ミュージカル『ジキル&ハイド』東京公演を観に東京国際フォーラムCへ行ってきました。ここ最近はミュー系コンサートでフォーラムAに行く機会が多かったのですが、フォーラムCは久しぶりになります(23年の『ファントム』以来)。
ジキハイは大好きな作品で、鹿賀丈史さんが演じられた初演からずっと観てきました。3年前の公演で2代目ジキハイを演じた石丸幹二さんが卒業となり、同時に3代目の柿澤勇人くんが爆誕!そして今季上演ではカッキーとWキャストで4代目となるシュガーくんこと佐藤隆紀くん(LE VELVETS)が満を持しての登場ということで否が応でも期待値が上がりました。
個人的に、シュガーくんのダークサイドキャラがめっちゃ好みなんですよね(ご本人とのギャップも含め)。本当はカッキーとシュガーくんとで少なくとも1回ずつの観劇を予定したかったところなのですが、昨今のチケット代高騰の影響や家庭の事情もあって…シュガーくん版のみということに。
物販はかなり充実したラインナップ。今回は1回入魂観劇ということもあり結構手を出してしまいまして、会計のお姉さんからも「たくさんお買い上げありがとうございました(にっこり)」と感謝されてしまったww(←チケット1枚分までは届かない金額ですがw)。ちょうど舞台写真版ポストカードも売り出し開始していたのでゲットできて良かったです。
以下、ネタバレを含んだ感想になります。今季1回のみの観劇なのでけっこうバレ書いてますのであしからず(汗)。
上演概要
原作・作詞・作曲・脚本・演出
- 原作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン「ジキル博士とハイド氏」
- 音楽:フランク・ワイルドホーン
- 脚本・詞:レスリー・ブリカッス
- 演出:山田和也
- 日本版上演台本・訳詞:髙平哲郎
- 指揮・音楽監督補:塩田明弘
初演
- 世界初演:1990年5月、アメリカ・ヒューストンのAlley Theatre。1997年にブロードウェイ進出
- 日本初演:2001年11月、東京・日生劇場
- 歴代日本版ジキル(ハイド)役者:鹿賀丈史(2001年~2007年;4回)、石丸幹二(2012年~2023年;4回)、柿澤勇人(2023年~)、佐藤隆紀(2026年~)
上演時間
- 1幕:約80分(1時間20分)
- 休憩:25分
- 2幕:70分(1時間10分)
- 合計:約2時間55分 ※カーテンコール込み
※マチネ13時始まりの場合、終了時間がだいたい16時05分前後になります。
公式あらすじ
19世紀のロンドン。
医師であり科学者であるヘンリー・ジキル(佐藤隆紀)は、「人間の善と悪の両極端の性格を分離できれば、人間のあらゆる悪を制御し、最終的には消し去ることが出来る」という仮説のもとに研究を重ね、作り上げた薬を生きた人間で試す段階にまで到達した。ジキルは病院の理事会で人体実験の承諾を得ようとするが、彼らはこれを神への冒涜だと拒絶。ジキルの婚約者エマ(Dream Ami)の父親で理事会の議長でもあるダンヴァース卿(栗原英雄)のとりなしもむなしく、秘書官のストライド(章平)の思惑も絡み、理事会はジキルの要請を却下した。ジキルはその夜に開かれたエマとの婚約パーティーで、親友の弁護士アターソン(竪山隼太)に理事会の連中は全員偽善者だと怒りをぶつける。
アターソンはジキルを連れて上流階級の社交場から抜け出し、たどり着いたのは場末の売春宿「どん底」。男どもの歓声の中から、現れたのは娼婦 ルーシー(和希そら)。「(私を)自分で試してみれば?」というルーシーの言葉に天明を受けたジキルは、研究室に籠り、薬の調合を始める。きらめく調合液をひとり乾杯して飲み干すジキル。そして全身を貫く激しい痛みが襲い、苦痛に悶えるジキル。腰が曲がり、声はかすれ、まるで獣のよう。この反応は一体何なのか!そして、とうとうジキルの中に眠っていたもう一つの人格 エドワード・ハイドが解き放たれる。
<公式HPより抜粋>
公演スケジュール
- 東京公演:2026年3月15日(日)~3月29日(日)東京国際フォーラム ホールC
- 大阪公演:2026年4月3日(金)~4月6日(月)梅田芸術劇場メインホール
- 福岡公演:2026年4月11日(土)~4月12日(日)福岡市民ホール 大ホール
- 愛知公演:2026年4月18日(土)~4月19日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
- 山形公演:2026年4月25日(土)~4月26日(日)やまぎん県民ホール
観劇感想/キャスト感想
2026年3月26日マチネ キャスト
- へンリー・ジキル/エドワード・ ハイド:佐藤隆紀(LE VELVETS)
- ルーシー・ハリス:和希そら
- エマ・カルー:Dream Ami
- ジョン・アターソン:竪山隼太
- サイモン・ストライド:章平
- 執事 プール:佐藤誓
- ダンヴァース ・カルー 卿:栗原英雄
- グロソップ将軍:川口竜也
- プループス卿:百々義則(劇団四季)
- ベイジングストーク大司教:鎌田誠樹
- ビーコンズフィールド侯爵夫人:三木麻衣子
- サベージ伯爵:川島大典
<アンサンブル>
彩橋みゆ、池谷祐子、岡施孜、上條駿、川口大地、木村つかさ、藤田宏樹、真記子、町屋美咲、松永トモカ
<スウィング>
熊野義貴 藤本真凜
本編感想
今回から舞台演出がガラリと変わりました。そのことを知ったのは観劇直前のたまたま目に入ったSNS情報(汗)。鹿賀さんバージョンから石丸さんバージョンになったあとのタイミングくらいで変わった印象はありましたが、キャストも新しい人が増えたということで心機一転リニューアルという感じですかね。
石丸バージョンの頃は鉄骨を組んだセットが出ていたと思うのですが、今回からそれが無くなり舞台上を囲うように町の建物を模したセットが配置されていました。19世紀末の不穏なロンドンの街並みが以前よりも見た目に明確に分かるような雰囲気に。
舞台転換で巨大なセットが出てくるときは舞台袖や回転する盆からではなく、天井からズンズンと降りてきたのもびっくりしました。なんだかダイナミックな歌舞伎を見ているようだった。
ルーシーたちがショーをする場末のパブ「どん底」は以前のような赤い紐が垂れ下がってるものではなく、しっかりとしたステージングセットとして登場。それはそれですごいと思ったのですが…、なんだかちょっと物足りなさも覚えてしまったり。あの抽象的な雰囲気が好きだっただけにそれが無くなってしまったのは少し残念です。
大きく変化したのがジキル博士の実験室。個人的に好きだった背後の巨大な謎のファンwが消滅してしまったーー!!なんかあのファンがあってこそのジキル研究室って感じがよかったのに…。なんだか普通の実験室みたいな雰囲気になったのは残念ポイントでしたね。
あと変わったのは、ジキル博士の執務室が舞台転換したあとも下手側に残るような仕組みになっていて、実験室の椅子と机の役割を担うようになりました。この変化は好き。以前は実験台でメモ取ってましたが、今回からちゃんと椅子と机の上でそれができるようになりました(シュガーくんジキルの「塩味・・・しょーーっぱっ!!」って反応めっちゃ好きだったww)。
大階段は2つくっつけると幅が広くなる仕組み。ジキルとハイドをイメージしてか白と黒とに色分けされていました。婚約式・結婚式の階段も以前よりも豪華絢爛になったと思います。
1幕の理事会の現場にも階段が使用されるようになりました。今まで舞台上に横一列といった感じで並んでいたメンバーが、階段上にそれぞれ段違いに座る演出になり立体的に見えるようになりました。
2幕に登場するルーシーの部屋。ハイドの危険性が増したことを察したジキルがルーシーに逃げるように説得する手紙を書き、それを託されたジョンが彼女の部屋を訪れるシーンで登場するのですが・・・部屋の窓が消滅してしまってた!!!!
ただの壁になってしまったがゆえに、ルーシーがジキルの手紙を読んで歓喜した後の恐怖の展開が薄まってしまった感が否めない(涙)。あの窓、すごい重要な役割担ってたんだなということを思い知らされる結果になってしまいました。次回はぜひ復活させてほしい(無理だろうけど)。
ダンスの振付もフォーメーションが色々と変わりました。アンサンブルさんが多いナンバーの時は、グループ分けされることが多くて見やすくなった印象があります。ただ、個人的にはまだ以前の全員が一体となってガーーーっと迫力の動きをしてる光景に見慣れてしまったのでちょっと戸惑いもあったりなかったり…。
それから、理事会メンバーがハイドに次々と襲われ●されるシーンの演出も色々変わってました。が、ちょっと個人的にはよく分からない点が…(汗)。
1幕ラストのベイジングストーク大司教のパターンは、セットは巨大化したけどいったい何がどうなってああなったのかがよく分からなかった(苦笑)。個人的には以前までのほうが分かりやすかったなあ。2幕にやたら出てくる「傘」アイテムの使い方もちょっと謎w。ビーコンズフィールド侯爵夫人の●られ方は・・・、前回までのほうが怖かった。お花で・・・っていうのはちょっと違和感(苦笑)。
全体的に魅せ方が平面的から立体的になったなというのが率直な感想です。他にもちょいちょい変更点ありましたが、特に印象的だったのはこんなところ。
作品としては申し分なし!!!ストーリーもワイルドホーンの楽曲も本当にゾクゾクするほど魅力的だしカッコいい。重厚感のあるサウンドから美しく胸震えるバラードまで本当に多彩で、どのシーンも見どころだらけ。やっぱりジキハイ大好きだなぁと実感させられました。1回しか見れなかったのが本当に悔やまれる。
個人的に特に大好きなナンバー(シーン)は以下の通り。
- アンサンブルに交じってメインの登場人物が行き交う演出が光るナンバー♪嘘の仮面♪
- ジキルとエマが愛を誓いあいながら明るい未来を信じて歌う素敵なナンバー♪ありのままで♪
- 「どん底」で繰り広げられる迫力満点の妖しいショーナンバー♪連れてきて♪
- 言わずと知れたジキルが自らの決意と覚悟を歌う名曲中の名曲♪時が来た♪
- ジキルに優しくされたルーシーが感極まり歌う心打たれるナンバー♪あんなひとが♪
- 1幕の流れを受けてさらに事件が増えていくドラマを展開する♪事件、事件♪
- ジキルを想いエマとルーシーがそれぞれの場所で歌う美しいバラード♪その目に♪
(エマとダンヴァースのゾーンにちゃっかりストライドが混じってたのがツボw) - ハイドがルーシーを妖艶に誘う背徳感満載の♪罪な遊戯♪
(新演出のぶっとい縄の引っ張り合いは謎だった 汗) - ルーシーがジキルの手紙を読み感極まりながら歌う涙なしに聞けない名曲♪新たな生活♪
- ジキルとハイドが入り乱れる、役者が最も消耗するであろう迫力のナンバー♪対決♪
本当に挙げればきりがないほど最高な楽曲とストーリー。あぁ、やっぱり2回は見たかった!!
主なキャスト別感想
へンリー・ジキル/エドワード・ ハイド:佐藤隆紀くん(LE VELVETS)
今回新たにWでキャスティングされたシュガーくんことLE VELVETSの佐藤くん。私は彼のホンワカした雰囲気がとても好きなのですが、同時にブラックな役柄で見せる狂気的なお芝居もめちゃめちゃ好みなんですよね。普段のシュガーくんからは想像できないような”悪”のお芝居にはいつも心を鷲摑みされます。なので、今回ジキハイ役に決まったと聞いたときは「キターー!!」な心境でしたww。
いやぁ~~~、ほんっとに素晴らしかった!!期待以上のものを魅せてくれました。1粒で2度以上の旨味を感じられる大熱演にめちゃめちゃ心揺さぶられました。
シュガーくんのジキルは生真面目で不器用でどこか哀愁を感じさせるキャラ。一つのことに熱中するともう周囲のことなどまるで見えなくなってしまいそうな危うさを秘めているように感じました。冒頭の理事会シーンでの憤慨っぷりのお芝居にはところどころに”ハイド”味が滲んでるように思えて…見ていてすごくドキドキさせられましたよ。このあたりのお芝居の匙加減が最高。
婚約者のエマに対しては温かな愛情を注いでいますが、ルーシーに対しても親切で寛容。エマは愛する人として、ルーシーに対しては”一人の人間”として誠実に接している雰囲気があって、シュガーくんならではの良さが出ていたと思います。
そして楽しみにしていたシュガーくんハイド。徹底的なダークサイド堕ちした怖さ出しまくってて最高すぎたっ!!やっぱり彼の演じる”悪”は魅力的だなぁと。しかも、これまで演じてきたような狂気とは一味違う”悪”を感じたんですよね。冷徹にジリジリと相手を追い詰めて逃げられないようにして最後仕留める、みたいな不気味さが見ていてゾクゾクさせられました。理事会メンバーへのアレは、前半のジキルとしての憤慨っぷりを見ていればこういう形になっちゃうよな…っていう説得力もあったと思います。
ルーシーに対してはジキルの隠れた”欲望”みたいな感情が爆発したって感じだったかな。ジキルのままだったらきっと一生気づかない感情、みたいな。そういう繊細なお芝居も光っていてとても良かった。
そして何よりも完璧すぎる歌唱力!!シュガーくんの強みの一つでもありますが、今回も絶品でございました。四季出身ではないのに歌詞すべてがとても聞き取りやすいし、気持ちもストレートに見る側に伝わってくるのが素晴らしい。楽しみにしていた♪時が来た♪は圧巻すぎたっ!!特にあの息継ぎなしのロングトーンの迫力ったらないっ!!塩タクターの煽りもちょっとあったけどww、それも納得なショーストップ状態になってました。
シュガーくんには再演の時にもまたぜひジキハイとして戻ってきてほしいです。
ルーシー・ハリス:和希そらさん
和希そらさんは宝塚時代から”すごいカリスマ性のある女優さん”としての名声を聞いていたので、今回初めて拝見するのを楽しみにしていました。
まず目を惹くのは、抜群すぎるスタイルと優雅な身のこなしのカッコ良さです!元トップということもあり、まばゆいばかりの美形で誰もが目を惹いてしまうという設定の説得力がありました。ルーシーってこんなカッコいい女性だったのか!と「どん底」ショーの時思わず魅入っちゃいましたよ。ロングヘアが顔にかかったときの妖艶さにもドキリとさせられました。
ただ欲を言うならば…もう少し”弱み”要素を強く出してほしかったかもなぁ、とも。元締めのスパイダーに虐待されてる時も(スパイダーを演じてる鎌田さんがめっちゃ怖いww)、反撃できちゃいそう的な雰囲気も感じてしまったので(汗)。ルーシーの”女性としての純粋な愛らしさ”がもっと感じられればもっと良かったんじゃないかなと。
歌声はセクシーでしっかりしていて良かったです。ただ、ルーシーはけっこう高いトーンの音で歌わなければならない箇所があるんですが…、そこがちょい弱かったかも。ソプラノまではきれいに聞こえるんだけど、Highの部分に行くと急に音量が落ちてしまっていたのは気になりました。
まだ宝塚を出て日が浅いと思いますので、このあたりを徐々に修正していけばもっと素晴らしいルーシーが見れるんじゃないかなと思います。
エマ・カルー:Dream Amiさん
Amiさんのエマは前回公演に続いて2度目になります。今回は可憐で明るく、さらにちょっとお転婆気質みたいな雰囲気があったのがとても愛らしくてよかった。きっとあの天真爛漫なエマの魅力に生真面目なジキルは心を癒され愛したんだろうなぁ、という説得力がありました。研究室を何度も尋ねてもジキルに会えないシーン、執事のプールにちょっとムクれながら会いたいアピールする姿もちょっとツンなんだけど嫌味がなくて可愛い。
ラストシーンの結婚式、Amiさんのジキルへのまっすぐで揺るぎない彼に向ける愛情が感じられるお芝居に胸打たれました。特に出席者に向ける視線がとても印象深い。彼女はジキルの中に芽生えてしまったハイドごと愛したんだろうなと伝わってきてグッとくるものがありました。
歌も本当に上手い!!文句なしです。エマの愛らしさも歌声から十分伝わってきてとても良かった。
ジョン・アターソン:竪山隼太くん
昨年まで舞台「ハリーポッター」のロン役でずっと見てきた竪山隼太くんと、まさかジキハイで再会できる日がくるとは思わなかった!彼の出演するほかの作品も観てみたいと思っていたのでとても嬉しかったです。
竪山くんのジョンはめちゃめちゃ感情表現が豊か。一緒にいたらすごく楽しめるだろうなと思えるほどのフレンドリーっぷりで見ていてワクワクさせられっぱなし。前半ジキルを「どん底」に誘うシーンでのテンションは笑っちゃうほどハイwww。もう超ノリノリでジキル置いてけぼりで独り満喫しちゃってる竪山ジョンが可愛くて仕方なかったです(笑)。このあたり、ちょっとハリポタのロンを彷彿とする可愛さだったなと思ってしまったりw。
後半ジキルがハイドとの入れ替わりが激しくなりその秘密を知ってしまう場面。この時の彼のシリアスながらも激熱なお芝居にすごく心揺さぶられるものがありました。専属弁護士としてというよりも、ジキルの親友として彼のことを心底心配している気持ちが痛いほど伝わってきた。ジキルの秘密を知ったときはショックのあまり泣いてたもんね…。あの涙に心打たれたよ(涙)。
ラストシーンでのジョンの苦悩と絶望のお芝居も秀逸。前半とても明るくフレンドリーなキャラクターだっただけにそのギャップがすごくて…めちゃめちゃ胸が痛みました…。大好きだったよ、竪山くんのジョン。
サイモン・ストライド:章平くん
章平くんはどこかでお名前見たことがあったなと遡ってみたら、2022年の「エリザベート」で革命家シュテファン演じてましたね。でも、役としてがっつり見るのは恐らく今回が初めてになると思います。これまで2.5次元から本格派の作品まで幅広く出演してきた経歴があるだけあり、一本筋の通ったお芝居がとても良かったと思います。
これまでストライド役は畠中洋さんが粘着質高いキャラでw多く演じられてきましたが、章平くんになって急に若返った雰囲気。彼の演じるストライドはジキルに対する敵意はメラメラしているんだけど、それをあまり表に出しすぎてないところが新しいなと思いました。理事会が紛糾しているときも、ちょっと周囲から一歩引いたようなところにいる。それなのに、ジキルと相対した時にはギラギラした凄みのある視線で威嚇しててめっちゃゾクゾクささられました(コワっ!)。
章平くんストライドが一番ストライドに敵意を見せるのは婚約式の時だったかな。めちゃめちゃプライドが高くて相手を見下すようなキャラづくりをされてて、そんな彼がエマを取られてしまった悔しさでジキルに激しい憎悪を向けるわけで・・・。やっぱりこの時も目がすごく印象深かったです。
この作品では多くのキャストが複数役をこなしますが、章平くんは背がすらりと高くスタイル抜群なのでどこにいてもすぐに分かっちゃうほど見栄えが良かった。今後注目していきたい俳優さんです。
執事 プール:佐藤誓さん
佐藤さんのプールも前回公演に続いてということになりますね。真面目でジキル博士に常に忠実といったキャラクターが印象深いのですが、今回はそれに加えてコミカルさも以前より濃くなったなという印象です。
一番面白かったのは、ルーシーが訪ねてきたとジキルに知らせる場面。ルーシーを表現しづらそうにしてる姿も滑稽なのですが、ジキルが「会おう」と予想外の反応を見せたときの「間」のお芝居が絶妙で思わず笑ってしまいましたww。そのあとの「でも…」と反論しかかりながらもジキルの中にあるハイド味が滲んだ凄みにビビって「すぐに呼んでまいります」とそそくさ舞台袖に逃げてくお芝居も可愛すぎました(笑)。
ジキハイの中では癒し系の存在でしたね。
ダンヴァース ・カルー 卿:栗原英雄さん
栗原さんのダンヴァース卿、今回も安定感半端なかったです。もうそこに存在しているだけで舞台全体がキリッと締まるのを感じる。ダンヴァース卿のキャラクターに栗さんがめっちゃハマってるんですよね(さすがの演技力)。
印象深いのはエマへの父親としての深い愛情のお芝居。エマのことは目の中に入れても構わないほど大切に大切に想っていて、彼女を見つめる瞳はいつも柔らかくて温かい。だからこそ、危険な研究に身を投じ先の見通せないジキルに大切な娘を託してもいいのか常に悩んでるんですよね。ジキルとエマのツーショットに目を細めながらも、表情には不安の色が滲んでしまう。
ジキルを娘の愛する人として「応援したい」という気持ちがあるのも真実なんだけれど(彼が父親のために危険思想に走ってしまったことも理解してるように見えるし)、やはり倫理的に考えて彼の研究には賛同できない葛藤を持っている。そんな複雑な気持ちがじわじわ伝わってくるお芝居、やっぱり好きだなぁと思いました。
グロソップ将軍:川口竜也さん
闘病を続けながら精力的に舞台に立ち続ける川口さん。そのお姿を拝見するだけでも自然と感極まってきてしまった…。体格は細くなられましたが、よく響くしっかりとした美声は健在で嬉しくなります。
川口さんは前回まではサベージ伯爵として最後にハイドに襲われる役回りでしたが、今回からグロソップ将軍となり退場がちょっと早まりました(汗)。でも、あの髭と軍服の扮装姿は実にダンディーでカッコよく見惚れてしまう。また再演の時もグロソップ将軍役でお会いしたいです。
プループス卿:百々義則さん(劇団四季)
いやぁ~、まさか百々さんを外部舞台の大型ミュージカルで拝見できる日が来ようとは!!これまで劇団四季は基本的に外部への客演を原則制限していましたが(一部の役者さんは出演されてました)、1年半くらい前に65歳以上の劇団員は”エージェント契約”を結べる制度できて役者の自由度が増すシステムになったようです。百々さんも、もうそんなお歳になられたのだなぁと。
飯田洋輔くんが劇団四季で「美女と野獣」に出演していた頃、一番多くルミエール(ろうそく)役で拝見したのが百々さんだったので、なんだかとても感慨深いものがあります。
四季以外の舞台で見る百々さんは非常に新鮮。ほかの役者さんに比べると活舌がめちゃめちゃハッキリしてましたね(外部ではもう少しスムーズでもいいかもとは思いますが)。あと立ち姿が実に美しい。シャキッと一本線の通った姿勢でプライドが高そうなプループス卿の雰囲気にハマっていらっしゃいました。また色々な舞台で百々さんを拝見したいです。
ベイジングストーク大司教:鎌田誠樹さん
鎌田さんを拝見するのは久しぶりですが、大司教閣下がしっくりくるようなどっしりとした存在感のある役者さんになられて嬉しく思います。
鎌田大司教様は、理事会メンバーたちがいきり立ってギャーギャーとジキルに詰め寄っているときもどこか上から目線で常に一歩引いた場所から高みの見物をしてる。その時の表情がめちゃめちゃ厭味ったらしくて(←褒めてますw)最高でした。
もう一つの役柄、「どん底」の元締めスパイダーは…、めちゃめちゃ凄みがあって怖かった!!完全にダークサイドの人って感じでしたw(←最高)。
ビーコンズフィールド侯爵夫人:三木麻衣子さん
三木さんは昨年私の涙を絞り取った作品「四月は君の嘘」に審査員役(年長者女子役)で出演されてた女優さん。ジキハイも前回公演に続いてということになりますね。
三木さんのビーコンズフィールド夫人は若々しい雰囲気が魅力。気位が高い美人さんでジキル博士をあざ笑う時のお芝居の厭らしさと言ったらww(←褒めてます)。2幕での襲われ方のお芝居もリアリティがあってゾクゾクしました。
サベージ伯爵:川島大典くん
大きな作品でよく目にする川島くんですが、ついに今回のジキハイで役柄付きを獲得したんですよね!実力のある役者さんだと思っていたので、名前のないアンサンブルから一歩前進したことがなんだかとても嬉しかったです。
サベージ伯爵は前回川口さんが重厚に演じられていましたが、川島君は打って変わってちょっとオネエっぽい妖しい雰囲気を醸し出したプライドの高い小物紳士って印象がすごく面白かったですww。めっちゃキャラ立ってた!ハイドの暴走を目の当たりにしてビビりまくって「僕は助けようとしたんだ」と周囲に泣き言をいいまくるシーンとかは可愛らしさすら感じましたよw。
今後もどんどん飛躍してほしい役者さんです。
後述(カーテンコール)
カーテンコールも大いに盛り上がり、オールスタンディング状態に近い激熱な空間となりました。
演出やセット、役者も含め以前からリニューアルされた新生『ジキル&ハイド』。前回と比べて戸惑ってしまう部分もありましたが、きっとそれも過去と同じく再演を重ねるごとに自分の中で浸透していくんだろうなと思います。
とにかく力のある素晴らしいミュージカルなので、できるだけ短いスパンで上演していってほしいです。
いつもならジキハイは大好きな作品なので複数回観ることが多かったのですが、今回は昨今のお財布事情なども相まって1回のみの観劇になってしまいました(涙)。本当は柿澤くんバージョンやふうかちゃんのエマも観たかったよーー!!見比べたかった。
次に再演されるとき、日本は、世界は、どうなっているのでしょうか。今よりもマシな世の中になっていてほしいです…。




