ミュージカル『RENT』10.11.22ソワレ

シアタークリエで再演されたミュージカル『RENT』が千秋楽を迎えました。

 

私はその前日の前楽を観劇。外にはキャンセル待ちをしている人がチラホラ…。最初に観に行ったときは少し空席が目立っていましたが、後半はかなり客席も埋まったようで、前楽のトイレの混みっぷりはすごかったです(汗)。

ちなみにこの日の客席には純烈のメンバーでもある小田井涼平さんと友井雄亮くん(ちりとての友春)の姿がありました。近くですれ違ったんですが…背が大きくスタイル抜群でちょっと圧倒されました(笑)。白川君の応援に来ていたようで純烈のブログにも写真が掲載されてますね。

この日は前楽ということでカーテンコールで福士君から「今日千秋楽を迎える4人がいます」という紹介が。

舞台中央にソニンちゃん、田中君、Anis君、Mizさんが並んで会場からは割れんばかりの大拍手!彼らからの挨拶はありませんでしたが、2回目くらいのカーテンコールまで田中君とソニンちゃんはかなり泣いてて…思わずもらい泣きしてしまった(涙)。途中で病気になって抜けてしまっていたAnis君は笑顔でしたよ。本当に復帰できてこの舞台に立つことができてよかったね、と思いました。

結局4回通った『RENT』。やはり何度見ても大好きだし胸が震えるほど感動する作品です。特に今年のRENTは心にズシンとくることが多かった。また同じメンバーで再演して欲しいです。

で、これから追記に前楽の感想を書こうと思います。

 

主なキャスト
マーク:福士誠治、ロジャー:Anis、コリンズ:米倉利紀、ミミ:ソニン、エンジェル:田中ロウマ、ジョアンヌ:Shiho、モーリーン:Miz、ベニー:白川侑二朗安崎求 ほか

 

 

以下、ネタバレ込みのキャスト感想などです。

 

どの楽曲も本当に魅力的だなぁと改めて感じた前楽です。以下、印象深かったシーンからいくつか。

 

♪RENT♪

暗闇の中の留守番電話シーンから一転して激しくロックナンバーが響き渡るんですが…鳥肌立ちました!!福士@マークの「飛んだよっっ!!」っていうシャウトからもうゾクゾクっときましたよ。

復帰したばかりのAnis@ロジャーは今回観るのが初めてだったのですが、彼も力いっぱいの歌声を聞かせてくれました。藤岡君とは違ってシンガーの歌い方ですね。細くて繊細そうなAnis@ロジャーがガンガン福士@マークとケンカするように歌っている姿がとても印象的でした。

このシーン、マークとロジャーの周りの人たちも動きが激しいんですよね。かなり過激なことをしているカップルとかもいて毎回ドキリとしてました。中村桃花ちゃんの激しい動きがかなり目を惹いたな。

その後、暴行にあったコリンズをエンジェルが助けるシーンがあるんですが…ロウマ@エンジェルの「楽しくなるよ」って言う時の誘い方がちょっとアッサリになってた(笑)。以前観た指をコリンズの肩で躍らせてる仕草が可愛くてお気に入りだったんだけどなぁ。

 

♪One Song Glory♪

自分の命が終わってしまう前に何かを遺したいと歌うAnis@ロジャーのたそがれた雰囲気がとても良かった。彼のロジャーは本当に魂が抜けてしまっているようで、そこから抜けようとするんだけど力が出てこないみたいな切なさが漂っていました。

 

♪Light My Candle♪

久しぶりにソニンちゃんのミミを観ましたが…ますます色っぽくなって見応え十分。ロジャーを誘う時の「探し物」シーンなんか女性の私でも見ていてドキリとしましたよ(笑)。歌詞のほうも以前より少し聞き取りやすくなった気がします。対するAnis@ロジャーはそんなミミにあまり過剰反応せず(藤岡くんは動揺しまくりだったけど 笑)サラリと受け流してる感じ。その脱力感とミミの激しさのミスマッチさがなかなか面白かった。

 

♪Today 4 You♪

見れば見るほど可愛いと思えてくるロウマくんのエンジェル!全ての仕草に魅了されてしまう。英語の発音もとてもきれいだし歌も聞いていて心地よい。時折マッチョポーズも見せてくれたりして(笑)面白かったです。

その直後にやってくる白川@ベニーですが、今まで見てきた中で一番偉ぶって見えたかも!あの威圧感、歌声の迫力、どれをとってもすごかった。マークたちが「嫌なやつだ」と思うのに十分なキャラでした。白川君が歌う♪You'll See♪のナンバー好きだったんだよなぁ。

 

♪Tango: Maureen♪

このシーンを観ると、福士@マークがいかにこのミュージカルの中に馴染んできているのかがわかる(笑)。最初に観に行ったときはほとんど小芝居をせずに真面目一直線みたいな雰囲気だったけど回を重ねてみていくごとにアドリブが出てきて…前楽ではかなり大きく動きまくってましたよ。

特に自分の前髪を横分けにしてたのには笑った(笑)。しかもブキッチョで重々しい動きなだけになおさら面白い。マークの不器用さがとてもよく現れています。そんな彼に対してShiho@ジョアンヌもちゃんと受け止めてて苛立ちを見事に表現。最初の頃よりも確実にイライラ感が伝わってきて面白かったです。

 

♪Life Support♪~♪Another Day♪

RENTのなかでも特に好きなシーンがこの一連の流れです。ライフサポートに来ている面々はみんな命の期限におびえている。そんな中に、映像取材としてマークが入ってきてちょっと場違いみたいな雰囲気になるのですが、彼らは受け入れる。

一方でミミはナイトパフォーマンスを激しく踊りながらも部屋へ戻るとふと孤独に駆られてしまう。ソニンちゃんの激しさがハンパなくすごかった!彼女にとっては東京楽だったからかかなり気合の入ったパフォーマンスでした。このナンバーの最中ロウマくんがけっこう真剣にミミの踊り目の前で見てるんですよね。

そしてミミはロジャーを誘いにくるのですが、彼はそれを激しく拒絶してしまう。Anisくんの♪アナザー~♪は盛り上がってくるところの最後の部分での激しさがとても良かったです。閉じこもりの今の自分から一歩前へ踏み出したいと思いながらもミミの誘いに乗ることを必死に拒んでる姿がなんとも切なくて…。このナンバーは本当に私の心の琴線を嫌と言うほど刺激してきます。今回も気がついたらボロ泣きしてました(涙)。

 

♪Will I?♪

 "尊厳なくして、死んでいくのだろうか"というライフサポート参加者達の歌が本当に悲しく重く響きます…。一人ずつ自らの命の期限と向き合って葛藤するなか、映像取材でその場にいたマークは居たたまれなくなってその場を去ってしまう。この時の福士君の表情が泣けるんですよ…(涙)。自分の居場所はここにはないと悟った孤独みたいなのがヒシヒシと伝わってくる…。

 

♪Santa Fe♪~♪I’ll Cover You♪

エンジェルとコリンズのラブラブ度が伝わってくる一連のシーン。♪サンタフェ♪のナンバーもすごく好きなんですよね。米倉@コリンズの低音が特に素晴らしく何度聞いても心地よくなります。このナンバーではマークも含めて三人で楽しそうにしてるんだけど、次のナンバーに移る時にマークは二人のただならぬラブラブな雰囲気に気を遣って去っていきます。この時の福士君の気の遣い方が…前楽ではけっこう可愛くて笑えました。

けど、ちょっと切なくもあるんですよね…マークの居場所のことを考えると…。
ロウマ@エンジェルと米倉@コリンズの♪I'll~♪は二人の溢れる愛が伝わるいいナンバーでした!

 

♪Over the Moon♪

モーリーンの抗議集会パフォーマンスですが、このシーンに入る前の"雪が降ってきた"ってナンバーもけっこう好きなんですよね。色々な町の動きがそこかしこであって…その中でババッとモーリーンが出てきて一気に雰囲気が変わる。
Miz@モーリーンは声の調子がちょっと苦しそうでしたが、パフォーマンス力は最高!以前観た時よりも抑揚がついていたし、ムーンのハットの置き場所もマイクの真ん前に変わってた(笑)。その圧倒的パフォーマンスに魅了されたのか、この日の客席からの「ムゥゥ~」は今までの中で最高にノッてました。

 

♪La Vie Boheme♪

過激な歌詞、そして迫力あるパフォーマンス、すべてが刺激的なシーン。ちなみに私は"ケツレヘム"のところでMiz@モーリーンが美尻を向けたときの白川@ベニーの表情が毎回ツボでした(笑)。このナンバーではさらに福士くんの客席降りがあるのですが、この日は満席のはずなのになぜか2列目あたりの通路席がぽっかり空いてまして…そこを目ざとく見つけた福士@マークが座り込んでノリノリでしばらく腕を振り上げて暴れてました(笑)。

Anis@ロジャーとソニン@ミミが結ばれるシーンもとてもきれいだったな。Anisくんの抱きしめ方が特にグッときました。

 

♪Seasons Of Love♪

やっぱり何度聞いても涙が溢れてくる…。RENTのなかでも名曲中の名曲だと思う。

このあと部屋を追い出されたマークたちが新年までにスパイダーマンごっこ(笑)で戻りパーティーをするシーンがあるのですが、Anisくんの「スパイダーマン!?」ってセリフの響きがすごくきれいだったし、そのあとのリアクションが可愛くて面白かったです。そして何と言ってもロウマくんの扮装がすごい(笑)。それなのになぜか似合って見えるから不思議。

この時はみんなすごく幸せそうなんだけど、ベニーが現れてから一気に雰囲気がおかしくなる。
ベニーとミミの普通ではなさそうな関係に嫉妬したロジャーが「オレの女じゃない」と口走ってしまうのが哀しい…。そしてミミはロジャーに誤解を解いてもらおうとするけれどもクスリから逃れることができないでいる…。このあたりの人間の哀しさが切ないです。

それから時が流れ、それぞれの生活に入っていくのですが・・・マークだけはこれまでと変わらない。「僕はここ。どこにもいない」っていうセリフが本当にグサリと胸を突きます(涙)。去り際の福士君の表情がとても切なかった…。

 

♪Take Me Or Leave Me♪

大好きなナンバーの一つ。いやはや、今回の二人の大喧嘩の迫力もハンパなくすごかったですよ!どのくらいカロリー使うんだろうとか余計なことすら思ったくらい(笑)。でも、このあと二人はすぐに仲直りするんですけどね。
逆に、このやり取りを最上階から無表情で見つめている福士マークがなんだかとても切ない…。

 

♪Without You♪

もうボロボロになりながら、今にも崩壊しそうなソニン@ミミの歌が見ていていて苦しくて仕方なかった(涙)。求めても求めても届かないみたいな切なさが哀しいです…。必死にクスリから脱却しようとしてもできない彼女の弱ささえもなんだか愛しく思えてきました。そしてロジャー…Anisくんは本当に世捨て人みたいな表情で歌ってた。すごく空虚な感じ…。ガックリうなだれている姿がとても切なかった。

 

♪Contact♪~♪I’ll Cover You (Reprise)♪

エンジェルの死の直前のシーンが、なんとも生々しく人間の底辺を描き出しているようで観ていてなんだかグサッとくるんですよね。Anis@ロジャーの動きが無表情ながらもやたらセクシーでドキリとしました。そんななか、最後に絶唱する田中@エンジェル…ここから私涙がボワッと出てしまうんです(涙)。死の直前に強烈な生の最後の輝きを見せたエンジェルが神々しく見える。
そしてエンジェルの葬式へ…。米倉@コリンズの彼を思いやる気持ちに涙涙…。それとモーリーンの「本当にラッキーだったのは私達だったよ!」っていうセリフが泣けて仕方ない(涙)。

 

♪Halloween♪~♪Good Bye Love♪

マークの本当の心の内が語られるシーンは涙なしには聴けません…。特に「どうして僕は傍観者なのか、フィルムの中に僕はいない」というフレーズが哀し過ぎる(涙)。福士君の芝居からはマークの孤独がものすごく浮き彫りにされて感じられるんですよね…。彼には仲間がたくさんいるけどふと気がつくと一人になっている、そう気づいた時の孤独…その気持ち、私には痛いほどよく分かる。こんなにマークに感情移入したことこれまでなかった。

それからそれぞれの気持ちをぶつけ合い仲間たちは争い別れていく。マークはそれを必死に繋ぎとめようとしてるんだけど、彼も孤独の中でもがいているだけに胸が痛む。ロジャーにはミミのそばにいるべきだと説得しますが、ロジャーも激しく反論する。「今度はお前から逃げるのか!」と言うマークに「お前こそ仲間が欲しいくせに!」と返すロジャー…二人のセリフが痛くて痛くて涙無しには聞けなかった…。そしてロジャーが自分の死を見つめるのが怖いんだと知ったミミの歌う「グッバイラブ、ハローエイズ」という最後のフレーズ…切な過ぎる(涙)。

 

♪What You Own♪

迷い苦しんでいた二人が、自分の閉じ込めていた気持ちを表に吐き出したことで何か一つ抜け出すきっかけになるナンバーです。マークは自分自身の撮りたいものを撮ると再び立ち上がり、ロジャーも旅から戻りNYで曲を作ることを決意する。福士君とAnis君の感情溢れる歌いっぷりに感動しました。

 

♪Finale B♪

再び友情が元通りになりいい感じできたところに瀕死のミミが運ばれてくる…。ミミに必死に自分の作った歌を聞かせるAnis@ロジャーの姿に涙涙…。事切れてしまったかのようなミミに肩を震わせて泣き伏している姿がとても印象的だった…。

そして、ミミの復活。「エンジェルが言ったの、戻りなさい、そしてあの男の子の声を聞くのよって」と言う言葉にもう号泣(涙)。そこからマークが歌いだす…。それに重なるように、みんなが「ここが終わりじゃない」と続いてていく。このシーンを観ていると胸の内側から熱くこみ上げてくるものが溢れ出てたまらないんですよ(涙)。マークの撮りためた映像も、戻ってくるエンジェルも、涙無しには見れない。

"No day but Today"この言葉が重く熱く、私の心の中に響きました。

ほんっとにいい舞台だった!

特にこの舞台で成長したと思ったのがマークを演じた福士くんです。彼の芝居は「純情きらり」の達彦君を見たときからすごく好きだったのですが、今回は初ミュージカル大丈夫かなとちょっと心配していたんです。最初に見たときは「悪くない歌だな」という印象でしたが、前楽の時には「上手くなったなぁ」と感心してしまった!芝居もみるごとに熱くなっていったし、何よりも私がこれまでの中で一番感情移入できるマークを演じてくれた。彼の次の舞台も観てみたいなと思いました。

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