ミュージカル『 イヴ・サンローラン」』兵庫公演 大千穐楽 2019.03.26

主なキャスト別感想

東山義久くん(マチネ)

最初に東山くんがこのミュージカルの主人公に抜擢されたと知った時にはちょっと驚きました。というのも、これまでの東山くんといえば圧倒的に”ダンスの人”っていうイメージの方が強かったからです。彼のアグレッシブなキレのあるダンスは非常に魅力的で私は好きなんですが、今回はそれを封印しての歌と芝居が中心の役柄でしたからねぇ。本人もまさか自分にこの役が来るとはって驚いたそうですし(笑)。

ただ、東山くんはお芝居はスゴイできる人だなっていうのは『宝塚BOYS』の星野役を観た時に感じていて。きっと今回も新しい一面を見せてくれるに違いないと期待していました。
で、蓋を開けてみれば・・・期待以上のイヴを演じてくれていた!!今まで感じていたギラギラしたものは完全に封印されていて、守ってあげないと壊れちゃうかも…って思えるようなキャラクターを見事に熱演。あんな繊細な東山イヴが見れるとは思わなかった!ソロのナンバーも多い役でしたが、すごい頑張っててなかなか良い歌声でしたよ。これは見に行って正解!って思いました。

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海宝直人くん(ソワレ)

海宝くんのイヴもとても繊細な雰囲気が出ていましたが、男性を惹きつけるような妖しいオーラをすごく感じました。東山イヴはどちらかというと守ってあげなきゃって惹かれるようなタイプでしたが、海宝イヴは存在そのものにどうしようもない引力を感じてしまって相手が溺れてしまう危険な匂いがあったように思えたんですよね。
ここ最近メキメキと実力を伸ばしている海宝くんですが、まさかあんなに色気のある雰囲気を出せるようになったとは!!四季の子役時代から見てきただけに、なんだか感無量の心境になりましたよ(笑)。

歌も繊細で綺麗な声は健在。ナンバーの一つ一つは音程がけっこう難解で、海宝くんですらちょっと苦戦するようなところもあったのですが、そこは技術でうまくカバーしていてさすがだなと思いました。

大山真志くん

大山君は東京公演の前半はディオールを演じていて、上原くんが抜けた後からピエール役にちぇんじしたようですね。2役を任されていたなんてすごいことですよ!
舞台で大山君の芝居を見るのは2016年の「グランドホテル」以来久しぶり。あの時はメインキャストではなかったので印象としては薄かったんですけど、今回初めてメインの役柄として見て…どっしりとした存在感を発揮していてとても良かったです。っていうか、ちょっと体の方も大きくなりましたよね(笑)。ネットで検索したら「大山真志 太った」とか出てきてちょっと笑ったんですがww、でも、ピエール役としての大山君はあのくらいの体形の方がかえってよかったんじゃないかなとも思いました。

イヴを包み込むような温かい愛情、穏やかなまなざしがとても印象的。優しいクマさんみたいなw。それだけに、イヴの心が離れてしまったことで苦悩する姿はすごく切なかったです。感情表現も上手かったし、大きく広さを感じさせるスケール感ある歌声も魅力的でした。

伊東弘美さん

この作品の中ではどちらかというとコメディ担当のところがある役どころでしたが、とてもチャーミングに演じられていてすごく楽しませていただきました。特に安寿さんのココ・シャネルと張り合うところは面白かった!
伊東さんはそのほかにもオペラ歌手の役なども演じられていましたが、マチソワのどちらも西宮のお客さんを沸かせてました。コミカルに描かれてたんだけど、それにしてもあの歌いっぷりはすごい!実力派の女優さんならではだなと感心してしまいました。

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川原一馬くん

『宝塚BOYS』以来の川原くんの舞台でしたが、その美貌にまず驚いた!『宝塚~』の竹田くん役の時よりもさらに美顔になってて思わず身惚れちゃったよ(笑)。
それに、スマートなたたずまいや気品あふれる体の動かし方など、どこをとっても目が追ってしまうほど魅力的。クリスチャン・ディオールはイヴがやって来てから早い段階でこの世を去ってしまうのですが、その場面はどちらかというとコミカルに描かれてて…その時の川原くんの「痛い…」って言いながらパタって倒れるのがめっちゃ可愛かったんですよーーww!!あれはかなりツボったw。

出番もすごく多かったし、先輩役者さんに囲まれていても物怖じせずに堂々として演じているのもすごいなぁと感心することしきり。歌もなかなか上手かったので今後もミュージカルにどんどんチャレンジしてほしい。

で、私、最初はDVD購入する意思がなかったんですが…2回川原ディオールを見てちょっとハマってしまったのでww・・・結局買ってしまいましたw。

安寿ミラさん

登場した瞬間から紹介されなくても一目で「あ、ココ・シャネル!」って分かるくらいの貫禄は本当にすごいと思いました。あのシャネルの扮装がとにかくお似合いで全く違和感なかった。凛とした少し男性的なところも感じさせるカッコよさ、歌の安定感、どこをとっても素敵でした。そういった魅力の出し方というのをすごく心得ていたところはさすがでしたね。

他にもイヴの母親役も演じられていたのですが、こちらは打って変わって母性が強くシャネルとは全く違った人物像を演じていたところもすごい。パッと見た感じ同一人物とは思えなかったくらいなので。やはり存在感のあるすごい女優さんだなと思いました。

皆本さんが演じたルルは独特な存在感がありましたね。見た目も歌も可愛らしい。ただ、最後に登場した時の宝塚ショーみたいな衣裳はちょっと気の毒な感じもしたかも(汗)。架空の人物設定とはいえちょっとあれは浮いてた(苦笑)。

神田くんはサイゴンでトゥイを演じていたりと実力派の役者さんなので、この作品の中でもやはりいい存在感を出していたと思います。銀髪おかっぱの姿で登場するアンディはけっこう衝撃的w。目に色っぽさも感じられなかなか面白かったです。

奥田さんも複数役演じられてましたが、印象的だったのはイヴの父親役でした。どこか気難しいところを持ち合わせながらも常に息子のことを心配しまくってる姿が印象的でした。なにせ、同性愛の現場を目撃しちゃってましたからねぇ(汗)。その時の動揺っぷりがけっこうツボでした。

和田くんはセリフは多い役ではなかったのですが、独特の妖しいオーラのある青年役がとても印象的でした。イヴをさりげなく誘惑する動きとかちょっとドキッとさせられましたね。

 

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大千穐楽カーテンコール挨拶

兵庫公演は大千穐楽公演にもなっていたので、マチネとソワレ終了後にそれぞれ舞台挨拶がありました。コメントはニュアンスでそのままではないのであしからず。

まずはマチネで大千穐楽を迎えた東山くんから。

(スタンディングしたお客を「すぐ終わりますけど」と前置きしながら座るように促してましたw)
「最初にイヴという役を言われたときには”なんで僕?”と不思議に思ったのですが、演出の荻田さんから「ヨシくん(こう呼ばれてるんですって笑ってたの可愛かったw)、その独特なオラオラ感とマッチョな存在感を消してほしい」と頼まれてこの役に挑みました。ちゃんと消せていたでしょうか?(大きな拍手あり)あ、よかったですw。

これまで多くの作品に出てきましたが、ここまで多くの歌を歌わせてもらう役が初めてだったので稽古場では多くの人に支えてもらいました。特に僕は三拍子の歌がとても苦手だったので、いつも拍子をとってサポートしてくれた安寿さんや弘美さんたちにはとても感謝しています。ぼくがここまで演じられたのも、素晴らしいキャストやスタッフの皆さんのおかげです。

この作品に出れたことは僕にとっても大きな財産となりました。これから消したオラオラ感とマッチョな存在感を取り戻すべく頑張っていきたいと思います(笑)。夜公演は海宝くんの楽になりますが、彼がいなければ今日までやってこれなかったと思うので大いに盛り上がってください。ぼくはこれにて卒業します。本当にありがとうございました」

東山くんのあいさつの後全キャストが再び舞台に集結したのですが、その時に大山君がわざと「1.2.3」と三拍子を指で刻みながらニマニマしてやってきた姿が可愛くて萌えましたw。
最後、二人で舞台袖に捌ける時に、何かやりたいみたいな空気になって…そしたら大山君が「背中乗る?」って感じにアピールするとそこに東山くんがピョンと飛び乗ってラブラブ(笑)。舞台袖途中まで大山君が東山くんを負んぶして退場するという可愛いワンシーンが見れましたw。

大山君が最初に捌けたあと、東山くんは最後の最後客席に「オッシャっ!!」みたいなオラオラ感を見せて退場ww。心配しなくてもすぐに感覚は戻った模様でした(笑)。

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続いてはソワレで大千穐楽を迎えた海宝くん。東山くんは客席を座らせてから語り出してましたが、海宝くんは立ったままでのコメントということになりました。

「気が付けばあっという間でした。東京が終わってから3週間間が空いたので今日はとても緊張しました。東京初日のことを思い出したんですが、あの時は出て行くまでに吐きそうな気持ちに襲われてました(舞台に出た時は吐きそうにしてなかったですがw)

キャストやスタッフの皆さんには感謝の気持ちしかありません。とても愛情の詰まった作品になっていたと思います。そして、日本発のオリジナルミュージカルにこんなに多くのお客様が来てくださったことが何よりうれしいです。今後も、皆様の応援があれば日本発の作品がどんどん出てくると思います。今後も劇場で応援してください。本日はありがとうございました」

東山くんが裏話を語っていたのに対し、海宝くんは「日本発のミュージカル」について熱く語っていたのが印象的でした。日本のミュージカル役者の夢でもあるんでしょうね。たしか井上芳雄くんもそのことについて熱く言及してたことがあると思うので。
作品の好みの違いは別としても、こういう流れは途切れさせずにこれからも挑戦を続けてほしいなと思いました。

海宝くんと大山君のコンビの立ち去り方は実にスマート。大山君が腕を差し出したところに可愛くちょこんと腕をからませてた海宝くん・・・可愛いながらもどこかスマートでカッコいい二人でした。

 

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後述

動画では西宮で見れなかった上原くんのピエールが見れます。大山君とはまるで雰囲気が違うのでちょっとビックリしました。Wキャストの醍醐味ってやつですな~。でも、包容力あるホンワカした雰囲気を持った大山くんのピエールも癒し系でよかったよ!

前にもちょこっと触れましたが、CDとDVDの発売が決まっています。1回目に見た時は買う気持ちには至らなかったんですが、2回目に見てちょっと内容が小慣れて理解できたこともあってか…つい購入してしまいましたw。いや、それよりも川原くんもう一度見たいの気持ちの方が強かったけど。あ、でも、DVDでは川原君いないのかしら!?早まったかww!??

まぁただ、もう一度見たらさらによく分からなかった部分が見えてくるような気もするのでw、届くのを楽しみに待とうと思います(笑)。

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