ミュージカル『レ・ミゼラブル』大阪公演 2019.07.04マチネ

ようやく大阪にたどり着いたミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に遠征してきました。今回はマチネなので日帰りできてありがたいw。


今回は梅芸も気合が入っているのか、入口上のところにレミゼ看板が上がってました(普段は梅芸の宣伝文句がある場所w)。この光景見たのはナイツテイル以来かな。

年々レミゼのチケット戦線も厳しい戦いとなっており、今回も入手にちょっと手こずりました(汗)。この日も1次抽選で弾かれてしまって…2次抽選でようやく引っかかったんですよね。東京よりかはマシだったようですが、それでも地方公演はただでさえ公演期間が短いのでキャストの組合せなども考えるとピンポイントで狙うしかなく(苦笑)、入手できた時はほっとしました。

正直、レミゼが2003年に突然短縮バージョンとされてしまって以来、個人的テンションはあまり上がらなくて。もうこれ、上演されるたびに何度も愚痴ってることなんですが(苦笑)自分の好きだったシーンをごっそり削られてしまったショックを未だに引きずってるんですよねぇ。
なので、行かなくてもいいかなって気持ちに最初はさせられるんですけど…毎年新しく入ってくるキャストの人選が私を引き戻すんだよなぁ(汗)。今回もそのパターン。

2019年度版で興味を惹かれたのが、佐藤隆紀くんのバルジャン、伊礼くんのジャベール、トレンディエンジェルの「斎藤さんだぞ!」ギャグでお馴染みの斎藤さんのテナルディエ、そして、濱田めぐみさんのファンティーヌです。
特に衝撃の知らせだった、めぐさんのファンティーヌはなんとしても見てみたい!ということで…ここが一番苦労したかも。何とか引っかかってよかったですw。

前回2017年の大阪公演レミゼはフェスティバルホールでの上演でしたが、2019年の今回は梅田芸術劇場。いつもの場所に帰ってきたって感じですが、フェスティバルホールでの素晴らしい音響で聴くレミゼもよかったのでいつかまたそこでも上演してほしいかも(値段上がりそうだけど 汗)

以下大いなるネタバレを含んだ感想です。

 

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2019.07.04マチネ公演 in 梅田芸術劇場(大阪)

主なキャスト

  • ジャン・バルジャン:佐藤隆紀(LE VELVETS)
  • ジャベール:上原理生
  • ファンティーヌ:濱田めぐみ
  • エポニーヌ:唯月ふうか
  • マリウス:内藤大希
  • コゼット:小南満佑子
  • テナルディエ:斎藤司(トレンディエンジェル)
  • テナルディエ夫人:森公美子
  • アンジョルラス:上山竜治

アンサンブルさんもWキャストになっていて、地方公演では「前半組」と「後半組」に分かれるようです。今回は「前半組」のキャスト。

個人的には、Adamsで見ていた小暮真一郎くんがフイイ役で出演してたのが嬉しかった。この役は高音部分が難しく、歴代のフイイを演じてきた役者さんもだいぶ苦労されていたのですが(特に2幕冒頭バリケードシーンの「来い、相手になるぞ!」)、小暮君はけっこういい声をバーンと響かせていてなかなか良かったです。

あと、目を惹いたのはバベ役の町田慎之介さん。とても立派な体格なのですぐにわかるんですがw、持ち役のバベよりも、テナルディエの宿屋にやってくる2番目の客がすごい目立ってたww。関取がご飯食べに来たみたいな雰囲気で、ちょっと見ていて癒されちゃった(笑)。

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あらすじと概要

原作はビクトル・ユゴーの原作『レ・ミゼラブル』

ヴィクトル・ユゴー (著), 永山 篤一 (編集)

現在は様々な原作文庫本が発売されていますが、私が最初にレミゼに触れた97年当時は種類がなくて、それでも頑張って公演前に5冊読破した思い出がありますw。ミュージカルと原作では違う点もたくさんありますが、補える物語も多く詰まっているので個人的には観劇前に原作本を読むことをお勧めしたいです。

2012年にはヒュー・ジャックマンがジャン・バルジャンを演じたミュージカル映画版が公開され大きな話題を呼びました。ちなみに、1998年に公開されたリーアム・ニーソン主演の『レ・ミゼラブル』はミュージカルではありません(私は映画館で両方見てます)。

ヒュー・ジャックマン (出演), ラッセル・クロウ (出演), トム・フーパー (監督) 形式 Blu-ray

ミュージカル映画版と舞台版を比較した記事も書いているので、興味がありましたらそちらもどうぞ(けっこう長いけど 汗)↓。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』の初演は1980年フランスのパリで上演。その後、プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュがこの作品に目をつけロンドン版として練り直され1985年に開幕し瞬く間に話題となりました。
1987年にはブロードウェイに進出、同じ年の6月には日本に上陸します。日本初演で主役のバルジャンを演じたのは鹿賀丈史さん滝田栄さんでした。このお二人はジャベールも同時に演じています。

この作品からは後にトップ級の活躍をする役者さんが多く輩出されています。
子役の注目度も高く、特に少年ガヴローシュ役には過去に山本耕史くん高橋一生くん浅利陽介くんといった現在映像で活躍してる役者さんたちがキャスティングされていました。ちなみに私はリアルタイムで浅利くんのガヴローシュを見ています。彼は子役のなかでも抜群に上手くて将来有望だなと思っていたので現在の活躍は嬉しい限りです。

今現在も世界の多くの地域で上演が続いている、ミュージカルの金字塔ともいえる作品が『レ・ミゼラブル』なのです。

あらすじ

 

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全体感想

2013年に新演出となって今季で4回目のレミゼ。節目節目の公演には毎回足を運んではいるものの、未だにちょっと新演出に慣れない部分もあって…ところどころで旧演出の光景が目に浮かんでしまいます(汗)。特に冒頭のシーンとかね(以前は船漕ぎじゃなくて土掘りしてた)

2年ぶりに観たわけですが…、全体的にテンポがまたちょっと速くなった!?と感じてしまった。たぶん前回とほとんど同じだと思うんですが…、未だに旧の記憶から抜けきらない私としては正直、もう少しシーンごとの余韻が欲しいとどうしても感じちゃったかなぁ。

テンポ的に一番違和感を覚えるのは…1幕でファンティーヌが工場を追い出されたシーンと、2幕でバルジャンがマリウスに別れを告げるシーン

コゼットの現状を知らせる手紙を受け取ったことでトラブルとなり、ファンティーヌは工場を追い出されてしまうのですが…以前までは追い出された後に余韻があったんですよね。絶望するファンティーヌに工場の従業員が次々と罵声を浴びせてどんどん追い詰められた心境になっていって少し間が空いた後に♪夢破れて♪が始まってたんです。
それが新演出になってから、工場から追い出された後すぐに♪夢~♪の歌い出しが始まるので、未だに見ていて「もう!?」ってビックリしてしまうw。そんなに急いで歌わなくても~~って個人的には思っちゃうんだよなぁ。

そうそう、工場のシーンで印象が変わったなと思うのがファンテとファクトリーガールの取っ組み合いのケンカが無くなったこと。以前はファクトリーガールとものすごい勢いで掴み合い転がるほど激しく争ってた二人でしたがw、今ではファンテがただただ悲嘆に暮れてファクトリーガールが軽蔑のまなざしを送る程度へと軽減されてました。それはちょっと寂しいかもww。
でも、今回はめぐファンテだったから…それを考えると今回の演出のほうがあってるのかもと思ったり(←めぐさん強そうだから 笑)

ファンティーヌ関係でもう一つ。娼婦に落ちたファンテがバルジャンと再会する場面
工場で助けることができなかったバルジャンを「あの時追い出された原因はあなたにもある!」と責めるのですが、以前はここでファンテがバルジャンに唾を吐いて軽蔑してたんですよね。それが今回見たら無くなってた。けっこうファンテの行動がインパクト強かったので未だに忘れられないんだよなぁ(汗)。

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そしてもう一つの違和感、マリウスとバルジャンの別れの場面。これは、旧演出が03年に短縮版になった時からずーーーっと不満に思ってることなんですが…、なんか、新演出になってさらにテンポアップした印象がぬぐえない(汗)。

もうレミゼの感想書くたびにこれに触れてるのですが(苦笑)、怪我が癒えはじめたマリウスにバルジャンが自分の過去を告白する場面はやっぱり初演版に戻してほしいです。
「あなたは二人の父です」と感謝するマリウスに対し「もう言うなマリウス」とバルジャンは口火を切る。ここまでは良いんですよ。このあと、初演版には話を始めるきっかけになる前置きがあったんです(過去の感想参照)。そこがばっさりとカットされて「話があるのだ」と突然切り出すようになったのが短縮版になってからで…それはそれはショック大きかったですわ(涙)。未だになぜあの数秒がカット対象にされたのか理解できない…。私のレミゼ熱が以前ほど上がらなくなった大きな要因がここにあります。カットされたところのシーンが特に好きで泣いてたのでね…(苦笑)。

で、今回もそのシーンに違和感を持ってしまったんですが…以前にも増してバルジャンの話し始めるきっかけが早まった気がして(汗)。早く立ち去らなきゃって気持ちからだというのも分かるんだけど…見ているこちらがそこに感情移入する隙が与えられてないような気がしてなんだかちょっと寂しかった。シュガーくんのバルジャンがすごく良かっただけになおさらね…。
あーーー、返す返すも、彼にあの私が涙していた部分の歌詞を歌ってもらいたかったよ…。絶対号泣したと思う。

ここのテンポが速かったと感じたからか、マリウスが「え?バルジャン突然何言ってるの?」って感じで理解が追いついてないように見えちゃったよ(笑)。以前はここ、マリウスが事の深刻さを理解して必死にバルジャンを止めようとしててそれが泣けたんだけどねぇ(特に禅マリ)
今このシーンを見てみると、マリウスはバルジャンの事情を察することができきってなくてちょっと他人事みたいに思えてしまった(苦笑)。バルジャン見送ることなく次のシーンの着替えのためにwwさっさと走って舞台袖に消えちゃうしねww。なんか薄情だなぁって目で観ちゃったよ(苦笑)。

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この2点の違和感以外は全体的にすごく充実した良い舞台だったと思います。泣かないだろうなぁと思って見に行ったんですが、後半はところどころで涙が溢れてしまったし、やっぱり良い作品だなぁと終わったあとしみじみ思いました。

今回はチケット戦線が厳しかったこともあり2階席からの観劇でしたが、レミゼを全体像として楽しむには2階からのほうが掴みやすいし物語全体が入ってきやすいなと思いました。
特に映像演出は見応えがあります。以前の感想にも書いたかもしれませんが、一番印象深いのは2幕の下水道のシーン。ここの、バルジャンが動く速度に合わせた下水道の背景の動きがリアルで臨場感があります。

ただ、下水道シーンについては光の当て方でバルジャンの歩みを表現してた旧演出も素晴らしかったんですけどね。この時も2階席からの見え方がすごく綺麗だったんです。

気が付いた点をいくつか。

バルジャンが♪独白♪を熱唱した後に裁判所を訪れ身代わりになりそうな人を救う場面。この時、囚人にされてた人の鎖をバルジャンが外す(切り落とす?)んですが、ジャベールがその鎖を持ってバルジャンを追いかけるんですよね。
これ、新演出からの光景だと思うんですが…私は今回それを初めて目撃しましたww。ファンテの病院で「ジャベはいつの間に鎖なんか持ってきたんだろ?」と不思議に思ってたんですけどwwついにその謎が解けてスッキリしました(笑)。

娼婦宿の場面、ファンテの最初のお客になるのが工場長っていうのは新演出になってからだと思うんですが、ここも今回初めて「あ、ハッキリそういうことになったんだ」って認識しましたw。
以前は工場長役を演じてた役者さんが出てきてるだけで、それが誰なのかは言及がなかったんですよね。その記憶がまだ色濃く残ってるせいか、「工場長」ってハッキリ名前が出てきたのはなんだかけっこう新鮮でした。

テナルディエの宿屋の場面はすごく連携が上手かったというか…アクロバティックで軽やかな印象になったと思います。テナの手さばきがすごくテンポ良くて、夫人との阿吽の呼吸みたいな見事な連係プレーが見ていてすごく面白かった。
客が去ったあとバルジャンが来るシーンは以前よりコミカルになったなぁと。特に夫人が色仕掛けでバルジャン落とそうとしてる姿はけっこうウケましたww。

バルジャンの屋敷でコゼットとエポニーヌが顔を合わせる場面。ここ、旧演出ではハッキリと芝居が決められていなかったからか2人が気付くか気づかないかはその場の空気次第、みたいなところがあったんですよね。
それが、新演出になってからはハッキリと2人がお互いを認識するという形に統一されたんじゃないかなと。家の前の扉の前でではなく、扉の前で二人が顔を見合わせて絶句するっていう演出もインパクトがありました。ここはやはり二人はかつて一緒に育ってた過去があるので(コゼットはエポニーヌからバカにされて育ってたけど)ハッキリと気づく演出になったのはよかったと思います。

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ABCカフェでのマリウスのテンションも印象が変わりました。
コゼットと恋に落ちたマリウスをアンジョルラスが「今は民衆のために立ちあがるときだ」と歌い説得する…ここまでは同じですが、その後のマリウスの反応が以前は「一緒に戦おう!」という活気に満ちた雰囲気だったのに対し、今回は「わかってはいるんだけど…」という消極的な態度に見えました。前回見た記憶がちょっと薄いのでどうだったのか忘れたんですが(汗)、これも新演出ならではなのかな。マリウスのコゼットに対する執着心が強くなったように感じました。

バリケードのシーンは切なくてウルウルきてしまうのですが、一番泣けるのはアンジョルラスとグランテールの関係です。

初演の頃はこの二人の関係が本当に色濃く表現されていて、役者さんの熱量が熱い時には号泣させられまくっていたのですが、短縮版、新演出と変化するに伴ってここのドラマが熱い時とアッサリな時とに分かれている印象があり少し残念な気持ちになっていました。が、今回はグランテールを演じた川島さんが本当に熱演してくれてて、二人の関係がしっかり表現されてたのが本当に嬉しかったし感動的でした。
特に、バリケードが墜ちる寸前、アンジョルラスとグランテールが意を決したかのように舞台中央でがっしりと手を組み合わせるシーンは泣けました(涙)。二人はどちらかというと対極のキャラクターとして描かれているのですが、実は芯の部分では同じ熱さを持ってるんですよね。その表現の仕方が違うだけで。アンジョとグランは鏡のような関係って以前どこかで語られてた言葉が今でも印象深いので、二人のシーンはなるべく熱く演じてほしいのです。今回はそれが叶ってよかった。

ただ、余韻という点では新演出はバリケードが墜ちた後のバルジャンの行動が早すぎるなぁと(苦笑)。以前は墜ちる寸前まで学生たちと戦って、墜ちたあとに大勢の亡骸を見て涙するなんていう余韻もあったんですよ。
それが新演出になってからはバリケードが墜ちてない時からバルジャンはマリウスを運び出しにかかってるw。「早く助けなければ」と気持ちが焦ってるっていうのは分かるんですが、旧演出でのバルジャンを見慣れてしまっているのでまだちょっと違和感は拭えないんですよねぇ。墜ちた後も学生たちに見向きもせずに下水道へと運んでいくし(苦笑)。新演出のバルジャンはちょっと薄情だなぁと思ってしまいます。

ちなみに、下水道への通路は今では舞台上手にありますが、旧演出では舞台中央の穴でしたw。狭いなかマリウスを抱えて下にもぐって消えていくバルジャンの姿が未だに焼き付いて離れないw。

マリウスとコゼットの結婚式シーン。一時、マリウスがコゼットに指輪をはめようとする前に「あれ?なくしちゃったかも!?」と指輪を探すちょっとコミカルなシーンがあって「なんちゃって、嘘-!」みたいに手品的に指輪を差し出すのが可愛かったんですよねww。
でも、今回見たら…普通にコゼットの指に指輪をはめてました(笑)。ま、あれは小芝居みたいなものだったからあってもなくても良いけどねw。

バルジャンの臨終のシーン。ここはコゼットへの最期の手紙が一番泣けるんですよねぇ。
で、さらに天国の門をくぐる場面というのも新演出から加わって。ここでバルジャンはかつて自分の心を救ってくれた司祭と再会するんです。司祭に招き入れられて天国の門をくぐり、マリウスとコゼットを見守るというラストシーンがとても感動的。新演出のなかでは一番好きな場面かもしれません。

次はキャスト感想を少々。

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