ついに先日広島で千穐楽を迎えた劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』。私の観劇予定は1日で終わっていたのですが、どうしてももう一度、佐野ファントムと山本クリスティーヌの組合せが観たくて・・・前日予約を久々に発動して落2日前の金曜日に行っちゃいました😃。
おそらく、4回目にして一番特等席で見れたかもしれない…☺。日帰りができる距離って本当にありがたい。
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広島公演が後半に差し掛かった頃、入り口すぐのところにあった巨大タペストリーにオペラ座キャスト陣がサインを書き込んだという四季ニュースがありまして・・・実際にそれも観ることができました!
さらに、楽までの3日間限定で一定額以上購入したらオリジナルマグネットをもらえるという事になっていまして。もう限定グッズも購入済だし今回は諦めかなぁ・・・と思っていたら、ふと目に留まった四季のカレンダー。もう何年も購入してこなかったんですけど、パラパラめくったら私の超ご贔屓役者さんが写ってるじゃないですか😶!!これと、新商品のペンケースを・・・つい購入してしまってw・・・
↑こちらの素敵なマグネット頂いちゃいました😜。
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧
2017.11.17マチネ公演 in 上野学園ホール(広島)
主なキャスト
- オペラ座の怪人:佐野正幸
- クリスティーヌ・ダーエ:山本紗衣
- ラウル・シャニュイ子爵:光田健一
- カルロッタ・ジュディチェルリ:吉田絢香
- メグ・ジリー:黒柳安奈
- マダム・ジリー:佐和由梨
- ムッシュー・アンドレ:増田守人
- ムッシュー・フィルマン:青木朗
- ウバルド・ピアンジ:山口泰伸
- ブケー:見付祐一
佐野ファントム感想
今回の観劇目標は、ほぼ、一つだけ。山本クリスティーヌ相手の佐野ファントムを観るためでしたので、それに特化した感想になります😅。一番最初に広島で見て超ド級の感動をもらったこのコンビに最後もう一度会いたかったんです…。
佐野ファントムは「ミラー」の場面からかなり攻めてますよね。今まで見てきたファントムの中で一番ストレートにラウルへの嫉妬心をむき出しにした歌い方をしているのが佐野さんのファントムだと思います。この日もかな~~り攻めた歌い方でww鏡の向こうに映る前に姿が浮いてきちゃうんじゃないかってくらい迫力がありました(笑)。でも私はそんな佐野ファントムが好きなんですよ、すごく分かりやすいので😄。
ミラーからクリスティーヌをエスコートするときはとても紳士。その時の手の差し出し方、立ち姿は惚れ惚れするほど素敵です💖。
隠れ家についた後の雰囲気もすごく色っぽいです。クリスティーヌの歌声にのめり込むように陶酔していく姿は特にドキリとします。それなのにハットの脱ぎ捨て方が実にスマートなのが毎回すごいと思ってしまう。
後半に行けばいくほど我を失いそうになるほど興奮して、その流れからの「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」の入りのオルガンの弾きっぷりはかなり激しいです。まるで自分の有り余る想いを鍵盤にぶつけているような感じ。こういう激しさも好きなんですよねぇ、佐野ファントム😎。
MOTNのクライマックスでクリスティーヌに見立てた人形が出てくるのですが、これに驚いて気を失ったクリスティーヌをちょっと物珍しそうな感じでちょっと覗きこむ仕草は、それまでの激しさとは一転して可愛らしい佐野ファントム。そこに倒れた理由が分からなくて戸惑う感情が伝わってくるようです。
この日の佐野ファントム、ちょっと喉がお疲れ気味だったのか…最後の「に」の音が伸びきらなくて途中から裏声に切り替えてました😅。なのでちょっと伸ばしてる音が急に小さくなって聞こえてしまったのは少し残念でした。
作曲中の佐野ファントムの一心不乱っぷりは今回も健在でした。あれだけ激しく楽譜に向き合ってたらクリスティーヌが近づいてきたのも分からないっていうの納得、みたいな(笑)。
仮面をはがされた後の怒りっぷりはこの日も相当激しく、素顔を晒したまま「これが見たいのかぁ!!」と狂ったようにクリスを追い詰める鬼気迫ったものでした。ここの佐野ファントムってちょっと野獣入ってるんですよねw。
でも、「地獄へ行け!!呪われろ・・・」と崩れ落ちた後の後姿がものすごく哀しい…。背中が泣いているように見えて仕方ないんですよ。そしてそのままクリスににじり寄りますが…佐野ファントムは「おお…クリスティーヌ」と言う時も彼女の方に顔を向けませんでした😢。これがものすごく切なくて…思わずウルっと来てしまいました😭。彼女だけには知られたくなかったという切なく哀しい想いがあの芝居にひしひしと感じられましたよ…。
仮面を渡された後、思わずクリスティーヌの頬に手を当てようとしますが…その気持ちを振り払うように連れ出す場面も泣けました…。
エンジェル像のシーンはひたすら哀しい佐野ファントム。佐野さんの声って、ファントムの哀愁がストレートに伝わってくるような色をしていると思うんですよね。それに加えて、クリスとラウルの歌声を思い出して耳をふさいだ時のあの泣き出しそうな子供のような目…😭。そう、佐野ファントムは激しさの中に幼さを感じさせる目を時々覗かせるんですよ…。これが本当に泣けます。
「許しはしないぞ!!」の最後の伸びは絶好調で、怒りの色を保ったままかなり長い時間響き渡っていました。
墓場の場面でクリスティーヌを呼ぶときの声色はひたすら甘く優しいです。クリスティーヌが「エンジェルかしら?それともパパの声なの?」と思ってしまうのも納得です。
三重奏の後、佐野ファントムは火の玉をラウルたちに向けて放つのですが…これ、かなり近いところに飛ばしてるんですよねw。たぶん村ファントムよりも命中しそうっていうハラハラ感があると思う💦。なのでなおさら佐野ファントムはラウルに向けて激しい敵意を向けてるなっていうのがひしひしと伝わってきて…この場面はいつも非常にスリリングでした。
「ポイントオブノーリターン」では最初姿をマントで隠していますが、クリスティーヌを前にしてのファントムのドキドキ感は佐野さんが一番伝わってきますね。愛してやまない彼女が目の前で自分に向かって激しい愛を歌っていることに戸惑いつつもやがて陶酔してその手を自分の顔の方へ持っていく。このあたりの激しい感情の揺れ動きもドラマチックです。
クリスティーヌにマントをはがされた後、ファントムは奥の方へ後ずさって彼女に背を向けますが、この時の背中も…佐野ファントムはものすごく切ないんですよ😢。クリスティーヌへの気持ちが限界点に達していて、その想いを何としても彼女に伝えたいという悲壮な覚悟が見えてくる。クリスに指輪をはめる時の佐野ファントムの「オールアイアスクオブユー」リプライズは何度聞いても切なくて涙が出てしまいます…。
そしてクライマックスの隠れ家での場面。ここの佐野ファントムは全て泣けます…!!
ここでの佐野ファントムの感情の揺れ動きは本当に何度見ても切なくて仕方がない。クリスティーヌに責められながらも、感情のコントロールが効かずに無理やり花嫁衣装を着せるシーン。この時たぶんもう自分が何をしてるのか分からなくなっているんじゃないのかなぁと。クリスティーヌの怒りの言葉の一つ一つが刃のように心に突き刺さっていって…「汚れは心の中よ」と告げられた後は表情は興奮状態なのに目がもう動揺から涙目になりかかってて…もう見ていて心が痛くて仕方なかった😭。
ラウルが入ってきた後、最大の憎しみのパワーが放たれるわけですが、クリスティーヌがラウルを守ろうとすればするほど色んな刃で傷つけられているかのように心がボロボロになっていくのが痛いほど伝わる佐野ファントム。この日はベールを脱ぎ捨てたクリスティーヌを見た時の「なぜだ!!!」と言わんばかりの表情がものすごく泣けた😭。
そして最後の「もはや戻れない・・・」の歌詞。あれは、クリスティーヌに言っているのではなく自分自身に向けられた言葉だなと思うんですよね。佐野ファントムは一番それを感じる。だから余計に哀しいんです…。クリスティーヌはそれを感じて、キスをするという行為へと向かったのではないかと思うんですよね…佐野さんの場合だと。
クリスティーヌのキスを受けた後、怒りと嫉妬の激しい感情がジワジワと佐野ファントムから抜けていって、まるで捨てられた子供のような顔で震えながら自分の唇に手を当てます。その熱を確かめるように、初めて感じた温かさに頭が混乱状態になっている。何が何だかよく分からないまま、気が付いたらラウルの縄を切っていたって感じなのがまた、切ないんですよねぇ…。
そして最大の泣けるシーンが、オルゴールからクリスティーヌへの愛の告白です。最後の告白は、一番穏やかで優しい響きの「アイラブユー」でした😭。それが報われないわけですから、もう、本当に哀しかった…!
ラウルとクリスが船で去っていくとき、クリスのベールを抱きしめたまま一度も去っていく二人に視線を向けなかった佐野ファントム。ベールに顔をうずめてクリスティーヌの温もりを確かめ現実を拒絶するかのようで…ホント泣けます😭。
二人の姿が見えなくなった後、初めてそちらの方を向いて「わが愛は終わりぬ」と歌いベールを捨てて姿を消す。
激しく揺れ動いた佐野ファントムだったからこそ、あの静かなラストは余計に哀しいです。そして愛しく思います。こんなファントムに会えて良かったです、ほんと・・・。
その他キャスト別感想
山本さんのクリスティーヌはやはり佐野ファントムと合うなぁと今回再確認しました。彼女のクリスティーヌはいつもずっと不安を抱いていて常におびえた表情をしています。「Think of me」の歌練習の時も最後まで不安な表情を見せていましたしね(苫田さんは途中から自信を持った表情になります)。ラウルの愛を得ても、心に空虚なものを抱えているようで常になんだか悲しそうな顔を見せる。
だから彼女のクリスティーヌは、最後の最後にファントムへキスする流れがすごく納得いくんですよね。キスに行く前、まるで共鳴したかのようにふっと表情が変わる。それ故に、指輪を返しに来た時もずっと泣いてたのかなぁ…なんて。
光田ラウルは今回も懐の大きな愛を感じさせてくれました。ただマスカレードの時に山本クリスを肩リフトしなかったのがちょっと残念だったな。一番最初のときだけだったか。あれは貴重な瞬間だったのかも。あと、三重奏の時はやはり二人の声に消されている感じがあったので…できればあの部分の歌詞が知りたい。
増田アンドレと青木フィルマンのコンビは絶対的な安定感。
吉田カルロッタは相変わらずものすごくプライドが高いんだけど、今回は前回よりもピアンジに甘えるような素振りがあって可愛さも見せてくれました。
可愛いと言えば山口ピアンジも!!カルロッタにベタ惚れ状態なのが本当に癒される。一番可愛いのはファントムの手紙で「もっとやせろ」と指摘されてからの表情なんですけどねw。この場面、以前は支配人ズがクスって笑ってたんですけど、最近はなにも反応しなくなってしまってちょっと寂しい。
佐和さんのマダムジリーは厳格さとちょっとの女性らしさが垣間見える演じ分けが見事。黒柳さんのメグは一番最初に見た時よりもかなり歌唱力が安定してきたように思いました。
後述
4回通った『オペラ座の怪人』広島公演。とても久し振りに観ましたが、やはり音楽・演出共に洗練されていて素晴らしい作品だったという事を再確認しました。
この日のカーテンコールも盛り上がり、スタンディングのあと多くの「ブラボー」の声が飛び交っていました。その中に「ありがとう!!」という声も交じっていて…それが聞こえてきた時ちょっとウルっときましたね。あれは地方公演ならではの声だったと思うので。
やはり、東京中心だけではなく、こういった地方の劇場でも大型作品をできるだけ長く上演するってとても大切なことなんじゃないかなと思います。観劇人口のすそ野を広げるためにも…東京中心だけじゃいけない気がする。それは地方に引っ越してきて一番感じていることでもあります。
広島といえば、原爆が落とされた町が真っ先に浮かびます。なので、帰りのバスまでの間、いつも必ず原爆ドームを訪れて色んなことを感じてきました。
広島の人たちの景色に当たり前のように溶け込んでいる原爆ドーム。でも確実にそこにあるわけで…やはり広島は特別な場所だと思いました。
広島で『オペラ座の怪人』を見ることができて本当によかったです。ありがとうございました。
次は京都です。3月のトークの回に行く予定なので、またその時レポします(場合によっては年末に行くかも?)