朗読劇『ラヴ・レターズ -LOVE LETTERS-』2010.06.22ソワレ 片岡愛之助×朝海ひかる

今年20周年を迎えた朗読劇『ラヴ・レターズ ~LOVE LETTERS~』を観に渋谷パルコ劇場まで行ってきました。長い間上演されていますが、私が観るのはこれが2回目だったりします。

劇場にはこれまで朗読してきたカップルの写真がズラリと貼り出されていたのですが…今回は記念公演ということでTwitterでの一言感想募集という企画があり、それに参加した人のツイートも併せて紹介されていました。

実は、密かに私も参加してまして…ロビー入ってすぐのところの紹介コーナーのかなり目立つ位置に自分のツイートが紹介されててビックリ(笑)。こんなことならもっとちゃんとしたことを書けばよかった~(汗)。朗読者の写真のところにもしっかりと貼り付けてあって…なんともお恥ずかしい。宅間さん、大和田さん、あんな文章でごめんなさい(汗)

で、ツイート参加した記念品も頂いてしまいました。

一筆箋です。なんだか使うのが勿体無いので20周年記念パンフと一緒に大切に保管しようと思います。

さて、今回私が観たカップルは…片岡愛之助さんと朝海ひかるさんです。昨年ネッ友様と観劇したときに「愛之助さんにもいつか参加して欲しいなぁ」みたいなことを語ったんですけど…まさかこんな早くに実現するとは思いませんでした。これは絶対に行かなければ!ということで気合入れてチケット入手しました。

この日に来ていたお客さんはほとんどが女性。空席もほとんどなくビッシリ埋まってまして、お二人の人気の高さが伺えます。どちらかというと朝海さんのファンの方のほうが多かったかも?

ちなみにこの作品はとっても静かな雰囲気で行われるため途中入場・退場ができません。時間は余裕を持って行ったほうがいいです。さらに静寂なのでお腹が鳴ってしまうとかなり目立ちます(笑)。小腹を満たした上での観劇をオススメします。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。まだ未見の方はご注意を…

 

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2010.06.22ソワレ in パルコ劇場(東京・渋谷)

出演者

アンディ:片岡愛之助

メリッサ:朝海ひかる

※昨年末に観た宅間孝行さんと大和田美帆さんの感想↓

舞台中央には二組の椅子とその間にある朗読者のための水置き机のみが置かれている状態。床にはフカフカな絨毯のようなものが敷かれていることは今回初めて知りました。

先日観劇した朗読劇『私の頭の中の消しゴム』とは雰囲気が全く違います。『ラヴ・レターズ』はただひたすら座って朗読者が台本を読むスタイルで動きはありません。演出があるのは第2幕のクライマックスでの照明だけかな。これまでずっと同じ空気で朗読されているのであのラストシーンの演出はグッとくるものがあります。

男性朗読者と女性朗読者が交互に「ラヴ・レター」を読んでいくわけですが…前回も感じましたけど、ものすごく想像力が刺激されますピーンと空気が張り詰めたような静寂の中での朗読なので観劇するほうもかなり集中して入り込むことができるのです。

台本は20年間全く変わっていないそうです。全く同じ「ラヴ・レター」を毎回一夜限りのカップル(何度か出演されているカップルもいらっしゃいますが)自らの感じたままのイメージで読み進めていく。
私は今回2回目だったんですけど、昨年末に観たものとは全然違った世界観が目の前に広がっていって…この朗読劇の魅力を改めて感じさせられました。読み手によってこうも雰囲気が違うとは!そんな感動があるからこそ、20年間も続けてこられたんだなぁと思いました。

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舞台は1幕と休憩挟んでの2幕の2部構成。この朗読劇はアンディーとメリッサの50年に渡って綴られた書簡「ラヴ・レター」のみで進んでいくのですが、1幕では若い2人を…2幕では大人になった2人を演出するために衣装がそれぞれ違います。

愛之助さんの1幕のアンディーのいでたちは…白いポロシャツみたいな服の上に赤系チェックのジャケット、そしてジーパンとスニーカーというかなりラフな雰囲気。朝海さんもカジュアルな感じだったんですけど…愛之助さんに集中してたのであまり覚えてません(スミマセン 汗)

愛之助さんの2幕のいでたちは…濃紺系のスーツに真っ赤なネクタイというちょっとインパクトのあるフォーマルな感じ(メイクもけっこうしっかりしてました 笑)。朝海さんは髪の毛をひとつにまとめててキラキラ光る白いドレス系の衣装。お二人とも美男美女でそれはそれは素敵なカップルでございました…。

この朗読劇に出てくるラヴレターズは、アンディとメリッサによる他愛もないやりとりが多いです。解説も入りませんので、見ているほうは2人の書簡でのやりとりで彼らの身に起こった出来事を想像していきます。

出会ったばかりの2人はまだ幼く無邪気に愛を語っている。しかし、成長していくにつれて彼らを取り巻く環境が変わり徐々にすれ違っていくことに…。アンディとメリッサは家庭環境が違うようで、メリッサは金持ちの家に生まれ育っていてもいつも心が満たされていない。
逆にアンディはお金持ちではないけれども生活は順調で真っ直ぐに育っている。そういった背景も影響して無邪気に愛を語っていた二人は徐々にお互いが噛み合わなくなっていってしまう。

前回も感じたけど…やっぱり“電話と手紙”で意見が分かれてしまうシーンはすごく印象的だったなぁ。メリッサは直接会話する”電話”でアンディとの絆を保とうとするのですが、アンディは”手紙”をやり取りすることによってメリッサとの絆を深めようと思っている。お互いを想う気持ちは同じなのに、考え方の違いから微妙な方向へと動き出してしまう二人がとても切なかったです。

やがてメリッサは結婚して子宝に恵まれる。アンディも様々な恋愛経験を経て(日本の芸者と結婚間近までいくというくだりを愛之助さんが読むとなぜか客席から笑い声が…。なぜ? 笑)結婚し子宝に恵まれ幸せな日々を送る。そんななかでも、アンディとメリッサの手紙での関係は続いていきます。

やがてアンディは議員となりますが、メリッサは離婚を経験することで徐々に精神の安定を失っていく。アンディからの手紙に過剰反応するようになったメリッサがなんだか哀しい。そんな彼女の様子を手紙から察したアンディはメリッサと…。この朗読劇のラストはあまりにも切なくて涙が出ます(涙)。

今回のお2人の朗読ですが…本当に素晴らしかったです!どっぷりとアンディとメリッサの世界に惹き込まれました。

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朝海ひかるさん

ここ最近ストレートプレイへの出演やドラマ出演などを経験していることで、朗読するなかにも表情が豊かに見えるようになったんじゃないかなと思いました。

彼女の読むメリッサはお嬢様としてのプライドを持ち合わせながらも繊細ですぐに傷つきやすい女性といったイメージ。元気なイメージだった昨年の大和田美帆さんとは全く違った雰囲気でとても興味深かったです。特に2幕の朗読がとてもよかったな。メリッサの繊細な心が崩壊していく様はとても切なくてグッとくることが何度かありました。ラストのあのセリフ…素晴らしかったです!ボロ泣きしてしまった(涙)。

ただ一つ残念だったのは朗読中に感情が動いてくるとたまに本を自分の顔の真ん前に持っていくシーンがあったことかな。私は今回かなり前のほうの席で観れたので声は聞くことができましたが、後ろのほうはどうだったのだろう?本のほうに声が吸収されて届かないんじゃないかとちょっと心配になったこともありました。せっかくお美しい顔立ちなのだから隠さないように読んでほしかったかも。

片岡愛之助さん

朗読劇のこの日も歌舞伎公演の真っ只中!国立で「鳴神」を演じた後だということで…本当にタフだなぁと。

私はいままで愛之助さんの舞台は歌舞伎か時代劇などの演劇系のものしか観たことがなかったので、どんな朗読劇になるのかほとんど想像がつきませんでした。いったいどんな朗読を見せてくれるんだろうかとものすごく楽しみにしていたのですが…いやはや、ビックリいたしました!!いつあんな魅力的な朗読術を習得したんだろかと思うくらい素晴らしかったです!

愛之助さんの朗読するアンディは昨年の宅間さんのとは違ってどこかおっとりした雰囲気の青年。朴訥とした雰囲気で語り口調も落ち着いています。それでいて、怒ったりした時には駄々っ子みたいにむくれてる(笑)。楽しい時には心が躍るような口調だったし、哀しい時には自己嫌悪に陥ってショボンとしている様が目に浮かぶよう…。落ち着いているようでいて、実はとても表情豊かな愛之助さんのアンディはものすごく魅力的でした。

2幕に入ると大人に成長したアンディが出てくるのですが…ここでの声の出し方がまた秀逸です。明らかに1幕とは違った大人のアンディがそこにいる。トーンを落とし、1幕のようにあまり感情を表に出さないような雰囲気。
それなのに読み方を聞いているとアンディの表情が鮮明に目の前に浮かんでくる。後半、年齢を重ねたアンディの表現力も素晴らしい!生真面目なお堅い議員・アンディといった雰囲気がすごく伝わります。そんな彼がメリッサと過ちを犯してしまうくだりの朗読はなんだかとてもスリリングでドキドキしてしまった。

そして、あの、ラストシーン。宅間さんが感情を表に出して号泣しながら読んでいたあのくだり…、愛之助さんは必死に自分の感情を心に留めようとしながら読んでいました。宅間さんの素直な感情にも涙させられましたが、愛之助さんの溢れそうになる涙を抑えながらの静かな朗読も胸打たれ…泣きました(涙)。涙が止まらなかった…。

全体的な印象としては、言葉を一つ一つすごく丁寧に扱っていたなということです。それゆえにとても聞き取りやすかったしアンディの感情の動きも手に取るように分かりました。
全編が標準語での朗読ということで普段はやわらかい関西弁を使っている愛之助さんにとってはちょっと大変かもと思う部分もチラホラありましたが(たまに関西アクセントが出てきて微笑ましかったです 笑)、それもほとんど気にならず、噛んだ部分も少なく、バランスの取れた素晴らしい朗読でした。

いやぁ、こんなに朗読が上手いとは!新たな愛之助さんの魅力を発見できました!観に行けて本当によかった…。またぜひチャレンジしてほしいなぁ。

読み手によって全く違う人物が浮かび上がってくる朗読劇『ラヴ・レター』。次回公演があったときも足を運んでみたいと思います。