ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』大阪公演を観に大阪まで遠征してきました。
今回のTDVは新メンバーが多く入ってきたのでできるだけ1回目と違うキャストで観たかったのですが、前記事にも書いた通りチケット戦線が本当に厳しくてなかなか希望通りにはいかず。せめてクロロック伯爵だけは両キャストでとエントリーしたところ・・・引っかかった日程が大阪初日と7日マチネのみ(汗)。諸々の遠征費を考えた結果、大阪に中期滞在(3泊4日)することとなりましたw。
本当は2日連続で取れたら良かったのですが、引っかかっただけでも御の字です(汗)。
※大阪公演初日の感想はこちら
本編感想前に前回書けなかったフォトスポットについて少しレポしたいと思います。
梅田芸術劇場が20周年を迎えたということで今年から階段上がったロビーに”小部屋”ができました。3月のレミゼ梅芸公演を見に行ったときにはお花の装飾がちょこっとある程度だったのですが(レミゼ大阪感想参照)、今回はTDV仕様ということでかなり凄いことになってましたっ!
まず入口で存在感を放っているのが”ガーリック(にんにく)”です。TDVには絶対欠かせないアイテム(笑)。そこを通り抜けると、怪しい妖気が漂ってきそうな薄暗い部屋が見えてくる。清々しいお花畑みたいだった3月の面影がなくなっててビックリww。
- Wクロロック伯爵!!
- 寝所にはリーくんも!
祐一郎さんと優くんのWクロロックポスターがめっちゃカッコイイ!!あと、ロビーで見当たらなかったリーくんが伯爵様の寝所wに2匹いらっしゃいました(笑)。彼らの無事を確認できてよかったw。
このフォトスポットは今後も上演作品をイメージした小部屋として活用していくのかな。
ただ、場所が狭いので写真を撮るのはけっこう難易度高かったw。
「ダンス・オブ・ヴァンパイア」感想一覧
以下、ネタバレ含んだ感想です。
2025年7月7日マチネ公演 in 梅田芸術劇場(大阪・梅田)
概要とあらすじは2019年感想記事を参照↓
上演時間は休憩時間含めて約185分(3時間5分)。カーテンコールはこれに含みません。
内訳は、第1幕70分(1時間10分)、休憩30分、第2幕85分(1時間25分)。マチネの終演時間はだいたい16時10分強です。
主なキャスト
- クロロック伯爵:山口祐一郎
- アブロンシウス教授:武田真治
- サラ:中村麗乃
- アルフレート:太田基裕
- シャガール:芋洗坂係長
- レベッカ:明星真由美
- マグダ:青野紗穂
- ヘルベルト:ジュリアン
- クコール:駒田一
- 伯爵の化身:佐藤洋介
ヴァンパイア・シンガー
川島大典、岡施孜、桜雪陽子、坂口杏奈
ヴァンパイア・ダンサー
吉﨑裕哉、酒井航、渡辺謙典、水島渓、渡邉春菜、小石川茉莉愛、藤田実里、堂雪絵、畠中ひかり
アンサンブル
さけもとあきら、麻田キョウヤ、伊藤俊彦、森山大輔、天野翔太、川口大地、折井理子、千葉由香莉、小林風花、今野晶乃、宮内裕衣、森下結音
スウィング
佐渡海斗、髙田実那
全体・キャスト感想
大阪初日キャストと違うのはクロロック伯爵と伯爵の化身のみでしたが、伯爵が違うだけでこうも印象が変わるものかと。祐一郎さんは優くんとは役へのアプローチが違うので新鮮な気持ちで楽しむことができました。この日が私のラストTDVになるので血湧き肉躍りながらめっちゃブチ上がってきました(←あくまでも私の心の中で、の話w)。
今回は各シーンをもう少し細かく振り返りながら書いてみようと思います(長くなると思うのであしからず…)。
プロローグ~ニンニク
客席扉からアルフレートが「プロフェッサぁ~~~!」と心細い声を挙げながら登場。この時の太田基裕くんの表情がめちゃめちゃ怯えてて可愛らしかった!!母性本能くすぐられる系だったよw。
このあとしばらくしてからプロフェッサーが固まって現れるんだけど、旧演出の「かまくら」みたいな雪山から転がり出てくるっていうのが未だに記憶に残ってるので舞台奥の幕から転がり出てくるのはまだちょっと不思議な感覚(笑)。あの雪山好きだったんだけどねぇ。
そういえば、固まって動かないプロフェッサーをアルフレートが背負うっていう演出も無くなりましたね。教授をどうにか動かそうとしてる途中でライトが消えちゃうようになったww。
そして豪華セット共にシャガールの宿屋が登場。ここで歌われる♪ガーリック♪がめっちゃ楽しい!!このナンバー見てると、無性にニンニクスープが飲みたくなります(←臭くなりそうだけどww)。お客さんがゲップする演出は前からありますが、今までは客席に向けて吐き出してたのが新演出からシャガールに向けてやるようになりましたね(←クサッて悶えてる芋洗いシャガールが可愛い 笑)。
ここのアンサンブルさんたちのダンス、すごく陽気で楽しいんだけどよく見るとかなり難易度高い動きをやられてるんですよ。あれは相当ハードだと思います。
きれいな娘を持ったなら〜初めてだから
前回観た時は麗乃さんのマイクが全然入ってないというトラブルがあったのですが、今回はお風呂に入ってる時の「あ~~あ~~あ~~♪」からちゃんと聞こえてきてホッとしました。
アヴロンシウスとアルフレートが宿屋に泊ることになるシーンはほぼ全部コメディです。ホラーの要素ありませんw。個人的にツボなのが、ネズミをめぐるドタバタ劇。シャガールは自分の宿をめっちゃ自慢してるんだけど実はかなりのボロ屋(こういうキャラ、レミゼのあの人とちょっと重なる部分を感じるww)。何とか体裁を整えようと必死なシャガールですが、ネズミを発見した時の「スイートルームでござい・・・マーーーウス!!!」のシャウトがめっちゃ面白すぎたwww。芋洗坂係長さん、あれは巧い!!
最後、シャガールが部屋を出て行ったあとに寝ようとしてた教授の頭の上にもう一匹ネズミが落ちてくるんですがw、武田真治さん演じる教授はかなーり冷静にもっくんアルフに「ほい」って渡しててww。それを受け取ったもっくんアルフが「一体何匹いるんだよ~~」と泣き言零してたのがめっちゃ可愛くて萌えたw。
サラがお風呂に入っているのを発見した後のシャガールの慌てっぷりも面白いです。バカ可愛がりする父親にうんざりしてる時の中村麗乃さんサラはめっちゃ小悪魔。
前回はほぼもっくんのソロ状態だった♪初めてだから♪のナンバーも今回はしっかり二人のデュエットとして聴くことができてよかった。二人の声の相性、なかなか良いですよね。それに麗乃さんの歌がけっこう良い感じで、ミュージカルに向いてるかもって思いました。
シャガール夫妻の寝室の攻防、あれは旧演出よりも新演出のほうがシャガール気の毒って思っちゃいますねww。いやだって、部屋が狭すぎですもの(笑)。それでレベッカの寝相、芋洗いシャガールの体型ですから…あれは二人並んで寝るのは物理的にもほぼ無理だなとww。シャガールとしたら…お隣の愛人マグダのほう行っちゃうのも仕方ない、みたいな。
それにしても、ここで右往左往してる武田@教授がめっちゃ面白かったなww。動きがもうほぼ漫画で可愛いやら楽しいやら(笑)。
神は死んだ
客席からスーーーッと現れるクロロック伯爵。山口祐一郎さんの存在感はやっぱりすごいなと実感いたしました!もう何度も見てきたこともあって、登場した時の安心感がハンパないというか。そこにいるだけで不思議な怪しい妖気をムンムン漂わせてるんですよ。もう長い間お一人で演じていらっしゃるので、クロロックのキャラがDNAとして祐一郎さんに組み込まれてるんだろうなとも思いました。
歌い方としては”こんなにウィスパーヴォイス多めだったっけ?”と感じないこともなかったんですが(←それ故、地声との音量差がけっこう独特… 汗)これも味かなと。多少の違和感も正直あったけど、祐一郎さんクロロックはその存在だけでこの作品をグイと引っ張る力があるのでね。
面白かったのは、舞台上で歌った後去り際に最前列のお客さんにお茶目なちょっかい出してたことww。あの余裕がまた祐一郎さんらしい愛らしさでもあって私は好きです。
すべて順調~人類のために
夜が明けた明け方の光が差し込む演出が個人的にお気に入りです。シャガールの丸太は新演出になってからかなり大きくなりましたねw。
そんな時にやって来る駒田一さんのクコールさん!蝋燭の催促にやって来てシャガール脅しまくるんですが、もはや私にはじゃれ合いにしか見えない(笑)。駒田クコールの駄々っ子お芝居、ほんとに年々可愛く見えちゃって困るわw。
この日も駒田クコがシャガールに「●×▽〇▼!!!」と聴き取れない文句を言った後いつものようにお客さんに「こんにちは♪」と可愛くご挨拶してたのですが、それを目撃した芋洗いシャガールが「”こんにちは”という言葉だけしか聴き取れなかった」とツッコミ入れてたのめっちゃ笑ったwww。ここの台詞、芋洗い係長さん毎回変えてきてるんですかねぇ。流石芸人さんだなと思います。
そして武田プロフェッサーともっくんアルフが合流。「誰が私の頭を殴ったんだ?」と後ろ向く時の武田さんの仕草がこれまた可愛すぎて萌え~~ww。その後の早口ナンバー♪人類のために♪も完璧に歌いきってて最高でした。武田さんの歌い方は禅さんよりも少し台詞っぽい歌い方という印象なんですが、これが見事にハマってて良いんですよね~。「人類のためぇ~~!!」のシャウトは声を伸ばすというよりも血管切れる勢いで叫ぶってスタイル(笑)。
あんたは素敵~お前を招待しよう
お風呂場への入出を禁じられ自分の部屋に軟禁されてしまったサラがベッドで退屈そうに歌うシーン。麗乃さんの声がところどころやっぱり…神田沙也加さんと似てるなぁって思いました。彼女のサラが時々降りてきてるのかなって感じたくらい。
お風呂に入ろうとしてるアルフレートを誘惑する時の麗乃さんサラはもう小悪魔モード全開でしたね。特に「スポンジ大好き♪」と可愛く言ってのけるシーンはさすがアイドル経験者!!って感じ(笑)。あれは世の男子たちはイチコロになっちゃうだろうと。アルフレートがメロンメロンになるのも納得のアザとさもあったりして面白かったです。個人的にはもっくんの「スポンジ最高ーー!」の雄叫びもツボ(笑)。
そしてお風呂に入ってご機嫌のサラの前に突然現れるクロロック伯爵。やっぱり宿が真っ二つに割れて地面に登場する新演出よりもクレーンでグワッと迫るように現れる旧演出のほうがドキドキ感があって好きだったなぁと個人的には思っちゃいました(たしかでかいコウモリ羽根もついてたっけw)。
とはいえ、♪お前を招待しよう♪のナンバーは何度見ても超絶カッコイイ!!!2幕のクライマックスへの助走ともいえる旋律ですが、や~んわりした雰囲気から急に生き生きとイケイケな歌い方に転調する祐一郎さん独特の歌い方が好きです。見てて、”あ~~、これこれ!!”ってテンション上がりましたので。
外は自由
麗乃さんサラは束縛された生活から一日も早く抜け出して自由になりたいという気持ちがお芝居から溢れ出ていてとても好感が持てました。彼女はクロロックに恋をしたのではなくて、彼が与えてくれようとしている”自由”そのものに強いあこがれを抱いたんじゃないかなと。
そこに現れるアルフレートへの関心はもはやサラにはなくて。一生懸命プッシュしてる彼には気の毒だけど、ここは仕方ない展開だよなぁと思っちゃいますね。
そして、ヴァンパイアダンサーズによるダンス!!!1幕最初の号泣鳥肌シーン!!!
久しぶりに佐藤洋介さんが演じる伯爵の化身を見ましたが、もう本当に圧巻の極みで…!!!見てるだけで気持ちがめっちゃ上がる。なんだろう、あの、心の中を丸ごと鷲掴みされるような感覚は。美しく、キレッキレなダンサーズのパフォーマンスは実に見事です。これがあるからTDV観劇はやめられないっ!!
ヴシャ・ブシャ~死んじゃうなんて
ヴァンパイアに噛まれてしまったシャガールが仮死状態で戻って来る場面。ここのシーンでの明星真由美さんが演じるレベッカの嘆きっぷりがなんとも切ないんですよねぇ。浮気性だったシャガールに翻弄されてはいたけれど、彼への愛情は揺ぎ無いものがあるっていうのはそこまでのお芝居で伝わっていたので、杭を打たれそうになったシャガールを庇い涙するシーンはウルッときます。
そしてもう一人の女性・青野紗穂さんが演じるマグダ。♪死んじゃうなんて♪のシーンの時の青野マグダはめっちゃ艶っぽい!!色気ムンムンです。噛まれる瞬間のお芝居もめっちゃツボ。
面白いのはシャガールがヴァンパイアとして蘇った直後にマグダを噛んでしまった後の反応。前回見た時は「A型なのにB型の血を吸っちゃった~~!」と後悔していましたがw、今回は「吸いすぎた~~~!!」からの「今から人工呼吸するからね」という下心が口に出ちゃうバージョンでしたwww。
マグダを寝台に乗せたあと、人工呼吸…ってところでプロフェッサーたちの気配を感じて「あとでするからっ」って下に隠れた芋洗いシャガールが面白すぎた(笑)。
そのあとのアルフとプロフェッサーのやりとりは以前見た時よりもテンポアップした印象があります。4日に見た時も思ったけど、前回公演の時よりもドタバタコメディの時間が削られてるかな?みたいな。
ヴァンパイアシャガールを追ってクロロック城へ行くシーンは客席を使います。これは初演から変わらない。で、先にどんどんシャガールが舞台下に到着した時に「ばーかばーか」と二人に悪態をつきながら去って行ってたのが面白かったww。
ACT-1フィナーレ
クロロック城の門の向こう側から現れる祐一郎さん伯爵ここでもやっぱりすごい!!姿が見えただけで一気に目がそちらに集中するだけの圧倒的な存在感があるんですよね。
この日もクロロックにビビった武田プロフェッサーは名刺を渡すときに手をめっちゃブルブルさせてたんですがww、祐一郎クロロックはそれを取ろうとしてるのになかなか上手くいかず最終的にイラッとしながら手をムンズと掴んでむしり取ってたのめっちゃ面白かった(笑)。こういうちょっとお茶目心が出るのも良いんですよねぇ。
そしてここから登場のヘルベルトを演じるジュリアンくん。祐一郎パパとおしりタッチするシーンがめっちゃ可愛くて萌えたww。「やっと退屈にサヨナラ~~!!」の歌いっぷりも見事だし、前も思ったけどやっぱりヴァンパイアとしてのビジュアルが最高なんですよね!!めっちゃ説得力ある。アルフレートを誘惑する視線も怪しい色気があって印象に残りました。
もうひとつ面白かったのは、クロロック伯爵がアルフレートを巧みに誘惑する1幕ラストシーン。ここで伯爵はサラが愛用していた”スポンジ”をアルフに見せるのですが、この時祐一郎さん、もっくんアルフの汗が気になったからか投げる前に歌いながら丁寧にフキフキしてあげてたんですよww。で、拭いた後にサッサと祓って臭いをクンクンしながら「くさっ」という細かいリアクションまで(笑)。いままであんなオモロい仕草してるの見たことなかったので思わず吹き出してしまったwww。祐一郎伯爵、優しいのかそうじゃないのかよく分からん得体の知れなさが良いわ(笑)。
愛のデュエット
麗乃さんのサラの歌いっぷりが見事でしたねぇ。多少歌声に揺れはあったものの実に堂々としたものでした。やっぱりちょっと、沙也加ちゃんを思い出した。
そしてやっぱり祐一郎さんの圧倒的な歌唱はグッときます。ただ地声とウィスパーとの境目が今までよりも濃く出た歌い方になってるのはやっぱり気になるかなぁ(汗)。音程も難しいナンバー続きですし年齢重ねられるとどうしても無理が出てくるっていうのもあるのかもしれない。
夜を感じろ
プロフェッサーとアルフレートの寝台が登場するとともに流れてくるあの前奏が聴こえてくるだけで、私の中の血が一気にざわめきだすのがこのナンバーです!今回ももう一度言わせてほしい…!!
キタコレーーーーー!!!!!
およそ10分あるロック&ダンスナンバーですが、終始激しく血が騒ぎまくり。もう何というか…あまりにも圧巻な光景過ぎて、自然とボロボロ涙が出てくる。こみ上げてきてとかそういうのじゃなくて、全神経が刺激されて突き上げられるような感覚(←なおさらわかりづらい表現だけどw)。息をしてることも忘れるレベルで没頭できる数少ないミュージカルナンバーのひとつです。
マヂで、カッコいい!!!
そしてもう一つ印象深いのが、夜明けが訪れるシーン。ヴァンパイアたちは”夜型”なので日が昇ってくると急に活動が鈍くなりますw。その瞬間のダンサーさんたちの動きが本当に見事すぎて。見た目の表現としては・・・殺虫剤を巻かれた虫がパタパタと落ちていく感じっていうのかな(←伝わるか分からないけどw)。あの動きがホントすごいと思ってて。
とにかく今年も最初から最後までどっぷりと楽しませてもらいました。このナンバーを見れるからTDV観劇続けたいと思うと言っても過言ではありません。
霊廟~本だ!~サラへ
朝がきてクコールさんが朝食準備にやってくるシーンも可愛くて大好きです。特にプロフェッサーのお布団をかいがいしく直してあげる駒田クコちゃんは癒し(笑)。あと、武田プロフェッサーはしっかり朝食を間食して「ごちそうさん」と言ってるところが律儀で可愛らしい。
伯爵親子の寝所(棺のある霊廟)でのシーンはオールコメディですww。ここのプロフェッサーとアルフレートのやり取りが面白くていつも笑ってしまう。
もっくんアルフが「最短距離」として壁を恐る恐る降りるシーンは特に好き。あともう少しで到着って時に落ちてしまうんだけど、プロフェッサーが「大丈夫か!?」と声をかけると「てってれーー!」みたいなリアクションで無事をアピール(笑)。この時の仕草が実に愛らしくて好きww。しかもこの日は「どっきり大成功!」とかちょっと古典ネタをもっくんがアドリブで付け足して、武田プロフェッサーが「どっきりって何?」とツッコミ入れてたっけ(笑)。
教授が壁から降りそこなってアルフが助けようとするシーンも面白いです。もっくんアルフの飛び方が右側と左側では明らかに高さが違っててww。それを見た武田プロフェッサーが「高さが違うのはおまえが私を助ける気がないからだ」とズバリ(笑)。そのやりとりの二人の会話のリズムも最高です。
個人的には、もっくんアルフが「できませぇぇん!!」とくい打ちに失敗して半べそかく表情が可愛くて大好きだったなぁ。それに対する武田さんの「…え…???」というツッコミを入れる間もベストタイミング!!あの絶妙なやり取りがホント面白かった。
二人が去った後にシャガールとマグダが起きてしまうシーンですが、前回は「よかったやぁん」というもっくんアルフに「あいつ地元の人じゃないぞ」みたいなツッコミしてた芋洗いシャガールでしたが今回は「できましぇぇん」にエコー掛かりすぎだぞ、みたいなツッコミになってた(笑)。ここも毎回日替わりなのかなぁ。こういうとこさすがだなと思います。
シャガールとマグダのコミカルなダンス(♪死んじゃうなんて♪のリプライズ)も楽しいのですが、よくよく歌詞を聴いてみるとけっこうヤバイこと言ってるんですよね。「やられたくなければ先にやれ」とか「人間なんか皆吸うか吸われるか」「一度味をしめたら追いかけまわすだけ」とか。人間のどす黒い裏側を抉るような言葉がバンバン出てくる。改めて今回このシーンを見て、ちょっと背筋が寒くなりました。
♪本だ!♪のナンバーは武田さんの歌いっぷりが実に面白い。禅さんはワクワクした気持ちをとても軽やかに歌っていたのが印象深かったのですが、武田さんはカタブツ教授のキャラを崩しておらず、大量の本を前にした喜びを一つ一つ噛みしめて歌っているように見えました。
もっくんが歌う♪サラへ♪はどんなに邪険に扱われても彼女を想う熱い気持ちが伝わってきてグッとくるものがありました。素直でまっすぐな歌声は好感度大。それにしても、サラはすっかりアルフへの興味を失ってしまって超塩対応でしたねぇw。「あら、あんた」の言い方の塩味がけっこう効いてましたわ、麗乃さんサラ(笑)。
恋をしているのなら~ワルツ
ジュリアン君ヘルベルトの本領発揮シーン、めっちゃ笑いましたww。アルフレートを見つめる目の妖しさったらないわ(笑)。完全にロックオンして艶っぽくアピールしてくるんだけど、この匙加減が実に絶妙。そしてあのセクスィーなおパンツ(笑)。4日に見た時にはチラ見せって感じだったのが、今回見たらアピールした後もガウンが観音開きみたいになっててずーーっとおパンツ見せてる状態のお芝居続いてた(笑)。今にガウン脱ぎ捨てて踊り出す日が来るんじゃないかとハラハラするわwww。
ヘルベルトがヴァンパイアの本性出してアルフレートが慌てて客席に降りて逃げ出す場面。ここの演出も初演から変わっていませんが、今回もっくんアルフはかなり興奮してて(笑)。逃げた後に戻る時に「僕は別にあのおパンツが好きなわけじゃないですからっ」みたいな言い訳してたのめっちゃ吹いたwwww。そんな彼を舞台上から見つめてた時のジュリアンくんヘルちゃんの「えぇ~~」ってえ表情も可愛くてねぇ(笑)。
で、舞台にもっくんアルフ戻って来るんだけど・・・この時二人でなんかじゃれ合う仕草してたの超萌えました。あんなん、4日見た時はやってなかったぞwww。
そのあとアルフがヴァンパイア化したヘルベルトに襲われるのですが、間一髪でプロフェッサーが助けに入る。ここのシーンで注目なのが彼の持っている「傘」。なんと、ワンタッチで十字架になるようにバージョンアップされています(笑)。
ヘルちゃんはこれにやられて退散するのですが、今回ジュリアン君けっこうしぶとくてww。武田さんが「これでもかっ」みたいに何度も”傘十字架”攻撃しまくってたのも面白すぎた(笑)。
プロフェッサーとアルフレートが命からがら(?w)城の屋上へと逃げる場面。アルフから「鏡にヴァンパイアの姿が映らなかった」と聞いた時の武田プロフェッサーの興奮の仕方がめっちゃ可愛くてツボ(笑)。逃げてるのに喜びで大爆発で今にも階段から飛び降りそうなテンションだったw。生真面目さを滲ませながらの感情の起伏のお芝居が武田さん、本当に上手い。
そして個人的に大好きなのがプロフェッサーとクロロック伯爵の屋上での対決シーン。ここの音楽がめっちゃカッコイイんですよ!!「誘惑するのか!?」「するまでもない」のやりとりは毎回鳥肌もの!!祐一郎さんvs武田さんのぶつかり合いも迫力満点で実に見応えがありました。
永遠~抑えがたい欲望
このミュージカルに”ホラー”を感じるシーンと言えるのが♪永遠♪ですかねぇ。私のようなリピーターくらいになると、ここも楽しんで見てしまうのですが(笑)初めてこの作品に触れた方はけっこう怖さを感じるかもしれません。
ナンバーそのものもちょっとおどろおどろしいロックですし(私個人としては未だに”水戸黄門のテーマ曲”が最初に浮かんでしまうのですがw)、気合の入りまくった衣装とメイクのヴァンパイアアンサンブルの皆さんが歌い終わった後いっせいに1階客席になだれ込んできますからねw。あれはなかなかの迫力です。
そしてクロロック伯爵の孤独が浮き彫りになるナンバー♪抑えがたい欲望♪。優くんはどちらかというと自分の運命を呪うような印象だったけど、祐一郎さんは哀しみの感情が深いのが印象的。欲望を抑えきれず愛した娘の血を欲してはその命を奪ってしまうことへの苦悩が歌の中にすべて込められている。聴いているこちらもその哀しみを追体験させられていくような感覚すらあります。このあたりの表現はやっぱり初演からずっと一人で演じられてきたからこその祐一郎さんの凄味だなと感じました。
最後の歌い上げも実に見事。これぞ山口祐一郎!!って感じ。客席も大きな拍手に包まれました(ちょっと指揮者の塩田さんの溜めが長すぎかなとは思ったけどw)。
そしてこのナンバーのもう一つの見どころが伯爵の化身の渾身のモダンダンス。佐藤洋介さんの化身、久しぶりに拝見しましたけど・・・本当に鳥肌が立つくらいの圧巻の動きに息止まりそうになった。特に中盤から後半のもがき苦しみを表現するダンスは壮絶の一言です。見ていて自然に涙が溢れてくる。本当に凄いものを魅させていただきました。
舞踏の間~荒野2~外は自由(Reprise)~フィナーレ
舞踏の間のクロロック伯爵、優くんは気だるい感じで階段に座っていたのに対し祐一郎さんは堂々と最上階に立ちはだかってる。もうそれだけで凄味が伝わってくるんですよね。まさに圧倒的過ぎる存在感。そして血に飢えたヴァンパイアたちへの「満足か!?」の問いかけ2連発がこれまたカッコいいのですっ!!!見てる私の血も騒ぐ(笑)。
そしてサラが登場していよいよ伯爵さまに血を捧げる時。4日に見た優くんは牙をつけずにガブリといってたので祐一郎さんもそうなるのかなと思っていたら、ガッツリ牙装着されてました(笑)。この付け外しも実にスマートにこなされてるんですよねぇ(演出的に隠してるけど隙間からチラ見してしまう私ww)。
ちなみに祐一郎さん伯爵の噛みつきはガブっというよりはパクっといった感じwww。優くんと比べるとだいぶソフト・・・に私には思えた(笑)。
ここから先のフィナーレまで怒涛の疾走感は最高というしかないっ!!!あの「今夜はエンジェル」(←ヤヌスの鏡w)に向かっての盛り上がり方が本当に大好きです。ここのクライマックス、今回も超ボロ泣きしながら見てしまった。カッコ良すぎるものを見るとホント涙が止まらんのです。
幕間:クコール劇城
1幕が終わってからかなりすぐのタイミングでお掃除にやって来る駒田クコちゃん。モップ持って舞台上に散った雪をお掃除していると、客席からは「くこちゃーーん」とか「おつかれさまーー」といった労いの歓声があちこちから聞こえてきて実に微笑ましいw。
この日は「皆さんのご声援に感謝してあるものをプレゼントしたいと思います」と懐から赤い風船を取り出してました。それをある程度まで膨らませた後、なんと風船アートを起用に作られてて!!「あ、これ割れるかも」と言いながらも絶妙なさじ加減で見事に形作っていかれてたの本当に凄かったです。最終的にはワンちゃんの形が完成して、オケボックスの上に「はい」と置いてそそくさと退場されていきましたw。
駒田さん、毎回楽しいクコール劇場、本当にありがとうございました!!
後述
カーテンコールは前回と同じく振付け説明なしで「行くぞ―――!!」みたいな勢いからもうスタート(笑)。今回で最後になるので、めっちゃ一人で盛り上がりまくってきましたwww。あのフィナーレの音楽と共に
「まっかにながれる血がほしい~~!!モラルもルールもまっぴらぁ~~♪」
と振付けすることの楽しさがもう体に染みついてしまっている私(このフレーズ、文字にするとけっこうおどろおどろしいけど、実際はめっちゃ楽しいのですっ)。
推しのFCで購入した真っ赤なタオルハンカチがここで大活躍(笑)。
ちなみにカーテンコールのダンスの振付けはSNSに挙がっているので興味のある方はぜひ参照してみてください。
ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』🦇
お待たせいたしました!
カーテンコール振付動画です✨
劇城にお越しの際はぜひ完璧に覚えて踊りましょう🕺
赤いハンカチなどご用意ください!また、2階席3階席のお客様は危険防止のため着席のままでお願い申し上げます🙇… pic.twitter.com/9Z8EvbyosE
— 東宝演劇部 (@toho_stage) May 8, 2025
もう伝統のようになってるので、今後の再演の時にも役に立つと思われますw。
前回公演から6年もの間が空いてしまったTDV。この作品は客席降りの演出が欠かせないこともあるためコロナ禍の影響もあったんじゃないかなぁとも。どうか次はもう少し早い時期に再演をお願いしたいです。
「踊れ、永久に、ヴァンパイア~~~!!!」
また必ず会える日が来ますように。カンパニーの皆様、熱い舞台をありがとうございました!
そして、血沸き肉躍るような素晴らしい楽曲を遺して下さったジム・スタインマンさん、本当にありがとうございました。TDVは末永く多くの人に愛されるミュージカルになると思います。