劇団四季ミュージカル『美女と野獣』2010.11.05マチネ

8月以来の劇団四季ミュージカル『美女と野獣』を観に行ってきました。

今回は主要キャストが変わっていた時点で確保したはずのチケットだったのですが…土壇場になってまた前回とほとんど同じキャストに戻ってしまって(苦笑)。別キャストを観たかっただけにちょっとテンションが落ちかけておりました。

が、座席がありえないくらいにすごい好位置で!劇場入ってからそのことに気がついてビックリしてしまった(笑)。赤坂初演の時に最下手の最前列っていうのはありましたが(その時は石丸王子を遠くから眺める形だった 汗)、今回はそれを越えたな。火薬の匂いが直に伝わってきたりドライアイスの直撃を受けるなど…それはそれは臨場感溢れる観劇でございました。

客席のほうはちょっと落ち着いてきた感じかな。この日はやたら学生団体さんが多く舞台が始まって間もない頃までずっとザワザワしてました(苦笑)。子供さん連れも前回観た時よりは少ない感じ。
ただ、ビーストが怒って大声を出したりするシーンでは"びぃぃ~~"と騒ぎ出すお子さんも…。まぁ、怖いだろうね。この演目は特に子供連れが多く来るのである程度は覚悟してましたけど、かなり長い時間泣きわめいてた気がする。もう少し早く親子観劇室へ避難させるとかの対応を取ってほしいです。

劇団四季ミュージカル『美女と野獣』感想一覧

主な出演者

ビースト:福井晶一、ベル:坂本里咲、モリース:松下武史、ガストン:田島亨祐、ルミエール:百々義則、ルフウ:赤間清人、コッグスワース:吉谷昭雄、ミセス・ポット:遠藤珠生、タンス夫人:大和貴恵、バベット:長寿真世、ムシュー・ダルク:川原信弘、チップ:牧野友紀

結局前回と変わったのって…ルフウとチップだけだったわ…(苦笑)。

以下、ネタバレを含んだキャスト中心の感想になります。

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約3ヶ月ぶりに観ましたが、ずいぶんとよくまとまったいい舞台だったと思います。みんな動きが自然になっていたし慣れてきた感じ。かなり至近距離からの観劇だったので役者さんの息づかいなども直に伝わってきたりしてとても面白かった。

ガストンたちの酒場シーン、すごかったですねぇ。あのカップのダンスはかなりドキドキしました。ちょこっと当て損なってる人もいましたけど(笑)それでも上手い具合にリズム刻んでるんだなぁと感心。以前NHKで特集されていたのを見ましたが、本当に大変だと思う。ナンバーが終わった後に何人かの役者さんの額から汗がスーッと流れ落ちていたのがとても印象的でした。

それから何と言っても♪ビーアワゲスト♪の華やかさが素晴らしい!なんか自分もあの舞台の中に紛れ込んだかのような錯覚も起こってしまいました(笑)。特にラインダンスの迫力がすごかったなぁ。ラストのシャンパン花火もすごい迫力で終わった後の火薬の香りもすごかった(笑)。
ちなみにこのナンバー、ここ最近は55ステップスで観ているのでなんだかちょっと新鮮に聞こえてしまった。こちらが本家本元ですからね。でもたまーにシルクハットかぶってる人が何人か幻で浮かんできたりして(←特にアタフタ頑張ってるあの人とか 笑)。

ちなみにドアマットのアンサンブルさんを観ると・・・なんか坂元健児さんを思い出してしまう私。今演じているアンサンブルさんもサカケンさんのように大きく羽ばたいていく日が来るのかなぁとか…ちょっと想いを馳せてしまいます。

物語のクライマックス、野獣から王子へと変わるからくりですが…今回はちゃんと上手い具合にバレ内容になってました(笑)。近くで見るとガストンと対決してるビーストとそれまでのビーストの体系の違いとかが分かってしまうっていうのはあるんですけどね(←これは仕方がない 汗)。

以下、印象的なキャストの感想。

ビースト@福井晶一さん

いやはや、福井さんの実直さが伺えるかのような真っ直ぐストレートなビーストでございました。前回観た時はまだ役としてどのようなプランにしていくのか迷いが見え隠れするところがあったんですけど、今回見た限りでは福井さんのビーストに迷いの部分はみられませんでしたね。

ビーストでいる時も王子であった時の自分というものもちゃんと持ってるんですよ。だからビーストから王子に代わったときにも違和感が全くありませんでした。ちょっとコミカルになる食事に誘うシーンとかも笑いを狙うみたいな芝居はせずに、その場の素直な感情を出している感じ。なので、どちらかというとちょっと地味なビーストに見えなくもないかもしれません。

その代わり、ベルに対するビーストの心の動きを表す芝居は実に繊細で魅力的です。父親と無理やり引き離してしまった時にベルに責められた時の戸惑った表情や仕草、西の塔に入ってしまったベルを思わず怒鳴りつけてしまった後に立ち去ろうとするベルを引きとめようとした時の後悔に苛まれた表情は実にグッとくるものがあります。想いを伝えたくてもその感情が素直に出てこないもどかしさに苦しんでいる福井ビーストの姿はものすごく切ないのです。

それを受けてのあの2幕での狼との決闘。彼がなぜそんな行動に出たかというのがものすごく腑に落ちる。そして心を開いてくれたベルに対してどんどん素直な感情を出していく福井ビーストは実に可愛い。なんていうか、ものすごく人間的です。心の動きが自然なんですよね。なのでビーストから王子になったあとも違和感がなく観れる。オーソドックスではありますがとても真摯な役作りをされてるなぁと思いました。カーテンコールでの目を細めた笑顔がとても素敵な福井さんなのでした。

ベル@坂本里咲さん

もうこの方の中にベルが十分に染み渡っているなぁと実感いたしました。芝居のリズム、セリフの抑揚など…まるでベル役のお手本を見せられているかのような感じ。でも、貫禄がホントにありすぎて…時折ビーストのお母さんみたいに見えてしまうのがちょっとねぇ…(苦笑)。初々しさみたいな部分がないのでビーストが居なくても一人で生きていけそうな気さえしてきてしまう。

それと、かなり近くから観たので…さすがに年齢が顔に出てるのが見えてしまって…(汗)。美人なんですけどねぇ。もうそろそろベル卒業の時がきてるんじゃないかなとか…。どこが悪いとかそういうのはないんですけど。ビーアワゲストなどでのダンスの動きはとてもしなやかでみごたえあるし好きなのですが…周囲とのバランスがちょっと偏ってるかなぁとも…。

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ガストン@田島亨祐さん

とってもよかったです、田島さんのガストン!前回よりも役が自分の中に入ってきた感じでとても魅力的なガストンでした。動きや台詞回しもとても自然だったし、失恋したことが怒りに向かいどんどん暗黒へと堕ちていってしまうガストンの負の部分も分かりやすく演じられていました。歌にも表情が出ていて面白かったです。

ルミエール@百々義則さん

なんとも不思議な魅力がありますねぇ(笑)。動きも喋り方も独特で妙な色気もある百々さんのルミエール。特にバベットとのシーンはかなり色っぽいです(笑)。だけどねぇ、やっぱり気になるよ、バリバリの四季発声が。そこまでカクカクに言わなくてもいいのに…とか思ってしまう。まぁ、私が今熱烈応援してるあの人もそうなんだけど(爆)…彼よりももしかしたらすごい開口かもしれない!?

ルフウ@赤間清人さん

お初のルフウでしたが、なかなか良かったです。ガストンに殴られて転ぶ時のタイミングもすごく合っていたし、動きも意外と軽やか。ベルにモリースの居場所を尋ねられた時の考え顔がなんだか次長課長の河本さんんの寄り目みたいになってて面白かった(笑)。ただちょっと声量が足りないかも…というのが気になったかな。

モリース@松下武史さん

つい先日大阪のウィキッドでオズ陛下を見てきたのに、またここでもリースな松下さんとお会いできるとは。ご縁があるのかも(笑)。モリースな松下さんはとっても温かい娘思いのお父さんで見ていて心がホッこりしますね。あの包み込むような優しさが好きです。

コグスワースの吉谷昭雄さんやポット夫人の遠藤珠生さん、そのほかのキャストの皆さんも存在感があってとてもよかったです。

次回はクリスマス観劇の予定です。その時はキャスト変わっているかな?そろそろ新しいベルが見てみたいかも…

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