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ミュージカル『ISSA in Paris』東京公演 観劇感想 2026.01.15マチネ

ミュージカル『ISSAinParis』東京公演を観に日生劇場へ行ってきました。舞台作品は昨年11月末以来、約1か月半ぶり。2026年最初の観劇となります。本年もちまちま自己満足的感想をアップしようと思っていますのでw、どうぞよろしくお願いいたします。

今回『ISSA~』をチョイスした理由は3つ。

モーリー・イェストンの新作であること。

藤田俊太郎さんの演出であること。

海宝直人くんと岡宮来夢くんの競演であること。

そのうち一番大きな決め手となったのがモーリー・イェストンの新作ミュージカルだということでした。モーリー作品といえば、ミュージカル『ファントム』や『タイタニック』などが有名ですが、この2作品は私の観劇人生のトップ3にランクインしてるほど大好きなんですよ。そのモーリーさんが日本を題材にした新作を発表と聞けば…これはもう行かないという選択肢などない!!

というわけで前売りで4公演も確保してるんですが(笑)、蓋を開けてみれば何やらちょっと売れ具合が微妙だったっぽい!?
でもその気持ちもわからなくはないんですよね。昨今のチケット代の驚くべき高騰により、よほどの知名度の高さや人気作(レミゼやエリザなどは特別)でなければ二の足を踏んでしまうのも仕方ない…。特に”新作”は手を出しづらい。私のようにモーリー・イェストン作品の大ファンとか役者さんのファンとかではないとなかなかねぇ…。

かくいう私も、見る前から不安がなかったわけではないですし。信頼は寄せていたものの、全くの新作ともなるとストーリー内容とかハマるのだろうか、みたいなことはやはり過ります。それでも、やっぱりモーリー作品新作は逃したくなかった!

で、感想に入る前にこれから観劇する方にちょこっと前置き。

ミュージカル『ISSA in Paris』は現代と過去が交錯するストーリー展開かつファンタジー要素多めなので、可能であれば簡単なあらすじだけでも事前に頭に入れておいたほうがいいと思いました。私は普段あまり新作の予習をせずに見に行くことが多いのですが、今回は事前に流れを知っておいてよかったかもと感じたので。

今回の日生のリスさんたち、めっちゃ愛らしい!!周りに置かれてる”カキ“は小林一茶の俳句をイメージしてのものですよね(”柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺”の句が有名)。

以下、まぁまぁネタバレを含んだ感想になります。初回なのであまり大きくバラしていません(たぶんw)。

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上演概要

原案・作詞・作曲・脚本・演出

  • 原案・作詞・作曲モーリー・イェストン
  • 脚本・訳詞:高橋知伽江
  • 演出:藤田俊太郎
  • 振付:ジュリア・チェン
  • 音楽監督・編曲:森亮平
  • 美術:松井るみ

上演時間(昼公演)

  • 第1幕:60分
  • 休憩:25分
  • 第2幕:75分
  • 合計:約2時間40分(カーテンコール含む)

公式あらすじ

現代の東京に住む、シンガーソングライターISSAこと海人。
海人は突然の母親の死から立ち直れず、呆然自失になっていた。
そんな中、命の儚さをうたった小林一茶の「露の世は露の世ながらさりながら」の句が脳裏に浮かぶ。
また、海人の母は、一茶には消息不明とされる「空白の10年」があり、その期間、鎖国の日本をひそかに抜け出して
パリへ行っていたという仮説をたてていた。
海人は天才俳人が日本で小林一茶と名乗るまでの「空白の10年」に一体何があったのかを突き止めるため、
そして自分自身が前に進むためにパリへ旅立つことを決める。海人はパリに行き、何を得るのか。
そして、小林一茶の10年には何があったのか。2人の青年が時空を超え、パリで出会う、ファンタジー・ミュージカル。

公式HPより引用

 公演スケジュール

  • 東京・日生劇場
     2026年1月10日(土)〜1月30日(金)<世界初演>
  • 大阪・梅田芸術劇場 メインホール
     2026年2月7日(土)〜2月15日(日)
  • 愛知・御園座
     2026年2月21日(土)〜2月25日(水)

観劇感想/キャスト感想

2026年1月15日マチネキャスト

  • 海人(ISSA):海宝直人
  • 小林一茶(若き日):岡宮来夢
  • ルイーズ:潤花
  • テレーズ:豊原江理佳
  • ラファエル、他:染谷洸太(Wキャスト)
  • 絹子、他:彩吹真央(Wキャスト)
  • レミー、他:中井理人

内田未来、阿部裕、森山大輔、塚本直

井上真由子、岡田治己、尾関晃輔、加藤翔多郎、黒川賢也、木暮真一郎、斎藤准一郎、渋谷茉樹、島田隆誠、根岸みゆ、般若愛実、引間文香、深瀬友梨、古川隼大、武者真由、森加織

オンステージスウィング:大村真佑、森田有希

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本編感想

最初にもちょっと触れましたが、この作品は現代と過去が入り乱れて展開するスタイルでファンタジー要素もけっこう多いです。それゆえ、率直に言って…好き嫌い割れるんじゃないかなと思いました。単純明快なお話って印象は受けなかったので。

この作品は完全オリジナルで全くのゼロから創作されたそうです。原案から作詞作曲を担当されたモーリー・イェストンさんが小林一茶にかなり前から注目していたというのがまず驚き。そこから着想を得て日本が舞台の作品を提供してくださったことに感謝です。海外の方が日本の物語を作るってすごいチャレンジだったんじゃないかなぁと。

楽曲はどれも美しさとカッコよさが入り混じる私好みのものが多かった。かなり多くのナンバーが登場しますが(リプライズも含め)心の中に心地よく響いてくるものばかりでした。やっぱりモーリーさんの音楽好きだなぁと再確認。
ただ、これを歌いこなすには相当なテクニックと経験が必要だろうなと思います。旋律がめっちゃ難しそう!!微妙な音程の上がり下がりとか緻密に散りばめられていて、改めて出演者の皆さんのレベルの高さに脱帽でした。

まず冒頭にガツンとくるのが、主人公の海人が歌うソロ♪TALK TALK TOKYO♪。これめっちゃ難しそうなんですが、実にカッコいいロックナンバーで初見ながら頭の中にすごく残りました。

これ歌いこなしてる海宝直人くん、さすがとしか言いようがない!!まぢですごいと思った。

あと個人的には岡宮来夢くん演じる一茶が歌う♪露の世は♪や、海人と一茶の感情が重なり合う♪一つの言葉♪のナンバーがすごく印象に残りました。
ほかにも、時折JAPANを感じさせる旋律を感じさせるナンバーや、モーリー作品ぽいカラーが感じられるナンバーなどがあり、バラエティに富んでいて聴き応え十分。

舞台セットは想像していたよりダイナミックで、久しぶりにこんな大掛かりなセットの舞台を見たなぁという満足感があります。

これは開演前のセットの様子ですが(撮影可)、のっけからバカでかい一茶の俳句が舞台上にびっしりと整列して立てられてる外観は結構な迫力。短冊の中は映像になっていて、劇中一茶が句を編み出すたびにスラスラと文字が映し出されていく光景はとても美しかった。

それから、藤田俊太郎さんによる演出もとても良かったです。ストーリー的に過去と現代とが入り混じる展開が結構多いのですが、私はあまり混乱せずに世界観に入ることができました。一つ一つのドラマを魅力的に見せるのがやはり藤田さんは上手いと思う。

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ストーリーについて。事前に少し予習をしていたこともあってか私は最初から最後まで置いていかれることなく見ることができました。ただツッコミたくなるところもちょいちょいあったというのが正直なところかも(汗)。

この作品はタイトルに小林一茶の名前がついていますが(ちなみに海人の創作ネームもISSA)、彼の歴史を追うみたいな内容にはなっていません。そもそも出発点は「小林一茶の若き日の年譜にない空白の10年間をフィーチャーする」ということなので、ほぼ史実の箇所はないわけで(冒頭部分だけは重なってるかもしれないけど)。一茶が日本から遠いフランスに想いを馳せて実際に行ってしまうというところからファンタジー展開だったりする。
ただ、一茶の冒険物語になるのかと思いきや実はそうでもないんですよね。というのも、それと同時進行で現代に生きる海人のエピソードが重なってくるので。どちらかというと、海人の心の旅をたどる物語といった意味合いのほうが濃かったように思います。

海人は♪TALK TALK TOKYO♪がバズって以降スランプで鬱々としてる青年。さらに彼の心には両親への複雑な感情も入り混じってるわけで…、この設定が海人という人物を難しくしてしまっているなぁという印象。
対する一茶は全体的に生き生きとしていてフランスでもうまく立ち回っているw。非常に順応性が高い青年として描かれてるのが面白い。恋愛もしちゃうしね。

ストーリーは海人と一茶が精神世界のようなシーンで交錯しながら進んでいくのですが、二人の対比として見せてる分には面白いなと感じたんです。ただ、海人のキャラクターにいろいろと詰め込みすぎちゃった感は否めなくて…途中から二人が同時に存在している意味が見えなくなってきちゃったんですよね。

特にうまく呑み込めなかったのが、海人の恋愛ターン。一茶とテレーズの恋愛はけっこうテンポよく描かれて分かりやすかったのですが、海人とルイーズの恋愛は正直「?」って感じで。どこから気持ちがそっちに傾いた??とひそかにツッコミ入れてしまった(苦笑)。っていうか、このストーリーの中ではあまり重要視されてないのかも?とすら…。ここの部分が個人的にモヤモヤすぎてちょっと退屈に感じてしまったのは残念です。

後半からクライマックスへ行くと、海人と一茶が同時に舞台に存在していた意味が見えてきます。ここの展開はものすごく心動かされたし、ちょっと涙も出た。すべての物語はこの場所にたどり着くための旅路だったんだなぁと。
ネタバレ的なところにちょっと触れるとすれば、この作品はやはり海人の物語だったんだと思わされたってことかもしれません。彼と家族を紡ぐ物語。空白の10年の間に躍動していた小林一茶と海人の家族が重なる瞬間はとても感動的でした。

ちなみに、今回の完成品はモーリー・イェストンさんが最初に出してきた原案からはけっこう離れているんだとか。主人公である海人の母親ってかなりキーパーソンだと思ったのですが、モーリーさんの最初の案では登場すらしてなかったらしくw。海人のキャラもパリピみたいな軽い兄ちゃんだったんだとかww(←海宝くんがそう言ってたw)。
つまり、原案をもらった日本の制作チームがいろいろそこから想像を膨らませて肉付けしたり繊細な心の機微を加味していったりして紆余曲折経た上で世に出たのが、今回初お目見えとなった『ISSA in Paris』ということです。

おそらく初期段階ではもう少し単純なストーリーだったのかもしれません。なので、個人的には最初のモーリーさんが出してきた原案に近いものも観てみたかったかも…とは思いました。それが良い悪いは別にして。

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主なキャスト別感想

海人役の海宝直人くんは複雑な感情を持つキャラをとても繊細に演じていたと思います。どちらかというと鬱々と苦悩しているシーンが多かったのですが、その一つ一つの表情も演じ分けられていて感情移入させられた。それゆえ、クライマックスからラストシーンに向かう重要な場面でのお芝居は爆発力があり、思わず一緒に涙してしまいました。
歌はもう言わずもがな、です、本当に。よくぞあの難解な楽曲を情感豊かに歌い上げたなと。それだけでも本当に大拍手ものだし、お金払ったかいがあったと思わせてくれました。

小林一茶役の岡宮来夢くんは、昨年『四月は君の嘘』を見てとても感動したので今回もとても楽しみにしていました。華やかな顔立ちをされていますが、和装の一茶がとてもよく似合っています。今回は設定的に年表の空白期間を生きるというファンタジー設定だったわけですが、来夢くんの溌溂とした爽やかさがそこにすごくマッチしていたように思いました。
テレーズとの恋愛シーンクライマックスのお芝居はグッと来たなぁ。彼の涙の演技、すごく好き。歌も素晴らしかった。

ルイーズ役の潤花さんは元タカラジェンヌだった方だそうで、明るく清楚な美人さんが役にマッチしていました。見どころはやはり後半のソロダンス。海人の音楽に合わせて踊る姿は大らかでカッコ良かったです。

テレーズ役の豊原江理佳さんは昨年見た『SIX』以来。今回の役柄は女性っぽさと男装と両方で登場するのですが、まぁ~~~、どちらも見目麗しいこと極まりなし!!!可愛さと美しさとカッコ良さを兼ね備えた圧巻の美の存在感が素晴らしい。これは一茶も惚れちゃうよねっていう説得力半端なかったです。

ラファエル役の染谷洸太さん、レミゼの時にはお目にかかれなかったので今回がお久しぶり。本役以外でもいろいろなキャラで登場されてましたが、やっぱりラファエル役がめっちゃカッコ良かった!今まで見てきた染谷さんキャラの中で一番キラキラしてたんじゃないかな。勇ましくて統率力もありそうで、革命も成し遂げてしまいそうなたくましさがとても良かった。

絹子役の彩吹真央さん、この物語ではかなりのキーパーソンだったと思います。立ち姿はさすが元タカラジェンヌさんとあってとても凛としていて美しい。息子の海人との関係に立ち止まってしまう時の表情や、その後彼を見守る姿とかのお芝居も繊細で素敵だったと思います。

船乗りさんを演じた森山大輔さんや(クマさん的可愛さあり)海人の父を演じた阿部裕さん(包容力ある優しさのお芝居最高)もよかったなぁ。

この作品はアンサンブルさんの数がとにかく多い。現代チームと江戸チームに分かれて出てくることが多いのですが、それ以外にも多種多様な役柄で登場してて、いったい何回着替えているんだろう!?と思ってしまうほど大変そう。それだけでも大変なのにあのモーリー楽曲を歌いこなしてるわけですから、めっちゃレベルの高い役者さんたちだったなと思います。心から拍手を。

ちょいちょい「ん~~」なところもあったけど、嫌いじゃない。もしかしたら見れば見るほど味が出るスルメタイプのミュージカルかもしれないし。何より楽曲も役者も最高なので、あと3回分見届けたいと思います(ちなみに2回分は大阪遠征w)。

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