2024年‐2025年公演ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に梅田芸術劇場まで遠征してきました。
2月に帝劇ラスト公演として東京千穐楽を迎えたレミゼですが、3月から新たに全国公演がスタートしました。ここから6月まで長丁場ですが、カンパニーの皆様には体調管理に気を付けて無事完走てほしいと思っています。
まずは全国公演最初の地でもある大阪。2年前まで約10年間劇場通いのホームグラウンドでもあった梅田芸術劇場…、なんか来るとホッとするんですよね。しかも大ファンの飯田洋輔くんが梅芸初出演ですから…これはもう行くしかないっ!!ということで、迷わず遠征w。
東京では帝劇最終公演ということで関連グッズが多く売られていましたが、大阪は梅芸20周年を迎えたお祝いのグッズが登場。大ホールとドラマシティの座席表がデザインされた斬新なトートバッグだったので記念にお買い上げしてきました(劇場でしか購入できないとのアナウンスも)。
このあと第2弾、3弾とかあるらしい。梅芸には今年も何度かお世話になる予定なので、その時にまた新しいグッズが売り出されてるかも。楽しみです。
それから、階段上がった先のロビーには記念フォトスポットなるものも作られていました。
春爛漫デザインといった感じで可愛らしかったけど、梅芸との関連性といった点ではコンセプトが今ひとつよくわからなかったw。
以下大いなるネタバレを含んだ感想です。ちなみに、本編感想のなか私のただ熱いだけの推し語りが混じっていますw。あしからず。
※過去の『レ・ミゼラブル』観劇の感想記事あり〼
2025年3月7日マチネ・ソワレ公演 in 梅田芸術劇場(大阪・梅田)
主なキャスト
- マチネ
- ソワレ
※大阪公演のキャストボードは1階席ロビーの上手側奥にあります。開演30分前の時点で撮影列がすごかった(汗)。マチネ公演後に劇場外へ移動してました(ソワレは外に出ていたか未確認)。
- ジャン・バルジャン:佐藤隆紀(マ)/飯田洋輔(ソ)
- ジャベール:石井一彰(マ)/伊礼彼方(ソ)
- ファンティーヌ:昆 夏美(マ)/木下晴香(ソ)
- エポニーヌ:清水美依紗
- マリウス:山田健登(マ)/三浦宏規(ソ)
- コゼット:水江萌々子(マ)/敷村珠夕(ソ)
- テナルディエ:駒田一(マ)/斎藤司(ソ)
- テナルディエ夫人:樹里咲穂(マ)/森公美子(ソ)
- アンジョルラス:小林唯(マ)/木内健人(ソ)
- ガブローシュ:大園尭楽(マ)/中井理人(ソ)
- リトルコゼット:荒川寧音(マ)/内夢華(ソ)
- リトルエポニーヌ:井手陽菜乃(マ)/鞆琉那(ソ)
男性アンサンブル
増原英也(司教)、丹宗立峰(工場長)、菊地創(バマタボア)、深堀景介(グランテール)、岩橋大 (フイイ)、石津秀悟(コンブフェール)、柴原直樹(クールフェラック)、新井海人(ジョリ)、横田剛基(プルベール)、藤岡義樹(レーグル)、大津裕哉(バベ)、増山航平(プリジョン)、宮島朋宏(クラクスー)、田川景一(モンパルナス)
女性アンサンブル
町屋美咲(ファクトリーガール)、宇山玲加(買入屋)、石井麻土香(かつら屋)、三島早稀(マダム)、横山友香(宿屋の女房)、五十嵐志保美(カフェオーナーの妻)、西村実莉 (病気の娼婦)、清水咲良(鳩)、北村沙羅 (あばずれ)、笠行眞綺 (身代わりの妻)
地方公演はアンサンブルキャストのチームが固められていて、大阪公演は(日程の)前半組と後半組に分かれています。アンサンブルがシャッフルされるのは東京だけということが殆どなのです。
今回の観劇日はマチソワ公演でしたが、マチネ終わってからソワレまでの時間がけっこう短いので肉体的にも精神的にも相当ハードだったはず。どうか皆さん怪我や体調崩しがありませんよう・・・千穐楽まで無事に駆け抜けていただきたい!!
概要とあらすじ
概要は2019年公演時の記事参照。
あらすじは公式HPに詳しく載っているので以下参照。
私の書いたミュージカル「レ・ミゼラブル」解説記事もよろしければ併せてご覧ください。
上演時間は1幕90分(1時間半)、休憩25分、2幕70分(1時間10分)。合計約185分(3時間5分)です。ただし、カーテンコールの時間によっては少し左右されると思います。
平日マチネの終演時間は15時10分前後、ソワレの終演時間は予定通りに行けば21時05分前後です。
全体・キャスト感想
1幕
囚人の歌
佐藤隆紀くんのバルジャン
シュガーくん、つい先月まで帝劇コンに連日出演していて疲れも溜まっていただろうに…あんなにも野性味あふれたバルジャンを熱演していてホントに凄いなと思いました。仮出獄許可証をもらって外に出た時の「今こそ自由だ!!」は”やっと息が吸えた!”という感動がこもっていて印象深い。外の世界の冷たさに触れていくにしたがって目がギラついて凶暴化していく姿は切なかったです。
石井一彰くんのジャベール
石井くんのジャベールは相変わらず冷徹で立ち姿がとても美しい。バルジャンに仮出獄許可証を与える時も淡々としてるんだけど、よく目を見て見るとものすごいひん剥いてた!!バルジャン個人を蔑んでるっていうよりも、バルジャンの犯した罪を嫌悪して睨みつけてるって印象が強い。落ち着いた歌声のなかにもゾクっとする圧を感じさせる歌い方もすごく良いです。
飯田洋輔くんのバルジャン
1ヶ月ぶりの洋輔くんのバルジャン!!帝劇で見た時よりもさらに野性味がアップしてて胸アツ(涙)。彼の中にこんなにも激しい感情があったのだなと驚かされます。ジャベールから「24653」と囚人番号をつけられた直後にクワッと目を見開いて「俺はっ!!!ジャン・バルジャン!!」と名前を主張する時の歌い方も素晴らしい。自分はちゃんとした一人の人間なんだと訴えてる気持ちが痛いほど伝わってきました。
娑婆に出た時の「今こそ自由だ」の歌い方、帝劇で見た時からさらに自由への喜びが前面に出ていてグッときました。感極まったような歌い方してたなぁ。でも外の厳しさを知って凶暴になっていくわけで、少年の小銭をクスねる時の顔はかなり「悪」でゾクッとしました(このくだりは小説にある)。
伊礼彼方くんのジャベール
大阪初日は体調不良でお休みになってしまったというニュースがあったので心配していましたが、あの迫力の”圧”がガンガン効いたお芝居と歌をのっけから聞けたので安心しました。以前帝劇で洋輔くんバルジャンとの絡みを見た時は少し遠慮があるようにも感じたのですが、今回はグイグイ攻めの芝居で追い込んでましたね。特に「俺はジャベール!!!忘れるなよ、俺の名を!!」とバルジャンに食って掛かる時の勢いはすごかった!!バルジャンへのライバル意識・執着がとても強い印象。
この公演の数日前にネットの番組で伊礼くんと洋輔くんがけっこう話す機会が多くて(光夫さんもゲストでかなり面白かった)。あのときに伊礼くんが最後に洋輔くんの肩を親しげに叩いて「よくたくさん喋ってくれたね!ありがとう!」って言ってたのがすごく感動的だったんですよね。あれで二人の距離感が最初の頃よりぐっと縮まり信頼関係が深まったように思えた。その影響が今回の舞台ですごく出てたんじゃないかなと感じました。
司教~バルジャンの独白
増原英也さんの司教様
私が観た日は前半組のアンサンブルさんチームでマチソワともに増原さんの司教様。優しく深くまで響き渡る低音が美しく、荒くれ者のバルジャンを癒す説得力が半端ないですっ!!雰囲気は林アキラさんに少し似てるかなぁとも。神々しかったんですよ、林さんの司教様。増原さんの司教様もそれと同じものを感じとても感動的でした。
シュガーくんバルジャン、司教様から銀の燭台を渡された後は呆然自失状態になってて、立ち去るその背中にもまともに声を掛けられないくらい動揺していたのが泣けました…。そしてそこからの独白。「なんっということをしたのだ!!!」のところから歌というよりもセリフで叫んでる感じ。心の底から自分の愚かさを嫌悪して爆発しそうになってるバルジャンの心情が痛いほど伝わりました。
洋輔くんバルジャン、銀の燭台を渡された直後は怯えるような表情してて…司教様の背中に弱々しい声で「ぉ…おい…」と声をかけるのがやっと。あの頼りなく震えた声色があまりにも儚くて泣いちゃったよ(涙)。そしてそこからギューーッと自分の犯した罪の重さに押しつぶされそうな表情になって「何ということをしたのだ!!!」とまくし立てて歌ってました。
もうほんと、洋輔くんバルジャンの独白はあまりにも繊細で聴く者の心を揺さぶりまくるんですよ…。彼の演じる激しい心の揺れの芝居と歌を目の当たりにできていることに私は感動してしまって今回も号泣。
一日の終わりに~夢やぶれて
一日の終わりにでのファクトリーガールとファンティーヌの争いシーン。数年前に見た時まではけっこうファンティーヌが反撃してた印象が強かったのですが、いつの間にかファンテは手を出さない演出に変わったんだなと思いました。役者さんによって違う反応になるのかと思ったら、昆ちゃんも晴香ちゃんもやられっぱなしだった(汗)。晴香ちゃんファンテのほうが若干気が強そうだったかなって感じかなw。
昆夏美さんのファンティーヌ
昆ちゃんのファンテは凜としているんだけどどこか頼りない儚さもあって見ていると本当に切なくなります。コゼットの父親を思いながら歌うシーンの時は柔らかな恋する眼差しをしていて、まだ現実を受け止めきれてず彷徨ってる哀れさも感じたかなぁ。でも、ラブリィレイディのシーンの時の昆ちゃんファンテはどん底まで堕ちて自暴自棄になってるお芝居の迫力は凄かった。このあたりの演技力がさすがです。
木下晴香さんのファンティーヌ
晴香ちゃんのファンテ初めて見ました。歌も上手いし儚い雰囲気もあったんだけど…ファンティーヌの哀しい背景まではまだ見えてこなかったかなぁ。全体的にちょっと平らなお芝居と歌に見えてしまったのが少し残念でした。
裁き
ファンティーヌと再会した時のバルジャンの動揺のシーンは個人的に好きなんですよね。彼の人間性が見えるので。シュガーくんバルジャンは自分がファンテを不幸に追いやってしまった事の罪悪感に狼狽えてたし、洋輔くんバルジャンはファンテを不幸にしてしまった自分自身を責めているように見えた。特に洋輔くん、ファンテをとても慈しんでいてねぇ…。倒れる彼女を抱きかかえる時の手が優しい。
ジャベールとの対決の場面。シュガーくんはジャベの前では平静を装うんだけど彼がいなくなると止めていた息を吐き出すようなリアクションをするのがとても印象深い。常に追い詰められてる感が漂ってます。石井くんジャベは冷静であまり激しく感情を出さないのですが、だからこそん不気味さがある。特に眼光の鋭さがゾクっとするくらい怖いんですよね。あれはバルジャン、息止めたくもなるわw。
伊礼くんジャベはバルジャンが馬車を持ち上げた時点で違和感は感じてるんだけど、裁判にかけられてる人物がバルジャンだと信じている節が強くて余裕の笑みを浮かべてるのが面白い。激熱でバルジャンへの執念があるはずなのに、どこかちょっと抜けてしまってる感があるのが憎めないんですよね。
洋輔くんバルジャンは馬車を起こすところから相対する人に対する優しさがダダ洩れてる。潰されてるフォーシュルヴァンに「大丈夫だから」って励ますようなリアクションするのを見ると、ほんとグッときます。でもジャベールに対してはすごく強気の姿勢を崩してなくて。身代わりの話を聞いてる時もパッと見た感じでは冷静に見える。でもよく見ると、所々で視線が泳いでいて明らかに彼の中で動揺が起こっているのが分かるんですよね。このあたりの細かいお芝居もすごく良かった。
裁判シーンの時に自らの身分をバルジャンを激白するシーンはシュガーくんも洋輔くんも迫力満点でびりびり来ました。
ファンティーヌの死~対決
昆ちゃんファンテの忌の際のお芝居、めちゃめちゃリアルで切なすぎる!!コゼットの幻を見ている時からもう半分魂が天に昇って行っているような感じ。必死にバルジャンにコゼットのことを託すシーンも泣けました。
シュガーくんバルジャンはファンテの手が冷たいと知ると逃げるのをやめて彼女としっかり向き合う。彼女をしっかり最後まで看取りコゼットを守るという誓いを守ろうという覚悟が感じ取れます。
晴香ちゃんのファンテ、コゼットを想って歌うシーンは哀れで儚い雰囲気が出ていてよかったんだけど、昆ちゃんのお芝居と比べてしまうとまだちょっと底が浅いかなぁと感じてしまいました。彼女はまだエポニーヌ役で見ていたかったかも。今ひとつ私の中でしっくりこなかったのが残念です。
洋輔くんバルジャンはファンティーヌを抱き留める時も本当に優しくて温かい。ファンテの魂が彷徨わないように壊れ物を扱うかのように抱きしめていて…彼女の死を心から悼んでいることが伝わる表情もめちゃめちゃ泣けました(涙)。
シュガーくんバル vs 石井くんジャベ
最初は落ち着いて宥めようとしているシュガーくんバルに対してメラメラと青い炎を燃やしながら立ちはだかる石井くんジャベ。シュガーくんバルはそれを受けてから一気にぐわっと興奮のスイッチが入ってドスの効いた歌声で威嚇しててビビった!すごい迫力だったな。
それを引き出した石井くんジャベの芝居もすごいです。激しい興奮状態に陥る感じではないのにじりじりとバルジャンを挑発していく感じ。そして二人の取っ組み合いになるわけですが、ここで石井くんジャベのスイッチがグワッと上がって、めちゃめちゃ熱かったですねぇ。でも、鎖巻いた拳で殴られる石井くんジャベはちょっと哀れ。線が細いので命落してしまうのではと心配になるレベルだった(汗)。
洋輔くんバル vs 伊礼くんジャベ
昨年12月に見た時はまだ若干段取り通りの動きというように見えましたが、今回は激熱でした!!あの圧が半端ない伊礼ジャベに洋輔くん、真っ向勝負に行ってたというか。普段は穏やかな洋輔くんとは思えないくらい、クワァ!!と目を見開いて激情のまま容赦なく向かって行ってた感じ。それがすごく新鮮で。伊礼くんもそれに応えるようにガンガン攻めて行ってたし、とにかく想像以上にすごい戦いが観れて本当に嬉しかったです。洋輔くん、全然負けてなかったよ!!
ただ、伊礼くんが鎖バシーーッと床にたたきつける余地はありましたw(←光夫さんの時にはそれをやらせてもらえないことが多いって伊礼くんが語ってたのでwww)。
宿屋の主人~取引
樹里咲穂さんのテナルディエ夫人
樹里さんのテナ夫人は今回が初めましてです。ものすごく久しぶりに細身の夫人を見た気がしますw(これまでモリクミさんや谷口さんといった横に体の大きな人で見るのが殆どだったので)。ちなみに細身のテナ夫人で一番印象深いのは夏木マリさんです。樹里さんは夏木さんよりはどっしりした雰囲気だったかな。
樹里さんテナ夫人は横幅がない分ドスの効いた太い声ではないのですが、自己主張が強くどこか気取った厭らしさがあって新鮮でした。お下品なんだけど、上流貴族への憧れがあってちょっと背伸びしてるような感じかな。それはそれで面白かったです。
森公美子さんのテナルディエ夫人
モリクミさんのテナ夫人はもう絶対的な安定感が凄い!モリクミさんの魅力は、怖いだけじゃなくてコミカルな味もしっかり出してくるところだと思います。レミゼは全体的に暗く重いシーンが多いので、モリクミさんのお芝居はそのなかで救いになってる部分がありました。
一番笑ったのは、バルジャンがコゼットを連れてやってきたときに香水を体じゃなくて口の中に撒き散らかしてたことww。よくむせなかったなと思ったwww。そしてそれを「え…くさっ…」程度に軽く流した洋輔くんバルも面白かった(笑)。
駒田一さんのテナルディエ
駒田さんのテナルディエも本当に安定感抜群です。普通に息を吸うようにテナルディエをそこに存在させているというか、姿を見るだけで何故かホッとする。お下品なのは相変わらずですが、芸達者でもあるので緩急織り交ぜたお芝居はどこをとっても面白い。樹里さんのテナ夫人との相性もよく二人で悪巧みしてる時の顔とか最高でした。
トレンディエンジェルの斎藤司さんのテナルディエ
斎藤さんのテナルディエは身軽でフットワークがよく、芸人さんならではの面白みが出ていていつ見ても楽しめます。モリクミさんのテナ夫人の尻には敷かれておらず、ちゃんと二人で対等にそこに立っているのもすごいと思う。客から小者をクスねるときの連係プレーが大道芸のように見事で思わず拍手したくなりました。最後皆に囲まれるシーンの時には体を右に左に後ろにと倒しまくりのパフォーマンス。信頼関係あってこそのアクロバット的な動きは迫力ありました。
チビコゼットを連れ出した後のシーン、洋輔くんバルジャンがコゼットの鼻をチョンとやるのがめっちゃ可愛くて萌えます!!この仕草が2幕もう一度出てきたときは泣いた…。あと、コゼットをグルグルするシーン、前回見た時は抱きしめて自分が回るパターンだったけど、今回見たら上に持ち上げて3回くらい回してから抱きしめてましたね。
乞食たち~ABCカフェ~民衆の歌
学生たちが登場してくる場面、まず最初に目が行くのは岩橋大くんが演じるフイイです。岩橋くんは帝劇公演の時にアンジョルラス役で2回観ているので注目してしまいますね。背丈も大きいし、歌声もよく響くのですぐに見つかります。アンジョルラスを支える副官のような感じで冷静ながらも熱いお芝居がとても魅力的でした。
小林唯くんのアンジョルラス
久しぶりに唯くんのアンジョ見ましたが、相変わらずスコーーンと真っ直ぐに遠くまでよく通る歌声がとても心地いいです。あの力強く澄んだ歌声がアンジョに本当にマッチしていると思う。冷静でまっすぐで民衆のことを真剣に考えている真面目さが前面に出ていたし、あのリーダーならついていきたいと思える魅力にあふれていました。後ろに結んだ長髪のヘアスタイルもすごくよく似合ってる。
木内健人くんのアンジョルラス
木内くんのアンジョは今回が初めまして。木内くんは過去にミュージカル『タイタニック』や『宝塚BOYS』で見ているのですが、あまり記憶に残ってなくて(汗)。お久しぶりというか初めましてに近い感覚でした。木内くんのアンジョルラスはこれまで見てきたキャラとは一味違う空気を感じました。
今までのアンジョ像は真面目で一本気で民衆を想うが故に革命蜂起を起こす人物、といった印象が強かった。でも木内くんのアンジョは、不満渦巻く町の中で暮らすうちにいつしか「自分が先頭に立って大きなことをやり遂げてやるぜ」といった”熱”に囚われリーダーに名乗り出た・・・みたいな背景が見えた気がしたんです。学生のノリみたいな感じ。木内くんの演技プランは違うものかもしれないけど、私はそんな風に感じたんですよね。ニュータイプのアンジョルラス現る!みたいなw。
特に驚いたのは、ラマルク将軍の死を知った時の反応。唯くんはラマルク将軍への敬意を感じさせるような雰囲気でそれを重く受け止めてから「立ち上がろう!」と繋がっていく印象でしたが、木内くんはガブローシュを机から降ろした後に「これだ!」と閃いたかのようにニヤリと笑みを浮かべたんですよね。これは好機だと捉えた表情してた。あの反応は歴代アンジョの中で記憶になかったので、とても新鮮で面白かった。
清水美依紗さんのエポニーヌ
今回メインの中でエポニーヌの清水さんだけがマチソワの連続登板でした。相当ハードだったと思うのですが、どちらも見事な歌声を聞かせてくれて。マリウスにちょっかいを出したあと、彼が何も自分に関心を持ってくれないと悟り曇らせた表情がとても切なかったな。苛立ちというよりも寂しさといった感情が強い印象です。
山田健登くんのマリウス
山田君は今回が初めましてだったのですが、彼のマリウスはとても柔らかい雰囲気。世間知らずなお坊ちゃま度が高くw、特にふわぁ~っとした笑顔がとても可愛らしかった。でもどちらかというとあまり感情を表にグッと出してこないタイプかなぁ。コゼットと出会い恋に落ちた後も自分の中で喜びをかみしめてるように見えました。歌声もソフトで優しい感じ。ただ、個人的にはあともう一味何か欲しかったなぁとも…。ピンとくるものがあまりなくて。もう少し個性を前面に出してもいいんじゃないかなと思いました。
三浦宏規くんのマリウス
三浦くんのマリウスは2019年以来約6年ぶりの再会!!登場した時のキラキラ度は半端なく、まさに王子様登場といった感じ。マリウスは貧乏学生という設定ですが、三浦くんのマリウスは本当に貧乏なんだろうか!?と疑ってみてしまうほど眩しかったw。コゼットと恋に落ちた瞬間も実にスマートで紳士的。あと、三浦くんはバレエ経験者ということもあって姿勢がとにかく美しい。どこにいても立ち姿が見栄えします。
ABCカフェで学生たちが盛り上がる場面、山田マリウスはコゼットへの想いの未練を残しながらも雰囲気にのまれて学生運動に惹きこまれていく感じ。三浦マリウスはコゼットへの想いがけっこう色濃くて革命の輪に入っても晴れない表情をしていたのが印象深かった。
それから、マリウスとアンジョルラスががっちり握手を交わす場面ですが、唯くんと山田君は手首から肘のあたりをがっしり掴み合ってて、木内くんと三浦くんは掌から手首でがっしり掴み合っていたのも興味深かったです。
ジャベールに囚われた後のテナルディエの反応、今回も面白かった。駒田さんは「御存じでしょうが?」のあと一拍置いて「ごめんなさい」とすごすご元の位置に戻っていきww、斎藤さんは「被害者無しなら、帰って」の後の「いいね」がイケメン風でドヤ顔のあとスタコラサッサww。どちらも笑った!駒田さんは帝劇の時の方がもっと小芝居してたような気がするので、後半になったら他にもリアクション出てくるかもしれません(笑)。
星よ
このナンバーを歌っている時の石井くんジャベール、本当に美しい。法と正義を守るために自分の人生を捧げるといった覚悟があの立ち姿から感じられます。一言で言うなら”高潔な人”。心理的にもブレがなく真っ直ぐ信じた道を進んでいく彼のジャベールは本当に神々しい。
伊礼くんジャベールはとにかく熱い!彼の場合は法律と正義、というよりもバルジャン本人へのこだわりが強いように感じます。歌声もどっしりしていて圧多め。絶対に捕まえてやるといった執念と自分なら必ず捕らえられるといった自信に満ちていてとても逞しかったです。
心は愛に溢れて
水江萌々子さんのコゼット
水江さんのコゼットはマリウスとの恋愛の喜びをストレートに表現するタイプで、若々しく溌溂としているのが印象的です。いつも妄想で恋愛した時のシミュレーションをしていたかのような雰囲気(笑)。マリウスと再会した時もドキドキしながら彼と向かい合っていて可愛らしかったですね。
敷村珠夕さんのコゼット
敷村さんのコゼットは水江さんよりも落ち着いた雰囲気で少し清楚な感じです。バルジャンが「いつも悲しそうだ」と心配するのも納得。三浦マリウスがキラキラした王子様系のマリウスなので、二人のラブシーンは少女漫画のような美しさがあり少しドキドキしました(特にキスシーン)。
ワンデイモア
シュガーくんバルジャンは追手が来ることへの恐怖に怯えて一刻も早くその場を脱出したい感じ。洋輔くんバルジャンも追手を気にしているのですが、どちらかというと自分への魔の手が迫ることよりコゼットを守り抜かなければといった使命感が強いように感じました。
このナンバーはいつ見てもグッときて涙してしまいます。その大好きなシーンの中に洋輔くんがいる…、それだけで感無量の心境になりやっぱり今回もボロ泣きしました。
そこそこ長くなったので2幕以降の感想は次のページにて。