舞台公演中止に想うこと

2020年に入ってから問題視されていた「新型コロナウィルス」問題。まさか、日本演劇界にこれほど大きな打撃を与えるような事態になってしまうなんて…全く予想をしていませんでした。

コロナ問題に掛かることは表ではあまり触れないようにと思ってきましたが、今回緊急事態宣言によりほぼ全ての舞台公演が中止に追い込まれたことに直面し…、どうしても想いを綴りたくなってしまいました。

ただの愚痴になるかもしれません。でも、ちょっと、ここでだけは気持ちを吐き出したい…。読みたくない内容かもしれませんので、危険を感じた方は以下スルーしてください。

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2月に入ってから日本でも「いよいよ危険なのでは」という空気になり…公演もいくつか自粛を余儀なくされました。でも、4月になる頃にはもう少し落ち着くんじゃないかと思ってたんですよね…。それが、落ち着くどころか深刻度を増していく事態にまで感染が拡大して医療崩壊目前とまで言われるようになってしまうとは…。あまりの急転直下な出来事に衝撃を受けています。

拡大は広がる一方で、4月に入りついに感染拡大都市への「緊急事態宣言」が出されました。それにより・・・長いものだと8月公演分までの舞台作品が『中止』という辛すぎる決断を余儀なくされる事態となってしまいました。

私が予定していた舞台公演もかなりの数が「払い戻し対象」となり、手元に残っているその先のチケットもどうなるか分からない状況です…。

2月末から3月にかけての公演が中止になった時には、「観る人も残念な気持ちだけど、それ以上に実際に公演に関わってるスタッフさんやキャストさんたちのほうが辛い気持ちなのかもしれない」って思ってました。その気持ちは今も変わりません。

が、4月に観る予定だったミュージカル『アナスタシア』大阪公演の中止が正式にアナウンスされたとき…、自分の中で何かが一気に崩れる音がしました…。
3月の東京公演遠征予定が流れたときには仕方がないとあきらめていましたが、大阪公演だけは何として公演できるような状態に落ち着いてほしいと猛烈に念じていたからです。

ラミン・カリムルーさんが2017年にブロードウェイでミュージカル『アナスタシア』に出演しているという情報を知った時から、日本版の上演は来ないのかなぁとずっと思ってて…昨年、ついに2020年に日本版が上演されると知った時には心底テンション上がって楽しみにしていました。
1997年に公開されたアニメ版も4回映画館に通ったほど大好きで曲もほとんど覚えたくらいだったのですが(ディミトリを演じた石川禅さんのファンになったのもこの時)、それとはテイストが違うミュージカル舞台が見られることをものすごく楽しみにしていました。約3年、この日がくるのを待っていました…。

コロナ問題がどんどん大きくなってどうしようもなくなってきて、大阪公演は100パーセント無理だって心の中で覚悟はしていました。でも、正式アナウンスはなかなか入ってこなくて…無理だってわかっているのに、手元のチケットの払い戻し手続きをすることがどうしてもできなかった。
そして、緊急事態宣言が出された翌日…ついに正式アナウンスが。しかも、アナスタシアだけではなく6月(一部7月)の舞台まで全ての持参チケットの公演が『中止』と一斉に発表…。

頭では「当然だ」ってわかってます。私は遠征者でもあるので(香川県から都市部への外出自粛令も出てた)今は公演は行うべき時ではないということも分かってた。頭ではわかってる。耐え時だって分かってるし、耐えなきゃいけないことも分かってます。

でも、心がそこに追いついていきません…。心が泣いているというか…感情の行き場を失った感じ。誰にもどこにもぶつけられない、何とも言えない寂寥感に襲われてしまいました…。
今回の事態を受けて、観る側の人間も、やっぱり公演を打つ側の人と同じくらいの悔しさや悲しみに襲われるんだということを実感しました。そういう意味では、舞台に関わる人と、それを観に来る人とは一心同体の存在と言えるのかもしれません…。

中止になった舞台たちに「またいつか会える」と割り切った気持ちなるのには、もう少し時間がかかりそうです。

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以下、供養の気持ちも込めて…手持ちチケットで一度も観ることなくサヨナラしなければならなかった舞台をあげておきます。

ミュージカル『デスノート』2月29日マチネ(大阪)

昨年『ノートルダムの鐘』で川口竜也さんが演じたフロロー役に大感激して、川口さんが出演されると知って取ったチケットでした。前回バージョンのは観てないし録画してあるWOWOWも公演を観るまではと封印してるまま(苦笑)。今回初めて観れる予定だった…。

ミュージカル『RENT 来日公演2020』3月12日ソワレ(東京)

東京遠征で観る予定だった来日版の『RENT』。日本版は何度も見たことがありますが、本場のはまだだったので、ついに観られると楽しみにしていました。でもちょうどこの頃、コロナの問題が大きくなってきていたので来日は難しいだろうなと覚悟はしていました…。
主催者側は振り替えを考えてくれているようで、2020年12月で調整がついたようです。交渉してくださったことが本当にありがたい。その頃は笑顔で劇場に足を運びたいです。

ミュージカル『アナスタシア』3月13日マチネ (東京)

東京遠征2日目に1回目のアナスタシアを観る予定にしていました…。ちなみに、楽しみすぎて大阪公演は3公演取っててw、合計で4回観れるはずでした(苦笑)。東京公演は、東京でしか見られない海宝直人君のディミトリを観てみたかったのでチケット確保した分です。
この中止になった後数公演だけ上演されたようで、海宝くんのディミトリは非常に評価が高かった。本当に見てみたかった…、悔しい…(涙)。

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ミュージカル『アナスタシア』4月7日マチネ(大阪)

ここから怒涛のアナスタシア3公演観劇予定にしてましたw。7日はバックステージツアーが付いた奴だった…。それが無くなってもいいから、本編だけでも観てみたかった… (涙)。本当に悲しい。

ミュージカル『アナスタシア』4月15日マチネ・ソワレ(大阪)

もう絶対無理だって分かっていたけど…心が受け入れるのを拒否したがってるくらいショックな中止のお知らせでした(涙)。マチネもソワレもめちゃめちゃ良席でした…。席なんかどこでもよかったから、とにかく、本番舞台を観たかった…。本編見るまではと未だにダイジェスト動画も見れてません…。誰が悪いわけではないけれど、この哀しい気持ちをどう処理していいのかまだ見つけることができません…。それくらい、観たかった作品です。

ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』4月23日ソワレ(大阪)

ホイッスル~は劇団四季のソンダンのラストでよく歌われる「ザ・ヴォルツ・オブ・ヘヴン (The Vaults of Heaven)」の作品だということで、ぜひともその全容を観てみたいと思い取ったチケットでした。それに、外れがないアンドリュー・ロイド・ウェバー作品だし。
ミュージカル舞台でも大活躍の三浦春馬くんが主演ということでこちらもとても楽しみにしていました…。地方公演がいくつか設定されていましたが、こちらも結局東京で数公演できただけで終わってしまいました(涙)。

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ミュージカル『ウェストサイドストーリーseason3』5月7日~8日(東京)

東京でしか公演してない作品ですが、今回は大好きな加藤和樹くんと木村達成くんが”リフ”役として出演すると知って思い切って確保してみました。ウェストサイドは映画と四季版しか見たことがなくて、新しい形で上演されるというのがどんなものなのかとても興味がありました。和樹くんと達成くんのWリフを比較してレポートしたかった…(涙)。

こちらはとりあえずすべて中止にはなっていないようですが、私は公演期間中に東京へはもう行けないのであきらめざるを得ません。無事に上演できる世の中になっていてほしいなと思います。キャストの皆さんもスタッフの皆さんも不安のほうが大きいと思いますが…なんとか希望のある結果になりますように。

ミュージカル『エリザベート』5月11日~12日(大阪)

2020年版もチケットを確保するのがとても大変だった『エリザベート』。運良く2公演ゲットできて 、新キャストを均等に見れる予定を組んでました(いっくんトートは東京オンリーだったので諦め)。こちらも、ものすごーーーく楽しみにしていただけにショックが大きいです(涙)。新ルキーニの黒羽くんとかホント観てみたかった…。

ミュージカル『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』5月18日(大阪)

こちらの作品のチケットは前売りが始まってしばらくした頃に気が付いて慌てて購入しました。主演がHey!Say!JUMPの薮宏太くんということで取りづらいかなぁと思っていたのですが、なぜかあっさり取れてしまって。今にして思えば…時期が時期だったこともあったのかもなあと。
この作品に興味を持ったのは、ロイドウェバー作品だからというのが大きいです。見たことがないロイドウェバー作品はやはり押さえておきたい。それに小西遼生くんも出演しているというのも大きかった。見たかったです…。

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ミュージカル『ニュージーズ』6月8日マチネ(大阪)

ディズニーの大ヒットミュージカルで、小池修一郎さん演出作品となれば期待するしかない!ということで興味を持った作品。主演の京本大我くんは『エリザベート』のルドルフ役を見たときにすごく印象が良くて、彼の単独主演作は舞台ファンとしてぜひ見ておきたいとも思っていました。
京本君は今一番ジャニーズ事務所が売り出してる人気グループ SixTONESの一員でもあるので、チケット確保はちょっと大変でした。それだけに、やっと確保できたと思った矢先の中止で…本当に無念です…。

ミュージカル『ミス・サイゴン』7月16日~17日(大阪)

まさか、7月のサイゴンまで中止の決断をせざるを得なくなるとは思っていなかったので…このお知らせも非常にショッキングでした(涙)。海外のスタッフさんも絡んでいたりすることからツアー公演を行うにあたり色々と難しい部分が出てきてしまったようです…(ほかの公演もそうだと思う)。
こちらも新キャストをまんべんなく見ようと計画立ててて、伊礼くんと高畑さんの組合せだけがいまだに確保できず、オケピサイトで探していたところでした…。
制作発表の時にとあるベテラン役者さんの言葉が物議をかもしてはいましたが(私もいい気分はしなかった 苦笑)、大好きな作品なので新しいキャストでどんな化学反応が見られるのかとても楽しみにしていました。 無念としか言いようがありません。

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後述

7月はまだ2作品チケットが手元に残っています。和樹くんのライブの予定も入ってます。が、それらが無事に行われるようになるのかは全くの不透明だし、8月分のチケットも無駄になる覚悟はしなければいけないかなぁと…心のどこかで怯えてる自分がいます。

お稽古をしていたのに披露できなくなって終わってしまった作品、お稽古すらできなかった作品、無念だったと思います、本当に…。
さらにお稽古期間は給料が発生しない仕組みになっているとも聞いているので、関係者の皆さんが今後どうなってしまうのかという心配も大きい…。この問題が落ち着いた時に、変わらないメンバーが集まれる状況になっているのだろうかと。

演劇界への補償問題は情報を掻い摘んで見ているだけではありますが、相当厳しい冷たい風にさらされているように思えてなりません。3月頃にある演出家が発した「演劇の死」ということがもしかしたら現実になってしまうのかもしれないという懸念すら感じます。
これまで体験したことのない事態に陥ったことで、それまで見えなかった問題が浮き彫りになったのでは…。なんとか対策を考えて(俳優の組合つくるとか)より良き方向へ向かってほしいと心から願うしか今の私にはできません。

あとひとつ、ちょっと言いたいことがあります…。

舞台公演が中止と再開を繰り返していた時期、いくつかの作品は再開されたときに数公演だけ上演することができていました。そのほとんどが東京です。そして、強制的に千穐楽が決定してしまった日…。SNSには、多くの役者さんたちが「千穐楽を迎えた高揚感」に溢れた投稿をしていました。

それを目にしたとき、私はちょっと、寂しかった…。

今となっては中止になってしまったわけですが、あの時点ではまだ、その先の地方公演が上演できる可能性を残していたからです。
皆さんの高揚した気持ちはよくわかる。でも、まだその舞台を待っているファンが東京以外にもいるんだってこと…少し考慮してほしかった。「千穐楽」の思い出を語るのは、地方も含めたすべてが終わった後に振り返ってほしいと思ったのは、私の単なる負け惜しみ…愚痴にすぎないことかもしれません。

でも、少し悲しい複雑な気持ちになったのはたしかです…。皆さんにとっては「東京」が一番の拠点だっていうのは分かる。どうしたって演劇の中心地は東京です。大阪も都会ではありますが、長くても1か月弱しか公演がありません(ちなみに香川は1回きりが普通)。でも、そういう場所にも待っているファンはいます。楽しみにしてる人はいる。それだけは、心に留めておいてほしいなって…今回の出来事で思いました。

まあ、こんな場末のブログに関係者の方が目を留めることはないと思うので、やはりただの愚痴であり負け惜しみですけど(笑)、色々感じることが多い昨今なので思い切って書いてしまいました。あしからず。

そんなわけで、6月までは私の舞台観劇予定が完全に白紙となりました(苦笑)。こちらのブログ、そこまで長く休ませるのも…。なんかちょっと考えます。

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