ミュージカル『レ・ミゼラブル』大阪公演 2019.07.04マチネ

主なキャスト感想

佐藤隆紀くん(バルジャン)

一番最初にシュガーくんがバルジャンに決まったと聞いた時、「すごいピッタリ!」と思いました。深くよく響く歌声を持つ優しく温かい雰囲気の役者さんなので、来るべくして来たな、といった感動の方が大きかった。

まず、プロローグ編のバルジャンを最初に目にした時…「あれ?シュガーくんどこ?」って気づかないほどのヤサグレっぷりにビックリw。あんなシュガーくん初めて見たかも。野良犬感がスゴくてとても新鮮だった。でも、そんななかでもバイト先wで子供が転んだのを見た時に手を差し伸べる優しさがなんだかホッコリきて…あぁ、らしさが出てるなって嬉しくなったりもしたなぁ。

心情を爆発させて歌うシーンは圧巻で期待通りでしたが、個人的にはもっと熱くてもいいかも。東京、名古屋公演を経ての大阪公演ということでだいぶ円熟味は増してきてると思うんですが、もう一段階ギアを上げた熱量が欲しいかなと。
音程とかはさすがで不安はほとんどなかったのですが、たまに少し苦労してるなって思わせるシーンもあって…あのシュガーくんをもってしても揺れることがあるのかと、改めてレミゼの曲って難解なんだなぁと実感させられました。

コゼットと出会った後のバルジャンの芝居はとても良かった。親代わりとして優しさと厳しさを以って接してるシーンは特に印象的。コゼットを実の娘として大切にする気持ちがひしひしと伝わってきてグッとくるものがありました。
また、マリウスへの接し方も温かくて感動的。特にバリケードで歌う♪彼を帰して♪は優しさに満ち溢れた神の歌声といった感じで大きく胸打つものがあり泣けたなぁ(涙)。

内藤君が挙げてくれたSNSの写真が可愛い!ほんと、いいコンビでした。

シュガーバルジャンはもう1回だけ観る機会があるので、また進化した姿に会えるのを楽しみにしたいと思います。

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上原理生くん(ジャベール)

理生くんは以前アンジョルラスとして出演していたのを見ていましたが、キリリとした顔つきがジャベにも合いそうだなって思うこともあったので、今回キャスティングされたことはなんだかすごく嬉しかった。

理生くんジャベはプロローグの時点では感情を表にほとんど出さないような氷のような印象。粛々とバルジャンに仮出獄を告げてる姿とかはゾクっとするような冷たさを感じさせました。まさに真面目を絵で描いたような人物で、規律が全てという・・・ちょっとロボット化したような雰囲気もあったかも。
それだけに、仮出獄を破って逃亡したバルジャンと数年後に対面した時の激しく突き上げるような捕まえてやるという執念みたいなものは尋常じゃなかったです。もともと目力が特徴的な理生くんですが、バルジャンを追いつめていくときのギラギラした眼力は狂気に満ちていて2階席から見ていてもその迫力に続々させられっぱなしでした。

バリケードでバルジャンに逃がされるシーンも印象的。ジャベにとっては屈辱的ともいえる場面ですが、理生ジャベは厳しい視線を向けながらも去るときには「ここを出たら絶対に捕えてやる」といった前向きとも取れるような視線を上に向けていたのがすごく印象的だった。それしか考えられないっていうか、その目的のために生きてるっていう雰囲気すら伝わってきたんですよね。
それだけに、自殺のシーンがものすごく哀しかった。何があっても捕えるといった自らの信念を破ってしまった時、生きる術を失ってしまったんだなというのが手に取るようにわかった。混乱と動揺の中セーヌ川に沈んでいくシーンは切なくて涙が出ました。

歌声も圧倒的だったし、芝居もすごく良かった!期待以上のものを見せてくれてホント感動しました。

 

濱田めぐみさん(ファンティーヌ)

今季のレミゼのキャスト発表で一番驚いたのが、めぐさんが出演することです。数々の大きな作品で重要な役を多くこなし常にトップを走っている女優さんでもあるので、レミゼのようなスタンダードな作品とは無縁なんだろうなと勝手に思い込んでてw。まさかめぐさんがレミゼに出たかったなんて思いもしなかったのでほんとビックリでした。
しかも、演じるのが薄幸の女性キャラでもあるファンティーヌですからねぇ。開演前は「めぐファンテは死なないんじゃないか」という不死身説まで聞かれたほどwwなので、衝撃だったのは私だけではなかったと思います。

まず驚いたのが、メグさんの最大の武器でもある圧倒的な歌唱力よりも(もちろん歌声も素晴らしかったのですが)セリフ劇のように演じていたことです。まるで語るように歌っていたので、ファンティーヌの悲しみや娘に対する切実な想いというものがストレートに伝わってきてめちゃめちゃ泣けました(涙)。
娼婦に身を落としていく過程もすごくリアルに演じられてて、より一層ファンティーヌの悲壮感というものが胸に迫ってきた気がします。

そして死の間際の芝居がまた秀逸!開幕前は「死なないんじゃないか」なんて言われてたくらいでしたが、とんでもない!少しずつ命の火が消えかかっていると感じさせるお芝居が本当に真に迫っていて…久しぶりにファンティーヌの最期の場面で涙が零れたくらいです。あれこそまさに迫真のお芝居だった…!

クライマックスでバルジャンを迎えに来るファンテの姿もとても神々しくて、本当にあの世からの遣いかと思ってしまうほどのリアリティがありました。コゼットを愛し育ててくれたバルジャンへの敬愛の想いが滲み出てた。あの優しく包み込むようなまなざしが忘れられない…。

ここしばらくファンテのシーンで泣けなくなっていた私を泣かせたのですから、やっぱりめぐさんはすごい女優さんですよ、ほんとに。1度しか見れないのが本当に残念です。

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唯月ふうかさん(エポニーヌ)

前回のレミゼのときには大阪出演はなくて見ることができなかったのですが、今回は大阪でもキャスティングされてて嬉しかった。ふうかさんは『ピーターパン』のイメージが強かったので(見たことはないけど)、どんなお芝居を魅せてくれるのか楽しみにしていました。

まず第一印象は、可愛い!!歴代のエポニーヌ女優さんのなかでもトップクラス級に可愛らしい。それ故に、マリウスに恋心を気付かせようとしてちょっかい出すシーンとかも何だか見ていて和むものがありました。
なんていうか、すごくピュアだったんですよね。テナ夫婦のせいで生活はどん底に落ちてしまったけど、性格はそんなにねじれてなくて…ただ純粋にマリウスに恋心を寄せてる姿というのがすごい好印象でした。

何度アプローチをかけても気づいてもらえず哀しい気持ちを抱くエポニーヌですが、それでもマリウスのためにコゼットを探し出したりと一生懸命。ただただひた向きに、気づいてもらえなくてもマリウスに尽くす姿がいじらしくて見ているうちに泣けてきちゃいました。

それだけに、2幕の♪恵みの雨♪の場面はより一層切なかった…。死の間際にやっとマリウスへの想いを理解してもらえて、苦しい息の中でも幸せそうな笑顔を浮かべていたシーンは哀しすぎて涙が出ました(泣)。

歌声もまっすぐで素直だし、予想以上に素敵なエポニーヌだった。ふうかさんの他の役も見てみたくなりました。

 

内藤大希くん(マリウス)& 小南満佑子さん(コゼット)

内藤君のマリウスは前回も見ていたはずなのですがあまり印象に残らなくて(ごめんなさい 汗)。でも、今回はあれから一回り成長した姿が見れたかなって思いました。

内藤マリウスの魅力は、母性本能をくすぐるような可愛くて純粋な雰囲気ですね。見ていてちょっと危なっかしいというか、精神的に脆い部分も見え隠れするんですが、そういうところがなんか守ってあげたいみたいな気持ちにさせられちゃう(笑)。歌声も綺麗でとても良かったです。シュガーバルジャンとの相性も良さそうなので、次もう一回このコンビで観られるのが楽しみです。

小南さんはアンサンブルキャストで観ることが多い女優さんですが、最近だと『タイタニック』でケイトを演じていた姿が印象に残っています。ちなみに現在『エリザベート』のトートダンサーで出演中の小南竜平さんはお兄さんだそうです。兄妹で舞台に立ってるというのが凄い!

小南さんのコゼットは清楚な美しさが滲み出ているのがすごく良かったです。内藤マリウスがちょっと可愛い系なので時々お姉さんみたいに見えることもあったのが面白かった(笑)。歌も上手かったのですが、ちょっと歌う時に息が一緒に聞こえてくるのが気になったかな。コゼットの歌は高音でかなり難しいと思いますが頑張ってほしいです。

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斎藤司さん(テナルディエ)&森久美子さん(テナルディエ夫人)

今回のレミゼで楽しみにしていたキャストの一人が、トレンディエンジェルとして活躍する芸人の斎藤司さんです。「斎藤さんだぞ!」のギャグ(カテコでやってたw)がよく知られてますが、歌唱力はどうなんだろうかと最初はちょっと心配でした。が、吉本が結成したグループで歌ってるのを聞いていた友人が太鼓判を押していたので是非とも見てみたいと、この日を狙ってチケット取りましたw。

なるほど、本当に歌は問題なかった…っていうか、普通に上手かった!梅芸ほどの大きな劇場でも堂々と響いててなんかちょっと感動。
キャラ的にもすごく合ってると思います。最初はお笑い芸人的なところを前面に出した感じになるのかと予想していたのですが、そんなことはなくて。テナルディエの小狡さやセコさみたいな部分を強調した宿屋の場面は非常に見応えがありました。何より動きがすごく身軽。どこかコミカルさも漂う小悪党っぷりを熱演されててとても面白かった。特にジャベの取り締まりに遭ったシーンで「被害者ナシなら帰っていいね!?」と詰め寄りながらも睨まれた途端にコソコソ逃げてく斎藤テナはめちゃめちゃ面白くて思わず吹き出してしまいましたww。

それとは逆に、下水道でのシーンでは死人のものを盗む悪党の顔も見せていて。これがなんかちょっと背筋がゾクっとするような怖い笑みを浮かべるシーンもあって驚いた!ちゃんとテナルディエとして生きてるんだなって思いましたよ。
♪宴会乞食♪の場面でもマリウスに迫る顔は悪党の表情で。コミカルさと悪の部分とを見事に演じ分けていたのにも驚かされました。斎藤さんは今後ミュージカル舞台に呼ばれる回数が増えるかもしれない、そんな予感がしたのが嬉しかったです。

モリクミさんのテナ夫人は相変わらず大柄で迫力十分ですが、以前見た時は「恐ろしい」という印象の方が強かったんですよね。それが、今回はコミカル的な面の方が強く出ていてすごく面白かった。おそらく、斎藤さんとのコンビの影響が強かったのかもしれない。いい相乗効果が出ていたと思います。

もともとモリクミさんはコメディ的なお芝居がとてもうまい方ですから、斎藤さんとのお芝居でその部分が引き出されているような気がして何だか嬉しかったです。宿屋シーンでの連携も見事でした。
やっぱりテナ夫妻はこの作品の中では「恐さ」よりも「ちょっとホッとできるコミカルな存在」であってほしいなと改めて思いました。

 

上山竜治くん(アンジョルラス)

上山くんもアンジョルラス役が長くなってきたと思いますが、17年公演では見ることができなくて…たぶん15年公演のときにも観た記憶がないので初めてだったかもしれません。上山くんは「宝塚BOYS」での熱演が印象的でしたが、トークショーの時の天然キャラも面白くてそっちの方がインパクト強かったりするんですよね(笑)。

強烈なカリスマ性がある…っていうとちょっと物足りない感じはしましたが、しっかりと力強い素直で真っ直ぐな歌声は仲間たちを惹きつけるものがあったと思います。特にABCカフェでマリウスに戦う意味を熱弁するシーンは印象的でした。

バリケードでの上山アンジョルラスは常に仲間たちと同じ目線でいる感じ。上から引っ張るというよりかは共に立ち上がろうと先導していくタイプかな。だけど、歌の言葉にはすごい力強さがあって、このアンジョだったら信じてついていけるっていう想いが湧きあがってくるのが納得できるキャラでもありました。
グランテールとのやり取りも印象深いです。戦うことを望んでいなかったグランテールに対し、戦うことで世の中を変えようと突っ走るアンジョルラス。意見が異なる二人ですが、上山アンジョはグランとバリケードで顔を合わせるたびに何か自問自答しているような雰囲気になっていた。その背中にグッとくるものもありました。それだけに、最期の瞬間に二人で手を組んだシーンは泣けました。

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後述

『Les Misérables』2019年全国5大都市ツアー公演!

大阪公演も盛況で2階席もほぼ満席でした。今季のレミゼは新しいキャストが良い風を送り込んでくれていて、とても新鮮な気持ちで感動することができた。まぁ、まだ新演出版にはなれないことも多いんですけどね(苦笑)。テンポが速くなったのはちょっと戻してほしい気はする。レミゼはシーンごとの余韻も必要だと思うので…。

大阪公演あと1回だけ遠征予定。次は伊礼くんのジャベです。シュガーくんとはよくSNSでやりあってるのでww、そんな二人がどんな関係を演じてくれるのか今から楽しみ!

7月18日ソワレ感想↓