ミュージカル『ISSAinParis』大阪公演を観に梅田芸術劇場まで遠征しました。東京公演から見続けてきたこの新作ミュージカルも、ついにマイ楽を迎えます。感慨深いものがあったなぁ。
大阪遠征は昨年11月以来ですが、梅田芸術劇場に来るのはもっと遡って昨年7月の「ダンスオブヴァンパイア」以来だったという…。そんなに梅芸ご無沙汰だったか。梅芸周辺の光景も色々と変わっていてビックリした(汗)。
観劇前からモーリー・イェストン×藤田俊太郎さん演出への期待値が高かったのでかなり早い時期の前売りでゲットした今回の大阪公演。2月14日ソワレではバレンタイン企画としてISSAチョコが全員に配られました(←それ目当てにこの回をチョイスw)。
海人役の海宝くんと一茶役の来夢くんがデザインされた包がカッコいい。もったいなくて食べられないよ〜。
ちなみに大阪公演ではロビーに「何きっかけでこの公演を知りましたか」というアンケートを募っていたので、私もマーキングしてきました。
- 14日ソワレ
- 15日千穐楽
2月14日と15日の時点では、圧倒的に「カンパニー(キャスト)の情報」から知った派が多かったですね。私は梅芸さんのSNSで知った派です。モーリー・イェストンさんが日本を舞台にした新作という文字を見ただけでテンション爆上がりしたので(←それ故、東京と大阪のチケット購入してるw)。
- 第1幕:60分
- 休憩:25分
- 第2幕:75分
- 合計:約2時間40分(カーテンコール含む)
以下、ネタバレを含んだ感想になります。東京公演感想よりも踏み込んで書いてます。
観劇・キャスト感想
2026年2月14日ソワレ/15日大阪公演千穐楽キャスト
- 海人(ISSA):海宝直人
- 小林一茶(若き日):岡宮来夢
- ルイーズ:潤花
- テレーズ:豊原江理佳
- ラファエル、他:中河内雅貴(14日ソワレ)/染谷洸太(大阪楽)
- 絹子、他:彩吹真央(14日ソワレ)/藤咲みどり(大阪楽)
- レミー、他:中井理人(14日ソワレ)/見﨑歩誠(大阪楽)
- 14日ソワレ
- 15日マチネ
内田未来、阿部裕、森山大輔、塚本直
岡田治己、尾関晃輔、加藤翔多郎、黒川賢也、木暮真一郎、斎藤准一郎、渋谷茉樹、根岸みゆ、般若愛実、引間文香、深瀬友梨、古川隼大、森加織
大村真佑、森田有希
2月14日と15日公演はアンサンブルの井上真由子さん、島田隆誠くん、武者真由さんが体調不良ということで急遽休演となってしまいました。
その代役として、ステージスウィングだった大村真佑くんと森田有希さんがご出演。一人少ない状態でのステージングでペアが作れない場面もいくつかありましたが、全く違和感のない熱演で本当に素晴らしかったです。スウィングはピンチのときにいつでも出ていけるスーパーヒーローのような存在なので、本当にすごいと思う。カンパニーの結束力も伝わってきました。
井上さん、島田くん、武者さんの一日も早い回復を祈っています。名古屋公演では元気に復帰されますように。
本編およびキャスト感想
東京公演感想はこちら
東京公演を初めて観たときから予感はしていましたが、やっぱりこのミュージカルは回数を重ねて見るほど旨味を増していく”スルメ型”作品だなと実感しました。最初少し感じていた違和感が、なぜか自分の中で払拭されていく感じ。
もちろん、4回見ても「?」と思うところやツッコミどころもあるんだけど、それ以上に見終わった後の満足感が大きいんですよね。
そういった意味では万人受けは難しい作品かなとも思います。ヒットナンバーがあるわけでもないし(冒頭の♪TALK TALK TOKYO♪は別として)、ストーリーも親切に解説してくれるような場面はほぼありません。言うなれば、観劇側の五感が試されるような…そんなミュージカルだったかなと。でも、こういう作品があってもいいと思うし、私は好きです。観れば観るほど好きになっていった。
そしてやっぱり特筆すべきは、モーリー・イェストンさんの珠玉の音楽たちの素晴らしさ!!この方を信じて大阪遠征までした私ですが、全く悔いなしっ!まぁ、これは完全に私個人の感想ではありますが(笑)・・・本当に大好きだなぁと実感したし楽曲に包みこまれていく感覚がとてつもなく心地よくて幸せでした。
あの難解な音楽を完璧に美しく歌いこなしているカンパニーの皆さん、心底すごいと思う。
以下、印象に残ったシーン(楽曲)の感想をいくつかピックアップしていきたいと思います(かなり詳細にネタバレしていますのでご注意を)。
- 14日マチネ
- 15日大阪楽
♪TALK TALK TOKYO♪
『ISSA in Paris』はこのビッグナンバーから始まるのですが、海人を演じている海宝直人くんの英語の発音が実に素晴らしく聴き惚れてしまいます。本当に美しいイングリッシュ。そこに、若き日の岡宮来夢くん演じる小林一茶の俳句が日本語として重なっていく。この楽曲は海人が一茶の俳句を英語に訳して歌詞にしたという経緯があるので、二人が重なる光景は実に美しく眩しいです。大阪で見てついに鳥肌きましたよ!
なにか抱えている葛藤を振り切るように歌う海人(活動ネームはISSA)と、その傍らで生き生きとした表情で次々と句を筆に乗せていく一茶。この対比は特に印象深かったな。
あと、この冒頭シーンでアンサンブルさんが現代と江戸時代とに分かれて一緒に出てきてソング&ダンスで盛り上げるのですが、皆さんのフォーメーションが実に見事で見ていてワクワクしました。
個人的には、岡田治己くんが演じている「柿田はる夫」に大注目でしたw。
「ISSA in Paris」本日もありがとうございました🔥
今日という日に観劇してくださった方々ありがとうございます🙏🏻
そして雪⛄️
雪好きの僕にとっては嬉しい1日でした🫰また明後日も梅田芸術劇場でお待ちしております💪#ISSAここが好き#ISSAinParis#ミュージカルISSA pic.twitter.com/cxUZs6cypw
— 岡田 治己Haruki Okada (@okadaharuki1208) February 8, 2026
めっちゃ可愛いくてかっこいい議員さん!他のシーンの役でも目で追ってしまった。
海人の脇で歌う塚本直さんとラファエル約と別役で登場する中河内雅貴くん、染谷洸太くんもこれまた鳥肌級にカッコいいので必見!
海人は♪TALK〜♪がバズり知名度が上がるものの、小林一茶の俳句を英語にした歌詞だったと知られると世間の反応が一転して冷たい視線に変わってしまう(他人の褌で相撲を取る、みたいに受け取られた)。俳句の世界では引く手数多の有名人だった母・絹子にも忸怩たる思いを抱いていた海人は、明るく声をかけられても激しく拒絶してしまう。
このあたりの親子関係の難しさは見ていて胸が痛みましたねぇ…。有名人の母親の息子としてずっと苦悩を重ねてきた海人。でも結局は俳句に頼ってしまった自分にも苛立つし、そんな自分の気持ちもわからず小林一茶の研究を聞いてほしいとグイグイくる母親にも苛立ってしまうしで八方塞がりなのが辛い…。二世ならではの苦しみって感じですかねぇ。
母の絹子さんはそんな息子を励ましたいんだけど、その方法がわからないわけで・・・その不器用さも切なかったです。あと、海人を励ましたいのにこの世にいないので成す術なしな阿部裕さん演じるお父さんも切ないです…(初めて見たとき父はなぜ息子に声をかけてやらないのかと思ってしまった←中盤でその理由が発覚)。
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ミュージカル『ISSA in Paris』🎼🖌
✨2月10日(火)【28公演目】✨.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺⊹˚.
⏰本日のスケジュール
◼︎12:15 開場
◼︎13:00 開演ラファエル #中河内雅貴
絹子 #彩吹真央
レミー #見﨑歩誠… pic.twitter.com/9PAeKd2ER9— ミュージカル『ISSA in Paris』 (@issa_in_paris) February 10, 2026
大阪楽で初めて藤咲みどりさんが演じる絹子を拝見。彩吹真央さんはバリバリキャリアウーマン的なカッコよさがあったのに対し、藤咲さんは物腰柔らかくまろやかで優しさが滲み出るような雰囲気がありました。
母と息子のギクシャクした関係が続く中、絹子が一茶の研究で渡航したパリで亡くなってしまう。このときの海人を演じる海宝くんのなんとも言えない呆然とした表情がとても印象深かった。哀しみよりも、自分を理解してもらえず分かり合う前に逝ってしまった母への複雑な気持ちがあの中に集約されていたような気がして胸が痛みました(涙)。
♪露の世は♪
海人が呆然となるのと同時進行で小林一茶の場面が出てくるのですが、ここの演出意図がちょっと分かりにくいなぁというのはありました。「露の世は〜」という一茶の俳句は何度も劇中登場するのですが、この作品の中で確固とした存在感を放っていないように思えるんですよねぇ(汗)。
人生の儚さを歌うナンバーではあるのですが、あそこで歳を重ねた一茶が幼いわが子の早世を嘆く場面を入れてくることの意味は大阪で見ても「??」だったかもしれない(苦笑)。もう少し分かりやすく見ているこちらに伝えてほしかった。っていうか、最初見たときはあれが一茶だって気づかなかったくらいなので…(汗)。
海人は母が存命中に受け取れなかった「小林一茶空白の10年に関する研究」論文を手にし、その世界観に足を踏み入れていく。これと同時に、若き日の一茶(弥太郎)がお茶屋さんに過去の出来事を語るシーンが入ります。弥太郎の父親役を演じていた斎藤准一郎くんの生き生きとしたお芝居がすごく好きだった。
弥太郎の過去は決して明るいものだけではありませんが(特に継母がやってきてからの人生は悲惨)、楽曲は終始明るくて悲壮感がなかったのが印象的です。
俳人としてやっていくことに行き詰まっていた弥太郎は、亡き母の声を頼りに新しい世界を求めて江戸から長崎に向けて前に踏み出していく。
長崎の出島にある遊郭で雇ってもらえることになった弥太郎は、そこで過酷な運命の中生き抜こうとする遊女たちの姿を目の当たりにします。この時の体験が後半に生きてくるといったところではあるのですが・・・、個人的にはちょっと”長い”と感じてしまったかも(汗)。もう少しテンポよく弥太郎(=一茶)が日本を旅立つまでを描いたほうがスッキリしてよかったんじゃないかな。
キャストの皆さんは遊女の哀しさを表現されてて素晴らしかったんだけど、作品全体としてみるともう少し短いほうが良かったというのは東京、大阪を通して感じたことです。
ちなみに、わたしは森山大輔さんが演じられた船乗りのペーテルさんの豪快で優しいキャラが大好きでした。
♪祖国を離れ♪
出島からうまいこと外国船に乗り込みパリを目指す一茶と、論文を読んでいくうちに母が最期を過ごしたパリへ向かう決意を固めた海人がリンクする演出がとてもドラマチックで良かった。このあたりはさすが藤田俊太郎さんだなぁと。
そして何より、海人と一茶が違う時空でそれぞれの思いを抱きながら歌う♪祖国を離れ♪のナンバーがめっちゃ好き!!ところどころにミュージカル『タイタニック』味が感じられるのも胸熱だったし、やっぱりモーリー・イェストンさんの紡ぎ出していく旅立ちの旋律は本当に心が震えるんですよね。
このシーンの後、海人の亡き母と父が♪露の世は(リプライズ)♪を息子にそっと寄り添うように歌う光景も美しかったです。
♪パリ♪
一茶が到着した18世紀のパリは決して豊かな国ではなく人々はギリギリの生活を余儀なくされていた。そして現代のパリも街中でデモ活動が行われていて不穏な空気を醸し出している。奇しくも、海人と一茶の時代のパリは混沌とした雰囲気が流れていたという描き方もなかなか興味深かったです。
このシーンでのモーリー・イェストンの音楽は非常に凝っていて。18世紀パリ市民は静かで美しい旋律を歌っているのですが、現代のパリ市民はギラついた殺伐とした雰囲気で荒々しいラップ調の旋律を歌っている(背の高い木暮真一郎んの存在感がひときわ光ってました)。
この全く相反する音楽が後半見事に融合してくるんですよ。最初ラップが出てきたときはびっくりしたんだけど、その後の音楽の構成が実に見事で心の中で拍手喝采してしまった。
海人は母を知る日系のフランス人・ルイーズと出会い、一茶は横暴な貴族に襲われそうになっていた美しい女優・テレーズと出会う。
この横暴な貴族を演じてたのが阿部裕さんなのですが、海人の父親を演じてる人と同一人物とは思えないほどの迫力でさすがの存在感!!個人的には「なぁんだよぉう!!」と威嚇するシーンがめっちゃ好きです(笑)。
この二組の出会いですが、海人とルイーズはただのビジネス的つながりといった雰囲気なのに対し、一茶とテレーズは恋が始まる余韻を感じさせる雰囲気として描かれているのが面白いなと思いました。やっぱり何度見ても、海人とルイーズは恋愛に発展しそうにないなと思ってしまう(苦笑)。
一茶とテレーズが歌う♪これは運命♪はどこかミュージカル『ファントム』の旋律を感じさせる雰囲気でとても素敵だったなぁ。ただ個人的にはもう一歩踏み込んだ二人の恋を予感させるドラマを足してほしかったなとは思います。
一方の海人は母と無言の再開を果たすものの、母親と理解し合えないまま別れてしまったことに対して複雑な感情に囚われている。海人を演じる海宝くんの切なくも痛々しい歌声がとても印象的だった。
♪MIDNIGHT IN THE LIBRARY♪
ルイーズは海人に絹子との思い出を嬉しそうに語り共有しようとしますが、その想いは彼に届きません。海人の母に対する違和感は濃い。
初めて俳句を作ったときは父と母は「天才だ!」と手放しで喜び、息子もそれが嬉しくて想いに応えようとする。ところが、ある時を境に俳句は海人にとって”憎しみの対象”へと変わってしまった。
ルイーズに゙過去を語った日の夜に海人は悪夢にうなされるのですが、明るく活動的でワクワクする旋律で描かれているのが良い!海人が初めて作った「俳句」と一茶が初めて作った「俳句」がどんどんリンクしていって最後の方には大宴会のような大盛り上がり。リズミカルで心沸き立つようなモーリー・イェストンの音楽が最高すぎた!!
波のように襲いかかってくる俳句の言葉に埋もれていくように苦悩のどん底に落とされていく。そんな息子を助けようと幻の中の父と母は手を伸ばしますがどうしても届かない。この光景もとても切ない…。
そんな中で海人が苦しみの涙を流しながら発した言葉「俳句は嫌いだ…!」。その言葉に、夢の中で生き生きと俳句を紡ぎ出していた若き小林一茶が「俳句は、嫌い??」と反応する。ここで二人の世界が初めて直接リンクする。
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ミュージカル『ISSA in Paris』🎼🖌
✨2月11日(水)【29公演目】✨.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺⊹˚.
⏰本日のスケジュール
◼︎12:15 開場
◼︎13:00 開演
ラファエル #染谷洸太
絹子 #藤咲みどり
レミー #中井理人… pic.twitter.com/sYKlAkjXU7— ミュージカル『ISSA in Paris』 (@issa_in_paris) February 11, 2026
この展開は何度見てもグッとくるものがあり心掴まれました。あの瞬間、海人が初めて母の世界に自ら踏み込んでいったようにも見えるし、色々解釈できてとてもドラマチックなシーンだと思う。
2幕は全体的にとてもいいテンポでドラマチックな展開も多かったと思います。
冒頭の海人とルイーズのやりとりは、ちょこっとアドリブ合戦みたいなシーンになってて毎回クスッと笑ってしまいましたw。
ルイーズが「どんな悪夢を見たの?」と訪ねたときの海人の回答なのですが、東京の1回目に見たときは「雀の子がたくさん襲ってきて」みたいな、1幕ラストのダンスを交えてルイーズに迫っていってたのが面白かった(海宝くんノリノリで潤花さんが爆笑してたっけw)。
東京千穐楽と大阪公演での海人の答えは「カタツムリが襲ってくる」ってやつで(こちらも1幕ラストの振り付けありww)毎回ルイーズが本気で笑ってたなww。大阪楽では海宝くんが「笑い事じゃないよ!君もやってみる?」と同じリアクション取るように要求しててw潤花さんが戸惑いながらやってたのが面白くて思わず吹きましたwww。
ルイーズはなんとか海人に絹子を受け入れてほしくてグイグイ迫るのですが、あれはまさに逆効果というやつで。見ていてちょっとイラッときます(汗)。
追い詰められた海人はついに自らの複雑な母への感情を明かすことになる。
平和だった海人の家族は母の仕事が忙しくなるにつれて次第に疲弊していった。家族一緒に過ごす時間は減り、父は体調を崩しついには命を落とす。この幼少期の出来事(家庭よりも仕事を優先させていた母への怒り)が海人の深いトラウマとなっていたんですよね。
海人は父親が母親の仕事の犠牲になったと思っていますが、父親は彼女が仕事と家庭の板挟みで苦しんでいたことをちゃんと理解してあげていたように見えるんですよね。でも幼かった海人にはそれを悟ることができずどんどん拗れていってしまったんじゃないかなと。それがなんとも切ない…。
海人の苦悩を知ったルイーズは自分の言動を謝罪しますが、もう少しパリに残って絹子の足跡を感じてほしいと促します。海人は複雑な思いを抱きながらもその言葉に従うことに。きっと彼の中でも母への感情にケリをつけたい気持ちがあったからじゃないかなと思いました。
♪我らは闘う♪
ルイーズから渡された絹子の一茶研究に関する後半の論文を読み始める海人。
そこに描かれていた若き日の一茶は、苦しい生活を打開すべく世を変えようと熱く議論する若者たちの姿を目の当たりにします。その和の中にはほのかに想いを寄せていたテレーズがいた。
女優とは違った男装の麗人としての豊原江理佳さんのテレーズ、本当に美しく凛々しかった!!
ここでどうしても過ってしまうのがミュージカル「レ・ミゼラブル」。私はこのシーンを見るたびに”白いABCカフェ”と思ってましたww。やっぱり若者が世の中を変えようと立ち上がる熱い姿はどんなシーンでもカッコいい。
あと個人的には、レミゼでテナルディエを演じていた染谷くんがこの作品ではアンジョルラスを彷彿とさせるリーダー・ラファエル役として仲間を引っ張っていくキャラを演じていたのがめっちゃ胸熱でした(中河内くんも超カッコ良かった)。
♪私はナイチンゲール♪
苦しい生活に甘んじることなく世の中を変えるために闘おうとする若者たちがいることを知った一茶は衝撃を受けます。自分も貧しい生活に苦しんできたけれど、世の中を変えようという発想はなかったというセリフがとても印象的でした。そんな彼に「だからこそナイチンゲールが必要なの」とテレーズは強い覚悟を語るのです。一茶の目に凛として揺るがない彼女の姿は何よりも眩しく映ったに違いありません。
この場面でテレーズが歌う♪私は〜♪の旋律はもう本当にうっとりするほど清廉で美しいのです!!モーリー・イェストン、最高すぎるっっ!!あぁ、このミュージカル見に来て本当に良かったなと実感しました。
テレーズが去った後に現代パートへと徐々に移行していく演出も印象深かったです。政治を変えようとデモ運動に身を投じている若者たちのなかにはルイーズの姿もある(♪我らは闘う リプライズ♪)。彼女の存在がどこかテレーズと重なって見えてくるのがドラマチックです。
そんな光景を見た海人の心の中に、母の論文が自分に何を語ろうとしているのか知りたいという気持ちが沸き上がってくる。少しずつ海人が母との距離を縮めていくようにも見えてぐっと来ました。海宝くんの切ない歌声もうるっとくる(涙)。
パリの街を歩いていた一茶はダンス教室で少年・レミーにダンスを指導していたテレーズに遭遇する。レミーは家庭環境に恵まれず学校にも通えない少年だったものの、ISSA(=海人)が創作した♪TALK TALK TOKYO♪を心の支えにしていた。自分の楽曲が一人の少年に影響を与えていたことを知った海人は心を動かされていきます。
ルイーズは日系人に対する”見えない差別”が存在していると語ります。ヨーロッパのなかでも特にフランスは日本文化を愛する人が多い反面、日系などアジア人への偏見や差別も根強いという話を聞いたことがあったので、この会話はなんだかとてもリアルに感じました。
ルイーズは「不等な扱いを受けたら声を上げていきたい」と海人に力強く訴える。この想いは18世紀パリに生きるテレーズと重なるものがあるなと感じました。
海人とルイーズの会話が進んでいくのと同時進行で、一茶とテレーズの関係も深まっていくシーンが出てきます。日本の俳句について生き生きと嬉しそうに語る一茶の姿を現代の海人がじっと見守っている姿がとても印象深い。まるで、二人の会話から母の想いを感じ取っていくような雰囲気を感じたなぁ。
テレーズと語り合っているときの来夢くん一茶は、彼女への淡い恋心が少しずつ確信へと変わっていく青年といった感じでとても可愛らしかった。
そしてここで歌われるモーリー・イェストンのナンバー♪俳句♪がなんとも言えない切なくも美しい旋律で…大阪公演のときは知らず知らず涙がこぼれてしまったほどでした。ミュージカル「ファントム」のエリックとクリスティーヌのシーンを彷彿とさせる雰囲気もあった。モーリーさんの音楽には本当に心揺さぶられる。
さらにドラマチックだったのが、一茶が海人に憑依する場面。とても抽象的なシーンではありますが、私はドラマチックで大好きでした。海人が母親を理解していく過程への第一歩とも取れる重要なポイントだったようにも思います。一茶の白いマントを受け継いだ海人のシーンはとても美しく感動的でした。
これまで傍観者として見つめてきた18世紀仏の世界に、”一茶”として溶け合う海人。革命の仲間たちの手助けをするものの彼らの生活の苦しみを打開することはできない。混乱する現場で途方に暮れる海人の耳に、ある”一茶の句”が響いてきた。
「痩せ蛙、負けるな一茶、これにあり」
この句をきっかけに、海人の魂は一茶から離れる(今度は海人が一茶に白マントをかけるシーンがとても幻想的でドラマチックだった)。この描き方もとても抽象的なんだけど、すごく惹き込まれるものがあります。海人は再び”傍観者”として、一茶の言葉に力をもらい熱気を帯びていく18世紀パリ市民たちの光景を見つめます。この出来事は海人の成長を促す意味ではとても意味のあるものだったのではないかなと。
ただ、もう少し誰が見ても意味を感じ取れるシーンにしても良かったのではとも思ったかな。初観劇だけで感じ取るのは少し難しいとも感じたので(汗)。
一茶は「なぜ自分たちに加勢するのか」と問いかけるラファエルに「他人事とは思えないから」と答えます。彼自身も貧しい生活を体験しているし、出島の遊郭で悲しい現実も目の当たりにしている。しかし武器を持たない一般庶民はその生活に甘んじるしかなかった。
だからこそ、パリ市民が大きな権力と戦うために武器を取り命をかけて闘おうとする姿に一茶は大きく胸を打たれたんだろうなと思いました。テレーズへの尊敬の念も強くなり更に恋心に拍車をかけていたようにも見えた。
♪TALK TALK TOKYO(リプライズ)♪
革命に身を投じる18世紀パリ市民に”言葉”の力で勇気を与えた一茶の姿に影響された海人は、再び音楽活動へと向き合っていく。
海人はルイーズが振り付けをしているダンス教室に足を運び、トラウマにもなっていた楽曲♪TALK TALK TOKYO♪を披露。このリプライズナンバーがめちゃめちゃカッコイイ!!!アンサンブルさんたちのダンスもカッコいいしレミーの歌と踊りもかわいい。さらにアレンジがこれまためっちゃクールでイケてるんですわ!!最高だった!
さらにこのシーンで面白いのが応援団のおじさんw。上手側で「ISSA LOVE」みたいな推し活うちわを振り回しながらヲタ芸まで披露してて思わず吹き出してしまったよ(笑)。このおじさん演じてるテンション上げ上げな森山大輔さんがオモロすぎたっ(←ペーテルさん役はカッコいいんだけどね)。海宝くんもそのテンション引き継いでるシーンがあるし、ここは本当に毎度楽しませてもらいました。
歌とダンスが終わった後、レミーは嬉しそうに「海人と一緒に写真を撮って学校の友達に自慢する」と告げる。複雑な家庭に育ち不登校を続けていたレミーが、大好きな♪TALK〜♪を作った海人と一緒にセッションしたことで前向きな気持を持つようになったんですよね。
これまで大嫌いだったこの楽曲が一人の少年に勇気と希望を与えていたこと知った海人は、「初めて自分がISSAで良かったと思えたよ」とテレーズに語ります。このセリフがとても響きました。自分も一茶のように人の心を動かす”言葉”を創り出せるのではと前向きな気持になったように見えてグッとくるものがあった。
♪世界は生まれ変わる♪
再び創作活動と向き合うべく一歩前に踏み出す海人。しかしメロディーは浮かぶものの歌詞がなかなか出てこない。ルイーズは海人が奏でる音楽にインスピレーションを受けたダンスを踊るのですが、このシーンでの潤花さんの力強く語りかけるような動きがとても素晴らしかったです。
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ミュージカル『ISSA in Paris』🎼🖌
✨2月15日(日)【34公演目】✨
🐙大阪公演千穐楽🐙.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺⊹˚.
⏰本日のスケジュール
◼︎12:15 開場
◼︎13:00 開演
ラファエル #染谷洸太
絹子 #藤咲みどり
レミー #見﨑歩誠… pic.twitter.com/LXOYm0al0F— ミュージカル『ISSA in Paris』 (@issa_in_paris) February 15, 2026
彼女のダンスを見て頭の中に少しずつ歌詞が浮かんでくる海人。生みの苦しみすらも楽しんでついに新曲を完成させる。
これまで立ち止まっていた海人の時間が再び動き出す瞬間でもあり、ルイーズに抱きしめられて涙ぐむ海人の姿にウルウルっときてしまった。海宝くんのウル顔にはほんと心揺さぶられるんだよねぇ。
ただ、海人とルイーズの関係が恋愛に向かうかというと…やっぱりそういうふうには見えてこなかったかなというのはあります。たしかに彼女は海人に寄り添い続けているけど、”恋愛”とは違う気がしたんだよなぁ。海人も然り。そこはちょいと物足りなかった(←あくまでも個人的感想デス)。
一茶はテレーズたちの力になりたくて革命準備に積極的に参加する。好きな人のために力になりたいっていうのは自然な感情だものね…。でもテレーズは一茶を巻き込んでしまったことに罪悪感を覚える。これも相手を思いやるからこそ。お互い大切なのにどこか悲壮感漂う関係が切なかったな…。
そんなとき、ペーテルさんが一茶を迎えにやってくる。ペーテルさんって本当に最初から最後まで良い人だったわぁ〜。ちゃんと迎えに来る約束守って逝っさを探し当ててくれましたからね。なんかそれだけで泣けた。
♪いつかまた♪
一茶は残ってテレーズと一緒に戦いたいと告げるものの、彼女は一茶には祖国に戻ってやるべきことがあるはずだと言います。お互いにここで別れ別れになることは胸が張り裂けそうになるほど辛いけれど、テレーズは一茶の言葉の力を信じて帰国するようにと告げたんだと思います。
一茶への恋心を宿しながらも、祖国へ帰るよう背中を押すテレーズの歌声はとても切なく…、そして凛としていて美しかった。
一茶はテレーズの歌声を聞きながら彼女への想いを抑えきれないかのように涙を流す。ここで別れたら二度と会えない可能性が高いものね…。来夢くんの涙のお芝居には本当に毎回心打たれるものがありました(涙)。さらにテレーズの美しい歌声と切ない壮大な旋律が本当に素晴らしくて涙が止まらなかったよ…!
テレーズは一茶への想いを振り切るように街に出て闘う仲間たちと合流。一茶の脳裏に革命を生きる者たちの力強い歌声と銃声が響き渡る。革命に身を投じるラファエルやテレーズたちの歌声は半分以上アカペラで歌われているのが本当にすごいと思いました。ここは大きな聴きどころの一つですね(♪自由の歌♪)。
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ミュージカル『ISSA in Paris』🎼🖌
✨2月13日(金)【31公演目】✨.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺⊹˚.
⏰本日のスケジュール
◼︎12:15 開場
◼︎13:00 開演ラファエル #中河内雅貴
絹子 #藤咲みどり
レミー #見﨑歩誠✅当日券販売について… pic.twitter.com/xVDPgrPclV
— ミュージカル『ISSA in Paris』 (@issa_in_paris) February 13, 2026
場面的には「レ・ミゼ」の戦闘シーンがどうしても重なってよぎりますが、規模はあそこまで大きくないものの、世の中を変えたいという熱さと信念みたいなものはこれでもかというほど伝わってきてとても感動的だったと思います。
♪一つの言葉♪
居た堪れなくなった一茶はテレーズや革命の仲間たちへの思いを振り切れず街に飛び出しそうになる。その瞬間、彼はある声を聞く。
このシーンの時の「誰だ…!?」と振り向いたときの来夢くん一茶のギラついた目が非常に印象深くて釘付けになった。全体的に爽やかでキラキラした笑顔を見せることが多かった一茶が、ものすごい鋭い視線を送ってるんですよね。あの目の芝居、来夢くん本当にすごいなと思いました。
このクライマックスで海人と一茶は2度目の”遭遇”を果たすのですが、これが本当にドラマチックで。今まで海人が見てきた一茶は”母の論文の言葉”から生み出されたものでしたが、革命に行こうとした一茶とのシーンはそれとは違う景色に見えるんですよ。
海人は自分の”言葉”で一茶に語りかけ歌う。ここがこの物語の中で非常に大きな意味を持つところなんじゃないかなと。一茶の姿を通し、殻を破り両親の気持ちを本当の意味で受け止められた海人のシーンは毎回胸が震えて泣いた(涙)。海宝くんの声を上げて泣く涙のお芝居もめっちゃ感動するんだよね…!!
♪一つの言葉♪は名曲中の名曲!あんな美しくドラマチックな楽曲を創り出すなんて…、やっぱりモーリー・イェストン、最高だよっっ!!!
フランスから帰国した海人は新曲を発表。その歌を一茶やその次代の人達もともに歌う(♪世界は生まれ変わる リプライズ♪)。ラストシーンの♪一つの言葉リ プライズ♪までの大団円までの光景がとても美しかった。
ちなみに、私個人としては海人とルイーズの関係は恋愛未満のビジネスパートナー的な意味合いで止まってるようにしか思えなかったかな。
4回の観劇を経て想ったこと
モーリー・イェストンさんの原案では、もっと”恋愛”要素がたくさんあって海人も明るい青年キャラを残していたらしいので(お母さんも出てこないらしいし 汗)、そちらのほうも見てみたいなとも思いました。多分全く違ったテイストになってたんじゃないかなと。そこに美しくドラマチックなこの名曲たちがどう絡んでいくことになるのかと思うと…それはそれで興味深い。
日本のクリエイティブチームが肉付けして何稿も書き直されてできたこの形も素晴らしかったんだけど、1回見てガツンとくるようなタイプの作品ではないかなというのが正直なところ。すごい繊細な感情を紡いでいく物語なので、何度か回数重ねてみないと見えてこない景色もある印象が強いです。
私はこういうタイプのミュージカルもあっていいと思う派ではありますが、1回しか見る機会がない人のことを考えるともう少し単純に作ってもよかったのかもしれない。
日本のオリジナル作品は冗長で説明シーンが長い弱点が多いイメージがあるので、そういった点ではこの作品は観客に解釈や感情を考える余地を与えてくれていると思います。ただ、もう少し観る側を導くヒントみたいなものを織り交ぜてもよかったかなぁ…なんて。これは4回見ての個人的な感想ですけどね。
モーリー・イェストンさんの楽曲は冒頭の♪TALK〜♪以外はガツンと印象に深く残るようなものはないのですが(復数回観るといろんな楽曲が頭に残りますが)、全体的にバラエティに飛んでいてとても面白かったし、後半にかけての心震えるドラマチックなナンバーで畳み掛けるところは最高すぎました!!
モーリー・イェストンさん、素晴らしい楽曲を届けてくださり、本当にありがとうございました!!ディスクに残してほしいくらいです。
後述(カーテンコール)
- 14日ソワレ
- 15日大阪楽
2月14日ソワレは海人の母・絹子を演じられた彩吹真央さんの大千穐楽でした。名古屋公演を残す中での楽ということでしたが、おそらくこの後すぐにミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』へ合流されるんじゃないかなと思います。
ひと足早くの大楽ということで、彩吹さんからご挨拶がありました。
翌日から大好きなカンパニーといっしょに過ごせないと思うと本当に寂しいと名残惜しそうにコメントされていた姿が印象的。新作ミュージカルで苦労に苦労を重ねたうえでの日本初演作品ということもあり、海宝くんたちと同様思い入れも深いんだろうなと思います。
また、この日は残念ながら体調不良のアンサンブルさんが3人いらっしゃり一緒に最後を迎えられなかったことに想いを寄せられていましたが、スウィングのお二人が素晴らしい熱演で繋いでくれてカンパニーの強い結束力を目の当たりにできたことも幸せだったと語られていました。
絹子は俯瞰してみることが多い役だったけれども、自分もこれから名古屋大千穐楽まで”母親”としてみんなを見守り応援したいと思いますと締めくくられていました。
この後、思い出されたように「カーテンコールの時に海宝くんが躓いて落ちそうになったとき”母”として助けに行きそうになっちゃった」とコメントされてたのも可愛らしかったな。海宝くんが「かっこよく降りなきゃいけないのにお恥ずかしい」と苦笑いしまくってて萌えちゃったよ(笑)。でもほんと、落ちなくてよかった。
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ミュージカル『ISSA in Paris』🎼🖌
✨#彩吹真央 さんが千穐楽を迎えました✨.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺⊹˚.
海人の母・絹子として、
一茶の母・クニとして―凛とした佇まいと、深い愛情で包み込む優しさ。
その確かな存在感で、… pic.twitter.com/2RHWuxNX7q— ミュージカル『ISSA in Paris』 (@issa_in_paris) February 14, 2026
彩吹さん、本当にお疲れさまでした!
翌日の大阪千穐楽では海宝直人くんからのご挨拶がありました。彼が隣の岡宮来夢くんと一緒に強調していたのは・・・
「名古屋は近い!!!」
でした(笑)。大阪まで遠征できた人(私もその一人w)へ向けては…
「大阪まで来れるなら名古屋はもっと近い!!!」
だったの笑ったwww。でも、少しでも多く御園座にお客さんが入ってほしいなとは思います。大阪公演、1階席を見る限りは予想よりもお客さん入っていましたしね。
またいつか、よりブラッシュアップさせて再演される日が訪れますように。その時は必ず観に行きたいと思います。
















