舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を観に東京へ遠征してきました。2023年最初のハリポタになります(ちなみに前日とソワレはキングアーサーw)。
前回観に来たのは年末でしたから、そこからあまり間を置かずのハリポタ観劇。昨年8月に初日の向井くんハリーを見た時「時間が経ってからもう一度会いたい」という気持ちが盛り上がり、他の演目との遠征調整の末この日を確保しました。
赤坂サカスに昨年のクリスマスシーズンお目見えしたクリスマスツリーですが、年明けのこの日もまだ存在していました。
ハリポタの世界観とマッチしてるからそのまましばらく置いておいても全然大丈夫かも。
始まってから約半年以上が過ぎましたが、ほぼ満席状態でまだまだ人気の高い作品なんだなと実感。この劇場はロビーが狭いのでなおさら人口密度が高く感じてしまう。
劇場そのものは個人的に見やすい印象があるので好きなんだけど、あのロビー構造だけはちょっと頂けないんだよなぁ。特にそれを思ってしまうのがトイレ休憩のとき。よほどお手洗いに向かう扉に近い位置に座っていないと、たどり着くまでかなり遠回りする列に誘導されます(汗)。
この日も女子トイレへの行列はかなりエゲツない事になってて…20分では捌ききれないだろうという懸念が(実際、後ろの列に並んでいた人はダメだったと思うし)。なので、なるべく観劇前には可能な限り大量の水分を摂らないようにすることをオススメします。
そういえば・・・ふとロビーの絨毯を見たら「ハリーポッター仕様」になってた。
ロビー壁に描かれたパトローナス(守護霊)の撮影に気を取られてこれまで気が付かなかったw。余裕がある方は絨毯にもちょっとご注目を。
以下、かなりのネタバレに触れるレポになるので未見の方はご注意ください(魔法や後半の展開についてはボカして書いてますw)。
2023.01.19マチネ in TBS赤坂ACTシアター(東京・赤坂)
あらすじと概要については2022年8月観劇時の記事参照
ハリポタ感想一覧
主なキャスト
- ハリー・ポッター:向井理
- ハーマイオニー・グレンジャー:中別府葵
- ロン・ウィーズリー:エハラマサヒロ
- ドラコ・マルフォイ:松田慎也
- ジニー・ポッター:馬渕英里何
- アルバス・ポッター:藤田悠
- スコーピウス・マルフォイ:門田宗大
- 嘆きのマートル:美山加恋
- ローズ・グレンジャー・ウィーズリー:橋本菜摘
- デルフィー:宝意紗友莉
- 組分け帽子:木場允視
- エイモス・ディゴリー:篠原正志
- マクゴナガル校長:高橋ひとみ
キャスト関係では1月頭に斉藤くんが卒業ということになって寂しくなりましたが、新しいキャストのデビューも続いているようで活気づいています。斉藤くんがまた元気に復活できるよう願うとともに、新たな出発を遂げた皆さんのことも応援していきたいと思います。
今回はメインではロン役のエハラマサヒロさんとエイモス(+α)役の篠原正志さんが初めましてでした。エハラさんも篠原さんも出演回になかなか当たらずお会いできなかったのですが、ようやく見ることが叶いました(エハラさんはお仕事関係からかハリポタ合流がかなり遅かったですよね)。
全体感想とキャスト感想
昨年12月に見て以来なので約1ヶ月ぶりとそんなに間を置かずに観劇できました。でも、本当に何度見ても楽しめるし、何より作品全体を貫いているテーマ”愛”の物語が本当に心に刺さりまくってめちゃめちゃ泣けます。2023年最初の号泣作品はやっぱりハリポタになりました。私の感性とすごく相性がいいのかもしれない。2幕クライマックスからカーテンコールまでボロ泣き状態で何度も涙拭ってしまった。
ちなみに、ハリポタ4回目観劇にしてまだ1作目以外の映画を見れていない素人状態の私ですがww、今回は直前に動画サイトでハリポタのキャラクターについて紹介しているものを見てきたことが功を奏し色んなワードの意味が自分の中に浸透しやすくなっていました。まだちょっとついていけないカタカナ単語もあるんだけどww、最初の頃に比べたらだいぶ理解度は高くなったかもしれない。
そういう意味でも、この舞台を見る前はやはりある程度の知識を入れておくことは大きいんじゃないかなと改めて感じました(←そろそろ本当に映画チェックせな 苦笑)。
以下、キャスト感想も含めて特に印象深かった場面を振り返ってみようと思います。
物語の冒頭はハリー一家とロン・ハーマイオニー一家がホームにやってくるシーンから。始まる前は大きな荷物が舞台中央に積んであって、下手側には”組み分け帽子”が宙に浮いている。今回私の席はやや後方だったので宙に浮いた帽子がなんだかUFOみたいに見えてしまったww。
そこからハリーたちが9と3/4のホームに突入していくわけですが、ここの変わり身の速さは毎回ビックリします。ハリポタおなじみのローブ姿になるアルバスたちのシーンは最初の大きな見どころの一つ。これもアンサンブルさんたちの瞬時の動き合ってこそ。まさにスピードとタイミングが命の作品だなと改めて感心させられることしきりです。
アルバスとスコーピウスが列車の中で出会う場面。ローズはハリーの息子であるアルバスと不気味な噂を立てられているスコーピウスを一緒にしたくなくて必死に遠ざけようと奮闘するのですが、この時のローズ演じる橋本さんの表情がめちゃめちゃ可愛い!!特にふくれっ面した時なんか駄々こねてる女の子って感じで思わず見ててホッコリしちゃいました。
それでもスコーピウスにシンパシーを感じたアルバスは事情を知りながら彼と友達になるわけで。
藤田くんのアルバスは最初どこか垢抜けなくて暗い影が指してる雰囲気が印象的。それだけに、何を噂されても明るく振る舞いながらも時折ちょっと寂しそうな表情を見せる門田くんスコーピウスに心が惹かれるっていう展開がすごく腑に落ちるんですよね。二人が出会ってからジワジワと友情を深めていく過程が個人的にものすごく刺さるしグッと来るところでもあります。
ホグワーツに入学したもののスリザリンに組み分けされてしまったアルバスは事前の嫌な予感が的中してしまいガックリしてしまいますが、スコーピウスはアルバスと一緒のクラスになれたと無邪気に大喜びしてる。この時の門田くんのテンションの高さがめちゃめちゃ可愛い!!初めてできた友達とこれから一緒にやっていけるんだという喜びと希望に溢れた表情してて、なんだかそれだけでちょっと泣けてきちゃったよ。辛い噂立てられてるだけになおさらねぇ…。
それでもアルバスはなかなかうまく魔法を習得できなくて周囲からもバカにされどんどん卑屈になっていってしまう。もともと影がある雰囲気を漂わせている藤田アルバスなので、休みの期間に偉大な魔法使いとして崇められている父親ハリーと会うたびに劣等感から溝を作っていってしまう様子が見ていてなんだか辛かった。
ハリーとエイモスの会話をアルバスがこっそり聞いてしまう場面。エイモスは自分の息子がハリーの身代わりになって殺されてしまった心の痛みでずっと苦しんでいました。
篠原さんは福井さんに比べると偏屈爺さん味が薄い印象だったかな。怒りももちろんあるんだけれど、それよりも大切な息子であるセドリックを理不尽な形で失ってしまったことへの悲しみのほうが強いように思いました(しかもスペア呼ばわりされていたと聞いてはなおさら辛いよね…)。それだけに2幕後半に出てくるあのシーンが余計切なかったです(涙)。
エイモスの話を聞いてしまったアルバスはますます父に対して不信感を募らせてしまう悪循環に…。そんなタイミングで新学期のプレゼント事件が起こってしまう。
#舞台ハリポタ では
父親となったハリーが、次男アルバスとの向き合い方に悩む姿が描かれています。
両親を早くに亡くしたハリーは、
父親としての正解をなかなか見つけられず、
アルバスとの関係に溝が生まれてしまいます。#呪いの子 は、その関係性を築きなおす
親子の愛の物語です。 pic.twitter.com/X0lhO3kxpQ— 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』 (@hpstagetokyo) January 7, 2023
向井ハリーはクールで理知的な雰囲気がとても魅力的なのですが、繊細な息子・アルバスとの関係においてはものすごく苦戦していてもがいている様子がとてもリアルに伝わってくるのが特に印象深い。なんとか彼の心に近づきたくて”特別なプレゼント”を渡すときも、どこかおっかなびっくりといった心の動揺が垣間見えるんですよね。
でもアルバスは父親に対する劣等感や不信感に襲われすぎていて全くハリーの気持ちに寄り添う余裕がないわけで…。ハリーとしてはものすごく特別なものを贈っているのに、贈られた息子はそれを全く理解しようとしないどころか激しい口調で罵ってくるの、本当に辛い…。
この噛み合わない親子の言葉はやがて最悪の事態を招いてしまうわけで、肉親だからこその関係を築くことの難しさみたいなものを感じました。気持ちが通じないどころか詰られたことに我を失ったハリーが”絶対に言ってはいけない言葉”をアルバスにぶつけてしまったシーン、向井ハリーはその直後にものすごく怯えたような表情を見せてて…それがまた痛々しくて見ているこちらも本当に苦しい。ショックを受けて出ていく息子の背中を追いながら呼び止める声が泣きそうになってた向井ハリー…。あのシーンは本当に何度見ても切なくてたまりません。クールに見えるキャラなのに肝心なところで挫折して悩むっていう雰囲気が向井くんにすごく合ってると思う。
完全に父に心を閉ざしてしまったアルバスが頼るべき人物は、いつも自分に偽りない心で接してくれるスコーピウスだけ。そこでアルバスはスコーピウスを誘って”タイムターナー”を手に入れセドリックを助けるために過去へ戻ることを思いつくわけですが、スコーピウスとしてはアルバスの拗れた家庭事情に巻き込まれる形になっちゃってちょっと気の毒だなって思ってしまいます。
アルバスとスコーピウスは
ホグワーツで次第に除け者扱いをされてしまいます。
二人は次第に親友となり、
お互いが自身の居場所になっていきます。
そんな中、彼らの挑戦は
二人の友情までもを試す結果に…#舞台ハリポタ #呪いの子 pic.twitter.com/sPXC2zyfVF— 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』 (@hpstagetokyo) January 17, 2023
だけど、スコーピウスとしては唯一の親友が自分を頼りにしてくれることが心底嬉しくて戸惑いながらも協力しちゃうんだよね。門田くんのスコーピウスってあれやこれやアルバスに翻弄されることになるんだけど、動揺しながらもすごく嬉しそうにテンション上がってるのがなんだかジーンとくる。孤独な気持ちを埋めてくれる親友としてアルバスのことを信頼してる気持ちがひしひし伝わってきます。
一方のハリーはアルバスに酷い言葉をぶつけてしまったことをとても後悔していて、その気持を妻のジニーに打ち明けている。この時に向井ハリーが不安そうな表情で「それでも君はまだ僕と口を利いてくれるの?」と問いかけた場面がとても印象深かったです。あの時にハリーの心の孤独が見えた気がした。
それに対してジニーは「本気で言ったわけじゃないでしょ」と励ましてくれるのですが、馬渕さんはどこかちょっと男勝り的な雰囲気がありながらもいざというときは夫にそっと寄り添ってくれる優しさがにじみ出ていてとても素敵だなぁと思いました。
そんな時にハリーとアルバスがホグワーツ魔法学校へ向かう途中の汽車から脱走したことが判明。スコーピウスの父であるドラコが血相を変えて飛び込んでくるシーンは印象深いです。彼はアルバスが主犯なのではと疑いを以て駆け込んできたわけですが、その時に「私の息子が行方不明なんだ!!」と目の色を変えて抗議するんですよね。そこには父親として息子が心配でたまらないといった気持ちがこれでもかというほど込められていた。
松田さんは武骨でどこかまだ悪の匂いを感じさせながらも人情に篤い一面を素直にぶつけてくるお芝居がとても魅力的だと思います。
毎回面白いのが、アルバス、スコーピウス、そしてエイモスの元で友達になったデルフィー3人が隠されている”タイムターナー”を探すために変身して魔法省に潜入するシーン。スコーピウスは眼鏡をかけた状態でハリーに変身するんですけど、門田くん、めっちゃに似合ってて可愛いんだよね~。
この場面はある”魔法”が演出されてるのですが、これは演じる方としては相当レベル高いこと要求されてるんだろうなぁと感心しながら見てしまう。後半にも同じ魔法が出てくるんだけど、あれはホントすごい。でも、ここはストーリーの中では特にコメディ色が強いところで、これまでとは違う向井くんを堪能できる貴重なシーンでもありますよw。あとやっぱりエハラさんはお笑いをやっている方ということもあってすごく面白かった!中別府さんとのやり取りは息もピッタリで、どこかチグハグしながらもおもろい夫婦感が満載で可愛かったなぁ。
ホグワーツを外から眺めながら過去へ行く直前にアルバスとスコーピウスが語り合う場面もすごく良いなと思います。特にスコーピウスが学校へ行ったらやりたかったことを打ち明けるシーンはなんだかいつもホロリときちゃう(涙)。「僕の夢はホグワーツでハリーポッターみたいにめちゃめちゃなことを一緒にやれる友達を見つけることだった」って言った後、自分を卑下するアルバスに「君の方がいいよ」ってそっと語るのめちゃめちゃジーンときます。
この時の門田くんのセリフ回しがめちゃめちゃ優しくて沁みるんですよねぇ。スコーピウスが心の底からアルバスに信頼を置いてる気持ちがこれでもかというほど伝わってくる素敵なシーンだと思う。
過去に戻りなんとかセドリックに細工し殺されない未来を作ったのはいいものの、予見しない出来事が起こってしまった場面。それによってアルバスの周囲の雰囲気も変わってしまうし、それどころか”あってはならない未来”が出来上がってくることが判明してしまうのが皮肉なんだよなぁ。ハリーはますます息子に対して厳格な性格になってしまってるんですが、徹底して息子を管理するといった姿勢を演じる向井くんはゾクッとするほど冷たい。あれじゃアルバスも逆らえないよなぁと納得。
ここでもうひとつ面白いシーンというのがハーマイオニーとロン。違う未来になって生じてしまった結果の中で、それでもなんとなくお互いに気持ちが残ってる…的な雰囲気になってるのがすごく印象深いです。
ハリーとジニーがアルバスのことで言い争いになっている時にドラコがやってくる場面。この時ドラコは「息子が泣いているんだ…。父親としては放っておくことができない」と辛そうな表情で切り出すんですよね…。ここも本当に泣ける。松田ドラコはあまり感情を表に出すことがないんだけど、息子への愛情はめちゃめちゃダダ洩れてて切ないんですよ。この時もシーンこそないけれど、泣いているスコーピウスを前にどう言葉を掛ければいいのかと愕然としている姿が目に浮かんでしまった…。
そんな彼にハリーはスコーピウスがアルバスにとっての”悪”であるみたいな言い方しちゃうわけですから、そりゃ激怒されても仕方がない。
でもハリーはスコーピウスのことをよく知らないからこうなってしまうっていうのもあるわけで、二人が”壮大な”ケンカをする場面は観ていてなんだか複雑な心境になってしまいますね(魔法もすごいんだけど)。そんな二人を一喝する馬渕ジニーの男前っぷりはめっちゃカッコイイです!
大喧嘩した後ハリーとドラコは息子への想いをぶつけ合う。ここのシーンも個人的にすごく印象深い。ドラコについては今回事前にちょこっと予習したので、彼の言葉の意味がこれまで以上にすごく浸透してきて泣けてしまいました(涙)。ドラコとその父との関係から得た教訓をハリーに諭す場面は特にグッときたなぁ。「孤独」という言葉を何度も使うドラコ…。今回の問題も「孤独」から波及しているっていう言葉はとてつもなく重く響いてきた。
タイムターナーで過去を操作したことで今の状況が悪くなったことをスコーピウスからこっそり聞かされたアルバスは、もう一度過去へ戻り今度こそ正しい方法でセドリックを救うと息巻いてしまう。ところが、スコーピウスはさらに悪い事態になりかねない予感がして必死でそれを止めようとするわけで…、ここでアルバスとの関係に亀裂が入ることになってしまった。
心から信頼していた親友から予想もしなかった言葉を吐き捨てられた時の門田スコーピウスのなんと哀しげな表情…!!もうそれだけで涙が溢れて仕方なかったよ(涙)。この時スコーピウスは明るく振舞いながら心の奥に押し込めていた”本音”をぶつけるんですけど、その言葉の一つ一つに彼の哀しみが込められているようで聞いていて堪らない気持ちになってしまいます…。このシーンを念頭に最初のシーンから見るとめちゃめちゃ泣けるんですよね、本当に(涙)。
スコーピウスの激白を聞いたアルバスはこの時初めて自分の過ちに気づくわけで…。やっとここでアルバスはスコーピウスと心から繋がろうって思えたのかなって。その気持ちが「君は優しいじゃないか、君は光だ」という言葉に集約されていてまたまた涙…。救われた気持ちになったスコーピウスの心情を思うと、ホント良かったねぇと思ってしまいます。
ようやく本当の意味での親友に慣れた二人は”嘆きのマートル”の助けを借りて2度目の過去へ向かう。加恋ちゃんが演じるマートルの突き抜け方が本当に凄い!!映画見てないから分からないんだけど、本当にあのまんま!と高評価を受けているようなのでいつかチェックしなければと思ってしまいます(汗)。
そして2度目の過去から帰還することになるのですが…ここは場面的にもかなりテンションが上がるところかもしれません。斬新な演出が出てくるので乞うご期待といったところ。
1幕感想掻い摘んだはずなのにまた長くなっちゃったので(汗)2幕以降は次のページにて(相変わらずのネタバレオンパレードなのでご注意あれ)。