前日に『ミスサイゴン』をマチソワで観劇していたこともあり、翌日のこの日は素直に帰還するはずだったのですが…、急に『CATS』が観たくなりチケット捜索してしまいました(汗)。ちょうど大阪でやってますし、昨年始まったばかりの頃に1回観たきりということもあって、いい機会でもあるなぁと(言い訳ですが 笑)。
ところが大阪CATSも人気が高いようで公式サイトの前日予約分はすでに満席となっていました。これは諦めるしかないなぁと思っていたところ、友の会経由で譲ってくださる方が急に現れまして!!いやぁ…我ながらビックリしました、この幸運に。譲っていただけたのが開演1時間半前くらいでしたからねぇ。
かくして、予定はしていなかったものの急きょ劇団四季の『CATS』を観に行ける運びとなりました。座席も前方のほぼど真ん中という好位置でまたビックリ!譲っていただいた方には本当に感謝でございます。
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
2017.01.14マチネ公演 in 大阪四季劇場(大阪)
主なキャスト
- グリザベラ:早水小夜子
- ジェリーロラム=グリドルボーン:時枝里好
- ジェニエニドッツ:安宅小百合
- ランペルティーザ:三平果歩
- ボンバルリーナ:金友美
- シラバブ:黒柳安奈
- オールドデュトロノミー:飯田洋輔
- アスパラガス=グロールタイガー/
バストファージョーンズ:正木棟馬 - マンカストラップ:加藤迪
- ラム・タム・タガー:上川一哉
- ミストフェリーズ:松出直也
- マンゴジェリー:斎藤洋一郎
- スキンブルシャンクス:小林唯
全体感想
キャッツが大阪に移ってからは2度目、昨年7月以来の観劇になります。横浜や品川など関東近郊で上演されていた時はたまに観に行っていましたが(当時は関東圏内に住んでいたので)地方に移ってからはあまり行かなくなってしまいました。大阪には1年半前まで住んでいたので、もしもまだそのままだったら、好きな役者さんが配役されていることもあるのでもう少し通っていたかもしれません。
基本的にこの作品にはストーリーがないんですよね。ざっくりいうと猫の自己紹介が歌とダンスで綴られていくといったミュージカル。あえてストーリーというならば、大勢集まった猫たち…つまり”ジェリクルキャッツ”のなかから特別なネコを選ぶ物語といった感じでしょうか(←ざっくりしすぎですが 笑)。個人的には物語性のある作品が好きなので、実をいうと『CATS』はすすんで観に行きたいというミュージカルではありません。
まぁ、この『CATS』もじっくり見れば深いテーマが隠れているわけですが、そこを突き詰めて観るよりかは個性的なネコたちを純粋に楽しむのがいいような気がします。
が、この作品の中に出てくるアンドリュー・ロイド・ウェバーの音楽は最高に素晴らしいです!!冒頭のオーバーチュアから聴いていてゾクゾクしますよ。明るくポップな音楽が多くて、これが本当に私好みなのです。有名どころだと、2幕後半で歌われる「メモリー」でしょうか。おそらく誰もが一度は聴いたことがある旋律ではないかと思います。この曲ももちろん素晴らしいんですけど、個人的には「おばさん猫」や「鉄道猫」や「マジック猫」のようなライトで思わず手拍子したくなるような明るいナンバーが好きかな。
でも一番感動的なのはやはり2幕ラストで天上へ昇る猫が決まったあたりからのナンバーかなぁ。ほぼ全員の猫でクライマックスからラストまでクラシカルに歌い上げていく荘厳なナンバーが続くのですが、私は毎回そこで号泣します。この日も涙が止まりませんでした(泣)。選ばれしジェリクルキャッツが決まっただけの展開なのに、なんでこんなに泣けるんだ!?みたいな。これはもう、ロイドウェバーの魔法としか思えませんね。
もう一つの見どころがダンスです。全編出演ネコの8割以上がずっとダンスしてる感じ。あれ相当体力使うと思います。ジェリクル舞踏会での猫たちのダンスは圧巻。四季ならではのダンスの統制がしっかりとれていて迫力もあるし美しいです。改めて感動させられました!
大阪四季劇場は客席との距離も近いのでとても見やすかったです。握手できる通路席ではありませんでしたが、真ん中だったのでほぼ全部の猫を見渡せてとても充実した観劇となりました(前回は端っこ席で一部見切れまくってたのでw)。
2階席にもカーテンコールでは猫たちが向かって行ってたし、ところどころのシーンでは2階の方がオイシイのかもという演出もあったりします。あとは客席の壁にあるゴミの数々も大阪ならではのものもあったりして面白いです。この日はキャスト目当てで行ったこともあってwあまりチェックできなかったので次回行く機会があればじっくり見てみたいと思います。
主なキャスト別感想
早水小夜子さん(グリザベラ)
早水さんのグリザベラは横浜公演で観て以来だったので本当にお久しぶりでした。グリザベラの枯れてしまった哀しさや包み込むような深い歌声は相変わらず素晴らしかったです。
改めて思ったけど、本当に早見グリザってラストにいくまでの間がすごく哀しい…。みんなのダンスに入ろうとしても弾かれてしまって、その時のなんとも言えない孤独で寂しそうな表情がとにかく泣けました。ハマリ役だなぁって思いましたね。
安宅小百合さん(ジェニエニドッツ)
昨年夏以来2度目の安宅さんのジェニエニドッツでしたが、あのスコーーンとした明るさが可愛くて好印象。ぐーたらなおばさん猫の時の仕草も可愛いし、コロッと元気になってタップを踏む姿も見ていて元気が出るくらい明るいです。
金友美さん(ボンバルリーナ)
『CATS』の中でも結構好きなナンバーでもある「マキャヴィティ」を歌うのですが、金さんのボンバルリーナはとても美人さんでカッコよく、目を惹きました。
正木棟馬さん(アスパラガス=グロールタイガー/バストファージョーンズ)
ガスとグロタイもすごく良かったんですが、個人的に印象に残ったのがバストファージョーンズさんでしたね。もう登場した時の「いらっしゃ~い」の笑顔が穏やかで可愛いのなんの!!めっちゃ萌えました(笑)。
加藤迪さん(マンカストラップ)
7月以来の加藤くんのマンカスでしたが、あの頃よりもリーダーの貫録が出ていて思わず「わぁ、カッコいい」と心の中で呟いておりました(笑)。すごく安定感が出ていたし、それぞれの猫に対しても気配りできてた気がします。歌も安定していたし、今後もこの調子で頑張ってほしいなと思いました。
上川一哉さん(ラムタムタガー)
上川くんはマンゴジェリーでは観たことがありましたが、まさかタガー役で出る日が来るとはねぇ!この大阪公演がデビューになるそうで、私が観に行った日は登場して間もない頃だったようです。
もう猫メイクがすごく「猫っぽい」ww。あぁ、こんな顔の猫いるよ~ってくらい似合ってました(笑)。あと、めっちゃテンション高いしヤンチャ度が高そうです。セクシーなタガーというよりかは、ガキっぽい気まぐれ猫ってイメージかな。そんな危うさに他の女性ネコは惹かれちゃうんだろうなって納得でしたw。でも、客席からお客さんを舞台に連れ出すシーンでは戻った時にすごい色っぽい仕草で頭を抱いてあげてたりする一面があってそこはビックリしましたww。あれ、上川くんファンだったら卒倒しちゃいそうだよ(笑)。
カーテンコールでの盛り上げっぷりもノリノリでとにかく面白かったです。今後の進化も楽しみですね。
松出直也さん(ミストフェリーズ)
松出くんがついにミスト役に!!『美女と野獣』に通っているときアンサンブルで綺麗なダンスをしていたのがとても印象的でチェックしていた役者さんだったので、こうしてキャッツのメインキャストに配役されていたのが嬉しかったです。
ミストの可愛さはすごく感じられてよかったんだけど、存在感としてはあと一歩かな。マジック猫として活躍するシーンも多いので頑張ってほしいです。でもピルエットなどダンスの部分は繊細でとてもいい動きをしていてよかったです。
飯田洋輔くん(オールドデュトロノミー)
何を隠そう、私がキャッツに行く一番の動機になっているのが洋輔くんです。もう6年半くらい応援してて、彼が配役される作品は必ずと言っていいほど観に行ってます。これまではガス=グロタイ役をずっと演じてきていましたが、大阪公演でついに長老猫のオールドデュトロノミーとしてデビューしました!!嬉しかった…!!!関西にまだ住んでいたら前日予約でも何でもして何回か観に行けたのになぁって今でも思います。
7月に観に行ったときは初めて見る洋輔くんのデュト様ということでただただ感激したまま終わってしまった気がするのですが(笑)、今回は少し冷静に観ることができました(たぶんw)。なんていうか、以前見た時よりも長老としての貫録…というかどっしりとした落ち着きみたいなものが感じられて、あぁ、役として進化してるなって思いました。
デュト様って改めて観察してみると、他の猫が歌っている間もあまり表情を表に出さないでじーっと見守ってる感じなんですね。たまに子猫たちの相手をしてる時(シッポで遊ばれたりしてたw)に優しくにっこりほほ笑んだりしていたのですが、ほぼ表情が変わってなかった気がします。あぁ、デュトって本当に色んな意味で難しい役なんだなって思いました。動いてないでオーラを出しながら後ろに存在し続けるってすごく大変だと思うんですよね。そんな何役に挑んでいる洋輔くんを観て、やっぱり胸が熱くなってしまいました。
深くて包み込むような優しい歌声はデュト様にぴったりです。聴いているとこちらも天上へ導かれるような感覚になっちゃいましたよ。「猫からのご挨拶」のナンバーはもう圧巻で…涙が後からあとから溢れてしまって…もう大号泣しました(涙)。素晴らしかったです!!
私が観劇した翌週からまたなぜか役がデュト様からガスに移ってしまったようで。大阪では何役もこなさなきゃいけなくて洋輔くん大変そうですね。身体に気をつけて頑張ってほしいです。
後述
個人的に何度も通うほど好きな作品というわけではないのですが、改めて今回奇跡的にキャッツ観劇ができまして…やっぱりよくできたミュージカルだなと思いました。私はいまだにすべての猫の区別がつかないのですが(笑)、それぞれの猫にファンがつくというのも分からなくもないかなと。それに、見ていてすごく楽しいですから。やっぱり『CATS』は偉大だなぁと思いました。
洋輔くんがいるうちにまた機会があれば大阪公演観に行きたいと思います。
劇団四季ミュージカル『CATS‐キャッツ‐』感想一覧