約2年ぶりに再演されたミュージカル『ロミオ&ジュリエット』を観に行ってきました。
前回は赤坂ACTで上演されましたが、今回は新しくできたシアター・オーブでの上演です。この劇場に来るのは2度目なのですが、最上階に劇場があるので窓からの眺めがなかなか素敵です。渋谷の街が一望できます。ソワレに来たことがないのでわかりませんが、夜はかなり夜景がきれいなのではないでしょうか。
物販の種類もけっこう豊富。パンフレットは稽古場写真と舞台写真の2バージョンが発売。そのほかは一緒の内容ということだったのですが・・・東宝のときも思うけど、写真の部分だけ小冊子にして後から売るってことできないんでしょうかねぇ。最初は稽古場オンリーで後半に入ると舞台写真に切り替わることが多いんですが…2冊買うにはけっこうキツイ(苦笑)。
ということで、私は舞台写真入りのほうをお買い上げ。ヴィジュアルブックもかなり迷ったんですが…節約という文字が頭に浮かび断念(汗)。その代りクリアファイル買っちゃいましたがww。
前回オーブに来たときは2階席後方席で、けっこう遠いなぁ…という印象だったのですが、今回はフンパツして1階席。だいたい中央列あたりだったのですが…そこからはかなり近くに感じられました。オペラグラスがなくても少し前に役者さんが来てくれれば余裕で表情が見えた。やっぱりこの劇場の見やすい席って1階席なんだろうなぁと実感いたしました(苦笑)。
ただですねぇ…お高いんですよ、チケット代金が(汗)。
それもあって私も今回は1回きりのロミジュリなんですけど…。もう少し、落ちませんかねぇって言いたくなってしまう。帝劇のS席並みですからね。それが響いているのかどうだかは不明ですが、1階席後方部分にかなりの空席があったのが残念!まぁ、色んなキャストの組み合わせあるので日によってはどうなのか分かりませんが・・・それにしても、もう少し埋まってほしいなぁなんて思ってしまいます。
特典つきのリピーターチケットなるものも発売されてましたが、ここで少しでも席が埋まりますように。私も引っ越しさえなければもしかしたらリピーターチケット買ってたかもだったよなぁ、なんて(舞台写真付きだったしw)。
主なキャスト
ロミオ:古川雄大、ジュリエット:フランク莉奈、ベンヴォーリオ:尾上松也、ティボルト:城田優、マーキューシオ:水田航生、パリス:岡田亮輔、キャピュレット卿:石川禅、ロレンス神父:安崎求、モンタギュー夫人:鈴木結加里、モンタギュー卿:ひのあらた、ヴェローナ大公:中山昇、乳母:未来優希、キャピュレット夫人:涼風真世、死のダンサー:中島周、ほか
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
今回のロミジュリは主要キャストが前回以上にダブルになっていたので、とにかく組み合わせに迷いましたね。
実は9月は観劇予定をかなり詰めて入れてしまったのでロミジュリは諦めようかと思っていたんです。
でも、テレビでPR番組を見たら初演の感動が蘇ってきて…それに、見たいキャストもいたのでねじ込んでしまったんですよねw。未見のキャストは皆見てみたかったんですけど、行けるなら1度きりが限界だと思っていたのでかなり悩みました。
その中で残った、どうしても見てみたいキャストというのが・・・尾上松也くんのベンヴォーリオと城田優くんのティボルトでした。この二人は何とか入れたい、ということで決まったのが当公演。
ロミオは本当はカッキーこと柿澤くんを狙っていたのですが、どうしても日程が合わず断念。RENTでコリンズ演じてた加藤くんのパリスも見てみたかったけど・・・こちらも諦めキャストになってしまい残念でした。
全体的な演出は基本的には変わっていませんでしたが、上手下手に延びた舞台の部分に鉄骨の組み立てがあったので前回公演よりもかなり広く舞台を使っているなという印象でしたね。
なのであまり前方過ぎるとかえってそういった点では見づらいかも?私の位置からはちょうどいい按配で全体像が見えたので良かったです。
このミュージカル、本当に音楽がとても良い!2年前の感動を思い出しました。
激しいロック調の音楽が出てきたかと思えば、聖歌のような厳かなナンバーまである。非常にバラエティに富んでいて聞いていて飽きることがありません。特に結婚式のときととクライマックスに歌われる「エメ」は名曲中の名曲だと思います。
それから、だいたいの主要登場人物にソロナンバーがあるのもいいですね。ちゃんと皆見せ場があるんです。
こんなに音楽好きだと言いつつ、実はまだCDを買っていない(汗)。今回の公演を見てほしい気持ちが倍増してしまった。
ストーリーはロミオとジュリエットが敵対関係の枠を超えて結ばれる悲劇を描いていますが、2幕でマキューシオとティボルトが争いの中で命を落とした後からの展開がとにかく切なくて泣けます。
特にクライマックス、ロミオとジュリエットが死を選ぶシーンから対立した両家が和解するまでは・・・なんかものすごく切なくて、たぶん、前回公演の時以上に泣いてしまった(涙)。
あと、中島周さんによる「死」のダンスがものすごく妖しくて思わず目を奪われましたね。
前回も中島さんで観てるはずなのに、今回はあの時以上に魅了された。なんていうか…死神とかそういうのを越えて、本当に「死」そのものなんです。見ていてゾクっとする恐ろしさがあった。あれは本当にすごいと思ったなぁ。古川ロミオとの動きもすごく息が合ってて本当に死にとり憑かれてる感がすごかった。
印象に残ったキャストについて少々。
ロミオ@古川雄大くん
実は彼は最初見たいキャストに入れてませんでした。
でもいろいろ優先させていたら古川君がロミオの日に当たってたという。彼が見たくなかったからではないんです。
予想外に好きなタイプのロミオだったw!!じぇじぇじぇ(笑)。まだ主役を張るには存在感がちょっと足りないかなぁとか思うところは正直あったんですけど、不思議なことに、見れば見るほど古川ロミオに魅了されていく自分がいてビックリしましたw。
前回公演でジュリエットでデビューした時、どちらかというと同じくデビューしたばかりの昆夏美ちゃんのほうが上手いなと思っていました。
それが、今回見てビックリ!2年前のあの初々しい不安定な部分が無くなってた!堂々とジュリエットとしてそこに存在してる莉奈ちゃんの姿になんだか感動すら覚えました。歌も格段に上手くなっててさらに驚き。いやぁ、若いって素晴らしいですねぇ。ロミオに懸命に愛を捧げようとする姿が健気で可愛くてとても良かったです。
今回の観たい人の一人だった松也くん。歌舞伎の舞台では何度か見ていますが、ミュージカルは今回が初めて。主に歌舞伎の舞台に立っている彼がいったいミュージカルという違う畑でどんな歌と芝居を魅せてくれるのか非常に興味がありました。
そのきっかけになったのが去年大阪で見た歌舞伎の五右衛門での神父だったな。あの時一人だけ歌舞伎っぽくない雰囲気の役だったので。しかしまさか、松也くんがこの時期に時の人になるとは思わなかったわ(笑)。
で、実際にベンヴォーリオの松也くんを見て…ビックリ!!見事にミュージカル色に染まってた!歌舞伎役者だって言われなければ分からないレベルだったかも。しかも…歌が抜群に上手くてビックリ!!!じぇじぇじぇじぇじぇ!!!衝撃でした、ホント。
そして芝居がとても良いです!!若々しさが前面に出ていながらも、どこか冷静な目を持っていて争う両家の姿に胸を痛め後半は必死に止めにかかろうとしてる。そんなベンヴォーリオの誠実な部分とか松也くんの雰囲気にすごく合ってたな。だから、クライマックスで和解するときに相手を抱きしめる姿がものすごく泣けた。
松也くん、今後、歌舞伎の舞台が空いたときにはミュージカルの舞台に呼ばれることあるかもね。その時はまたぜひ見に行ってみたい。
ティボルト@城田優くん
今回ロミオと二役に挑戦してる城田君。初演でロミオの城田君を見ていたし、ここ最近では「いい人」キャラが多かったのでちょっと荒れたキャラを見たかったということで今回はティボルトでの城田君を選択。
いやぁ、なんか、久しぶりに荒れ狂う城田優を見た(笑)。
冒頭での両家のケンカシーンからしてゾクっとくるような恐ろしさがあったけど、2幕で嫉妬に狂い荒れる芝居は迫力満点です。とにかくものすごく怖かった!怒鳴り散らしたりしてる姿見るとなんか、ルーキーズを思い出してしまうw。
荒れてるだけじゃなくて、ジュリエットへの恋心に悩み苦しんでいる姿も非常に繊細で思わず感情移入してしまう。城田ティボルトってキレるとものすごく怖いんだけど、実はものすごく繊細な心の持ち主で自分の置かれている立場に苦しんでて・・・心にいつも影を落としてるんですよね。そこがものすごく切ない。こういう芝居も上手いなぁと思いました。
久々に激しい城田君を見れてなんかほんと、すごい新鮮でよかったです。
初めて舞台で見る役者さんですが、目がすごく印象的ですね。狂犬のような鋭さと世の中踏み外してしまったような危なっかしさが同居してる感じ。一度踏み外したら歯止めが効かなくなるような危うさがあって…でもどこか放っておけないような雰囲気も残してる。