2021年12月8日のミュージカル『蜘蛛女のキス』東京公演マチネ後にアフタートークショーが行われました（この日は2回目に当たります）。
ここ最近は舞台が終わった後のトークショーも少しずつ開催されるようになってきましたね。でも人数制限はありそうですし、相葉くんと村井くんは動画特典という形になっていたし…、まだまだ新型コロナ禍の影響は続きそうかなぁ。
今回の公演はトークショー目当てでチケットを確保しましたｗ。無事に開催されて本当によかったです。客席からの質問は劇場に貼られているQＲコードを読み込んでそこから入力するという形式になっていました。
感想アンケートもQＲ方式になっていたし、今の時代はなかなか紙で提出ということができないのかもしれません。もしかしたら今後はこっちの方が主流になっていくのかも。
それもいいんだけど、スマホの使い方とかよく分からない人とかはちょっと参加しづらくなるかもしれない…。色々と難しいことになってしまった。
12月8日マチネ公演の本編感想は以下の記事にあります（村井くん中心感想ですが）↓
以下、終わった後印象的だったエピソードをちょいちょいメモってきたのでレポしたいと思います。
アフタートークということなのでネタバレが相当含まれています。ご注意を。
ミュージカル『蜘蛛女のキス』東京公演アフタートークショー 2021.12.08 マチネ初日公演後
トーク参加者：石丸幹二、安蘭けい
司会：演出家・日澤雄介（劇団チョコレートケーキ）
座り順は下手から、日澤さん、石丸さん、安蘭さん。
終わった直後のトークなので石丸さんは白いタキシード姿、安蘭さんは蜘蛛女の扮装。大胆なスリットが入ったドレスなので、たびたび美しい御み足が見えちゃってそのたびにアタフタしながら隠されていたのが可愛らしかったです（横で石丸さんが「サービスショットですよ」とニコニコされていたのも面白かったｗ）。
#蜘蛛女のキス
今日はアフタートークがありました。
ご覧いただきありがとうございました。
二人の衣装はフィナーレからカーテンコールで着用しているもの。二人ともフォーマルです。#安蘭けい #石丸幹二 pic.twitter.com/cDp6hRy9Rc— 石丸幹二 (@team_kanji) November 30, 2021
※こちらのSNSは1回目トークショーの時のものですが衣装は同じです。
演出を担当された日澤さんはお若い方でとてもフランクな印象。あの方がこの素晴らしい舞台の演出を…！とちょっとビックリ致しました。
ちょうど公演折り返しですが感想は？
石丸さんも安蘭さんもそのことにビックリされてました。お二人とも「もっとやりたい！」と即座に答えられていたのが嬉しかった（涙）。
ここまで演じてきて新しい発見はありましたか？
石丸さん曰く「日々なにかが必ず変わっている」とのこと。安蘭さんの歌のパワーだったり、バレンティンとの会話劇もどんどん濃密になっていると語っていらっしゃいました。「芝居じゃなくてもはや日常会話」とまで言ってたっけ（笑）。いやでも、それは本当に感じました！！あまりにも二人のやり取りが自然すぎると誰もが感じたんじゃないかな。
相葉くんと村井くんと演じてきて感じた違いとかありますか？
これは私が一番聞きたかった質問だったので、一番最初に出てきたのは嬉しかったです（日澤さんが一番聞きたかったことでもあったらしい）。
安蘭さんは「稽古場段階から二人の演技プランがまるで違うので相手役の石丸さんは大変だなと思った」と語っていらっしゃいました。相葉くんと村井くんとでは石丸さんのお芝居がかなり変わっているというのも感じているとのこと。それは私もめちゃめちゃ思いましたね。
石丸さんは「普段の日常会話でも相手によって声のトーンやスピードが変わるのと同じ感覚」と語っていらっしゃいました。それを”卓球のラリーのよう”と例えていたのがとても印象的だったな。それだけ繊細で濃密な関係を築いているんだと思ったらとても嬉しかったです。
あまりにも心地いい会話のやり取りが続くので「最近はテンポが速くなって上演時間が短くなってるかもしれない」と笑ってた石丸さんｗ。もしかしたら本当にそうなってるのかもと思ったｗ。
あと、安蘭さんの指摘で「モリーナはバレンティンの影響をとても受けやすいかも」って語っていたのも印象的だった。それに対して演出の日澤さんが稽古に当たって「石丸さんには決められた台詞や基本的な流れ以外は自由にやってほしいとお願いした」と明かしてくださいました。
この日のバレンティンは村井くんだったのですが、「彼は簡単に境界線を越えて隣に座ったりするから驚きます」と石丸さん笑ってたな（村井くんのことは”りょうた”って呼んで、相葉くんのことは”ばっち”って呼んでたのもなんか嬉しい）。
相葉くんと村井くんはWキャストで東京では1公演おきに出演していたそうで、シングルキャストよりも回数は少ないとのことでしたが「それでも目覚ましい変化を遂げている」と日澤さんは感心されてました。
この流れで後半クライマックスの”ベッド”のシーンについての話になると、安蘭さんが「見たいのに自分のシーンがあるから見れないのが残念」と悔しがってたのが面白かったｗ。石丸さんは「いかに美しく儚く見えるか、二人のバレンティンと綿密に相談した」みたいな裏話を語ってくださってました。ちなみにラブシーンに当たっては、安蘭さんの宝塚の経験による熱い演技指導が入っていたのだそうです（手の入れ方やキスのやり方も細かく指導したらしい 笑）。
安蘭さんは歌の変化を意識していますか？
語尾の歌い方とかは初期の頃よりもかなりドラマチックにするように意識されていると語っていらっしゃいました。特にタイトルソングの「蜘蛛女のキス」は特に意識されているそう。これは大阪公演、どこまで進化しているか楽しみだなと思いました。
客席の反応について
私が観劇した日、1幕ラストの「愛し合おう」の場面で客席から自然と手拍子が起こったんですよね。石丸さん曰く「この日が初めての手拍子だったのでテンションが上がってこちらもいつもに増してノリノリになってしまった」とのこと（笑）。安蘭さんも驚いたらしく「拍手が一度小さくなってもまた盛り上がってビックリした」と笑っていらっしゃいましたｗｗ。
でも、それだけ客席が喜んでくれたのが嬉しかったとお二人とも顔をほころばせていました。演出の日澤さんもこの日の反応はビックリしたようですね。
あと、モリーナがバレンティンの”お世話”をする場面。ここでこの日初めて笑いが起こっていたとのことで「皆さん、何がそんなに面白かったんでしょうか」とキョトンとしてた石丸さんに思わず吹き出してしまったｗｗ。それに対して日澤さんと安蘭さんが「角度によっては…ね」みたいに言葉を濁しててｗｗｗ。これはとてもネットでは書けません（笑）。
日澤さんはミュージカル初演出ですが、ストプレ演出と違うと思うことはありますか？
これも私QRコードの質問で書いたやつでしたが、安蘭さんが聞いてくださいましたね。
一番苦労したのはやはり「音楽の扱い方」だったそうです。最初の内は”この場面には音楽入れたくないな”と思われることもあったとのこと。なるほどねぇ。ミュージカルの台本って楽譜みたいになってるって聞いたことありますし、ストプレに慣れてる人は戸惑うことが多いのかもしれません。
「Dear One」の場面については、バレンティンがマルタを求めて歌い出すところをどう表現するかかなり考えたとのことで、その前にひとクッション、彼の寝言の延長だと客席に思わせるような演出した、みたいなことを語っていらっしゃったのが印象的でした。
逆に、「音楽に助けられることも多かった」とも。特にモリーナの妄想の場面は多く出てきますが、音楽があるからこそそこに説得力が生まれることに気が付いた、というようなことを語っていらっしゃいましたね。石丸さんが補足でそのあたりのミュージカルの良さみたいなのも付け加えていたと思います。「音楽でその世界へ一気に連れて行ってくれるのはすごい発明」と語っていたのも印象的でした。
あ、それから、安蘭さんはストプレ出演すると「ここで音楽が鳴ってくれと思っちゃう」らしいです（笑）。ミュージカルに慣れているとそういう風に思っちゃうことあるんだなと思いました。石丸さんは基本的にどちらも大丈夫とのことで、「一番大事なのはお客様の興味を惹き続けること」と語っていらっしゃいました。
二人が勧めたいマニアックな場面は？
安蘭さん曰く、ロシア革命の映画の場面での「帽子の落とし方」とクライマックスの「反り」だそうです（笑）。特に帽子の落とし方にはかなりこだわっているらしく、この日まで一度も失敗したことなくうまい具合に落としてると胸を張っていらっしゃいましたｗ。
「反り」については石丸さんもラストあるんですが、安蘭さんのようにはできないと苦笑いしてたのが面白かったですｗｗ。
この作品で別の役を演じるとしたら何になりたい？
安蘭さんは「バレンティン」。すると石丸さんと日澤さんも納得の表情で「革命好きそうだもんね」と頷いてたのが面白かったｗｗ。安蘭さん的には、バレンティンの心の動きにとても興味があるのだそうです。
石丸さんも「バレンティン」。初めてNYでこの作品を観たときに、酷い奴だとは思うけどやりたいと猛烈に思ったのだそうです。劇団四季在団中の若い頃だったと思いますから、けっこうギラギラしてたのかなぁと思いました。
でも今は「蜘蛛女」やりたいとのこと（「蜘蛛男あればいいのに」とか言ってたｗ）。すべてを支配しているエリザベートの”トート”のような存在だからというようなことを語られていて拍手喝采浴びてました。
モリーナとバレンティンのキスシーンについて。
2幕クライマックスでのモリーナとバレンティンのキスシーンですが、二人が初めて身体を重ねた時は一度もキスをしていないという設定になっているのだそうです。原作を読んだことがないので、これは一番びっくりしましたね。私はてっきりキスがあったと思っていたので（汗）。
これで、モリーナが別れ際にバレンティンからキスされて思わず涙を流してしまった心の内が腑に落ちました。そりゃ…泣いちゃうよ！！石丸さん的には、二人のバレンティンからちゃんと「愛」は感じているのだそうです。ちなみに安蘭さんは相葉くんに「キスは優しくやってね」と念を押したのだそう（笑）。ちゃんと優しくやってくれてると石丸さん太鼓判押してましたｗ。
あと、日澤さんは初めて台本を読んだ時はバレンティンはなんて酷い奴だと思ってしまったらしいですｗ。字面だけだとなかなか難しいシーンではありますよね。そこに愛を感じさせる演出方法はだいぶ苦労されたようです。
モリーナが持っている人形の名前が「ケメ子」なのはなぜ？
昭和歌謡に「ケメ子の歌」というのがあって、子供の頃に強烈な印象を受けたのだそうｗ。ザ・ダーツが歌ってた歌のようですね（YouTube検索すると出てきました）。それで思い付きで名前を拝借したと石丸さんはにかんでいらっしゃって可愛かったですｗ。
ちなみに村井くんは「サニー」を提案してきたとのことですが、石丸さんは速攻却下したらしい（笑）。
最後に一言ずつ。
安蘭さん
あと少しの公演ですが、日々楽しく演じられています。最後はすべてを絞める勢いで歌ってます。最後まで怪我無く頑張りたいと思います。
石丸さん
コロナ禍のなかでまだ観劇が難しい状況のなかありがとうございました。私たちも日々ケアに勤めながら舞台を頑張っています。皆さんと会えたことは宝です。この舞台は日々成長しているので見たい方はぜひ（おいで、って言ってたの可愛かったｗ）。大阪公演ラストまで精進していくのでよろしくお願いします。
※コメントはニュアンスですのであしからず。
石丸さん、こんなにユーモアある饒舌な話し方されてたっけ！？と思うほどテンション高かったですねぇ。モリーナがそれだけ浸透しているのかなと思ったらなんだかとても嬉しかったです。安蘭さんは男前でございました。稽古場で村井くんや相葉くんに進んで指導してたってエピソードは特に面白かったですｗ。
Wバレンティントーク 相葉裕樹×村井良大
相葉くんと村井くんのトークは2回に分けた期間限定の特典映像としてついていたのですが、私は運よく両方見ることができました。その中で「蜘蛛女のキス」に関わる印象的だったエピソードについて少しだけレポしようかなと思います。
初日明けた感想は？
村井くん
稽古する時間が他の人より短かったけど（スケジュールの都合かな）、やることは決まっていたので逆に集中できてスッキリした気持ちだった。でも初日は緊張した。
相葉くん
村井くんは短い稽古期間の中本当によくやったと思った。初日は本当に大緊張したけど、お客様の反応を見て楽しんでくれてるのかなと少しホッとした。
お互いのバレンティンの印象は？
相葉くんから見た村井くん
なるほどしかない。特に佇まいが「これだよ！」という唯一無二の存在感で素晴らしい。勉強になりました。
村井くんから見た相葉くん
ばっちの真っ直ぐさがバレンティンにピッタリだなと思った。「明日こそは」のナンバーの純粋ゆえの真っ直ぐさは説得力がすごくて素敵だった。それから、キスした後の歩き方がすごく好き。背中の寂しさがすごくカッコいい。
みどころは？
村井くん
「モルヒネタンゴ」のあとの「恥だなんて」。あのシーンは舞台袖で見ていていつも泣いてしまう。モリーナのお母さんの場面は正解を言ってくれていたりするので本当に泣ける。
相葉くん
「愛は奇跡」はこの作品のテーマだと思うし泣ける。マルタ役の小南さんの美しい歌声を特等席で聞いていていつも感動して泣いてしまいそうになる。マルタについては夢でしか会えないので、そういう展開も感動的。バレンティンのその後の運命を考えると彼女の存在はとても重い。でも、ラストシーンは楽しくやってる（笑）。
バレンティン以外でやりたい役は？
村井くん
絶対できないけどモリーナのお母さん。年を重ねたらモリーナも挑戦したい。バレンティンを経験したからこそのモリーナには興味あり。
相葉くん
モリーナやってみたいかな。村井くんは「ばっち似合いそうだよね」と言ってましたｗ。
作品のことで相談したことは？
翻訳劇のなかの台本内容については相談した。革命の中心人物のゴリザについては村井くんはかなり悩んでいた。「ゴリザが憎んでいるもの全て、それがマルタだ」というセリフの意味を捉えるのに苦労した。敵である存在のはずのマルタになぜメッセージを託すのかなど石丸さんとも語り合った。
場面の変更点が初日明けた後にあったとき。村井くんが自宅から動画を撮って事細かく教えてくれた。すごく優しいなと思って嬉しかったし愛を感じた。「成すがままだったから大丈夫だった」と相葉くんｗ。
ルーティーンはある？
村井くんは特になし。本番はすごい緊張しいなので劇場では常にフラットでいたい。相葉くんは、朝必ずお風呂に入って温める。そして必ず冷水を浴びる（笑）。
「蜘蛛女のキス」は素晴らしい作品なので何回でも足を運んでほしいです（二人の〆言葉）。
大千穐楽まであと少し…。私は最後まで見届けてくる予定です。最高の舞台になりますように。
