劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』東京公演 2020.11.15マチネ

久しぶりに東京に帰ってきた劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』を観に遠征してきました。

実はかなり間際までチケット購入に手を出していなかったのですが、もともと先に決まっていた別の演目がソワレにあったので”もしも空きがあれば”という諦めムードで『オペラ座~』をチェックしたんですよね。
そしたら、まさかの「空き」がありまして…!!新劇場かつ日曜のマチネ公演なんて、普段なら一番に売り切れるはずと思っていただけにビックリしました。おそらく新型コロナの影響が尾を引いてるんだろうなとは思いましたが…、思いがけずゲットできてしまったので足を運ぶことと相成ったわけです。

とはいうものの、この時期は”新型コロナ第3波がきてる”と騒がれ感染者数も前回私が東京入りした時よりもかなり多い数字が出ていたので、正直かなりビクビクではありました(汗)。慎重には慎重を重ねての今回の遠征でございました。

さて、新しくなった浜松町の四季劇場について少し触れたいと思います。

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旧・四季専用劇場の春と秋が閉鎖されたのが2017年6月。私が最後に秋劇場を訪れたのは2017年3月の『ノートルダムの鐘』公演でした(その時のレポ)。あれから約3年半、同じ場所に新しく生まれ変わった四季劇場「春」「秋」が帰ってきました。『オペラ座~』は新・秋劇場のこけら落とし公演となります。新型コロナの影響で予定がずれ込んだようでしたが、無事にスタートが切れてよかったです。

まず驚いたのが劇場施設の大きさ!以前は劇場のみの建物でしたが、新劇場はアトレと共同になっていて敷地面積もだいぶ広くなっていました。建物の後ろには海の見える広場があります。観劇前にちょっと小腹を満たす場所としてもいいんじゃないかなと。ただ、建物内にはレストランもけっこうあったので食事は以前よりとりやすい環境が整ってる印象です。
入口を入ってすぐのエスカレーターに乗って上の階へ行き、矢印通りに少し進んでいったところに劇場の入場口があります。

ロビーは開放感があって以前よりもかなり広々とした空間に生まれ変わりました。物販コーナー前も余裕があるのでソーシャルディスタンスを保っての行列も巧いこと捌けていたと思います。2階のロビー空間もかなり広め!以前とは違い3階のバルコニー席が無くなったこともあってか2階客席数もかなり多い印象がありました(ちなみに今回私は2階席からの観劇)。

東京限定のキーホルダーもゲットできました!”O”の部分が仮面になってるのがカッコいい。

消毒液コーナーもたくさん置かれてたし、ロビー含めての食事が禁止になるなど(飲み物だけはロビーでのみ可)感染予防対策にもかなり気を配っていて安心感はありましたね。

ただ、お友達同士で観劇に来ている人たちはところどころ集まってけっこうなテンションで喋ってたりなんて光景もチラホラ(せめて客席内ではもう少し声を落としてほしいと思うことも…)。マスクをしたままでも飛沫は完全に防げるものではないと聞いているので、一人一人の注意と自覚はもう少し持ったほうがいいのではないかなと感じたし、注意喚起のアナウンスもあったほうがいいんじゃないかなと…。

ちなみに、「春」劇場のこけら落とし公演は2021年1月の『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』となる予定だそうです。その後に『アナと雪の女王』が入るそうな。どちらも今年の公演予定が新型コロナ禍の影響で一度中止に追い込まれてしまっているので、今度こそ無事に上演されることを祈りたいと思います(アナ雪はぜひとも観に行きたい)。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2020.11.15マチネ公演 in 四季劇場・秋(東京・浜松町)

主なキャスト

  • オペラ座の怪人:佐野正幸
  • クリスティーヌ・ダーエ: 山本紗衣
  • ラウル・シャニュイ子爵: 加藤 迪
  • カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
  • メグ・ジリー: 松尾 優
  • マダム・ジリー:戸田愛子
  • ムッシュー・アンドレ:増田守人
  • ムッシュー・フィルマン: 平良交一
  • ウバルド・ピアンジ:山口泰伸
  • ムッシュー・レイエ:日浦眞矩
  • ムッシュー・ルフェーブル:志村 要
  • ブケー:見付祐一

アンサンブルキャストの中に、長いことファントム役を演じていた高井さんの名前があることに驚きました。同じくファントム役を長く演じていた村さんが支配人のフィルマン役として名前を連ねているのも驚きです。世代交代の時期に入ってきてるのかな。

村さんは今回観れませんでしたが、高井さんはアンサンブルでもけっこうわかりやすい。特に「イルムート」の白塗り姿はなかなかお似合いで可愛くて思わずクスっと笑ってしまった。それでもあの低音美声を響かせて歌うところはさすがです。
あと「ドンファン」のパッサリーノ役。ピアンジが部屋に隠れた後の「殿様」の歌声がファントム時代を彷彿とさせるもので、その直後に佐野さんが歌う「パッサリーノ」のフレーズが被ると「Wファントムやん!!」となんかものすごく贅沢なものを見てる気持ちになってしまいました(笑)。

パンフレットのファントム候補役者を見ると新たに岩城雄太さんのお名前が加わっていました。稽古写真も掲載されているのでファントムデビューされる日も近いかもしれません。その時はまた観に行きたいなぁ…。

でも個人的には、今回も飯田洋輔くんがファントム役候補に名を連ねていたことが何よりも嬉しいし気になる!!!前回公演の時は実現しなかったけど、今回はなんとか実現してほしい。ソンダンでファントム歌ってる洋輔くん見たとき「実際の役でもイケるんじゃないか!?」みたいな手応え感じたので(まぁ、ファンゆえの感想ですが)。実現したら必死でチケット確保して飛んでくよw!!

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全体感想

3年前の広島と2年前の京都で見たときにも”以前と比べると変わったなぁ”と思うシーンがいくつかあったのですが(過去記事参照)、今回の東京公演もそこからさらに変化した点がありました。昔は寸分違わぬ演出で演じられてきましたが、近年では公演ごとに変化がみられるようになって面白いなと思います。まぁこれには様々な意見があるとは思いますが、作品の主軸テーマを崩さなければ色んな変化が加わって面白いんじゃないかなと私個人としては好意的に受け止めています。

以下、今回気が付いた”変化”についていくつか挙げてみます。

プロローグ

オークショナーのロット番号の呼び方が変わりました。以前は「666番」と普通に数を読んでいましたが、今回は「ロク・ロク・ロク番」といった風に一つ一つの数字を並べて読み上げる形になってました。たしかにこの方がオークション参加者としては聴き取りやすいかもしれないなと納得。

あとこれは前回の見逃し点かもしれないのですが…、オークションシーンでラウルの隣にもう一人女性の客が配置されるようになってましたね。特に大きな反応はしないのですが、「あれ、ラウル関係者じゃない人がいる…」って気になってしまいました(笑)。

本編に入る前のオークショナーの「昔の亡霊も逃げ出すことでありましょう!」というセリフを合図に今まではシャンデリアが上昇していましたが、今回から「さぁ!!」という分かりやすい掛け声が加わってましたw。見てるほうはこのセリフがあることで多少身構えられるからいいのかも。

1幕

『ハンニバル』のリハーサル後にアンドレとフィルマンがカルロッタとピアンジに挨拶するシーン。アンドレがカルロッタに興味を示し親しみを込めて挨拶をしたとき、気を良くしたカルロッタがイタリア語のような言葉を口にしていました。フィルマンは全く興味がないといった感じでピアンジを一瞥するんですが、この時はピアンジが気を悪くした後にイタリア語のような言葉を吐き捨ててた。
新支配人の挨拶に対する返し言葉は確か以前まではなかったと思うので、おそらく今回から加わったんじゃないかなと思います。

また、カルロッタが新支配人たちの不甲斐なさに怒り狂って帰る時、去り際にピアンジにイタリア語(だと思う)で促す場面もありました。

ちなみに、面白かったのがハンニバルのリハクライマックスでピアンジがほとんどゾウに乗れてなかったシーン(笑)。京都で見たときもかなりギリギリだったんですが、今回はさらに悪戦苦闘してて終わりの音が伸びてるあたりでようやく背中に乗れたみたいな感じになってました(笑)。あれ、本番だったらかなり恥ずかしいぞ、ピアンジさんww。

クリスティーヌがカルロッタの代役にという話が持ち上がるシーン、アンドレから「何という名前の先生のレッスンを受けているのか」と尋ねられた時のクリスティーヌの反応が「言えないんです…」ではなく「分らないんです…」に変更されていました。
こう答えることによって、クリスティーヌが”音楽の天使”と慕う先生の実態について何も知らないんだなということがより強調された形になりましたね。というか、「分らない」と答えたほうが物語上自然だなと思いました。

最初にびくびくしながらも、本番には堂々と『Think of me』を歌いきるクリスティーヌという演出に変わったのは横浜公演の時からだったと思いますが、リハから本番に切り替わるときに周りに集まっていた人が捌けるまでの時間がけっこう延びたなと感じました。本番に切り替わっても数秒間その場に立ってクリスティーヌを見守る演出になってるんですよねw。

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公演を終えたクリスティーヌがマダムジリーから一枚の手紙を受け取るシーン。今まではそこに書かれた文字を読んだ後に「なんのことかしら?」という疑問符のセリフがついていたのですが、今回見たらそれが無くなっていました。ただ手紙の文字を読んだ後に「??」みたいなリアクションを取るのみ(笑)。今まで「なんのことかしら?」でずっと見慣れてきたので、ここはちょっと違和感あったかもw。

ラウルが公演後にクリスティーヌの楽屋を訪ねに行くとき、「一人で行きたい」とやたらテンションが上がってるラウルを見てフィルマンがボソっと呟くシーンがあるのですが、「どうやら幼馴染(知り合い)らしい」というセリフが「初対面じゃないようだ(ニュアンス的に)」といった感じに変更されていたのも面白かったです。たしかに、あの場ですぐにクリスティーヌとラウルが知り合いだって察するのは不自然だったかもしれませんw。

あと、ラウルがクリスティーヌが幼い時に海に落としたスカーフを取ってきてあげたと思わせぶりなセリフを言う場面でも言い方の順番が微妙に変わったりしてました(これは前回公演の時からかもしれませんが、なにせオリジナルの記憶のほうが濃いものでw)。

クリスティーヌがファントムにさらわれて行った後にラウルが楽屋に飛び込んでくるシーン。誰もいない部屋に驚き「エンジェル!?」ってラウルが狼狽えるんですけど、ほとんど一瞬しかラウルに光が当たらなくなってますね(汗)。以前はもう少し余裕があったんですが、サクっと次へみたいになってしまいましたw。

『ファントム・オブ・ジ・オペラ』でファントムとクリスティーヌがボートに乗って現れるシーン、橋の向こう側でいったん少し止まって見つめながら歌う演出になりました(以前までは止まらずに進んできてたと思うので)。二人の絆の深さが垣間見えてちょっとドキドキしましたね。

『ミュージック・オブ・ザ・ナイト』のクライマックスでクリスティーヌがウェディングドレスを着た自分そっくりの人形に驚いて倒れるシーン。ここでのクリス人形はアンサンブルさんが演じてるのでけっこうな勢いで手を伸ばしてくる演出がちょっとドッキリっぽくなってるのですが、今まではクリスに向かって真っすぐ手を伸ばしていたのが、今回見たら彼女の足元に向かって手を伸ばすようになってました。あれはあれでまたちょっと怖いかもww。
倒れたクリスティーヌを見て「え、どうしよう…」みたいに一瞬狼狽える空気感出してた佐野ファントムが可愛くてちょっと萌えました(笑)。

仮面を外してしまったクリスティーヌにファントムが怒り狂うシーン、前回から「これが見たいのか!」と自分の素顔を彼女にそのままバーンと見せつける演出に変わりました。それゆえにクリスティーヌの恐怖心がよりリアルに伝わってきて切なくなっちゃうんですよね。
でも、怒り狂った後にファントムが哀しげな声で「美しいものに憧れるんだ」という気持ちを歌いながら彼女を求めようとする場面の時、クリスティーヌの中で恐怖の色がスッと消えていくのを感じたんですよね。あの瞬間、彼女の中で無意識にファントムの哀しみや苦しみを受け入れたんじゃないかと思いました。それゆえ、クライマックスシーンが余計に説得力あるものになりました。

ファントムがクリスティーヌを地上へ帰す途中でブケーがダンサーたちに自分をネタにふざけているのを目撃してしまう場面。マダム・ジリーから「彼に見られた!地獄の手が迫る」ってブケーは警告を受けるわけですが、かつては渋い顔しかしていなかったブケーが「ひぃい!!」みたいに恐怖心で逃げるように去る演出に変わって面白かったですw。
新演出になったことでブケーがより人間臭くなったし存在感も上がってるような気がします。

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支配人室でのシーン、カルロッタとピアンジがもらった手紙に怒り狂って訪ねてくるのですが、今までは「あの子は!?」とクリスティーヌのことを指しているように歌っていたのに、今回見たら「あの人は!?」と対象が誰だか分からないようになってました(彼女たちはラウルのことを指してるように歌ってましたが)。

それから、マダム・ジリーが「クリスティーヌが戻ってきました」と歌った後のフィルマンの反応が「今までどこにいたんだい?」ではなく「だったらすぐに呼ぶように(ニュアンス的に)」に変わりました。彼女を気にかけるというよりも、手紙の真相を一刻も早く本人から聞き出してやるみたいな雰囲気に変わってて、今までよりもフィルマンのドライな部分が前面に出てるなと思いました。

『プリマ・ドンナ』の重唱シーンは何度見てもゾクゾクします。今回は特に歌が完璧な役者さんたちが集まっているのでハーモニーが素晴らしかったです。
このシーンでは個人的にフィルマンが「面倒くさいなぁ」とカルロッタが見えない場所で彼女を座らせるはずの椅子に座っちゃうシーン(笑)。カルロッタが近づいてきた途端に慌てて立ち上がって彼女をおだてるんですよねw。この変わり身が好きですww。

『イル・ムート』の場面は、ドレッサーたちが「オホホホ!」と笑いながら入ってくるときに、クリスティーヌ演じるセラフィーノ(実は奥方の愛人)が足をバタバタさせているのを見て「あの子が実は、なんてねぇ」みたいなニュアンスで目配せするリアクションが加わりました。それが入ることで、『イル・ムート』という作品の幅が今までよりも広がってリアルになったような気がします。
この場面で高井さん演じる白塗りの殿様が見れたのはラッキーだったな。

カルロッタが歌えなくなった後、アンドレが客席に慌てて「バレエを披露します」と伝える場面。これまで以上にアンドレが舞台上でアタフタしまくってて、捌けるときにほとんどのバレリーナさんたちにぶつかっておりました(笑)。
バレエシーンの最中に幕の後ろでファントムがブケーを仕留めていく様子が影で表現されるのですが、縄で締め上げた瞬間を目撃したダンサーさんが少なくなったからか悲鳴が今までよりも小さめになっていました。

ブケーが暗殺されて混乱している最中にラウルがクリスティーヌを連れ出そうとする声が聞こえてくるのですが、このタイミングが今までよりもかなり後ろにずれこんでる印象がありました。これは前回からだったかな(記憶が曖昧 汗)。

『オール・アイ・アスク・オブ・ユー』でクリスティーヌとラウルが距離を縮めて良い関係になっていくのは変わらないのですが、「今、君を愛す」っていう歌詞がいつもちょっと違和感あって(苦笑)。美しい日本語に拘ってのことだとは思うんですが、もう少し砕けた言い方に変えてもいいんじゃないかなと思ってしまう。
で、二人のキスシーンですが…、やはり新型コロナ禍の影響からか唇を合わせているように”見せる”演出に変わってましたね。舞台表現ではキスシーンがけっこう多く登場しますが、今の時代はどこも創意工夫しなければならないんだろうなとその苦労がしのばれます。

そして、ようやく1幕クライマックスのエンジェル像が復活いたしました!!広島も京都もセット後ろに設置された像からのファントム登場となってちょっと物足りなさを感じていただけに、久しぶりに舞台上から降りるエンジェル像から佐野ファントムが登場した時には「やっと戻った!」と感激してしまいましたw。

ちなみに、1幕ラストで舞台上に急降下したシャンデリアは休憩時間中に元の上の位置に戻されます。その様子を見るのも『オペラ座~』観劇の楽しみの一つだったりします。

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2幕

『マスカレード』は基本的に大きな変更点はなかったと思います。
今回ちょっと上手端っこのほうの座席だったので、ファントムが現れるシーンが見切れて見えなかったのが残念(汗)。『オペラ座~』は舞台周りのセットが豪華なのでその装飾でサイド席だと見切れちゃう部分がけっこうあるんですよね(苦笑)。私はもう何度も見ているので見えなくても把握することができますが、初めての方はなるべく中央寄りから見たほうがいいと思います。

あ、そういえば・・・ファントムが現れてクリスティーヌに迫るシーンで仮面舞踏会に参加していた人たちが「クリスティーヌ…クリスティーヌ…」って囁く演出が加わってたのを思い出しました。より妖しく緊迫したムードが漂っていて場面的に厚みが加わったと思います。

ラウルがマダム・ジリーからファントムのことを聞き出そうとして呼び止めるシーンは前回演出からスピードアップしました。それまでは3回くらい呼ばないとマダム・ジリー止まってくれませんでしたからね(笑)。テンポを出すためにもここは1度の呼び止めでOKだと思います。

支配人室で「ドン・ファンの勝利」について議論するシーンでは、クリスティーヌのセリフが微妙に変わっていました。「(ファントムの元には)戻らない」と言っていたのが「(舞台は)できない」になっていたり、ラウルからファントムを仕留めるために演じてほしいと頼まれたときに「いや!!」と逃げ出してたのが「できないわ!!」とハッキリ断るセリフに変わってたり。これまでよりも歌セリフのニュアンスが直接的で分かりやすくなった印象です。「歌を教えてくれた天使を裏切れるのか(ニュアンス的に)」という肯定的な葛藤のフレーズが入ってきたのも今回からだと思います。

あと面白かったのが、クリスティーヌに主役を演じてほしいと頼むなかにピアンジも加わったシーン。これまではそれを目撃したカルロッタが「なんであなたまで!!」みたいにプンスカ怒っていたのに対し、今回見たら「え・・・」みたいに呆然とその様子を見てるだけになってましたw。
でも「あの人頭が変よ」のセリフのニュアンスも以前よりちょっと柔らかくなったように感じたし、このシーンにおけるカルロッタのクリスティーヌに対する印象は少し丸くなったのかもしれません。

「ドンファン~」の歌稽古の時にピアンジが上手く歌えないのをカルロッタが庇うシーン。ムッシュ・レイエに向かってカルロッタが正しい音程で歌った後に「そう、それ!!」って指摘される場面がなくなってしまったのはちょっと寂しかった。あのやり取り、けっこう好きだったんですよね。

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「墓場」のクリスティーヌのソロは前回公演の時から映画版と同じく「どうぞ与えて、力を」を2度歌い上げる方式に変わりました。こちらの方がよりドラマチックで好きですね。
クリスティーヌが歌い終わった後にファントムが現れ彼女を誘おうとするシーン、ラウルの出番が早まったのも前回公演からですがあの時はラウルの歌詞が全然聴き取れずにちょっとヤキモキしました。でも今回は以前より言葉が以前よりはっきり聞こえてきて「そう歌ってたのか!」と納得できるところが多かったです。音響がいいのもあると思うけど、加藤君の歌いっぷりもとても良かったです。

火の玉飛ばしまくるファントムにラウルが向かっていこうとするシーンは、ファントムがやたら面白そうにラウルを煽ってたのが印象的でしたw。佐野さんはけっこう火の玉出す回数多いファントムですよねw。

「ドンファン~」開始前に警備員を配置するシーン、今回の公演は生オーケストラを使っているので一人はピットの中に入ることになると思ってたのですが…、舞台の上での配置となりました。生オケじゃない時はいつも舞台上にいる設定ですが、オケがいるのに中に入らない演出は今回が初めてではないでしょうか。
おそらく、ピットに入ってしまうと「密」が発生してしまうことから舞台上配置に変更したんだろうなと思います。せっかく生オケなのに勿体ないとは思いましたが、今のご時世はやむを得ないですね…。

『ドンファンの勝利』シーンでピアンジとパッサリーノが悪だくみを歌うのですが、パッサリーノを高井さんが演じているからか、もう表にファントム出てきちゃってるみたいな感覚に陥りそうになってしまいました(笑)。上にも書いたけど、「殿さま」「パッサリーノ、罠は仕掛けた、獲物を待つだけだ」のやり取りはWファントムを目撃してるようで贅沢な気持ちになりましたねww。

『ポイント・オブ・ノーリターン』のシーンでクリスティーヌが相手役がファントムだと気が付くシーン、以前は顔をつけてスリスリした直後に「ハッ」となっていましたが、今回見たらその時にもまだ気が付いてなくて直後に手を掴まれた強さで「ハッ」となっていました。
顔を擦り付けた時に仮面の感触で勘づくっていうほうがリアルだったと思うんだけど、クリスティーヌはちょっと鈍感キャラになったのかなw。

クリスティーヌに仮面をはぎ取られたファントムが彼女を連れて逃げるシーンですが、警備員が銃を撃つタイミングが少し遅くなったことでファントムが舞台上で素顔を晒している時間が若干長くなりました。このあたり、けっこうじっくり見せている印象になりましたね。

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ラウルがマダム・ジリーに案内されてファントムの隠れ家へ向かう場面、途中でマダム・ジリーは帰ってしまうのですが、この時のラウルのセリフが「ありがとう、マダム・ジリー!」から「マダム・ジリー、ありがとう…!」に変わってました。今回こういったセリフの組み換えみたいなのがちょいちょいありますが、少し変えるだけでもニュアンスの変化がみられて面白いなと思います。

隠れ家のクリスティーヌ人形が無残な姿になってる場面(2幕はホントに人形w)、ラウルがやって来たことを悟ったファントムが人形をぞんざいに扱うのですが、今までは舞台袖にぶん投げていたのに今回見たら椅子から持ち上げてすぐ下に叩き落す演出になってました。袖に投げると、うまくいかない場合足とか残って見えちゃうリスクありましたからねw。その場に叩き落す方が安全でいいっかもしれません。

クリスティーヌがファントムの行動を責め立てるシーンは、1幕で仮面を返した時にクリスティーヌのなかでファントムの外見に対する恐怖みたいなものが消えたように感じたこともあり、歌セリフがより一層リアルに思えてグッときまくりました。特に「醜さは顔にはないわ、穢れは心の中よ」のフレーズの説得力がとても強く感じられました。

そしてクライマックスのキスシーン。今までは実際にキスしている姿が客席に見えるよう演じられていましたが、やはり今回はここでも”キスをしているように見せる”形へと変わってしまいました。それがちょっと残念だったけど、シーン的にはやはりウルウルっときましたね(涙)。

さらに泣けるのは、クリスティーヌたちが去った後にファントムがオルゴールの猿の顔の半分を手で隠しながら「マスカレード」を歌うシーン。前回から加わった演出ですが、猿のオルゴールに自分を投影させてるファントムが哀しすぎて本当に泣けます…。

そしてクリスティーヌが指輪を返しにやってくるシーン。今までは彼女がどういう気持ちで指輪をファントムに渡しているのかハッキリさせないニュアンスだった印象が強かったのですが、今回見たときには”クリスティーヌはファントムのために自分の身代わりとして指輪を置いていった”と受け止めました。
このラストだと、クリスティーヌとファントムの関係がここで終わるとは思えない感じで私は好きです。続編の『ラヴ・ネバー・ダイ』の展開が繋がる予感を少し匂わせてる気がしました。ラウルにはちょっと気の毒ですけどねw。

キャストの感想は次のページにて。