翌日にも壁抜け予定が入っていたのでこの日は空けていたのですが…バレンタインカードが配られるという企画があると知り、ついつい誘惑に負けて突発で入れてしまいました。
入り口で配られたカードがこちら↓。
切手の部分は飯田デュティユルになってて可愛いです。
これ、全員共通の印刷文面になっているかと思っていたのですが…後ろの差出人名を見てみると直筆っぽい字で「B氏」と書いてある!どうやらキャストの皆さんがそれぞれ書いていたらしい!?ツイート仲間さんは「デュティユル」だったそうですし、私の前の列の方は「部長」だったようで…いやぁ、ちょっとビックリ。
で、中を見てさらに驚いたのが…文面がどうも直筆っぽいんです。印刷っぽくなかった。もしかしてキャストの皆さん一枚一枚手書きしたんだろうか!?だとしたら、本当に感謝感激ですよ(違うかもしれないけど 汗)。
私はB氏役の金本さんからだったのですが、なんとも素敵でユニークな文面で思わず笑みがこぼれてしまった。特に最後の一文が良い!金本さんってこんなユーモアがある方だったんだなぁってなんか勝手に親近感がわいてしまいました。B氏からの手紙のはずが後半から「警官」からの手紙になってるのも微笑ましいw。最後にはちゃんとサインも書かれてて…こりゃ確実に今までよりも金本さんへの見方が変わるなぁと思ってしまった。とても読みやすい字でしたよ。韓国の方なのに日本語文字がお上手で驚きました。
他の方のバレンタインカードはどんな感じだったのかな?いろんな人のをちょっと見てみたくなった今回の企画でした(特に飯田くんのが気になる 笑)。
売店には新しくアンリ・ルルーとコラボしたというキャラメルも発売されていたようです。限定販売ということで気になったのですが、けっこういいお値段だったので見送ってしまった(苦笑)。公式HPで飯田くんと樋口さんが仲良く食べている写真が掲載されていて…私はそれを見ただけでもう満たされた感じw。
平日でイベントがない(カードは配られましたが)公演だったわけですが、やはりイベント日と比べると客数が少なかったですね。私の隣一列は全部空いてましたし。でも、その分集中して観れて一人心置きなく泣いていたわけですがw。2階席は安いC席が埋まっていたようで、カーテンコール3回目では飯田くんが盛んに2階席上部に向かって大きく手を振り続けていました。可愛かったw。通常カテコより1回多かったし、スタンディングも出てたし、少ない客席ながらも熱いカテコでよかったです。
キャスト
デュティユル:飯田洋輔、イザベル:樋口麻美、部長・刑務所長・検事:青木朗、八百屋・娼婦:佐和由梨、デューブール医師・警官1・囚人・弁護士:寺田真実、B氏(公務員)・警官1・看守1・ファシスト:金本和起、C氏(公務員)・乞食・看守2・裁判長:川原信弘、画家:永井崇多宏、M嬢(公務員):戸田愛子、A夫人(公務員)・共産主義者:久居史子、新聞売り:有賀光一
初日からずっと同一キャスト観劇になってます。そろそろちょっと丹さんの娼婦が観たくなってきたかも…。佐和さんの娼婦も大好きですけどね。
以下、ネタバレありの感想です。
前回の感想ではほとんど舞台本編のレポができなかったので今回は気になる場面について少し書いてみようと思います。
この舞台に流れるミシェル・ルグランの音楽…ものすごく心地よくスッと入ってきますなぁ。ワルツ調が多いので頭の中に「ズンチャッチャ」みたいな旋律がぐるぐる回ってますよ(笑)。初日に観たときに12年ぶりにも拘らずすぐにいろんなナンバーを思い出したのも納得です。
公務員のコーラスと商人のワルツ、それから部長のマーチが特に頭の中を回るw。ライトで軽くて聞いていて思わずちょっとクスっとなってしまう感じ。雰囲気的には弾けた感じなんだけど、どことなく優しい雰囲気もあったりして私の中ではかなりに入りのナンバーです。
公務員パートのシーンではそれぞれの表情が面白いです。M嬢はめっちゃけだるそうだし、C氏はもう終わった後のお遊びに気持ちが行っちゃってるしw、B氏はなんだか気合で時間動かしてるような感じww、A夫人はちょっと気難しそうな雰囲気でイライラしてる。みんなキャラが立ってます(笑)。
そんなメンツに囲まれているのが真面目に時間ぎりぎりまで仕事をしているデュティユル。もう、一所懸命タイプを打ってる姿が可愛くてねぇ~…。あの姿観ただけで癒されてしまうよ。皆の冷たい視線を感じながらも仕事に邁進している姿は可愛くて切ない。洋輔くんのデュティユルからはそんな雰囲気をすごく感じるんですよね。本当に適役だって思っちゃう。
デュティユルは普通の生活に特に不自由していないんだけど、心のどこかでそこから自由になりたいって思ってる部分もあるんですよね。だから帰り道に「一人流す涙も乾いて」っていう歌詞のフレーズがグッときます…。この帰り道のシーンの洋輔くんのデュティユルは本当に泣ける!!
壁抜けの症状が出て精神科へ行くシーンも面白いです。ここは何と言っても寺田さんの精神科医が最高!過去の出来事で人生投げやりになっている様子がすごくよく伝わってくる。あのけだるさがすごい好きw。そんなテュブール精神科医の話をドキドキしながら聞き入っている飯田デュティユルの可愛いことって言ったらないですよ(萌)。まるで子供みたいにキョロキョロドキドキしてて可愛いったらありゃしないww。
精神科医からの帰り道のナンバーは毎回泣いてます(涙)。壁は友達だったのにもうその壁が無くなってしまったのか、みたいなフレーズが特にグッとくるんですよね…。デュティユルの孤独な一面が本当に切なくて。普通の生活で何不自由しているわけではないんだけど、どこか心に穴が開いた感じってすごく分かるんですよ。彼はいろいろと思案した結果、やはり普通に公務員でいようと思う。普段の生活が一番だって。
なんだかこのシーン観たとき、デュティユルと自分の気持ちがものすごい重なった気がしたんですよね。デュティユルは私なんじゃないか、みたいな…。だから泣けるっていうのもあると思う。
部長から「ミジンコ」って言われた時の洋輔くんの表情がたまらなく可愛いですが(笑)、デュティユルはこれをきっかけに壁抜けを自由に操っていくようになるわけでとても印象深いシーンです。特にパン屋に入ってパンを手に取った瞬間に「パンを食べたかったわけじゃなくて壁を抜けたかっただけなんだ」って歌うシーンは毎度涙が溢れてしまう。普通の生活に満足しながらもどこか心に孤独を感じていた彼がそこから出たいって思ってたわけですよね。その気持ちの表れが、あの壁抜けなんだと思う。
パン屋の壁を抜けた後、テンションが上がって宝石屋の壁を抜け宝石を盗み出すデュティユル。「やったぞ、成功だぜ!」って大はしゃぎして歌い踊る彼の姿に私はまた涙してしまう。もう、本当にうれしそうなんですよ…洋輔くんのデュティユル。あの解放感が微笑ましくて可愛くてたまらない。そんな姿に私は心のどこかで憧れを持っているんだろうな。あの喜びはなぜだかすごく理解できるんです。理解できるからこそ泣ける、みたいな。
洋輔くんの芝居はことごとく私の心の琴線に触れてくるんですよね。参ったな…。
娼婦が自分が売れなくなったことを嘆くシーン、佐和さん、初日の頃よりも哀愁がこもっててとても良くなってます。「私にも配給チケット使ってよ」って叫ぶところはなんだかとても切なくてグッと来てしまいます。
宝石を盗んだことが新聞に掲載され、それを読んで思わず「それは僕だよ」って新聞少年に言いたそうな雰囲気のデュティユルがまた可愛い!!地味で目立たなかった自分の存在がこうやって世の中にドンと出たことへの喜びを隠しきれないんですよね。その時の気持ちの高揚感、ものすごくよくわかる気がするんです。私も多分デュティユルと同じ行動をしてしまうかもしれないから。
そしてその高いテンションのままデュティユルはイザベルに恋をする。イザベルに何とか自分の存在を知ってほしくて金庫破りをしてわざと警察に捕まるわけですが…ここでも私、ボロ泣きしちゃうんですよね。洋輔くんのデュティユルが警官たちを手玉にとって楽しそうに歌ってる姿を見るだけでなんか胸いっぱいになって泣けるんですよ(涙)。
刑務所シーンは面白シーン満載です。川原さんと金本さんの看守がいい具合のコンビで微笑ましいw。そして青木さんの刑務所長のヘタレっぷりも最高!なにげにおデブ囚人の寺田さんもお気に入りです(頭を撫でられるシーンが特に好き 笑)。
M嬢による愛の歌、戸田さんのテンションが初日に比べてだいぶアップしたような気がします。デュティユルの戸惑い顔が可愛くて仕方ないww。
牢屋を抜け出したデュティユルがイザベルへの恋しい気持ちを歌うシーンでまた涙…。自由に壁を抜けた先に見えたイザベルの姿は彼にとってまぶしくて仕方がない存在だったんだと思う。その恋心を歌う歌が、なんとも優しくて切なくて泣けるんですよ…。洋輔くんの歌声には私を泣かせる、本当に不思議な魔力がある。
樋口さんのイザベル、先週に比べるとだいぶ安定したように思います。可憐というイメージはちょっと薄いけど、あのちょっと明るい雰囲気のイザベルもアリなんじゃないかと最近感じるようになってきました。
裁判シーンで面白いのは何と言っても寺田さんの弁護士。前任者が死んでしまって訳も分からずデュティユルの弁護人にさせられたキャラなんですけど、もう、あのヘタレっぷりがすごいんですよ(笑)。ポンと押したら倒れちゃいそうな感じw。一番笑えるのは証人たちが悪徳検事に詰め寄ったシーンで娼婦から「ジジイは引っ込んで!」とはじかれちゃうシーン。あそこは何度見ても笑えますw。
でも、ここのシーンってデュティユルは本当に愛されてるんだなぁって実感してしまうんですよね。モンマルトルのみんながデュティユルの無罪を必死になって訴えている。その人たちに対してとても優しい視線を送っている洋輔くんのデュティユルがなんだか愛しくてたまらない。あの愛され感は洋輔くんだからこそ出せる雰囲気なんじゃないだろうか。
それを最も強く感じるのが、裁判の後デュティユルをみんなでイザベルのもとへ送ろうとするシーン。奥手なデュティユルに対してみんなが一所懸命プッシュしてあげてる幸せな場面なんですが…私はここでも毎回号泣しております(涙)。なんだろう、あのものすごく心が満たされながらもこみあげてくる気持ちは…。洋輔くんのデュティユルを皆が愛している構図みたいなの、あのシーン見ると抑えようにも抑えられない涙が溢れてくる。
そしてクライマックスのあの切ないシーン、また号泣…。洋輔くんのデュティュルが本当に幸せそうだったからなおさら泣けて仕方がない。あの状況になっても自分を愛してくれた町の人たちを思いやる歌が切なくて切なくてたまらないですよ(涙)。
だけど、悲しくないんですよね、なぜか。温かい切なさって感じかなぁ。本当によくできた作品だと思います。そう感じられたのは今年からなんですけどね(汗)。年月が経って、長い間観劇してきたからわかるのかなぁって思ったり。
あ、なんだか結局、洋輔くんのデュティユル中心な感想になってしまいましたw。やっぱり私情がバリバリ入っちゃいますw。お許しを…