劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』 横浜公演

約半年ぶりに劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』を観に遠征してきました。公演地は横浜。2018年現在、浜松町の四季劇場は建て替え工事真っただ中ということでKAATが選ばれたようです。

本当は京都公演でノートルダムは打ち止めになるかな…と思っていたのですが、ちょうどこの時期他にも遠征観劇する演目が重なっていたこともあり先行発売に参戦。なかなかの良席で観劇できることになりました。

KAAT(神奈川芸術劇場)に入るのは実に久しぶりで・・・約5年前にミュージカル『スクルージ』を観に来て以来くらい!??あまりにも久々過ぎて軽く会場内の構造が分からなくなってましたww。
というのも、KAATの劇場って入ってからかなり上の方まで上がっていかなきゃいけないんですよね。案内がなかったらどこまで上がっていいのか分からないところでした😅。ちなみにKAATはNHK横浜放送局と一緒のビルに入ってます。

物販コーナーは今回もけっこう充実。あまり金銭的に余裕がなかったこともあり、横浜限定のものだけ買おうかと思っていたのですが・・・つい、ミニカジモドくまが目に入ってしまってw予算オーバーになってしまいました😁。


横浜公演限定のキーホルダー。2幕の印象的なシーンがモチーフになってて素敵です。


新しく加わった普段着カジモドベア。なかなかに可愛らしくてつい購入してしまったw。


前回購入した「道化の王様」バージョンベアと並べてみました😊。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2018.05.11マチネ公演 in 神奈川芸術劇場(横浜)

主なキャスト

  • カジモド:金本泰潤
  • エスメラルダ:岡村美南
  • フロロー:村俊英
  • フィーバス:清水大星
  • クロパン:阿部よしつぐ

金本カジモド、村フロローは初見キャストでした。達郎くんのカジモドにももう一度会いたかったんだけど、新人カジモドを観ることができたのはラッキーでした。

雑感

前回の京都千穐楽公演からだいぶ間が空いてのノートルダム観劇となりましたが、やはり心にズシリと響く・・・熱く繊細な人間ドラマだなというのを実感しました。それがプロローグとエピローグの最後に響き渡る同じ旋律の重厚な音楽に凝縮されてるなと思います。

この作品で印象深いのは「劇中劇」という形をとってる点です。

物語がとても濃厚なので観ていると途中でそのことを忘れてしまうのだけど、実はクワイヤ(聖歌隊)も含めた普通の人々が「愛とは何か、人間とは何か、怪物とは何か」といった問いかけを観客に直接訴えかけているんです。だから、本編中にメインキャスト以外は何役もこなしているし、違う役の準備をしているところも隠さずに客に見せている。小道具を動かすのもキャストがほぼ担当しています。

全ての物語が終結を迎えた時、『役者』たちは『素』に戻り改めて見ている側に問いかけてくる。

「あなたの心に何かが響いていますように。人間と怪物のどこに違いがあるのだろう?」

カジモドとエスメラルダ、そしてフロローの哀しい結末の物語を終えた時・・・”役者たち”は「人間と怪物に違いはあるのだろうか」という問いを投げかけてきます。

この「劇中劇」的な演出が、なぜか観る者の心を激しく揺さぶりをかけてきます。
物語に登場する様々な運命をたどったキャラクターたちに私たちは自分自身を重ねているところがあると思うんです。誰でもカジモドのような純粋さを持っているし、フロローのような心の弱さも持っている。彼らに心を寄り添わせて感情移入した人ほど、この作品の最後の問いかけは涙なくしては見れないんじゃないかなと…。

だから私はこのミュージカル作品がたまらなく愛しく思えるのかもしれません。

カジモドの物語は特に後半がとても悲しくて今回もかなり涙したのですが、個人的にやはり心がぎゅっと掴まれるのが・・・カジモドが「石像」たちの言葉に耳を傾けなくなる場面ですね。
これまで純粋無垢に描かれてきた彼の中に「諦めと失望」という感情が芽生えた時、自暴自棄となり”友達”の存在を拒絶してしまう。必死にカジモドに寄り添おうとしていた”友達”の石像たちは

「いいよ、カジモド・・・好きにしなさい。どうせ、私たち石だものね・・・。信じてたのに、君は強いと・・・」

と悲しげに歌いながら「石」の衣装を脱ぎ「人」へと変わり彼の元から去っていきます。その「人」たちは道化の祭でカジモドを辱めた人たちでもあるわけで・・・つまりは、唯一信頼してきた友達がカジモドの元から去ってしまったことが付きつけられるわけです。
何度見ても、この場面は哀しすぎて涙が止まりません…。ふとしたことで自分を見失って、それが原因で信頼していた人たちが離れて行ってしまうこと、実生活でもあると思うんです。私も経験したことがある。自分と重ねて観ると、本当にあの場面は痛くて辛くて苦しい・・・。

結局カジモドは勇気を振り絞って行動を起こしたことで、再び”友達”は戻ってきてくれるのですが・・・その結果はハッピーエンドにはつながらないわけで・・・。
そういうとてもシビアな部分が描かれているのもこの作品の特徴かなと改めて思いましたね。

つくづく人間というのは、厄介な存在でもあり愛おしい存在でもある・・・複雑な生き物なんだなというのを今回実感しました。

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主なキャスト別感想

金本泰潤くん(カジモド役)

おそらく初めましての役者さん。メインキャストとして見るのは間違いなく今回が初めてです。これまでは『ライオンキング』のエド役などで活躍していたそうですね(わたしはLKが苦手であまり見ていないので知らなかったんですが😅)

まず最初の印象は・・・大きいカジモドだな!ということ。達郎くんも田中くんも海宝くんも、見た感じはそんなに大柄には見えなかったのですが、金本くんは背を丸めて歩いているカジモドの時に見ても「大きいなぁ~」と思いましたw。
この役はほとんどが腰をかがめての芝居になるので、他の3人よりももしかしたら体力的に相当負担がかかってるかもしれない。

あと、汗の量が他のカジ役者の皆さんよりもかなり多かったかも。体力的精神的にも消耗する役で他のカジ役者さんたちもけっこうな汗をかいていたんですが、金本くんはさらにその上を行っているようで・・・見ていてちょっと心配になってしまうことも😓。
倒れないように頑張ってほしいです。

金本カジの印象ですが、まだデビューして間もないこともあってか、今ひとつキャラクター像が薄いかなぁと思うところはあったかも。どちらかというと、田中アッキーのカジに寄ってるかもっていうのっは感じましたが・・・回を重ねていくうちに金本くん独自の味がもっと濃く出てくるのではないでしょうか。
全体的には、体の不自由さ以外は等身大の青年といった印象だったと思います。話し方も、達郎くんカジに比べるとだいぶ大人っぽい。どちらかというと、素直で従順な、すぐ傍にいるような青年といった印象がありました。

そんな素直な金本カジがフロローへの怒りを顕にしていく場面はとても迫力があった!今まで見てきたカジのなかで一番「激しい怒り」というものを感じたかもしれません。前半は本当に素直な印象だったので、その落差がすごいなぁと。
さらに、もともとが大柄だなという印象があったので、フロローを投げ飛ばす時に丸めた背中を真っ直ぐにしたときの場面は・・・特撮ヒーローもののロボット変身を観ているような錯覚まで覚えたかもw。ここは大きな見どころ。

そして何といっても特筆すべきが・・・歌です!!素晴らしい美声でした!!海宝君の歌声に匹敵するようなものがありました。この歌声はすごく武器になると思うので、今後演じていく中で芝居の中にどんどん生かしていってほしいなと思いました。

岡村美南さん(エスメラルダ役)

久しぶりの岡村エスメラルダでしたが、相変わらず勝気な表情がとても凛々しくて男前だなぁと。特に道化の祭でのダンスはスマートでカッコよく目を惹きます。カジ、フロロー、フィーバスがこぞって「誰だ、あれは!??」と一瞬で虜になってしまうのも納得w。

岡村さんのエスメラルダは常に強気で前向きで、本当にカッコいい!の一言なんだけど・・・・カジモドの前で見せるふとした弱さがとても可愛いんですよね。特に「世界の頂上で」の場面で高いところを怖がるシーンはちょっと乙女な部分が垣間見えてキュンときます😁。あのナンバーは何度聞いても素晴らしい!

それからフィーバスにキスされた後、夜道で一人そっと唇に触れながら自然に笑みがこぼれてしまう表情も好きです。男前に見えた彼女も、実は一人の女性なんだなって実感できる。
強がっている面がクローズアップされてるキャラですが、実はその裏返しでとても臆病なのかもしれない・・・と思えるのがフロローに捕らわれる場面。怯えてフィーバスにすがりつき涙する姿はとても切なく印象的です。

この作品見ていつも思うのが、もしも聖堂でフロローが「いつでも礼拝に来ていい。自分と一緒に神に向かい合おう」みたいなことを言ったときに激しく拒絶しなければあんな結末にはならなかったかもしれないのになぁと・・・。フロローの邪心がパワーアップしてしまったのもそれがきっかけだったと思えてしまうのでなおさら(苦笑)。

村俊英さん(フロロー役)

村さんのフロロー役も横浜公演から登場ということで、運良く今回出会うことができました。

村さんはディズニーアニメ映画『ノートルダムの鐘』日本語吹き替え版で、フロローの歌の部分を担当していたんですよね(芝居の声は今は亡き日下武史さんが担当されてました)。よく考えると、あの時声優で参加したメインキャストで四季に残ってるのって、村さんだけだわ😃!!

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映画版のノートルダムで村さんの歌声のフロローを聞きまくってきたからか、新キャストという感じがほとんどしなかったですねw。成るべくしてこの役になったなって感じで。フロローというキャラクターを演じる村さんを自然にスッと受け入れられたのはよかったです。

というか、むしろ、懐かしいとすら思ったかも(笑)。

村さんが演じるフロローの印象は、芝さんや野中さんとは違ってあまり表に感情を出さないタイプだなと。カジモドに対しても、厳格に接しているように見えたんだけどどこか柔らかさもあって・・・威嚇されてもそんな怯える必要もないのでは?とすら思えてしまったこともありました😅。
なので、逆に裏で何を考えているのか分からなくて一番怖いタイプだなとも思ったかもしれない。

エスメラルダに対する邪な気持ちも、赤いスカーフを拾った時に微妙に心がフッと持って行かれるような表情はありましたが「惚れちゃったかもしれない!?」みたいな部分はほとんど感じられなかったです。
なので、ジワジワと少しずつエスメラルダの色香に捕らわれていくように・・・気が付いたら彼女の虜にされてしまった哀れさ、みたいなものはあったかなぁ。

印象的だったのは、最後カジモドに投げ飛ばされる場面。カジモドに後ろから羽交い絞めにされたとき、芝さんや野中さんは明らかに恐怖の表情を表に出していたと思うのですが、村さんは恐怖…というよりかは、どこか諦めたような…「もう終わりにしてくれ」とすら感じさせるような表情に見えたんですよね。
なので、余計にフロローの末路が哀れで悲しいものにうつりました。

3人のうちでは一番感情が内側に向いているフロローだと思ったけど、それもありかもしれません。

清水大星くん(フィーバス役)

久しぶりの清水くんのフィーバス。
これまでは佐久間くんの方が感情表現が繊細でカッコよさもあったように思えていたのですが、今回清水フィーバスを見て・・・初めて「魅力的だ!」と感じました。

やはり、『ジーザス・クライスト・スーパースター』でジーザス役を演じたのが彼にとってすごく良かったのではないかなと。私好みの感情表現してくれるジーザスを演じてくれていたのでね。あぁ、こんなにも印象変わるんだなって嬉しかったです。

参考 ジーザス感想

劇団四季ミュージカル『ジーザス・クライスト=スーパースター ~エルサレムバージョン~』大阪公演を観に行ってきました。2月から3月にかけての全...

前回までの清水フィーバスは、歌は上手いんだけど感情表現の部分がまだ固いし、セリフ回しもちょっとカクってるなぁという印象がぬぐえなかったんですよね(四季の発声法を自然に言いまわすようになるのはとても大変だと思うんだけど…)
それが、今回見たらそれまでの違和感がほとんどなくなってたんです!今までよりもずっと感情表現が豊かなフィーバス隊長がそこに居ました。

任務に就いたばかりの時に女性たちを口説くような場面が出てくるんですけど(登場したばかりの時)、チャラ男っぷりが発揮されてて余裕を以て女性たちに迫っていた姿がとても印象的でした。前は、なんかちょっと段取り通りに動いてるって見える部分があったんだけどw、今回はそれもほとんどなかった😃。

怪我をした後カジモドとちょっと子供のケンカみたいな場面があるんだけど、カジに怪我した肩を叩かれたときの反応が・・・「うぐぐ・・・っ」ってやせ我慢しまくってるコミカルな表情になっていたのもすごく面白くてよかったです!
ここ、佐久間くんはめっちゃ痛がるんですよねぇ(それも可愛いんだけどw)。以前は清水くんもそれと似た反応してたように見えたんだけど、こういうオリジナリティある表情を見せてくれたことがなんだかうれしかったです。

歌声は相変わらず安定していてとても素晴らしい。エスメラルダとのデュエットは特に悲しく美しかった。今までよりもさらに歌声に感情が乗るようになっているようにも感じました。
この調子でこれからの公演も頑張ってほしいです。

阿部よしつぐくん(クロパン役)

相変わらずのアクの強いクロパンで目を惹きました。特によしつぐくんは歌声がとてもしっかりしていて力強いので、彼が前面に出ているときもそうでないときもついつい目が追ってしまう。ハマり役だなぁと改めて思いました。

ずる賢くて時には厳しく仲間を統制するクロパン。そのカリスマ性で引っ張ってきているわけですが、実は仲間をすごく大切に思っている部分もあって。エスメラルダに対しては厳しい面を出す時が多いんだけど、結局は助けてあげたりしてるしね。
そんな頼りがいのある面も見所だけど、個人的にはやはり黒いクロパンw場面がよしつぐくんの芝居ですごく印象的だなぁと思ってしまう。特に「奇跡御殿」の時のギラギラっぷりが好きなんですよねぇ。あんな役もハマるんだって思えた場面でもあるので。

でも、正義の味方みたいにフィーバスを救い出す場面も好きだったりする(笑)。あの時のよしつぐクロパンはめっちゃカッコいいです!

今回、もう一人特筆すべきキャストがいます。

アンサンブルの塚田拓也くんです!!アンサンブルなんだけど、役もあって。フィーバス隊長と共に動いていた部下のフレデリックも演じています。

いや~~~、もう、一番最初にアンサンブルのなかで彼を見つけた時・・・「なんてきれいなイケメンがいるんだ!!」と衝撃受けました😃😃!!劇団四季の中でも屈指の美形男子ではないかと(個人的感情が多分に混じってますけどww)

普段私はあまりアンサンブル方面には目が行かない方なのですが、今回は塚田くんに目が釘付けで・・・彼が出てくるシーンはずっと追いかけていたような気がします(笑)。歌声もなかなかに綺麗だし、メインの役に付いたら人気役者になるんじゃないかな!??
今後注目していきたい役者くんです。

後述

やっぱり『ノートルダムの鐘』は重厚な人間ドラマで素晴らしいなぁと実感した今回の観劇でした。新しいキャストも見ることができたし、色々と収穫も多かったです。
何より、塚田くんという素晴らしい逸材を発見できたのは大きいです😍。要注目!!

欲を言えば、大好きなナンバー「陽射しの中へ」でもう一段感動して涙したかったな…というのはありましたが、公演が続く中でどんどん進化していくことを願ってます。

横浜は実家があるのですが、そうそう行ける距離にないのでおそらく本当にこれで暫く打ち止めになりそうです。名古屋もあるようですが・・・こちらも遠いので・・・。また行ける距離に戻ってきたら、さらに進化したノートルダムを観に行きたいと思います。