劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演 2022.06.18 ソワレ

劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』を観に大阪へ行ってきました。

6月は3度目になりますw。大好きな飯田洋輔くんがお休みに入ったのでしばらくオペラ座観劇も休憩…と思っていたのですが、まだ一度も観たことがなかった清水大星くんのファントムはとても興味がありまして。
清水くんは10月から始まる『美女と野獣』の舞浜公演に出演が決まっているため、彼のファントムを大阪で見れるこれが最後のチャンスかもしれないと思い…関西遠征予定に合わせてチケットを確保するに至りました。

ここ数日の当日券は飛ぶように売れていてその注目度の高さが伺えます。土曜ソワレの観劇でしたが、2階席まで大入り満席に近い盛況っぷりでしたね。

5月〜6月頭にかけての『オペラ座〜』観劇は劇場に入る前から全神経がすり減るくらい尋常ではないテンションだったのですが(汗)、今回は久しぶりにフラットな気持ちで客席に入ることができましたw。
が、終わった後はなんだかこれまでとは違った感覚で気持ちが消耗することに(良い意味で)。それについては以下のネタバレ感想で触れたいと思います。

劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧

以下、超ネタバレを含んだ感想になります。

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2022.06.18 ソワレ公演 in 大阪四季劇場(大阪・西梅田)

主なキャスト

  • オペラ座の怪人:清水大星
  • クリスティーヌ・ダーエ: 藤原遙香
  • ラウル・シャニュイ子爵: 飯田達郎
  • カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
  • メグ・ジリー: 黒柳安奈
  • マダム・ジリー:佐和由梨
  • ムッシュー・アンドレ:見付祐一
  • ムッシュー・フィルマン: 平良交一
  • ウバルド・ピアンジ:永井崇多宏
  • ムッシュー・レイエ:雲田隆弘
  • ムッシュー・ルフェーブル:勅使瓦武志
  • ブケー: 田辺容

見付アンドレ平良フィルマンのコンビは久しぶり。以前見たときよりも二人のコンビネーションが絶妙で、コミカル度が増し面白みがパワーアップしていました。あと、歌い方が台詞を語るような感じになっていたのも良かったなあ(もちろん歌そのものはめちゃめちゃ安定していますが)。なんだか色々と熱かった。

それから、ブケー役の田辺容さんはもっとお久しぶりでなんだか懐かしさすらありました。前回見たのはいつだったかと辿ってみたら4年前の京都公演が最後だった。
ココ最近ずっと観てきた村田さんのブケーとは違って、脅されても動じない図太さのあるキャラクターでとても面白かった。たぶん、4年前に見たときよりも演出もちょい変わっているのでより芝居的になっていたような気がします。

松永さんのダンサーは相変わらずセクシーでたくましく美しい。早水さんのお針子さんはクリスティーヌへの微笑みが本当に母性の塊でほっこり。

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全体感想

オークションシーンでの達郎くんラウル、前回見たときは隣の女性と何やらコソコソと話す瞬間があったのですが、今回はリストを見るのに集中していて横を向いてませんでした。
それにしても、あの老人のお芝居…めっちゃリアル!!声の出し方とか歌い方とか、おじいちゃん感半端ない。達郎くん、本当にお芝居が進化したよね。

♪ハンニバル♪

河村彩さんのカルロッタは4月に観て以来でしたが、なんだかすごくキュートになられたなという印象が強かった。我が強く自信家で厄介なキャラクター、というベースはちゃんとあるんですけどなんだか表情の一つ一つが可愛らしくて憎めない感じだったなぁ。あれ!?河村カルロッタってこんな可愛かったっけ!??とちょっと驚いてしまった。

それ故に、永井ピアンジと一緒になるとなんだか癒やし系カップルみたいに見えてなんだか萌えちゃったよ(笑)。松永ダンサーともちょっと怪しい関係的な雰囲気は見せるんだけど、永井ピアンジともめっちゃ良い雰囲気だったんですよね。

雲田レイエは今回も表情が豊かで面白い(のっけから「ちがぁーーーうぅーー!!」とハイテンションっw)。ピアンジが「ローマ」の発音を2度めに歌うときにもとに戻しちゃったときなんか「あーーーっ!!」って口あんぐりあけて今にも稽古止めたそうなもどかしさを感じさせる表情してたしw。
そこはなんとか耐えたけど、音楽が終わるギリギリに象に乗れてドヤ顔でポージングするピアンジ(永井さんが毎回可愛くて癒やしなんですがw)に対しては「うーーん」と納得いってない感じ。一旦稽古の区切りがついた後も端っこの方で「どの角度の手の挙げ方が良いかな」といった感じで一生懸命色んなバージョンを試してましたw。そんな不器用だけど熱い雲田レイエが好きです。

平良さんのフィルマンは相変わらず芸術関連に全く興味なしw。でもオペラ座の劇場構造には興味津々で、今回も細かいところをちょいちょいチェックしていらっしゃいました(笑)。

オペラ座のことをまだよく知らないアンドレが、カルロッタに「よくあることですから」となだめようとする場面。この言葉にカルロッタはカッチーーンときてキレてしまうのですが、「よくあること、ですって!?」の言い方とリアクションが…めっちゃ可愛かったよ(笑)。なんかちょっと見付アンドレの口真似っぽい感じで言ってるんだもの〜〜w。河村さんのカルロッタ、なんだかすごく好きだわって思っちゃう。

♪Think of me♪

藤原さんのクリスティーヌはとても澄んだ聴き心地の良い歌声だなぁと思いました。ToMも生き生きと瑞々しく歌い踊っている姿が印象的。

その姿をオペラグラスでガン見している達郎くんラウル。そしてそれをオペラグラスでガン見する私(笑)。じーーーっと覗いていると、ある瞬間に「あれ!?」とクリスティーヌの記憶が蘇る瞬間が訪れる。その時のピクッとなったときの芝居がとても印象的だった。細かいところだけど、あの瞬間にラウルの熱がグワッと上がるのが伝わるんだよね。

そして「ブラ−−ヴァ!!」と満面の笑みで拍手するラウルの場面。前回大阪初日公演で観たときは、あまりにも天真爛漫なハイテンション笑顔で爆音拍手響かせてて思わず笑ってしまったのですがw、今回はあの時よりもちょい抑え気味な印象でしたね(それでもめっちゃ破顔な笑み浮かべてたけど)。
というか、高貴な子爵様的な雰囲気が増しててちょっとびっくりしました。この変化が素晴らしい。

クリスティーヌの本番が終わった後、マダム・ジリーがダンサーたちに喝を入れるシーン。佐和さんのマダムは言葉は厳しいんだけどそこにすごく彼女たちへの愛情を感じるんですよね。「あなたたちのためなのよ」という気持ちが伝わってきてとてもいい。

そしてクリスティーヌの成功を称えるファントムの声が聴こえてくる場面。ここで初めて清水くんのファントムの歌声を聞いたのですが…、思っていた以上に高め。ロンドン初演のオリジナルキャストだったマイケル・クロフォードさんと少し雰囲気が似ていたかも。囁くように歌っていたのがとても印象的でした。

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♪リトル・ロッテ♪

クリスティーヌの楽屋へラウルが向かう場面。アンドレやフィルマンが朗らかに笑いながら歩いているなか、達郎くんラウルは「早くこの場から離れてクリスティーヌに会いたい」オーラがムンムン出てました(笑)。楽屋へみんなが向かおうとしたときなんか、先を越されまいと焦ったように先頭に出ていたように見えて思わず笑っちゃいそうになったよw。

そして念願の対面となるのですが、もう赤いスカーフのくだりから「大好きだよ」という気持ちが溢れてる。でも、「何のこと?」と彼女に思い出してもらえないと「え!?」って感じでちょっと動揺ww。それでもめげずに「濡れ鼠になって」と茶目っ気たっぷりに告げてたのがなんか健気だったなぁ。

クリスティーヌがやっと思い出してくれると、満面の笑みで彼女を受け止める。その受け止め方が…めっちゃ優しくて包容力あって温かい。ほんと、飯田兄弟は二人共あったかさが芝居に生きるよねぇ。
”エンジェル・オブ・ミュージック”の話を賢明に語るクリスにも、「うん、うん」と一所懸命頷いて聞いてあげてるところも良い。それを経ての「一緒に食事に行こう」なので強引すぎるといった印象は薄いです。

それにしても、「かわいい、ロッテ」と去っていく前の笑顔。なんか以前よりもちょっと大人な雰囲気があったなぁ。品があってこれまで以上に子爵様っぽくなってる。

♪ミラー♪~♪The Phantom of the Opera♪

いよいよ本格的に清水くんのファントムが登場。ミラーから現れたその姿は、なんだかとても無機質でゾクっとするような怖さがありました。歌声はものすごく力強いのに、心の内が全く読めない感じ。まさに、”オペラ座の幽霊”だなと思いました。

ボートで隠れ家へ向かう場面、クリスティーヌと最初に目があった瞬間にニヤッと笑みを浮かべていたのがとても印象的だった。それは氷のように冷たく…独善的な感じだったなぁ。藤原クリスは好奇心でその冷たさに気づいていない。

「歌え!!」は空気がピリっとするような強い口調。あの声で歌うように要求されたら自然に掻き立てられて高音を出せるよなぁと納得の言い方でした。
ハット飛ばしは洋輔くんのときよりもちょっと荒っぽい感じ。でも、マントの畳み方はすごく丁寧できれーーいにボートに置いてたのが印象的。この落差にファントムの不安定さを感じました。

クリスティーヌに歌を要求していくうちに冷徹そうだった雰囲気にどんどんが加わっていく清水ファントム。彼女に触れたときの陶酔感あふれる表情は非常に艶っぽくドキリとするほどだった。

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♪The  Music of the Night♪

最初はどちらかというと少し囁き気味に歌い始めていましたが、なんだか術をかけられてる気分に…。あの世界観へ誘われていったらもう逃げられなくなるみたいな…少し恐怖を覚えるような感覚になってしまった。

「私に触ってほしい」のくだりでクリスが仮面に手を触れた瞬間、彼の中で興奮のピークがワンランク上がったように見えました。顔の表情に狂気にも似た歓喜の色が見えたんですよね。観ていて背中がゾクッとした。

それにしても・・・清水くん、ほんっとに歌の迫力がすごかったなぁ。噂には聞いていたけど、ファントムとしてのが半端なかったです。特に語尾を伸ばすシーンは圧巻以外の何物でもない。後半の力強さと繊細さを合わせた歌いっぷりもドラマチックで素晴らしかったです。

クリスがダミーに驚いて倒れてしまうシーン。清水ファントムは一瞬「あっ」とビックリはするけれども慌てた様子はなく(洋輔くんはめっちゃ焦ってたけどw)、冷静にマントを取り美しくかけてあげてました。
このあと、思わず彼女の顔に手を触れそうになるんですが…その距離がとても近い。あと数ミリで触れてしまうのではないかというくらい。ファントムが彼女をどうしようもなく欲する気持ちが伝わってくるようでした。

オルガンを弾いて作曲してるときの清水ファントムはものすごくエキセントリック。目が血走っているのではないかというくらいの勢いで楽譜に無我夢中で向かってた。あれは容易には近づけないレベル!!
藤原クリスティーヌはあの雰囲気の中でもめっちゃ興味津々の表情で仮面取りに行くわけだから…、チャレンジャーだよなって思ってしまった(笑)。

仮面剥がされた瞬間は、思っていたよりも衝撃を表にガッと出していなかったのが少し意外だったな。もっと断末魔のような表情をするんじゃないかと思っていたので「ぐわっ!!」程度の驚きの声だったので少しびっくりしちゃったww。
あと、「ちくしょう!!」のセリフは「ちっくしょっ!」って感じでちょい短めだったのがちょっと可愛いと思ってしまった(清水ファントムを可愛いと思った唯一の場面w)。

ところが、この後の怒りの感情爆発がめちゃめちゃ激しすぎて息が止まりそうになった。特に「呪われろっっ!!!」のセリフがものすごい相手を罵倒するような叫び方で…あれはクリスティーヌ泣いちゃうの納得だよって思ったほど。
さらに、自分の顔を呪いながら「美しさに焦がれる」と歌いながらクリスに迫っていく場面。清水ファントム、めちゃめちゃ痛々しいんだけど…同時に鬼気迫る雰囲気がすごくて。ジリジリ匍匐前進していくときに藤原クリスが恐怖心のあまり倒れながらも後ろに後退りするレベルだった。このときの恐怖が彼女の脳裏にトラウマとして張り付いたんだろうなぁと思っちゃったよ…。

印象的だったのは、クリスに一番近づいたときに清水ファントムが感情が高ぶりすぎて彼女の顔を見つめながら「あぁ、クリスティー−ヌぅーー」と慟哭してしまう場面。その嘆きっぷりがもう痛々しすぎて本当に悲しかった。
さらに、仮面を返してもらった後クリスティーヌと視線を合わせるのですが…ここで耐えきれなくなり目をそらすファントムが多い中、清水くんはギリギリまでその視線を外そうとはしていませんでした。それだけ彼女への執着が強いんだなと思ったな。

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ダンサーの女の子たちを前にブケーがファントムの怪談話をする場面。田辺ブケーの語りっぷりが、まるで稲川淳二さん級のおどろおどろしさ(笑)。さらにマダムに「地獄の手が迫る」と脅されても恐怖より「そんなはずあるか!」みたいなふてくされた態度を取ってたのも印象的でした。あれは、やられちゃっても仕方ないかも・・・と思えるレベルw。

♪ブリマ・ドンナ♪

支配人室での平良フィルマンの新聞飛ばしは、ほぼ全部袖に飛ばず最短距離で落ちてました(笑)。平良さんの場合はこれが正解なのかもしれん。飛ばすよりもゴシップの内容に満足してウキウキが止まらない、って感じだったしw。

ファントムからの手紙に憤慨したカルロッタたちがラウルを責める場面。河村カルロッタが「ちょっとぉー!!」みたいな勢いで迫るなか、達郎くんラウルは「違ぁうさぁ!!!」とめっちゃすごい圧で返してたww。あらぬ疑いかけられてめっちゃ腹が立ってる気持ちがよーく伝わってきたよ。

さらに2通目のファントムからの手紙に大憤慨してしまうカルロッタ。それをなだめようとするフィルマンたちですが、平良さん、これまで観てきた中で一番アタフタしてて「クリスティーヌには端役をやらせる」のところを歌ではなくセリフ調で叫んでたのがとても印象的でしたw。
でも、ピアンジがカルロッタをかばうためにしゃしゃり出て大声で歌うシーンでは…耳元で言われたのにあまりビビってなくて「はぁ・・・、やれやれ」みたいな呆れた表情してたな(笑)。今回は色んな平良さんが見れてほんと楽しい。

それから、この場面での達郎くんラウルがめちゃめちゃ逞しい。歌声もしっかり聴こえてくるし表情も鬼気迫る雰囲気が出ていて目が離せませんでした。目力が特に印象的だったな。あの天真爛漫な達郎くんがこんなにも凛々しい子爵様になるとは…!

♪イル・ムート♪

ここで面白かったのが藤原クリスティーヌのバタ足ww。これまで観てきたクリスの中で一番派手にバタバタ動かしてて思わず吹き出しちゃったよ(笑)。さらにハタキのお掃除もけっこう雑www。適当掃除してるのが見え見えww。色々と面白かった〜。

それから、河村カルロッタのカエル声がめちゃめちゃキュートだった(笑)。クリスティーヌに対しては「あんた、絶対口開いちゃだめだからね」みたいな眼圧で脅しをかけているのに、その直後のカエル声がアニメっぽくて最高に可愛いwww。あれはファントムが「あっはははは」と笑いたくなる気持ちもわかるww。「気をつけろ!!」と忠告するときも清水ファントム半笑い気味に叫んでたしね。

あと、見付アンドレの慌てっぷりも最高でしたね。第3幕の「バレエ」のことを客席に告げた後、「これがあってよかった〜」みたいな安堵の表情浮かべてるんだけどなかなか音楽が始まらなくて「バレエだ!!さぁ!!!」みたいに泣きが入りそうなくらいアタフタしてたww。
バレエダンサーが登場したときは、3人くらいにぶつかりそうになってて観ているこちらとしては「アンドレ、落ち着けー!」と励ましたくなるレベルでした(笑)。

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♪All I Ask of You♪

この場面での達郎くんラウルの頼もしさったらなかったですね。前回見たときよりもさらに包容力がアップ。怯えるクリスティーヌに対してものすごく誠実に向き合っていることがひしひしと伝わってきました。彼女の言葉もちゃんと正面から受け止めて、その上で「あいつは天使じゃない」と諭してる。このあたりの誠実さがすごく良い。

一度クリスティーヌがファントムに気持ちを傾けて歌うところでは「なぜ分かってもらえないんだ」といったようなもどかしさを表現する仕草を見せていましたが、すぐに気持ちを切り替えて彼女と向き合おうとする達郎くんラウル。

ファントムの声がクリスティーヌの耳にだけ届いたとき、彼女が怯えまくるのを見て「ちょっと待ってて、僕が突き止めるから」みたいな視線を送り出どころを突き止めようとする達郎くんラウルのなんと逞しいことよ!
そして、涙するクリスティーヌに両手を広げ受け止めようとする場面。あの腕の中へだったら何の迷いもなく飛び込んでいける!!というくらい頼りがいのある姿でした。達郎くん、いつの間にそんな素晴らしい包容力を身に着けたんだ!!

さらに注目するべきは、クリスティーヌを抱きしめた後の仕草です。特に彼女の頭に添える手!!なんって愛しげに添えてるんだろうって思った。
ポン…ポン・・・ってクリスをあやすように、安心させるようにしてるリアクションも少女漫画超えレベルで本当に素敵。あれは女子、トキメくでしょう!!クリスティーヌがラウルにどんどん心を惹かれていくのがめちゃめちゃ納得できてしまった。

それから、「クリスティーヌ、君がすべて」と歌うときの跪き方がめちゃめちゃ美しい。前回見たとき以上にそれは感じたかもしれない。ほんと色んな所にクリスティーヌへの愛の誠実さを感じさせるラウルだよなぁと思った。

このシーンを見て、達郎くんラウルは幼馴染だったあの日からずっとクリスティーヌに想いを寄せていたんだろうなって思いましたね。とにかく彼女に対する接し方が誠実で温かくてとても優しい。
なんというか、”温もり”をすごく感じるんですよ。これはお兄さんの洋輔くんも同じ感覚を覚えることで。飯田兄弟って本当に人柄が役に滲み出る素敵な二人だなぁって改めて。

こんな二人の姿を目撃してしまった清水ファントム。終始伏し目がちで心がズタボロに傷ついているのが一目瞭然です。「そのお返しがこれだというのか」と歌うときの声がもうか細くて切なすぎ(涙)。

ラウルとクリスの歌声がこだましていくなかでメラメラと激しい感情が湧いてくるシーンは、思っていたよりも激しくない印象はありました。でもそれが逆にゾクっとさせるような雰囲気になってて…この後の彼の復讐への序章だなと感じさせられたかも。
そしてラストの「許しはしないぞ」のロングトーン。今まで見てきたファントムのなかでもあの伸ばしっぷりは最長不倒クラス!!ほんとに清水君、どんな肺活量してんの!???と聞きたくなっちゃったよw。

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♪マスカレード♪

冒頭の見付アンドレと平良フィルマンのビクビクっぷりが磨きをかけて面白くなってますw。ここの場面、初期の『オペラ座〜』のときはあまり動きがなくてただ背中合わせになっちゃったみたいなシーンだったけど、演出がブラッシュアップされてからコミカルで彩りある場面になったなぁと改めて感じました。

アンサンブルでは松永ダンサーの華麗なダンスと、早水さんの楽しそうな談笑姿に注目しちゃう。早水さん、めっちゃ話弾んでたみたいで結構笑ってたなww。どんな内容語ってたのか気になっちゃう。

そして、ラウルがクリスティーヌと登場するわけですが…達郎くんのキラキラっぷりったらなかったよ!!達郎くんはこの場面でめっちゃ張り切ってる印象がこれまで強かったんだけど、今回見たら…張り切りつつも子爵としての品性を損ねていない優雅さも加わっていましたね。笑顔も天真爛漫さというよりかは気品のあるものに変わってる。達郎くんラウル、めっちゃアップデートされてるやんか!!

この場面の彼を見ると、心から舞台楽しんでるなぁというのが伝わってきて胸が熱くなります。すごく幸せそうにあの場にいる。クリスティーヌと思いが通じたことの喜びにあふれてるのも十分伝わってくる。

婚約のことを「まだ言わないで」とクリスから釘を刺されるシーン。最初はちょっと納得行かないなぁって雰囲気だったけど、彼女の必死の頼みを目の当たりにして表情が緩和されていく。「言わないよ、いつかわかる日が来るさ」と歌うときには目をしっかり見つめて彼女の思いを受け止めている。このあたりの表現力、本当に達郎くん上がったなぁと感動しました。

レッド・デスの清水ファントムは立ち姿がシャンとしていてとても美しい。でも「ドン・ファンの勝利」の楽譜を投げる仕草は結構荒っぽい感じで、見付アンドレが必死にそれを受け取った感があったな。

♪支配人室2♪

ピアンジが「こんなひどい役を」と落とした楽譜をフィルマンが踏んづける場面w。それをアンドレが慌てて拾ってクリスティーヌに「君が主役になっている」と渡すのですが、増田さんは手でフィルマンの靴跡を払ってから渡していたけど見付さんはそのまんま「はい」って渡してて面白かったww。こういうところは無頓着なのね、みたいな(笑)。

カルロッタがクリスティーヌとバチバチになる場面。河村カルロッタがめっちゃむくれ顔で迫ってたのが逆に可愛くて萌えちゃったよww。しかも、引き離された後も興奮が収まらなくて目をパチクリさせてたな(笑)。

それから、クリスが「私やりたくない」と拒絶した後のカルロッタとピアンジの「なぁんだ〜」と満面の笑みを浮かべて安堵する姿は毎回可愛くて癒やされますww。特に河村さんと永井さんのコンビはなんだか癒やし系のオーラが出てて見ているこちらも「よかったね」と思わず言ってあげたくなるレベルだった(←ヲイ 笑)。

この後ラウルがファントムを仕留める妙案を思いつくわけですが、このときの達郎くんの勢いが本当に凄くてビックリ。戦う男の目つきになってたよ!めっちゃギラついてて爽やかさはどこにもない感じ。クリスティーヌの声も届かず、アンドレやフィルマンたちと相談するうちにどんどんヒートアップしていって怖いくらい。
それを目の当たりにした藤原クリスティーヌの「やめてちょうだいっ!!」はシャウト気味になってたな。あれくらいやらないと収まりつかないよねっていう説得力がすごかったです。

怯えるクリスティーヌを必死に説得しようとするラウルなのですが、歌いながらもまるで台詞を語っているようだった達郎くん。一言一言ものすごく熱く訴えていてとても力強い。
それでもクリスは「できないわ!!」って逃げ出してしまうわけですが…、それを受けた達郎くんラウル、思わず口から「ぐあぁーーーっ!!!」みたいな悔し紛れの言葉が飛び出しててびっくりしたww。それだけもどかしさでいっぱいだったってことだよね。臨場感すごかったよ。

ドンファンの稽古シーン。永井ピアンジと河村カルロッタがめっちゃイチャイチャしてて萌えwww。歌う箇所がどこだかわからなくなった永井ピアンジに「次のページのここよ」って優しく教えてあげる河村カルロッタはまるでお母さんのよう(笑)。それに甘えるような永井ピアンジのホニャ笑顔がまた最高に可愛らしいww。

さらにピアンジの歌う場面になったとき、河村カルロッタはめっちゃ満足そうな笑みを浮かべてるんですよね。でも音程が違うのでレイエがストップを掛ける。
何度試しても音程通りにいかなくて思わず「違う!!」と声を荒らげてしまった雲田レイエに、河村カルロッタがものすごい目で睨んでましたww。あれを受けて雲田レイエは「ほぇ…!?」と戸惑っちゃう(笑)。このやり取りが最高に面白かった。

♪墓場♪

墓場に到着したばかりの藤原クリスはあまりにも色んなことがありすぎて精神的にかなり疲弊している雰囲気に見えました。お父さんの形見でラウルが「濡れ鼠になって」取ってきてくれた”赤いスカーフ”だけが彼女の支えになってるんだなというのがリアルに伝わってきて印象深かったです。

「でも寂しさに耐え」と気持ちを奮い立たせようとするシーン、久保さんはここで”強さ”を表現していたけれど藤原さんはまだそこまでの境地には至れないような雰囲気でしたね。お父さん恋しさの気持ちがどうしても抜けなくて、それでもなんとか自分を保とうとして…といった切実な思いが伝わってくるようでした。

この後十字架から現れる清水ファントムですが…、十字架の一部だったのではないかと思ったほど音もなくスーーーッと現れて只者じゃない感がすごかった。
そして歌声がもっのすごく柔らかくて美しい!!まるで催眠術のよう。いやぁ・・・あの表現力、清水くん、素晴らしいです。クリスティーヌが誘われるのも納得だよ。

この現場を目撃してしまう駆けつけたラウル。ここから三重唱へとつながるわけですが…、清水ファントムと達郎くんラウルの声圧があまりにも激しすぎて藤原クリスがそこに対抗するのに必死になっている感が否めなかった。
もう、男二人の熱量が半端なさすぎてねぇ。あれはまさに、歌の殴り合いとでも言うべきでしょうか。圧倒されすぎて動けなかったよ…!!すごいもの見た感が半端ない。

ファントムの火の玉攻撃のシーンは、清水くんはあまり当てに行っていない印象でしたね。達郎くんは浴びに行く勢いなんだけどww、その手前の部分に落としてる感じだった。それだけに、1発かなり近いところに落ちてたのを見たときには思わずドキリとしてしまいましたww。

それにしても、この場面でも達郎くんラウルのクリスティーヌを必ず守る!!的なテンションが素晴らしかったですね。あのラウルにだったら命を預けたくなると思えるレベル。彼がいかに熱くクリスに想いを寄せているのかがこれでもかというほど伝わってきました。

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♪The Point of No Return♪

ここでまず注目するのは永井ピアンジが無事にカーテンを閉められるかどうかww。かなりの確率で失敗する現場を見てしまっているので、なんだかそのシーンが来るとドキドキするようになっちゃった(笑)。
今回、メグが出ていくときに片方のカーテンが結構微妙な感じで開いてたのでちゃんと閉められるのか心配になったのですが、どうやらうまくいく握り方を習得したようで良い感じにシャッと閉じることができていました。この瞬間が一番ホッとするww。

全身マント姿で登場する清水ファントムは、クリスへの気持ちを必死に自分の内側に潜めて気づかれないように努めているような印象がありました。そんな彼にクリスが”芝居で”顔を寄せていくシーンがあるのですが、顔を背けられた後の藤原クリス、「ちぇっ」って感じで少しむくれ顔になってたのが可愛かったww。さっきまであんなに怯えた少女だったのに、役に入るとものすごいキャラ変わるのが面白い。

クリスが離れた後の清水ファントムですが、座っているときの両手はあまり震えていなかったように見えました。でも、息遣いがとても落ち着きがない。そこから彼の精一杯のやせ我慢だと伝わってきてなんかすごく切なくなってしまった。
そしてクリスと手が絡み合った瞬間に耐えきれず感情が表に溢れてしまうわけで…。もう離したくないといった執念みたいなものが宿ってるようにも見えたな。っていうか、マントが少し捲れかかってて仮面の部分が少し見えてたような…(汗)。

「もはや戻れない」と歌った後クリスがファントムの正体を客席に晒す場面。清水ファントムは大きな衝撃を受けるもののあまりその感情は表に出していなかったのがとても意外でした。ハッと息を呑む感じだったかな。でも、その後の後ろ姿がすごく儚い…。まるでそのまま消え入りそうな雰囲気だったよ…。
ちなみにこのときの藤原クリスは、頬を少し膨らませて起こってるような表情しててちょっと可愛く見えてしまったw。

そしてファントムが指輪をクリスティーヌにはめる場面。最初は懇願するような歌い方だったけれど「ともにどこまでも二人で」から感情がぐわわーーっと上がって「クリスティーヌ、君がすべ(て)!!」のときには目の色が尋常じゃない。あんな表情で迫られたら、クリスティーヌは恐怖しか感じないだろうに、と思ってしまうレベル…。
この後仮面を剥がされた後の断末魔も呻き声とも悲鳴とも取れる声色で本当に痛々しかったです。

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♪怪人の隠れ家♪

クリスを誘拐してしまった清水ファントム、船の上で自分の運命を呪うとき最初は脅した感じに歌っていたのに最後のところで泣き崩れてしまって…。「なぜ・・・なぜ・・・」というセリフがこの後芝居続けられないんじゃないくらい哀しくてめっちゃ泣けました…。

でも、隠れ家へ戻ってきたときのクリスの扱いはかなり乱暴。藤原クリス、すごい勢いで倒れ込んでたし。「飢えた悪魔の餌食の私」と強い口調で歌うのですが、清水ファントムは外の様子が気になっててあまりこの声を聞いていないような印象でしたね。

クリスの責めの言葉を受けた後、自らの悲しい過去を語る場面。母親に嫌いぬかれてと歌うところまではすごく孤独の色が強くて儚いのに、クリスの表情を見た瞬間「哀れみはいらぬ!この運命には従わねばならぬ!!」と歌うところはものすごい形相でクリスを取って食いそうなほど罵る感じ。
花嫁のベールをクリスの頭にかけるときもめちゃめちゃ荒々しくて、ほとんど手直ししていなかった。ブーケを手渡すときも彼女の姿がもう目に入っていないという感じで清水ファントムの中の混乱が手にとるように伝わってきました。

この激しい攻防の中でラウルがやってきたことに気がついた清水ファントム。「ほら、どうやらお客さんだ」と迫るときの表情がもう、狂気の沙汰というか…目がイッちゃいまくってる感じで見ていて恐怖を感じるレベル(震)。「お待ちしてたぞ」とお辞儀するときの姿勢もいつも異常に腰を折り曲げてて挑発がすごい。

それでも達郎くんラウルも全然負けてなくて、クリスティーヌを守りたい一心という熱い気持ちがこれでもかというほど伝わってきた。そして中に入りクリスと抱き合って「さぁ、ここから出よう」という雰囲気になった後、閉じ込められたことに気づいて「あっ」ってなる。それでも彼女を守りきるんだという気合がものすごくて「大丈夫だから」と彼女に言い聞かせるように抱きしめていた姿がとても印象的でした。

それに対する清水ファントムはもう狂気が最高潮まで達していて、首吊りロープを取りに行くときなんか悪魔的な笑いが止まらないって感じでめちゃめちゃ怖かった(震)。
ちなみに、クリスのダミー人形を捨てるときは持ち上げて投げるって感じじゃなくて、持ち上げてから下にボトっと落とす感じ。激しさがない分不気味さが半端なかった。

そしてついにファントムとラウルの直接対決になるのですが・・・これがもう本当に壮絶以外の何物でもなかったです。

首を絞められた達郎くんラウルの苦しみ方の演技がめっちゃリアル!!見てるこちらが苦しくて息ができなくなりそうなレベル。それに対する清水ファントムがもう狂気を越してしまうほどの恐ろしい勢いでクリスティーヌを挑発しまくるわけで…これが激しいのなんの(震)

これがさらにヒートアップするのがクリスがファントムに対して「憎しみに変わる」と責め立てたとき。悪魔みたいな恐ろしさを発揮していた清水ファントムの表情にあの一瞬人間らしい「なぜ…」という絶望的な色が浮かんだんですよね。それがなんだかとても切なかった。
これに対して達郎くんラウルはクリスティーヌに苦しい息の中で「君を想ってやったのだ」と必死に自らの気持ちを訴える。その説得力たるや半端なかった。ここまで見てきて、彼がいかにクリスティーヌを愛し守り抜こうと奮闘してきた姿をずっと見てきましたからね。ここのフレーズが一番しっくり来るのは達郎くんかもしれない。

「私を選ぶか、こいつを選ぶか」の二者択一を迫るシーンでの清水ファントムと藤原クリスと達郎くんラウルのバチバチっぷりはまるで今すぐにでも発火しそうな熱さ!!壮絶すぎて息をするのも忘れるくらい。
そしてクリスから「昔は心捧げた」と訴えられたときの清水ファントム。狂気に飲み込まれている雰囲気を残しつつ一瞬を見せる。そして、張り裂けんばかりの叫び声で「選べ!!」と最後通告を突きつけてました。もうこのときの彼の心情を思うと本当にしんどくて見ているこちらのほうが辛い…。

キスシーンは思っていたよりも穏やかな印象だったな。藤原クリスがファントムの邪気を優しく吸い取っていくような感じだった。それに対しての清水ファントムは、これまで見てきたなかで一番自然に彼女を抱きしめようとしてた。震え具合はそんなに激しくなくて手の動きがとてもソフト。このリアクションが余計彼の切なさを演出しているように見えました。
一方このときの達郎くんラウル。1度目のキスのときには衝撃のあまり何度も縄抜けを図ろうと必死になってたんだけど、2度めのキスのときには思いっきり目をギュッと瞑って顔を背けてた。その姿がまた痛々しすぎてめっちゃ切なかったよ(涙)。

キスされた直後、清水ファントムはめちゃめちゃ呻いてる。言葉に出来ないような感情に支配されて、自分がどのように立ち居振る舞えばいいのかものすごく混乱してたんですよね…。その中で、震えながら自分の唇に手を当てて…このリアクションがめちゃめちゃ切なくてたまりませんでした(涙)。
ラウルの縄を切る瞬間、「これを切りたくない!!」という気持ちもすごいダダ漏れてて…。叫びとともに焼き切った後ものすごく消耗したようにうずくまって呻くように「あの船に乗れ」と二人を逃がす決断するのもまた痛々しい…。

キスを受けた後は、クリスを失ってしまうことへの恐れと混乱でどうしようもないという感じの清水ファントム。最初の「行け!」は涙のあまり殆ど声にならなくて…、クリスが立ち尽くしているのを見たときに「行ってくれ、お願いだぁあああーーーー!!!」血を吐くような絶叫。これがもう壮絶すぎて息が止まりそうになってしまった。

一人になった清水ファントムはひたすら哀しかったです。喪失感から涙が溢れて仕方なく、猿のオルゴールに触れるても震えていた。
その時にクリスティーヌが戻ってくるのですが、その姿を目にした瞬間の「戻ってきてくれた!」という歓喜の表情がめちゃめちゃ泣けた(涙)。この直後に彼女が残る決断をしてくれなかったことを悟ってとても寂しそうな表情に変わるわけで…彼の中の天国と地獄観がもう、本当にたまらなく辛かったです。

クリスが去ってしまい本当に一人残された清水ファントムの姿はさっきまでの激しさが嘘のように儚い。彼女が捨てたベールを見つけると、それを丸め込んで自分の胸の中に抱きしめる。まるでクリス自身を抱きしめている感覚に浸っているようでひたすら哀しかった…。
その時間がとても長かったので、ラウルとクリスが去っていってしばらくした後檻の外に目を向けていました。この後のクライマックスの歌い上げも本当にドラマチックすぎて大きな衝撃を受けました。

いやぁ・・・全体的に激アツすぎる『オペラ座の怪人』だったなぁ。あまりにも衝撃的なシーンが多くて哀しいと思ったシーンでも涙が出てこなかったほどでした。非常に濃厚なものを目撃してしまった。

結局長くなったのでキャスト感想などは次のページにて。

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