劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演を観に行ってきました。前回も突発でしたが、今回はそれ以上に急な突発観劇でしたw。
直前まで広島・博多の遠征観劇が続いていた為、この日は本当に間際の間際まで行く予定にありませんでした(信じてもらえないかもだけどw)。ところが、ダンナが突然「大阪に行きたい」と言い出しまして。え、大阪行くんなら必然的に四季劇場が恋しくなるんだけど…みたいな展開にw。ダンナは行きたいところもあったらしいので、その時間ならということで『オペラ座の怪人』ソワレ観劇が突然浮上しました。
そのやりとりがあったのが前日の夜遅い時間だったので、チケットが残っているかは分からない状況。まして土曜日のソワレ公演ですから…諦めることも覚悟で四季のサイトをチェック。すると…2階席なら空きがあるではないですか。もはや席にこだわっている場合ではないと即座に食いつき購入に至りましたw。5月の四季のチケット代請求、もしかしたら過去最高に近いかもしれん(汗)とは思いながらも、やっぱり会いたい気持ちは抑えきれなかった。
大阪四季劇場の2階席に座るのは今回が初めて。
思っていたよりも舞台に近く、目を凝らさなくても舞台前方に役者さんがくれば裸眼で表情が確認できる感じでした。ちなみに、2階席は1階席以上に前の席の人が背もたれから離れると舞台が見えなくなります。2階席に座る時には後ろの人への配慮をお願いします(今回はほぼストレスなく見ることができてよかった)。
今回は予期せぬ突発で色々と心の準備が整わないまま劇場入り(笑)。妙なテンションになっていてついシークレットキーホルダー購入してしまった。
開けてみたら「イル・ムート」と「ドン・ファンの勝利」のシーンではないですかっ!!これはめっちゃテンション上がりますわ。次に行った時も買って集めたくなってしまう(シークレットだから何が出るか分からないのがハラハラものですがw)。
以下、超ネタバレを含んだ感想になります。後半(2ページ目)は私の独善的な飯田洋輔くん語りになるので、危険を感じた方はスルーしてください。
劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧
2022.05.28 ソワレ公演 in 大阪四季劇場(大阪・西梅田)
主なキャスト
- オペラ座の怪人:飯田洋輔
- クリスティーヌ・ダーエ: 久保佳那子
- ラウル・シャニュイ子爵: 光田健一
- カルロッタ・ジュディチェルリ:辻奈々
- メグ・ジリー: 黒柳安奈
- マダム・ジリー:木村智秋
- ムッシュー・アンドレ:増田守人
- ムッシュー・フィルマン: 金本和起
- ウバルド・ピアンジ:永井崇多宏
- ムッシュー・レイエ: 雲田隆弘
- ムッシュー・ルフェーブル: 勅使瓦武志
- ブケー: 村田慶介
前回観劇した時からまた少しキャストが変わりました。過去の観劇を辿ってみたら…、金本さんのフィルマンは2013年以来、黒柳さんのメグは2018年の広島公演以来でした。また、雲田さんのレイエと勅使瓦さんのルフェーブルは昨年6月の東京公演以来になります。
それから、アンサンブルキャストに早水小夜子さんが入られているが驚き。早水さんといえば、これまで数々の大きな作品でメインキャストを演じられてきた方。高井さんもだけど、重鎮のキャストさんがアンサンブルいいらっしゃるのはけっこう心強いですよね。メインキャストでは見られないような表情もあったりで色々と注目してしまった。
全体感想・キャスト感想
冒頭のオークション。オークショナー役の勅使瓦さん(ルフェーブルが本役)のセリフ口調が「本当にその値段で良いんですか?」と客を刺激するような言い方がナイス。特に”シャレコウベ”が出てきて最初30フラン設定にしたものの誰も札を上げないで仕方なく値段を下げる時、「えぇ?30じゃダメなの?」みたいな気持ちがセリフに乗ってて面白かった(笑)。
2階席の特権だと思ったのは、シャンデリアが上がっていく場面。同じ目線くらいまで上がってきたのを見た時に「おぉっ!!」という新鮮な感動があります。目の前に迫るような迫力があってドキドキしますね。
♪ハンニバル♪
相変わらず高井さんの表情がいちいち可愛らしいのが印象的(笑)。一区切りついた後に周りの仲間とお喋り始めたときにマダム・ジリーのステッキが鳴り響くんですが、今回は「あっ…」ってなっちゃった後にみんなに向かって「シーっだからね」みたいにアピールしまくってましたww。あと、クリスティーヌが歌い出した時の「ウワァ」っていう素直な表情も可愛らしくて萌えww。
それから今回は早水さんにも注目。カルロッタの衣装を直すお針子の女性を演じられていますが、カルロッタがへそを曲げて帰ってしまう時に「どうしましょ」みたいな動揺の表情を浮かべていましたね。辻カルロッタとのペアだとなんだかちょっとお母さん味があってちょっとホッコリしましたw。
吉田ケイン君のダンスは相変わらずとても爽やかで目を惹きます。アンドレが邪魔でイラつきながら鞭をビシッて叩きつけるのも好きw。
久しぶりの金本フィルマン。登場した時に「若いっ」って思っちゃった。これまで平良さんで見ることがずっと続いてきたので、最初雰囲気の違いに少し戸惑いもありましたが堅物的な雰囲気がなかなか素敵です。あと、平良フィルマンよりも舞台芸術に少し興味を持った印象がありましたね。雲田レイエさんに「あれはどういうこと?」みたいに質問して「ほぉ~」みたいになってた。
雲田レイエは林さんの時よりもちょっとソフトな印象。ピアンジへの最初の指導も「悪いんだけど」っていう遠慮がちょっと感じられて可愛らしかった。あと、永井ピアンジがなかなか象の上に上れないのを見てハラハラしながら「早く登って~~!!」みたいに手で押し上げるようなアピールしまくってたのも面白かったですww。
♪Think of me♪
クリスティーヌが歌えるかどうか聞いてみようじゃないかというアンドレとフィルマン。平良フィルマンはすぐに葉巻を咥えていましたが、金本フィルマンは増田アンドレに「時間がないのに本当に大丈夫なのか!?」みたいに食って掛かってて咥えようとした時に「まぁ聞いてみようや」みたいな感じでやんわりと葉巻を奪われてました(笑)。
さて、久保さんクリスティーヌ。「ソンダン65」の時に観ていますが、ストーリーのある舞台のなかで見るのは今回が初めてになります。東京公演での評判がとてもよく、洋輔くんのファントムとも相性がいいと聞いていたので今回とても楽しみにしていました。とても感情表現がストレートで分かりやすいなというのが第一印象。
♪Think~♪の本番舞台での歌い方がすごく生き生きしていて、ラウルが「ブラーヴァ!!」と叫ぶ前には少し笑い声が入るくらいノリノリで舞ってた姿がとても新鮮でした。あんなに楽しそうにこのナンバーを歌うクリスティーヌ、初めて見たかも。まさに喜びの絶頂みたいな感じだったな。
♪Angel of Music♪では、久保クリスと黒柳メグは気心知れた仲良しさんといった雰囲気が出ていました。黒柳さんは歌声が可愛らしくしっかりしていますね。ちょっとポップス系の歌い方って感じかな。
♪リトル・ロッテ♪のシーンでは久保クリスティーヌ、最初は光田ラウルに嬉しくて飛びつくんだけどすぐに「あ、ダメだっ」って感じで顔こわばらせて離れようとしてました。厳しい”エンジェル・オブ・ミュージック”に対する恐れみたいな感情がリアルに伝わってきたのが印象的。なので、ラウルが強引に食事に誘う時も表情が「行けないって言ってるのに!」とかなり拒絶反応示しているように見えましたw。
※♪The Mirror♪~♪The Music of the Night♪は次のページの推し語りのなかで触れます(一点集中観劇してたのでほぼ彼しか見てなかったw)。
♪プリマ・ドンナ♪
金田フィルマンは新聞紙の投げ方がちょっと重々しい感じでしたが、綺麗に舞台袖まで飛んでました(笑)。この場面は、増田アンドレとのコンビネーションがとても楽しめます。金田フィルマンがカルロッタのご機嫌を取ろうと奮闘してちょっと成果があるのを見ると、陰で「グッジョブ!」みたいに合図してくれてる増田アンドレが可愛くて萌えw。
それから、金田フィルマンがカルロッタをなだめようとした時に永井フィルマンが「手遅れだ!」と割って入ったシーンも面白かったです。永井フィルマン、めっちゃ強引に入ってきてて金田フィルマンが「えぇっ?」ってリアクションしながら脇にのけてたの可愛かったよww。
♪イル・ムート♪
今回は早水さんがコンフィダント(白塗り夫人)として登場しているので思わず注目して見てしまいました。めちゃめちゃテンション上げてオホホ笑いしてて吹きそうになってしまった(笑)。あのちょっと下品っぽい雰囲気を醸し出してるのが面白い。宝石商さんたちともえらい楽しそうに会話されてましたw。
高井さんの”ご老体”アッティーリオは今回も動きや表情が癒し系で可愛かったですw。
バレエシーンではやっぱり爽やかな吉田くんの羊飼い役が目を惹きますね~。特に後半ジャンプした後の投げキスは何回見てもドキッとします(笑)。笑顔が本当に可愛らしい。この羊飼いさんはブケー事件の直後に一人の女性バレエダンサーを連れて逃げるんですよね。そこに二人の関係が垣間見えたりもするので面白い。
そういえば、2階席の特権のもうひとつとして…舞台の導線がよく見えるというのがありますね。1階席からは見えないような舞台奥まで見渡せるので、どのキャストがどういう動きで後ろに回ったり前に出たりしているのかが分かるという楽しみがあると思います。
♪All I Ask of You♪
ラウルと屋上に出た久保クリス、最初はファントムの存在を本当に怖がっていて「私は見たのよ!あの人の全てを!!」と歌うところなんかは必死の訴え状態でした。それを光田ラウルが戸惑いながらも受け止めて落ち着かせようとしている感じ。でも、「あの声はすべてを包み~」のあたりからまるで催眠術にかかっていくように心地いい表情へと変わっていく久保クリスがとても印象深かった。情緒不安定になってる様子がすごく分かりやすい。
ファントムの表面的なところはすごく怖がっているのに、彼の歌声に心を癒されているのも感じているし哀しい目をしていたこともちゃんと受け止めてる。クリスティーヌはちゃんとファントムのことを見てくれてるんだよなって改めて思いましたね。だからこそ、後半の展開が辛いわけで…。
そんな時にファントムがクリスティーヌの名前を思わず呼んでしまうものだから、また彼女の心が恐怖に縛られてしまってラウルへと気持ちがグッと寄っていく。少しクールで何でも受け止めてくれそうな優しさも兼ね備えているラウルの「助け出そう、全てを尽くして」という逞しい言葉に身を委ねたくなる気持ちは分かる気がします。クリスティーヌには救世主の王子様のように見えてるんだろうなと。
この時の久保クリスは本当に恋愛モードに入っているんだけど、どこか少女漫画の世界のようで幼い恋のように見えます。どのクリスの時もそう思うんだけど、久保さんの場合は特に感情表現がとても豊かなので”恋に恋する少女”的な色を強く感じましたね。
♪マスカレード♪
2階席から見る♪マスカレード♪の雰囲気はひと際華やかでカラフルで楽しめます。ここで注目するのはやはり重鎮の高井さんと早水さん。クリスとラウルが婚約発表のタイミングのことでモメてるときの清朝スタイルの高井さんの「それな!」的なポーズは何度見ても可愛くてクスリとしてしまうw。
その頃早水さんはというと…、階段のところでお仲間さんとオホホホと談笑していらっしゃいました。それから、吉田ケインくんのマントさばきもカッコいいです。
木村さんのマダム・ジリーによるファントム過去話は何度聞いても緊迫感に溢れていて迫力があります。新演出になってからこのシーンの臨場感が増しましたよね(旧演出の時はもっと淡々としていてちょっと退屈な時間だったw)。
その後の支配人オフィスの場面。ピアンジが「侮辱された、ひどいぞ!こんなひどい役!」とファントムから送られた楽譜を地面に投げ捨てるシーンがあるのですが、そのあとクリスティーヌがラウルとやって来た時に金田フィルマン(もしかしたら違うかも?)がそれを踏んずけていたのがちょっと衝撃でしたw。上から見て初めて気がついた。で、すぐに増田アンドレが楽譜を拾い上げて手でパッパと払いながらクリスティーヌに「君が主役になっている」と告げに行ってましたね。
ファントムからの手紙のシーン、ピアンジのくだりはいつもクスリとなりますね。「せめて痩せてくれなくては」と指摘されてしまいムッス~~!とする永井ピアンジも可愛いのですが、それを横目に見てた金田フィルマンが「確かにお腹こんなだしね」みたいに増田アンドレとコソコソ言ってるのがまた面白かったです(笑)。
ラウルがファントム捕獲作戦を思いついた時の木村ジリーの止め方が今回もハンパなかった!体を張ってでも止めなければ!!的な勢いがすごかったです。あれって、ラウルたちがやられてしまうからという意味でなんだろうけど、私にはファントムにこれ以上関わってほしくない的な意味もあるんじゃないかなと少し思ってしまう。
クリスティーヌが「地獄の歌声が響く、私の頭の中で」と歌ったところでカルロッタがようやく彼女がどこかおかしいことに気づく。それを横目で見ていた永井ピアンジが優し気な視線でカルロッタを見つめたのがとても印象深かったです。ほんとは良い人なんだよね、永井ピアンジって。
だけど、自分の歌い方にはすごいこだわりを持っていてどうしてもファントムの指示した通りには歌えない。それを注意する雲田レイエ、「違うっ」と最初声を荒げてしまうんだけどそのあとハッとして少しやんわりした口調で「だいたい良いんだけどでも違うんです」と言い直してたのがなんかグッとくるものがありました。雲田レイエ、カンパニーをすごく大切に想ってる感じが伝わってきたんですよね。
だけどなかなかピアンジは指示通りに歌えなくて、後ろにいた早水さんや横にいた高井さんは「なんでそうなるの!」みたいにけっこう苛立ってました(笑)。
そういえば、カルロッタが「(ファントムが)いてももちろん言えるわよ!」と言い返す場面。以前はしっかりとセリフを最後まで言ってたけれど、ここ最近はマダムジリーがカルロッタのセリフの途中で「そうでしょうか!?シニョーラ!」と一喝する形になりましたね。最初これを見た時はセリフの出トチリか?とドキっとしてしまったw。
♪Wishing You Were Somehow Here Again♪
色々なことが起こって情緒不安定になったクリスティーヌが父親の墓場を訪れる場面。久保クリスはお父さんのことが本当に大好きでたまらなかったんだなというのがひしひしと伝わってきました。「いつも温かいあなただったのに」と歌った後は声を上げて泣きながら墓石に駆け寄ってて…あれは思わずウルッときましたね。それをファントムがずっと上から見てるわけですから…そりゃ切なくて愛しさが増すの分かるって思いましたよ。
でも、泣き崩れそうになった直後にキリッと前を向いて「でも、もう寂しさに耐え忘れなければ」と歌う。その力強さがすごい!!さっきまであんなに弱々しかったのに、どこにそこから立ち直ろうとするパワーが隠れていたんだろうとすら思った。”苦しみや哀しみ”を生きる源として立ち上がる決意をする久保クリスティーヌはとても強く逞しい。
♪ポイント・オブ・ノーリターン♪
冒頭部分で面白いのは、高井さん演じるパッサリーノがドン・ファンの部屋からケラケラ笑いながら飛びだしてきた女性(メグが演じてる)に投げキスされて気になっちゃうシーンですねww。「彼女、僕にもしかして気があるんじゃ?」みたいにニタニタしながら彼女の差って言った方向を見送るの、いつも笑いそうになってしまうw。
さて、永井ピアンジの鬼門的なカーテン問題。私が大阪で観劇した2回は上手く閉まっていないので(前回は半開き状態だったしww)「抜かりなくうまくやろう」の直後からなんだかハラハラしてちょっと手に汗握ってしまった(笑)。
多少カーテンの持つ位置を探っている感じはありましたが、今回はうまいことしっかりと閉まってひと安心。洋輔くんファントムも横で胸をなでおろしたかもw?
さて、ここから先はただ熱いだけの主観入りまくりな洋輔くんファントムの感想になります。笑って読めるような心の広い方は次のページへどうぞ。