梅田芸術劇場で上演された『CHESS in Concert』を観に行ってきました。
梅芸に行くのは大沢ファントム楽を見届けるために遠征したあの日以来2度目。あまりにも感極まりすぎて暫く劇場前から動けなくなったのは懐かしい思い出ですが(笑)、まさか、遠征ではなく梅芸にやってくる日がこようとは思いませんでした。なんか妙な感じです。
本当は予定に入れていなかったのですが、東京での評判があまりにも良かったのでツイッターのTLを見ているうちに行きたい気持ちが沸々と湧き起こり…w、いいタイミングでチケットも手に入って行くことができました。前回公演も見たことがないので全くの初めての観劇です。
で、この日は大阪初日(と言っても3日間しかありませんが)。全く知らなかったのですが、特別カーテンコールと…プログラム購入者にマテ・カマラスさんのサイン会なんていう素敵なイベントがありました!プログラムはいつも始まる前に購入するのでサイン会券をゲットすることができたのですが…、幕間ではあまりにも人が多くなったからという理由でサイン会のチケットが配られていませんでした。最初に買っておいてよかった…。
特別カーテンコールではABBAのナンバー「ギミギミギミ」と「ダンシングクイーン」が披露され、会場大盛り上がり!私知らなかったんですけど…CHESSってABBAのお二人が制作した作品だったんですね。それでこの2曲が選曲されたとのことで。まさか、四季のマンマ以外でスタンディングしながらダンシングクイーンでノリノリになる日が来るとは思いませんでしたよ(笑)。
歌詞はもちろん英語でしたが(版権の問題があるので)、最後はマテの先導によりw振り付きで客席が一緒に踊るという…まるでコンサートみたいな盛り上がりっぷりで本当に楽しかったです。もう、ほんとに、マテが無邪気にはしゃいでて可愛くてねぇ~w。めちゃめちゃ楽しそうにしててなんか見てて嬉しくなってしまった。
「ギミギミギミ」はAKANE LIVさんのオリジナルアレンジで、なんだか全く違う楽曲に聞こえてものすごく新鮮でした。この方は本当にスタイル抜群で…もう、見れば見るほど羨ましかったです(笑)。
このABBA特別カテコの前に曲紹介が戸井さんからあるんですが、その前に安蘭さんや石井さんたちの軽いフリートークがw。「このコーナーはフリートークじゃないから」って石井さんが何度もツッコミ入れてるんだけど、自由人アッキーが軽く歌い出して客席が拍手でそれに応えたりしてて(笑)。
「さすが大阪のお客さんは乗りがいい!」ってみんな喜んでたんですが、マテだけは何が起こっているのかよく分からない状況。「ぼく、ガイコクジンだから、ワカラナイ~」とちょっと寂しそうにしてたらアッキーや安蘭さんたちがざっくり説明しててww。そしたら急にマテも何か一節歌い出してまた客席から手拍子が起こったりで無邪気に喜んでました(笑)。可愛すぎるぞ、マテ!!
そんな様子を見ていた戸井さん、「何言っていいのか忘れそうになっちゃったよ」と言ってて皆に大笑いされてましたw。
特別カテコのABBAナンバーが終わった後も仲の良いキャスト陣。安蘭さんが「明日もありますので、見逃しになられた場面もある方はぜひ」みたいな挨拶を言いだして石井さんとアッキーがビックリ仰天www。すると安蘭さんが「いや、ほら、あまりにもいい曲すぎて意識失った人もいるかもしれないじゃない」って(笑)。確かに私の横の席の人は数分間意識失ってたなwww。
さらに、「明日はまた特別カーテンコールがあるんですよね、明日は何の日ですか?」ってアッキーが振るとマテが「クリスマス~」って返しててww「まだ早すぎるよ」とアッキーのツッコミ、みたいな一幕が(笑)。つまりは翌日のカテコではクリスマスナンバーがCHESSキャストで歌われるようです。
さらに拍手が続いてもう一度出てきたメンバー。最後はマテに覚えた大阪弁で〆てもらいましょうということで、マテの口から出てきたのは…「もうかりまっか?ぼちぼちでんな」だった(笑)。もう、すっごいドヤ顔で言うからおかしくておかしくてwwww。
さらに最後は「ありがとうで」ってまた安蘭さんたちからリクエストがあると、すっごいすまし顔になっててww。それを見たアッキーが「いや、そんなすまさなくてもいいから」ってツッコミが(笑)。「アリガトーゴザイマシターー」って満面の笑みでマテが〆て終了。もう、本当にこのメンバー仲良しだなって思って微笑ましかったです。特にマテが可愛すぎ!!
そして終演後にマテのサイン会。劇場側の人によりますと、300人前後の人が並んでいたらしい!!私はちょうど真ん中くらいだったかな。待つことだいたい20分ちょっと。長髪だった髪の毛をまとめてマテが登場すると軽いざわめきが(私はその瞬間は見えなかったけど)。
で、マテに何か言葉掛けなきゃと思って…。少し日本語が分かると思ったので「素晴らしかったです」って一言伝えると「ウレシイ~^^。ボクもこの舞台、ダイスキ~」って言ってくれました!!あんなに言葉掛けてくれると思わなくてビックリして嬉しくてテンパってしまいました(笑)。マテ、めちゃめちゃ良い人でした!!
今年は、レアとマテにサインをもらえて本当にラッキーだったなぁ。
2013.12.20マチネ in 梅田芸術劇場
キャスト
フローレンス:安蘭けい、アナトリー:石井一孝、フレディ:中川晃教、アービター:マテ・カマラス、スヴェトラーナ:AKANE LIV、ウォルター:戸井勝海
池谷京子、角川裕明、田村雄一、ひのあらた、横関咲栄
ダンサー:大野幸人
以下、ネタバレを含んだ感想です。
アメリカとソ連の冷戦が続いていた時代の物語。
チェスの世界選手権にアナトリーとフレディが挑もうとしている。アナトリーはソ連人、フレディはアメリカ人…二人の背景には政治的な駆け引きもありそれに翻弄されていく。フレディは自らの生い立ちへの嫌悪感を抱き、精神的に破たんしてしまい試合を放棄。そんな彼についていけなくなった恋人のフローレンスは対戦相手であったソ連のアナトリーと恋仲となりイギリスへ亡命。
暫くしてバンコクで再びチェスの世界選手権が開かれる。その前に、チェスを離れていたフレディがテレビの対談番組でアナトリーの妻スヴェトラーナを帯同してやってくる。動揺するアナトリーをいつの間にかテレビ業界へ移っていたフレディが必要以上に挑発。さらに死んだとされているフローレンスの父親が実は生きていて、アナトリーが負けるかソ連へ戻るならば解放するという条件を出され苦悩する。果たしてアナトリーの選んだ道とは…
ストーリーは全く知らずに入ったのですが、時代が東西の冷戦真っ只中ということでけっこうダークなテーマだったんだなと思いました。ただのチェスの試合ではなく、その背後でうごめく東西の思惑にそれぞれが翻弄されていて…。チェスそのもののゲームというよりも、チェスの背景でうごめく思惑に左右されている人々がゲームそのものって感じだったかな。テーマ的に難しいし、かなり大人な内容だなと思いました。が、楽曲がどれも本当に素晴らしくて!難しいテーマもあの楽曲を聞けばなぜかスーッとその世界観に入っていけるみたいな…そんな不思議な作品でした。
コンサートということで、キャストの皆さんは皆マイクを持って歌っていたんですけど…セットも簡素ではありながらもストーリー性のある配置だったし、普通にミュージカルと言っても遜色なかったです。これ、コンサートじゃないミュージカル舞台だったらどんな感じなんだろう!?そこがすごく気になりました。それくらい本格的。
舞台中央奥にはオーケストラがどーんと構えてて、重厚感のある音楽を奏でていたのでその雰囲気がコンサートってことなのかな。とにかくいろんな音楽が出てきたなぁ。ロックあり、バラードあり、クラシック的なものあり・・・、もう本当にミュージカルの宝箱みたいだった。しかも、旋律がどれもめちゃめちゃ難しそう!!ソンドハイム級に難解だったと思います。
それを見事に歌い込んだキャストさんたちには本当に拍手喝采!!歌唱力のある役者さんが揃うとこんなにすごい迫力なんだって…もうなんか、聞いていてガツンときましたね。
安蘭さん、久しぶりに拝見しましたが…カッコいいし歌が抜群に上手い。二人の男性の間で苦悩するフローレンスの心情を繊細に表現されていて何度もグッときました。
石井さん、もっともっと久しぶりに拝見しまして。なんかほんと、懐かしいって最初思ったくらいです。相変わらず澄んだいい声で!アナトリーはどちらかというとテンションはあまり高くない。大人な男性の静かなる苦悩みたいな部分を実にうまく表現されてるなぁと思いました。
中川くん、いやぁぁ…・もう、本当に、彼の歌声は衝撃以外の何物でもありませんね!!全く不安を感じさせないあのスコーンと突き抜けるような心地いい歌声…。まさに天から授かった歌声ですよ。圧倒されるっていうのはああいうことを言うんだと改めて思いました。それに、表情の芝居もすごく進化してる。あれを歌いこなせるのはアッキーしかいない。
マテ、出演者の中では一人だけちょっと異質な存在でした。マテの歌い方ってものすごくロックなんですよね。ジャッジマンとして出演してるのですが、逆にその異質さが生きていたと思います。ただ、日本語歌詞に苦戦してるような場面もチラホラ…w。なんて歌ってるのか分からないなぁと思う箇所がちょっとね…。
でも、私はマテはホントにすごい人だと思います。慣れないであろう日本語の歌詞をあんなに一生懸命歌ってくれてて…しかも、日本語もちょっと上達してるし。それだけでも尊敬に値します。日本に来てくれて、日本を好きでいてくれて本当にありがとうって思いました。
AKANE LIVさん、2幕から登場してくるのですが…圧倒的な歌唱力はもとより、スタイルがもう抜群すぎるほどに良いんですよ!!あれは見惚れる!切なく複雑な女心を歌い上げる場面は本当にグッとくるものがありました。
戸井さんも要所要所で舞台を引き締めていたし、ダンサーの大野くんのしなやかで大胆な動きも素晴らしかった。レミゼで工場長やってた田村さんも良い低音響かせていましたし、コーラスに至るまで皆さん本当に完璧でした。
内容的にはもう一度見なければ分からないような部分はありましたが、それでも、1回でも本当に十分すぎるくらい圧倒的な体験をさせてもらいました。日本版CD出してほしいですねぇ、これは。あの難解な音楽を見事に歌いこなしているキャストさんたちの歌声をぜひ残してほしい。そしていつか、ミュージカル「CHESS」が日本語版で上演される日が来ますように。
梅芸の近くにあるツリーがとても綺麗でした。そういえば、『ファントム』で遠征した時もここのツリー見たな~なんてちょっと懐かしく思い出しましたw。