飛ばすw!!これも実に漫画チックな演出で面白かった。
だけど、半裸になったケンシロウ…はっきり見えちゃうんだよねぇ、薄い傷付きのチョッキを装着してるのが(苦笑)。あれ、もう少し色的に目立たないように工夫できなかったかなぁと今でも思う。オペラグラスで見ると、大貫くんの肌の色と傷付きチョッキの色とが違ってて「着てる」感が否めなかったんですよ(汗汗)。やっぱり、革ジャン破らないで羽織ってた方がよかったと思ったw。

ただ、このシーンは大貫ケンシロウが歌いながら敵キャラと戦ってるのがものすごい大きな見どころ。次第に中の着てるやつは気にならなくなるのがすごいw。ダンサーの大貫くんならではの華麗な飛び蹴りジャンプが何本も見られるし、非常に美しい回し蹴りも随所に出てきて迫力満点!!あんな美しい殺陣にはなかなかお目にかかれませんよ。めちゃめちゃ眼福!!
ちなみに私は大貫ケンシロウが敵キャラに向かって「来いや」みたいに手をクイックイッとやる仕草がめっちゃ好きでした(笑)。

そして、『北斗の拳』といえばこれだろう!!っていう作品をよく知らない私でも知ってる有名なシーンがついに登場(笑)。大貫ケンシロウがZ隊長の体を「ア~タタタタタタ!!!」と北斗神拳で突きまくるんですが、その声の高さがアニメの再現率めっちゃ高くてビックリ!!制作発表の時よりもレベルアップしたんじゃない!??
そして、突かれた直後は平然としてる隊長に向かっての「お前はもう、死んでいるが最高(笑)。私の『北斗の拳』のイメージまんまよww!!そしてぶっ倒れたZ隊長の断末魔が「ひでぶぅぅ~!!!」きたぁーーーー!!!って感じ(笑)。この一連のシーンは個人的にめっちゃ上がりましたww。中野高志さん、最高の「ひでぶぅ~」でした!!客席からも拍手喝采!

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M6.心の翼

ふとしたことで安富毅さん演じるミスミという初老の男性に出会ったケンシロウたちは、彼が必死に種もみを守ろうとしていたことを知ります。「この種もみは”明日への希望”」と語るミスミさんの言葉に心を打たれたケンシロウが「初めて人間にあった気がする」というセリフを感慨深そうに呟いたシーンがとても印象的でした。ミスミさんとの出会いはケンシロウたちにとっても”希望”だったんだなと思うとジーンときてしまった。

それに♪心の翼♪のナンバーが未来を感じさせる明るい歌ですごく良いんですよね~。今の混沌とした時代の中に差す一筋の光のような歌だった。

ミスミの村に案内されたケンシロウたちはそこで松原凛子さん演じるマミヤという女性と白羽ゆりさん演じるトワというミスミの奧さん、そして用心棒として雇われたレイと出会う。マミヤはダグルという人物に囲われて酷い目に遭わされていたことで心のトラウマを抱えていて、レイはそんな彼女の境遇が自分の殺されてしまった妹と同じであることを知って彼女に興味を抱きました。この時の松原マミヤの苦しみっぷりがもう見ていられないくらい哀しかった…(涙)。

M7.忘れられない恋

生き別れになっていたバットと再会したことでテンションが上がったトワさん。一度は息子のように可愛がっていた子が再び戻ってきてくれたことを嬉しく思っている気持ちが伝わってきてジーンときたなぁ。このエピソードにはがあって、それを後から知った時は泣きましたよ(涙)。

トワさんとミスミさんは自分たちの馴れ初めを絡めながら恋の素晴らしさを歌い、村のみんなと楽しいひと時を過ごす。そんななか、ケンシロウに「踊らない?」と声をかけたマミヤ。その後ろではレイがマミヤと一緒に踊りたそうにしてて、ここちょっとした三角関係みたいになってたのが面白かったです。マミヤちゃんはケンシロウのことちょっと好きになりそうだったのかな?そのあたりちょっと微妙だよね。

ケンシロウがマミヤの手を取ろうか迷ってたその時、彼はユリアの幻を見る。そして妄想のなかで愛するユリアと華麗に踊り始めるのですが、これがまた実に美しい!!やっぱり大貫くんの動きの一つ一つが無駄がなくてほんと綺麗なんですよね。そこにまだ会えないことへの哀しさの感情も入り混じってるわけで…、愛知公演ではこの二人の幻のダンスシーンはボロ泣きしました(涙)。

その後、ひっそりと一人村を出てユリアを探しに出かけようとしたケンシロウにマミヤは自分を救ってくれた人のことを語る。その話を聞いてすぐに兄のトキであることを悟ったケンシロウはマミヤの案内でレイと共に向かうことにした。行き際にケンシロウがマントを拾うのですが、バットが万一に備えて足にひもで括りつけてたのがなんともいじらしかったなぁ。
ケンシロウを兄のように慕っていた彼は自分が置いて行かれないように細工したんだよね。だけど、あまりにも連れて行くのは危険ということで結局は置いて行かれることになっちゃって。見送る背中がちょっと切なかった。

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トキが囚われている場所のすぐ近くまでたどり着いた時、門番のフウガとライガ兄弟が立ち塞がり二人と戦うケンシロウ。技を出すときの「ワタァ~~~!!」っていう甲高い叫びがもうアニメとほぼ同じレベル!!すごい再現率だったよ、大貫くん!!
で、ケンシロウは彼らの目に哀しみが宿ってることを察して助けるんですよね。こんな優しい男だったのかと改めて驚きました。原作もアニメもまともに見ていないので、ケンシロウは冷たいイメージのほうが強かったんですよね(ほとんど喋ってる印象ないし)。それだけに大貫ケンシロウはとても新鮮で心が温かくなった。

M8.抗いようがなく

激しいアクションはその後も続くんですが、ケンシロウが参戦しようとしたレイをちょこっとボコって止めていたのが印象的だったw。その時のレイの「なんだ?」みたいな表情がちょっと面白かったw。

で、レイはケンシロウの完璧な戦いっぷりを目の当たりにして「こんなすごい奴初めて見た」と驚愕しながら歌います。ここのナンバーの旋律がまためちゃめちゃカッコイイ!少年漫画チックな雰囲気もあって見る者の高揚感を掻き立ててくれました。
いやはや、それにしても本当に大貫ケンシロウの戦う姿は非常にアグレッシブで美しい。軸がぶれてないのはさすがダンサーならでは。襲ってくる立場のアンサンブルさんたちとのコンビネーションもピタリと合っていて、お互い信頼し合っているからこそ成立してるシーンだなぁと感動しました。

さらに、大ボスのダグルとの戦いは圧巻。ダグルはいかつい鎧を着た上に伸びる槍で攻撃してくるのですがww、ケンシロウはそれを抜群の運動神経でいとも簡単にかわしてる(ように見えるのがすごい!!)。このシーンの二人の攻防戦は本当にカッコよすぎて見ていてゾクゾクしました!アクションでこんな気持ちになったの久しぶりかも。

でも結局最後は面を割られて現れた顔を見て、マミヤや妹を酷い目に遭わせた人物だと知ったレイによって倒されてしまうという。やられる時はホント一瞬でしたわ(汗)。

そしてケンシロウは捕らわれの身となっていたトキと再会。和樹くんトキの、なんと静寂で美しかったことよ…!!胡坐をかいて座っている姿からしてなんだか神々しくて手を合わせたくなるようなレベルでビックリした(汗)。それでも上腕二頭筋の筋肉は美しく逞しい。

髪の毛も真っ白になってしまい、命がもうすぐ尽きることを悟っていると語るトキ。彼はケンシロウに人々を恐怖で支配しようとしている拳王の正体が長兄のラオウであることを告げます。ケンシロウはトキと共にラオウの暴走を止めなければと新たな決意をする。

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M9.死兆星の下で

シンの女として満たされない日々を送っていたユリア。そんな彼女のために略奪したものを贈ろうとしてくるシン(汗)。ユリアは自分のために多くの罪なき人々が傷つけられている現状を察し酷く心を痛めていました。遠く離れた場所でケンシロウもユリアを想いながら歌っていて、二人の気持ちが重なったようなデュエットは実にドラマチックで感動的でした。

その最中、レイはマミヤと何やら話をしたりしていたのですが…、理生くんレイは比較的落ち着いた対応でジェントルマンな雰囲気だったのに対し、伊礼くんレイはマミヤにちょっとチョッカイ出しそうな態度を見せていて「ちょっとやめて」みたいに軽く拒否られてたのが面白かったです(笑)。理生レイは”お兄ちゃん”ぽくマミヤと接してるけど、伊礼くんは”妹以上恋人未満”みたいな感情がちらちら感じられる雰囲気だったような気がします。

そしてユリアは自分のために罪なき人の命が奪われていくことをシンに抗議した後、これ以上の悲劇を繰り返させないためにと塔の上から身を投げてしまう。もしかしたらあの瞬間にシンのなかでのユリアへの愛の形がこれまでから少し変わったのかもしれないなと思いました。

M10.最後の真実

その頃ミスミさんたちの村には侵攻軍が押し寄せてきて拳王に服従するよう迫られていました。殺されるくらいならば服従するしかないと覚悟を決める人が多いなか、リンだけはそれを拒絶する。「悪魔に従ったら人間じゃなくなるとケンが教えてくれた!!」と叫ぶ彼女の言葉は多くの人の心を打ちました。その真っ直ぐな想いはホントぐっとくるものがあったよねぇ。

たとえ侵攻隊長に粗末に扱われても決して屈しようとしないリンの姿、そして真っすぐで凛とした歌声は村の人たちの意識を変えていく。彼女を守ろうと、村人たちが隊長の前に立ちはだかり「決して屈するものか!!」と力強く歌うシーンは本当に感動的で思わず涙がこぼれました(涙)。もうみんな、本当にめちゃめちゃ熱いんですよ…!!皆が皆、仲間を思いやって自らが盾になろうとしてるんだもの…。あんなの、泣くしかないっしょ(涙)。
そして究極は最後のリンちゃんの「選ぶーーー!!」の歌声!!あれは本当に凄い!山崎怜奈ちゃん、将来本当に大物になると思った。

そして侵攻軍たちはそんな彼らの気迫に完全に押されてしまい攻撃する手を出せなくなってしまう。そこへついにケンシロウたちが到着。やっと助かったと思いきや、追い詰められた隊長が逆ギレして「拳王様に何かを差し出さなければこっちがやられてしまう」と無理やりミスミから種もみを奪い取ろうとしてしまい…それを死守しようとした彼を斬り倒してしまった(涙)。あの優しく強かったヤッキーさんのミスミさんがぁーーーーー(泣)!!!

ケンシロウは衝撃と怒りのあまり北斗神拳を隊長に思い切り浴びせる。最後に隊長が呻きと共にあげた言葉が・・・「あべしっ」ww!!これも『北斗の拳』で敵キャラが倒れる時に口にした謎の言葉のひとつ(笑)。哀しい場面の直後にこれがきたものだから、感情が忙しいww。しかも、「あべし」で拍手起こってましたからね(笑)。
この隊長演じてたのが、師匠リュウケンを演じてた川口竜也さんっていうのも意外な配役。川口さんの「あべしっ」が聞けるなんて最高だったわww。

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ミスミは最後まで種もみに想いを残しながら亡くなってしまいました(涙)。助けることができず悲しみに暮れるケンシロウが切なかった…。そして愛する奧さんトウの嘆きも哀しすぎた(涙)。

M11.拳王の野望

このタイミングでついにラオウが満を持して登場します。舞台奥から馬の黒王号に乗って現れるその姿は迫力満点!!リンが「震えが止まらない」と怯えるのも納得の恐ろしさでした。

ちなみに、黒王号は4人の役者さんが中に入って操っていたそうです。

福井さんの感謝のツイートも泣けますよね。動物を中に入って動かす芝居ってものすごい体力がいると聞いたことがあります。本当にお疲れ様でした!

宮尾俊太郎さん福井晶一さんもどちらも圧倒的な大迫力のラオウだったのですが、福井さんは劇団四季で鍛えた滑舌の良さと力強い歌声で劇場を制していたのに対し、宮尾さんはバレエで鍛えた型の美しさが滲み出るような、美しくも不気味な存在感を醸し出しているように感じました。どちらも個性が出ていてとてもよかったと思います。

ここのナンバーがまた実に力強くてかっこいいんですよね~~!まさにラオウにピッタリのテーマ曲って感じ。

トキはケンシロウの動きを封じ一人でラオウに立ち向かっていく。そこには彼の壮絶な覚悟が秘められているのですが、この時はまだ明かされていません。和樹くんトキの水が流れるような美しいか前は何度見てもうっとりするレベル。美しい腕の筋肉から発せられる「気」が青白く揺れているようだった。
しかし、病に侵されてしまっているトキは圧倒的な力を持つラオウに全く歯が立たず動けなくなってしまう。レイは今度は自分がと立ち向かっていくのですが、あっという間に力でねじ伏せられてしまった。ここのワイヤーアクションの使い方はリアルでよかったです。

ラオウに戦いを挑みながらもトキやレイが倒れていく様を目の当たりにした村人たちは彼らのために戦おうという姿勢を見せる。ここで泣けるのが、バットが「ここにいる皆は俺の愛する家族なんだ!!」と叫ぶ場面。あれはホントに心が震えた(涙)。大切な人を守るために戦おうとするなんて、君ももう立派な戦士だよ…ってなんか親みたいな感情が湧いてきちゃったよ。

そんな彼らの姿を見てケンシロウは自らの意思で封じられた力を打ち破る。愛の力がそうさせたのだとラオウに立ち向かおうとしたケンシロウ。やっとみんなが守られると思ったその矢先、ラオウがものすごい「気」を発してきて恐ろしいことになってしまってビックリした(汗)。
そんな最中でケンシロウはリンとバットの上に覆いかぶさるだけで精いっぱい。そしてレイは妹のように可愛がっていたマミヤの上に覆いかぶさり身を挺してその命を守ろうとしてた(涙)。愛する人を必死に守ろうとする彼らの姿が泣ける…。

ラオウは去り際にケンシロウの甘さを痛烈に批判し、ユリアが命を落としたことを告げる。絶望のあまりその場に崩れ落ちて泣き崩れてしまうケンシロウが悲しすぎた(涙)。

でも、それ以外の人たちは…。

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この作品は涙する場面がいくつかありますが、その中でも特にグッと来たのがトワさんとバットの別れのシーンでした…。トワは苦しい息のなかでバットがなぜ自分から一度離れたかを知っていると語るんですよね。子供と一緒だと入れてくれる村は少ないと悟ってバットはトワを助けるために自ら姿を消していた。ちゃんとそれを分かってくれてたんです(涙)。

泣きじゃくるバットはトワから目をそらそうとしますが、ケンシロウはそんな彼に「最後だから母さんと呼んでやれ!!」と諭す。ここはもう私号泣してしまった(涙)。バットを身内のように感じていたからこそ、彼に思い残すことがないようにと促してやったんだろうなと…。
そしてバットは死にゆくトワに何度も何度も「母ちゃん!!」と泣きながら叫んでて…もうこれ、思い出すだけでも泣ける(涙)。渡邉蒼くんのガムシャラな芝居がホント泣けた…!!

M12.願いを託して

哀しい悲劇を目の当たりにしたトキはそのことを大いに嘆きながらも、慕っていた兄のラオウが恐怖で支配しようとしている現実に心を痛めている。トキの中にはラオウとの秘めた思い出があって、その時の記憶があるが故にすっかり変わってしまった現実を受け止めきれていないように見えました…。和樹くんがそれはそれは哀しげな切ない表情をしながら歌うので、またもや涙があふれてしまった…。
一方のレイはラオウから3日間苦しんだ末に命を落とすという残酷な技をかけられてしまった。しかし、そんな苦しいなかでも自分は残りの命を懸けて人々のために尽くさなければと決意する。トキとレイの心を引き裂かれるようなデュエットはめちゃめちゃ聴く者の心を揺さぶりましたね。

レイは残り少ない命をマミヤやバット、リンの新しい場所探しのために費やしました。そしてついに見つけ出し、彼女たちを急いでそちらに向かうよう促す。レイは苦しげにしながらも、心配で不安でたまらない表情をしているマミヤを見てあえて明るく平気な顔をして「幸せになることを諦めるなよ」と優しく声をかける。
理生くんはマミヤの兄としての顔でこのセリフを発し、伊礼くんはちょっと恋愛感情が見え隠れするような表情で言ってたようにみえたな…。どちらも彼女への想いに溢れててすごく切なかった…。

そして、彼女たちが無事に新しい村へ向かったことを確認したレイはケンシロウの前で力尽きて苦しみの表情を浮かべる。どんだけ我慢してたんだよぉ…(涙)。
死期を悟ったレイは、最後に「皆のために生きろ、そして拳王を倒すのだ」と告げると誰にも見られない場所へ姿を消し苦しみながらこの世を去っていった…。この時の泣きそうになるのを必死にこらえてる大貫ケンシロウがもう切なくて切なくてたまらなかった…。

M13.決意

愛する人たちを守ることができなかった無力な自分を責め涙しながら歌うケンシロウ…。いったいこれから自分にできることな何かを自問自答し苦しむ…。漫画やアニメからは想像できなかった情に厚い、でもまだ力を発揮できていない一人の人間・ケンシロウ。もうひたすら愛しくてたまらない…。

そしてこの後ケンシロウが答えを求めるかのようにソロのダンスアクションを踊る場面があるんですが、大阪の時はただただその動きに圧倒されるばかりだったのが…愛知でこのシーンを見たら号泣してしまった(涙)!!
動きの一つ一つに、ケンシロウのもがき苦しむ感情が込められてて…それがストレートに私の胸に迫って来たんですよね。大貫くんの体の動きを見てあんなに涙が出たの初めて…。なんかもう、ケンシロウの魂が憑依してる感じだった。色々と超越してたかもしれない。

激しい自問自答の末、ケンシロウは失ってしまった人たちへの愛と哀しみが自分の心に宿っていることに気が付く。それはラオウが持っていない感情だった。愛する人たちの想いを背負い戦う決意を固めたケンシロウの姿はとても逞しく、美しく、神々しく、そして激しく…。あの魂の叫びは思い出すだけでも涙がこぼれるほど感動的だった(涙)。あんな鬼気迫った大貫くん見たことないよ!!本当に衝撃的で客電ついても涙があふれて仕方ありませんでした。

熱く書きすぎたのでw、2幕感想は次のページに(汗)。

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