ミュージカル『蜘蛛女のキス』大阪公演 2021.12.18ソワレ・19マチネ 大千穐楽

全体・キャスト感想 2幕

M17. 間奏曲

2幕が始まる前に1幕のナンバーの音楽がいくつか流れるんですけど、「Dear One」の旋律が流れてくるだけでもう涙腺がヤバくなりました(汗)。その直後に緊迫感ある音が鳴って物語再開。
囚人たちの叫びの後に蜘蛛女が不吉な歌を歌う。1幕の流れと同じなんだけど、2幕はそれよりもさらに不安を感じさせる雰囲気になっているのが印象深いです。

ライトが当たると舞台中央でシート広げてそのうえでモリーナとバレンティンが仲良く”差し入れられた”食事を食べている。でもモリーナは一瞬だけ意識が蜘蛛女の方に向いたような表情になってしまうんですよね。バレンティンに話しかけられてすぐに戻るんですが、のっけからモリーナの運命が見えているようで気持ちがソワソワしました。

モリーナが新しい飾りつけをバレンティンに披露する場面。前楽までは見事な唇ドラムロールを披露していた石丸モリーナでしたが、千穐楽では「ズンズンズン」みたいなリズム音を出しててテンションが上がりすぎたからか海岸が描かれてる生地がちょっとめくれてしまったほどだった(笑)。それくらいノリノリの石丸さん、なんかこんな姿も初めて見るなぁと思ってちょっと嬉しかったです。

チキンに感激したバレンティンが満足そうにした時、思わず「げっぷ」を出してしまう場面。相葉くんのはすごく可愛らしいやつだったけどw、村井くんはけっこうリアリティのあるやつやってましたねw。「あんたが怒るかなと思って」という言い方もいたずらっ子みたいでめっちゃ可愛い!
石丸モリーナもそんな村井バレンティンをイジりたくなったからか、楽では「もう一度やって」と無茶ぶりリクエスト(笑)。すると、見事にもう一度同じようなの出してて石丸モリーナ大喜びww。いやぁ、村井くん、お見事でした(笑)。

ちなみに「げっぷ」シーンは初演再演の宮川さんがめちゃめちゃリアルで上手かったのが思い出深いw。村井くんも相葉くんも回数重ねたらあのレベルに到達できるかも!?なんてちょっと思いながら懐かしく見てしまいました(笑)。

「あんたの映画みたいな気分」と気持ちよさそうにするバレンティンを「ハマったんだ」とからかうモリーナ。それに反論する村井バレンティンの子供っぽい表情がこれまためちゃめちゃ可愛らしくてツボでしたww。硬派な一面の中にあんなお茶目な表情見せられたらホント愛しくなっちゃうよね。
結局モリーナの「ハマったんだ」攻撃に負けて認めることになるんだけど、そこもちょこっと強がってる感じが出てるのが村井くん、たまらなく可愛い。

ちなみに、映画にハマったバレンティンが嬉しすぎてモリーナが思わずコップを叩いて喜んじゃうシーンがあったんですが、楽では石丸モリーナは嬉しすぎたからか大笑いするだけにとどまってました(笑)。コップ叩くのも忘れるくらいだったのかも!?

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M18. グッド・タイムズ

モリーナが「サンクトペテルブルクの炎」と語り始めると村井バレンティンは心からワクワクしたかのように「ありがとうっ!!」って告げてたな。すごく無邪気だった。

このシーンではモリーナたちの後ろでオーロラ演じるタチアーナの場面が展開されていくんですけど、彼女を見守って熱狂してる観衆のなかに、所長を演じている鶴見辰吾さんが彼女の婚約者役として存在しているのがとても印象深いです。
ちなみに、看守エステバンを演じてた櫻井章喜さんは熱狂する聴衆を押さえる警備員(そんな彼もタチアーナにメロメロになってたけどw)、看守マルコスを演じてた間宮啓行さんは階段の上に佇んでて…あれは皇帝役だったのかな。

ちなみに、タチアーナが「皆、スマイル」と歌って手を左右に振る仕草を要求した時の、鶴見さん演じるオストロフスキーのちょっと控えめな振り方がめちゃめちゃ可愛くて毎回ツボでしたww。

楽屋に戻ったタチアーナに秘密の伝言を手渡すのは映画の世界に没頭していたモリーナが担当。それを読んだタチアーナは血相を変えて違う出口から愛する人を助けるために飛び出していく。彼女はオストロフスキーを毛嫌いしているんですが、彼は嫉妬心からタチアーナの恋人を殺そうと目論んでいた。
この一連の場面の時のタチアーナを演じてる安蘭さんがとても大きな芝居をしているので、深刻な場面なのにどこか滑稽で面白い。あれは、モリーナが語っているというのが大前提にあったから少しコミカルな雰囲気になってたのかなと思いながら見てました。

この映画の話を聞いている時のバレンティン、相葉くんは少年のようにキラキラした目をしながら夢中になって見てたけど、村井くんは食い入るような目でハラハラドキドキしながら見てるって感じでした。どちらの反応もとても可愛くて面白かった。

タチアーナをファンたちが追いかけるシーン。いつもは最後の男性が一輪の花を持って「俺のディーバ」と呟いてたのですが、千穐楽では「君は薔薇より美しい」と変わり種なやつ呟いてて思わず笑ってしまいましたww。

恋人の元へ駆けつけようとするタチアーナの場面は、後ろのカーテンに映し出される映像と舞台上で繰り広げられる実写が同時進行で行われる演出になってました。映像は実際に上映された映画のシーンで、実写はモリーナが映画を見た印象が具現化された展開といった雰囲気。同じ場面でも、ニュアンスが違うように見えてとても面白い魅せ方だなと思いました。

バレンティンが映画の世界に魅了されて思わずタチアーナの名前を叫んでしまう場面も印象的です。彼が初めてモリーナの映画の世界にどっぷりと浸かった瞬間。彼がそれだけモリーナを受け入れてるんだなと感じられて嬉しい。
場面がタチアーナがオストロフスキーに恋人アナトールを庇って暗殺されるところに入ると、バレンティンはいつの間にか恋人役になってるんですよね。ここもすごく印象的でした。

モリーナは、瀕死のタチアーナを「彼女の顔に浮かんでいるのは恐怖ではなく勇気、彼女が発するのは痛みではなく喜び」と語る。このシーンは毎回グッときて胸が詰まる想いで見てしまった。この作品を知ったうえで見ると、モリーナの運命とタチアーナの運命がめちゃめちゃ重なって見えて仕方ない…。しかもタチアーナは、バレンティンが演じる恋人のアナトールの胸に抱かれながら死に近づいていくわけで…、ここを頭に入れながらクライマックスを見ると堪らなかったです、本当に。

死の間際に「ビバ!」と歌う安蘭さん演じるオーロラのタチアーナ。トークの時に帽子の落とし方をいつも完璧にしてるって話していたのを思い出しながらいつも見てましたが、本当に完璧でしたね。ほぼ、彼女の目の前にキレイに落ちてました。
タチアーナが息絶えたのと同時に、後ろで鶴見さん演じるオストロフスキーが看守役の二人に挟まれながらちんまり連行されていくのはちょっとかわいくて面白かったw。

ちなみに、オーロラに突き飛ばされるバレンティンの場面、相葉くんはけっこう飛ばされてることが多かったけどw、村井くんはあまり飛んでなくてその場にヘタる感じで面白かったw。

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モリーナの映画の話を聞き終わったバレンティンは「あんたの映画には一つだけ欠点がある」と指摘する。ムッとするモリーナでしたが、バレンティンは映画の世界で感じられる素晴らしいものをなぜ現実世界に求めようとしないんだと問いかけました。映画の話は確かに楽しいけれど、妄想の世界に浸ってばかりで現実世界に目を向けようとしないモリーナのことをバレンティンはもどかしく感じていたんですよね。
モリーナという人間に魅力を感じていたからこそ、彼にはもっと前向きに現実と向き合い逞しく生きてほしいとバレンティンは思っていたのではないか。そんなことを村井くんの芝居からひしひしと感じました。

M18. あしたこそは

歌の入り方もすごく良かったなぁ、村井くん。努力をしたけれどダメだったと下を向くモリーナのために、彼は自らの辿ってきた現実の人生を語り歌う気持ちになったんだろうなというのがスッと腑に落ちました。

印象深いのは、村井くんはモリーナの真隣に普通に座りながら歌い始めることでした。村井バレンティンはやっぱりモリーナを自分の中に受け入れるタイミングが早かったんだなと実感しましたね。相葉くんは距離を置いたところから歌い始めてたので、この二人の違いが面白いなぁと思って見てました。

バレンティンの歌うこのナンバーも本当に最高に素晴らしくて毎回心震えながら号泣(涙)。特に、貧しい家庭でありながらも母親と妹との暮らしにささやかな幸せを感じていた彼が、母の死をきっかけに絶望し「神に感謝することをやめた」と歌うシーンは強烈に見る者の心を抉ってきます…。
そんな最中にゴリザの演説を聞いて雷が落ちたかの衝撃を受けたと力強く歌う村井バレンティン。石丸モリーナにこれでもかというほど必死に訴えるよう力説してたのがとても心に響きました。

「我々は今日こそは、明日こそは、自由を掴んでみせる!」と仲間たちと足を踏み鳴らしながら歌う村井バレンティン。一人一人と目で語り合いその輪に加わっていく姿がとても印象的。相葉バレンティンは革命の仲間たちの一員で頑張ってるって雰囲気だったけど、村井バレンティンはどちらかというとリーダー色が強くて仲間たちを引っ張っていくような逞しさを感じました。

石丸モリーナは村井バレンティンが仲間たちの輪に足を踏み入れていったタイミングで、居ても立っても居られないような心から沸き起こる熱い感情に支配されている。「明日こそは」と踏み鳴らす力強い音に突き上げられるようにいつの間にか拳を握り胸のところに持っていって涙してるんですよね…。モリーナが変わりたいという感情を持ったきっかけの場面にも見えて、あれは涙なしには見れませんでした(泣)。

このナンバーはもう、最初から最後まで心を鷲掴みにされてこれでもかというくらい揺さぶられるすごい楽曲です。もっと多くの人に知ってほしいと思えるほど。千穐楽の熱量はもうそれはそれはすごくて…思い出すだけでも涙が出ます。

再びバレンティンのもとに政治犯が運ばれてきたとき、彼は「会ったこともない」とシラを切りとおすのですが…村井くん、看守に気づかれないようにしながらもめちゃめちゃ苦しそうにセリフ言ってて本当に胸が痛くなった(涙)。
そして、モリーナは政治犯が再び別の場所へ連れていかれそうになったのを見ると弾かれたように「人殺しのゲス野郎!!」と看守たちに向かって罵声を浴びせる。バレンティンの革命の歌を聞いてこれまでとは違う”戦う”気持ちが芽生えてこその行為なのですが…、石丸モリーナがとても攻撃的にこのセリフを叫んでてものすごくグッとくるものがありました。

看守に逆らったモリーナを見たバレンティンは「バカやったな」と苦々しく告げるのですが、内心は少し嬉しかったかもしれないなぁと…。でもそのあとすぐにモリーナが「バカでポンコツ、それが私なのよ!」と自分で自分を貶めるようなことを叫んだのを見て「そうやって自分を卑下するのやめろよ!!」と怒りを露にしてしまう。彼はそんな人物では決してないと確信しているからこその苛立ちなんだと思ったらなんだか泣けて仕方なかったな…。

そんな彼に「あんただって私を男にしようとするのやめてよ!!」と言い返してしまうのですが、石丸モリーナは変わり始めた自分を修正しようとも思っていないように見えました。変わることに恐怖みたいな感情は起こっていても、少しずつ新しい人生に何かを見出そうとしてるのかもなぁ…とも。
バレンティンは目の前に連れてこられた政治犯が知り合いであることを告白し、「俺は一瞬で殺してもらえますように」と嘆く。このセリフの言い方が村井くん、めちゃめちゃ哀しげで切なくて切なくて…(涙)。あんな姿見たらモリーナが「そんなこと言わないでよ」って泣きながら傍に寄り添いたくなる気持ちすごく理解できた。

このあとバレンティンが「自分の縄張りに戻れ」とモリーナの手を払うのですが、相葉くんはグッと強く握ったあとゆっくり剥がしていたのに対して村井くんは苦しげにそっと手を添えるように剥がしていたのがとても印象的でした。

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バレンティンを白状させるために豪華な食事を調達していた刑務所側。買ってくるものリストにウキウキしながら商品名を書いていくモリーナの傍に、妄想の中の母親が寄り添っている。この時の香寿ママがとてもキュートで可愛らしかったんですよね。特にチキンのくだりで「私のチキンはファンが多いのよっ」ってルンルン気分で袖に入っていく姿が少女のようで愛らしかった。

しかし、そろそろモリーナに本腰を入れさせようと所長は病気の母親に電話を掛けることを許す。疑いの目で見る看守マルコスに「今に分かる」とほくそ笑む鶴見所長の冷たさが恐ろしかった…。

M21. ママ、私よ

このナンバー、初演の時には「ママ、ぼくよ」だったと思うんですよね。でも今回はモリーナの一人称は”私”に統一されている。石丸さんも男性としてではなく”女性”として演じていたそうですから、そのあたりのニュアンスがあの時とちょっと変わったのかなと思いました。石丸モリーナ、本当に女性にしか見えなかったし。

母親に電話をするモリーナが優しく語り掛けながら歌うのですが、ここにママ本人は登場しない。モリーナの電話の声だけで母親がどういう状態なのかを想像することになるんですけど…、石丸モリーナの歌い方がとにかく情緒豊かで…。特に後半電話の向こうのママが弱っているのを感じて「ママ!!」と必死に訴えるように歌ってた姿が本当に泣けた(涙)。姿は見えずとも、モリーナの母親の病がかなり深刻になってるのではということが手に取るように伝わってきて涙が止まりませんでした…。
そんな電話をした後だったら…、所長の言うことを聞かなければという気持ちにさせられてしまうのも理解できる。

どうやって聞き出すのかと問いただすモリーナに、所長は「明日出所できることになったと言え」と告げる。そうすれば必ず何かしらバレンティンが行動を起こすことを見越していた。辛かったよなぁ…この場面も。モリーナは愛する二人を天秤にかけなければいけない心境に追い込まれてしまうのだもの…。

バレンティンの元に戻ったモリーナは、ワインを飲んで幸せな時間を過ごす。村井バレンティンのワインに酔っていい気分になってるフニャ顔がめちゃめちゃ可愛くて萌えたw。「楽だ~」の言い方、相葉くんが空に浮いたような心地みたいだったのに対し、村井くんは解放されたような気分を噛みしめている感じだった。
そんな姿を見て嬉しくなった石丸モリーナが、空になったワインの瓶に唇当ててボォーって吹く仕草してたの、毎回とてもキュートで可愛らしかったです。最初に観たときはやってなかったように思うんだけど、石丸さん、いつからあのリアクションやり始めたんだろう(笑)。

そしてついにモリーナは「明日出所することになった」と切り出すんですけど…、村井バレンティンはこれまで見たこともないような優しい表情で「おめでとう」とそれを祝福してました。東京で観たときよりもさらに優しい雰囲気になっててちょっと驚いた。「俺も嬉しいよ」って言ったときもモリーナと一緒に喜びを分かち合うように一緒に笑ってたなぁ…。あんな優しさ向けられたら…泣いてしまうではないか(涙)。
「寂しくなるなぁ…」も本心からの言葉だって十分伝わってくるし、本気でモリーナとの別れを惜しんでいる感じ。「バカでポンコツだもんな」って言い方も親愛の気持ちがこもってて、石丸モリーナが怒るに怒れない状況になってしまうのも納得でした。

初演の時はモリーナはバレンティンの「バカでポンコツ」という言葉に本気で怒ってたんだけど、私は今回のちょっとじゃれ合うような雰囲気の演出のほうが温かみがあって好きだなぁと思いました。とにかく村井バレンティンの石丸モリーナを見つめる眼差しが優しくてねぇ…。

M22. 彼のためなら何だって

「あんたがいなくなったとしても、あんたを想う気持ちは消えない」と言ってくれたバレンティンに心から感謝するモリーナ。このあとバレンティンは所長の予想通りの行動に出るわけですが…、村井バレンティン、東京で観たときよりも切り出すタイミングが遅くなってたように感じました。そこに、彼の中の葛藤を見た気がしてものすごくグッときてしまった(涙)。

ある人に電話をかけてほしいと必死に頼み込みますが、モリーナは「やめて!!」と全力でそれを拒否する。それは、自分が巻き込まれるかもという恐怖心もあったと思うけど…、聞いてしまったらバレンティンを裏切ることになるという恐怖心もあったように感じて仕方なかったです。泣きそうになりながら拒絶してた石丸モリーナの心の葛藤を想うと本当に胸が痛かった…。

そしてバレンティンは自分の居場所に戻り「あいつと触れ合ったら何でもやってくれるに違いない」と歌う。相葉くんはここでものすごく苦悩の表情を浮かべてたのがすごく泣けたんだけど、村井くんはモリーナのことを信じているといった表情をずっとしていたんですよね。ゴリザに感銘を受けた彼ならば必ずやり遂げてくれるはずだと心の中で信じてる感じ。
でも一度だけ片手で頭を抱える瞬間があった。あの時だけ、彼の中に迷いが生じたのかもしれないと感じて涙がこぼれた(泣)。

ここのシーンは色んな解釈ができると思います。私とは違う気持ちであの場面見てる人もいるだろうし。すごく繊細な難しいシーンだと毎回思ってたけど、石丸さんと村井くん、相葉くんは本当に丁寧に演じ歌ってくれてとても感動しました。

そしてバレンティンは意を決したようにモリーナの背後に回り優しくしっかりと抱きしめる。相葉くんはガバっと力強い印象が強かったけど、村井くんはどちらかというと少しソフトでそしてめちゃめちゃ優しい。包み込むように抱きしめてたっけ…。あんなん泣くよ(涙)!!!
「したいから」とか「不幸にならないかもしれないよ」とかセリフ回しも色っぽさを感じさせながらも柔らかくてとても優しかった…。たしかに村井バレンティンも石丸モリーナを信頼のおける人間として受け入れてました。人間愛、みたいな感じ。モリーナも自分と同じ気持ちとは違うと感じつつ彼に身を任せていくわけで…めちゃめちゃ切なかったなぁ(涙)。

そんな繊細で温かいシーンなだけに、やっぱり、暗転した後に袖に去っていく姿が客席からうっすら見えてしまっていたのはとても残念に思ってしまった(苦笑)。次に上演する時にはもう少し工夫して見せてほしいところです。

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M23. 蜘蛛女のキス

二人が去った後、蜘蛛女は「どんなに叫ぼうと蜘蛛の糸に絡み取られたら逃げられない」と歌う。

それにしても、安蘭けいさん、本当にすごい迫力でした!歌い方の語尾には特に気を遣っていると東京のトークで語られてましたが、本当に最後の最後まで”蜘蛛女”としての神経がいきわたっていてすごい魅了されました。あの劇場全体を支配するかのような圧巻の歌唱力はさすがとしか言いようがありません!
個人的には、ナンバーのクライマックスで転調していくくだりがすごく好きでした。そこからのラスト「逃げられはしない!!」ですから、もう客席全体が凍り付くような恐ろしさ満点。

そしていよいよモリーナが出所する朝が訪れる。カバンに荷物を詰めるモリーナはけっこうご機嫌さんなんですが、石丸さん、いつからかここでめちゃめちゃハミングするようになってましたねw。「来た時より荷物が増えてる~」の言い方もすごく可愛かった。
その姿を、村井バレンティンが後ろから見つめてるんですが…、ものすごい慈愛の表情を浮かべててドキリとさせられてしまった。あんな眼差しで見つめられたら…なんでも心許したくなってしまうよってレベル。「友達を忘れてるよ」とオーロラのポスターを差し出すシーンもすごく優しかった。

赤いショールを残していくと告げられて少し戸惑うバレンティンにモリーナは「私を忘れないためよ」と告げるのですが、このあとの石丸さんの「おバカさんね」の言い方が優しくてキュートで毎回めちゃめちゃツボでした。
しかし、「頼みたいことがあるんだ」とバレンティンに切り出されるととたんに表情を硬くしてしまう。「見返り?」って呟く石丸モリーナがとても哀しく見えて泣けた…。頼みごとをしてこないでほしいと何度心の中で念じただろうなと思うと本当に胸が痛くなります。

この後、モリーナは「私、裏切るかもしれないわよ」と告げるのですが、それに対して村井バレンティンは少し間を置いてから「分ってる」と静かに答えてた。相葉くんはかなり強めに答えてたのに対し村井くんは少し切なげに言ってたのすごく印象的だったな…。

これ以上彼に無理強いすることを諦めたバレンティンはモリーナに一番伝えたいことを告げる。「もう二度と誰からも侮辱を受けないし許さないと約束してほしい」。後半の村井バレンティンはとにかく本当に優しいと感じたので、このセリフの説得力がハンパなかったです。信頼できる人間として受け入れた人だからこそ、もっと自分を大切に生きてほしいという想いがひしひしと伝わってきました。

そしてモリーナに初めてのキスをするのですが…、村井くん、とてもソフトに優しく…、そして、時間を惜しむように口づけしてた…。たぶん、今までのなかで一番長く口づけしてたんじゃないかな。そこに彼のモリーナへの人間愛がものすごく込められてるように感じられて…号泣してしまった(涙)。モリーナよりも早く泣いちゃったじゃないか!!
石丸モリーナは唇が離れた瞬間にもう感極まって涙があふれて止まらないというほど泣いてた(号泣)。あんなんもう、たまんないよ!!

そしてキスした後村井バレンティン、ちょっと寂しそうにモリーナの顔を見つめ微笑んでたんですよね…。もうそんなん、泣くしかないっしょ…!!!そしてそのあと少し顔を逸らせながらとても寂しそうに切ない表情しながら座り込んでたな…。あぁ…思い出すだけでも胸が詰まる。

バレンティンの初めてのキスでモリーナの中の色んな感情が激しく動くのが手に取るように伝わりました。彼の気持ちに応えたいという想いが猛烈にこみ上げるのがとても自然に見えた。伝言を伝えてくれることが分かった瞬間の村井バレンティン、一瞬とても驚いた表情を浮かべながらも弾かれたようにモリーナに近寄って行ってた。彼を信頼した自分は間違ってなかったという表情にも見えた。

そして別れの時。モリーナの「本当に愛したのは二人だけだった、あなたに会うまでは」というセリフがものすごく泣ける…。最後にバレンティンのことを含ませる言い方が堪らない…。その言葉のあと二人が固く熱いハグを交わすのも涙なしには見れません(泣)。お互いの心が繋がっているのをたしかにあの時感じました。
赤いスカーフをバレンティンに託した後、モリーナは牢獄から出ていく。そんな彼を見送ったあとに誰にも聞かれないよう「頼むぞモリーナ、漢になれ!!」と噛みしめるようにエールを送るバレンティン。「漢になれ!!」のセリフは本当に印象深い。村井バレンティンはやはりモリーナを信用している同志として応援しているように見えたかな。その延長線上で前向きな勇気ある人であってほしいと願いを込めてるような感じに思えた。

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出所直前、モリーナは所長に嘘の報告をして立ち去ります。怯えながらも彼は愛する人のために嘘を書く勇気を出した。それがバレンティンに応えることになるんだと信じたから…。

M24. 嘆きの壁4

鶴見所長さん、一番最初に東京で観たときよりも歌に安定感が出ててとてもよかったと思います。毎度感じてたけど、あの旋律はミュージカルに慣れた役者さんでも相当難しかったんじゃないかなと。

囚人と所長がモリーナの動きを予見して歌っている間、村井バレンティンは赤いスカーフを首に掛けながらじっと祈るように床の方を見つめてた。まるで念を送ってるようだったな…。

モリーナとお母さんの再会シーンは涙なしには見れません!!ここで初めて妄想ではない現実のモリーナママが登場するんですけど、本当に体が弱っている様子が伝わってきて…。電話口でそんな母の声を聞いたらモリーナの心が揺れるのも無理はないと思った。
モリーナの母親が息子を抱きしめながら「もう二度と一人にしないで」と懇願する姿は特に切なくて切なくて…。その後の運命を悟ってみるとさらに哀しくてほんと泣きました(涙)。そしてそんな二人を後ろから蜘蛛女がじっと見つめている。その姿が本当にゾクッとするほど恐ろしい。

職場復帰したモリーナに”ガールフレンド”のアウレリオはテンション上げ上げでこれまでのことを語りまくる。藤浦さんが演じるアウレリオ、本当に面白くて泣きながらも思わず笑ってしまったw。最後のくだりは大阪では毎回アドリブ飛ばしてて千穐楽は「トマソン」とお付き合いするのは私が一番ね!と主張してた(笑)。
でもここで特に印象深いのは、モリーナの表情が最初の頃とまるで違うことです。もう周りに自分を下に見せるような行動をするのはやめようという決意みたいなものが石丸モリーナからはひしひしと感じられた。このあたりの表現が石丸さん本当に素晴らしいと毎回感動していました。

その後、手紙を送っていたガブリエルと再会。でも、現実のガブリエルはモリーナを突き放すようなことしか言ってくれない…。モリーナは彼のことを本気で好きだったのに、ガブリエルは避けたい気持ちでいっぱいだった現実がここで突きつけられる。特にモリーナが「なんで返事書いてくれなかったの?」と泣きそうになりながら尋ねるのをガブリエルが無視するシーンが本当に辛かった(涙)。
牢獄でモリーナがガブリエルからの手紙をウキウキしながら語ってたのは本当に妄想に過ぎなかったんだって、すごく哀しくなる場面です…。

そして、そんな二人の様子を蜘蛛女がベンチに座りながらじっと眺めていました。以前までのモリーナだったらそんな彼女に怯えて逃げ出しているところなのですが、この時彼は蜘蛛女の顔をじっと直視するんですよね。ここが冒頭のシーンとの対比に感じられてものすごく印象深かった。すでにモリーナは蜘蛛女のキスを受け入れる覚悟をしてたのかもしれないなって強く感じられてとても切なかった…。

そして電話ボックスへ向かう直前、モリーナは母と最後の会話を交わす。ママはモリーナが貯金を全部渡してきたことに不安を感じて電話ボックスへ向かおうとするのを必死に止めようとする。この時の息子に縋るママの姿が本当に切なすぎて泣けるんですけど、楽はもう死に物狂いで止めたいという気持ちが香寿さんの芝居から溢れててものすごく胸が痛かった…。

モリーナは母の気持ちを察して「ママがダメと言うなら行かない」と告げるのですが、それを聞いた時に母は覚悟を決める。ここの場面も本当に胸詰まる想いで毎回見てたんですが…、楽では石丸さんも香寿さんもボロボロ泣きながらお芝居してて…切なすぎて大号泣してしまった(泣)。二人とも、これが最後になるって予感してるのが痛いほど伝わってきた…。
「やるべきことをやりなさい、母さんの心が壊れないうちに」という香寿ママの最後の言葉は特に刺さります…。息子が今までの人生を変えようとしている姿を見て自分の気持ちを押し殺したんだろうなと…。「もう二度と一人にしないで」と懇願していたママが最後の最後に息子を手放したわけで、こんな切ないことはないと涙を止めることができなかった…。

そしてモリーナはマルタに電話をかけ、バレンティンから伝えられた暗号を告げる。ここで現実のマルタが初めて出てくるのですが、暗号を聞いた瞬間に恐れを抱くような表情を浮かべたのがとても印象的だった。革命のことはもう忘れたいのに…といったような雰囲気すら感じさせる。
モリーナから「彼元気よ」と告げられた後の「巻き込まれたくないの」というマルタのセリフは特に辛い…。小南さんはここでとても厳しい表情をしてた。あの時、彼女はバレンティンが想っているのと同じ気持ちではないんだなと感じてしまったんですよね…。それが本当に哀しくて切なかった(涙)。

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牢獄のバレンティンは再び呼び出され所長からひどい仕打ちを受けている。煙草を押し付けられて苦悶の表情を浮かべた後に笑って見せる村井バレンティンの表情がとても印象的だった。この時は権力に屈しないという強い意志をすごく感じるんですよね。

でも、その直後に拷問を受けて血だらけのモリーナが目の前に現れた時、彼の中の革命への想いが崩壊したかのようにひたすら彼の名前を叫び続ける。他の革命仲間が連れてこられた時にはひたすら「知らない」とシラを切っていたのに、傷ついたモリーナを目の前に連れてこられた時彼は半狂乱状態で目の前の人物の名前を呼ぶんですよね…。いかにバレンティンのなかでモリーナの存在が大切だったのかが伝わる一場面だと思って見てました(号泣しながらだったけど)。

ここからのやり取りはもう、思い出すだけでも辛すぎるんだけど、この作品の中ではなくてはならないものすごく重要なシーンだと思ってます。所長や看守たちのあの冷酷無比で不条理な存在がしっかりとそこにあってこそ、モリーナとバレンティンのドラマがより尊く感じられるのです。

「名前を白状しないのなら殺す」という所長の下で、血だらけのモリーナが笑みを浮かべながらバレンティンに次の指令をと促している。愛する人との約束を頑なに守ろうとするあまりにも純粋なモリーナの姿を見て、バレンティンは「俺はなんということをしたんだ…」と激しく自分を責め涙を流すんですけど…、この時の村井くんのあまりにも哀しい表情に見てるこちらの胸が潰れる想いがしました(涙)。

これまで比較的感情を前面に出すよりも抑えてる印象が強かった村井バレンティンは人目も憚らずに「俺はおまえを裏切ったんだ」と激しく慟哭してた…。モリーナを助けたい一心で電話をかけた相手の名前を言えと叫ぶバレンティンでしたが、モリーナは決してそうしようとしなかった。「私ポンコツだから忘れちゃった」っていうのはモリーナがついた彼のための嘘だと思います…。
相手の名前を言うってことは、愛していたマルタを危険にさらすことにもなりかねない。それでもバレンティンは「言っていい」と叫んでる。思い出の中の人よりも、一緒に過ごす時間のなかで気持ちを通い合わせた人を守ろうとしたんだと感じて、本当に涙が止まらなかった…(泣)。

もし言わないなら自分が言うと叫んだバレンティンでしたが、モリーナは「そんなことをしたら私を裏切ることになるのよ」と弱々しいながらもハッキリと告げる。この言葉を聞いてバレンティンは何も言えなくなってしまった。
頭に銃を突きつけられたモリーナは恐怖のあまり「怖い」と口走りますが、あまりの悲惨な光景に目を背けようとしたバレンティンに「私を見てて」と呼びかける。モリーナは電話を掛ける前に蜘蛛女の姿を認識していた時点でそれを受け入れる覚悟はできていただろうけど、バレンティンはモリーナの命が奪われるという現実をとても受け入れることはできなかったと思う…。

「俺の為ならやめろ!俺はそんな価値のある男じゃない!」と泣き叫ぶ村井バレンティンのなんと哀しかったことよ…(涙涙)。自分を愛してくれた人が目の前で、自分を守るために死んでいこうとしている。こんな残酷なことってないよね(涙)。
でも、石丸モリーナは恐怖よりも愛する人に人生を捧げられることに悦びを感じていたように見えます。それは、「サンクトペテルブルクの炎」でオーロラが演じたタチアーナの人生とリンクしている。あの映画は、モリーナの人を愛し抜いた人生を描いていたのと同じ意味を持っている。そのドラマチックな展開がもう、私の心を揺さぶりまくり…。

そして死の寸前、モリーナは初めて全身全霊を込めて「愛している」とバレンティンへの想いを告白するのです。人生の最後の最後にやっと告白できたモリーナも切なくてたまらないし、その死の瞬間に愛を告げられたバレンティンも辛くてたまらない…。あんなに心抉られる展開なんてそうそうないと思う(涙)。
バレンティンは自分を愛してくれた人の無残な死に激しいショックを受けてその名前を呼び続け連行されていくのですが、相葉くんは最後の最後までモリーナの名前を絶叫していたのに対し、村井くんは最後は言葉にならなくて「うわぁーー…」と悲鳴のような泣き声を上げてたな。もうほんと、思い出すだけでも胸が苦しくて苦しくて涙が出るよ(泣)。

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M25. 映画の夢

このミュージカルの素晴らしいところは、あの心を抉るようなクライマックスの結末の直後に本当の意味のラストシーンを描いていることだと思います。

衝撃的なシーンの直後に華やかでドラマチックな音楽が鳴り、舞台後方に次々と映画館の座席が並べられていく。それと同時にこれまで作品の中に登場していた人たちが穏やかな笑顔を浮かべながら入ってくる。案内係をしているのがモリーナのお母さんっていうところがまた泣けるんですよね…。少年モリーナが見てきた働く母の姿がそこにあるのですから。
囚人たちを支配し君臨していた所長や看守たちも毒気がすっかり抜けてニコニコしながらその場に現れる。そして、ワクワクした表情のバレンティンと、おすまし顔の蜘蛛女もやってくる。

その間、モリーナは白いスーツ姿に変身するんですけど…、ここの着替えの場面はちょっと『オペラ座の怪人』でクリスティーヌが歌姫にチェンジしていく感じと似てるなと思いながら見ていました。
そして着替えを用意してるのが職場仲間だったアウレリオと、モリーナが恋をしていたガブリエルっていうのもグッときますね。モリーナの人生の終わりにはみんな優しくて自分を思いやってくれる。それは、彼の理想の夢だったのかなぁと。

着替え終わった石丸モリーナはとても煌びやかで笑顔が輝いていた。彼はついに人生の最後に憧れだったオーロラと同じ舞台に立つことができているんだなと思うと本当に感慨深い…。それを彼が出会ってきた人全員が優しく穏やかに笑みを浮かべながら見守っててくれるなんて、こんな最高の晴れ舞台ないと思った。

モリーナは「自分を照らすライトがないと分かった後は自分を着飾って演じて生きてきた」とも歌います。そんな自分を変えてくれた存在として、一番中央奥の席に座っていたバレンティンを紹介する。ちょっと照れくさそうにはにかんでモリーナの傍へ歩み寄る村井バレンティンがめちゃめちゃ可愛かったなぁ(相葉くんはウキウキした感じで降りてってたw)。
愛する人が傍にやってきたことで、モリーナが「今は現実が輝く映画のよう」と歌うのがものすごく感動的。バレンティンとの交流のなかで自分を変えたいと最後思えたことは、ちゃんとモリーナのなかで財産になっていたんだなと…(涙)。

この後所長さんがテンション上がって自分がモリーナを打った瞬間を再現するべく叫んじゃうんですが、周りのみんなが「シーーっ」と慌てて制止してちんまりなっちゃうw。ここは初演の時も好きだった場面だったなぁと懐かしく思い出してました。鶴見さんの「え、あ・・・」みたいな表情が毎回ツボだったw。
撃たれた直後にピクッピクッと奇妙な動きをして立ち上がるモリーナ。そんな彼を「え、どうなるん!?」みたいな表情で目を丸くしながら見守ってた村井バレンティン、最高だったw。

復活したモリーナは最後高らかに「ビバ!!この世の全て!!」と叫びバレンティンと熱い熱いハグを交わします。このシーンはもう大号泣…。っていうかモリーナが出所したあとからずーっと涙止まらない状態で見てきてるんですが(汗)、最後のモリーナの「この世の全ては素晴らしい」という誇らしげな笑顔はあまりにも最高すぎて感極まっておかしくなるほど泣きました(涙)。そう言えるようになったのは、バレンティンと出会ったからだよね…。

このあと、客席に座ってモリーナを見守っていた人は次々と舞台下に降りてきて皆で手に手を携えながら楽しそうに踊る。下手でバレンティンとマルタ、ガブリエルたちが輪になって踊ってるのはちょっと面白かったw。個人的にはモリーナを痛めつけてきた看守さんが「モリーナぁ」とニコニコしながら抱きついてそこにまた所長さんがピタってくっついてくるのが可愛くて大好きでした。

そして本当のクライマックス、モリーナは笑顔で蜘蛛女を自らのもとに招き入れてタンゴを踊る。一緒に踊る蜘蛛女にも笑みが浮かんでいて穏やかな表情をしてた。そんな二人を、バレンティンとモリーナママが一番近くで見守ってて…これがまた泣けたんだよなぁ。モリーナが一番愛した人が一番傍にいてくれるんですもの…。村井バレンティンが本当に優しく慈愛に満ちた目をしてモリーナを見つめてたからなおさら涙腺崩壊しちゃったよ(涙)。あの表情は、村井くんにしかできないかもしれない。

蜘蛛女とタンゴを踊り終わったモリーナは、舞台中央で微笑むと彼女と優しく熱いキスを交わします。それを他の登場人物たちが大歓声で称えている。めちゃめちゃテンション高くうおーーって感じで拍手してた相葉バレンティンに対してw、村井モリーナは「ホントに良かった!!」と感無量の笑顔を浮かべながら手を叩いていたのが非常に印象的でした。

今回のミュージカル『蜘蛛女のキス』、人生の一番最後にモリーナが「ビバ!この世の全て!!」と高らかに宣言したのが本当に感動的でした。初演の時は「ビバ!あとは忘れちゃったけど」だったんですが、今回ハッキリと「この世の全て」という言葉を聞けて心の底から嬉しかった。彼の人生は辛く哀しい出来事のほうが多かったけれど、母親とバレンティンという二人の心の支えになってくれる人の存在が光を与えてくれたんだろうな。

村井バレンティン、モリーナの最期を見届けた後はやはり生きる気力を失ったのではないかと思ってしまいます。拷問を受けるなかで力尽きてしまったのでは…と思えてならない(涙)。でもきっと、モリーナの魂が彼の魂を救いにきてくれるのかもしれない。これは相葉バレンティンを見た時にも同じことを考えたけど、本当にそうであってほしいと心から願いたい。

またまた長くなりすぎたので、千穐楽カーテンコールの様子など後述は次のページにて。

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