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ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』2025年2月24日 千穐楽ネタバレ観劇感想

ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』を観に日生劇場へ行ってきました。

通算6回ラブネバに通いました。実は、プラス1回増えてますw。
本来はソワレの千穐楽のみ観劇予定だったのですが、友達からのお誘いがありまして…、なんと諦めていた石丸幹二さんの千穐楽も行けることに!!まさに奇跡!

というわけで、急遽ラブネバにどっぷり浸れた幸せな一日となりました。

『ラブ・ネバー・ダイ』の観劇感想一覧

以下ネタバレを含んだ感想になります。

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2025年02月24日千穐楽公演 in 日生劇場(東京・日比谷)

概要とあらすじについては以下リンクを参照↓。

上演時間は、休憩・カーテンコールを含み約145分(2時間25分)です。

内訳は、1幕65分(1時間05分)休憩20分2幕60分(1時間)、になります。

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キャスト

<マチネ前楽>

  • ファントム:石丸幹二
  • クリスティーヌ:真彩希帆
  • ラウル・シャニュイ子爵:田代万里生
  • メグ・ジリー:星風まどか
  • マダム・ジリー:香寿たつき
  • グスタフ:植木壱太

<ソワレ千穐楽>

  • ファントム:橋本さとし
  • クリスティーヌ:笹本玲奈
  • ラウル・シャニュイ子爵:加藤和樹
  • メグ・ジリー:小南満佑子
  • マダム・ジリー:春野寿美礼
  • グスタフ:後藤海喜哉

知念紗耶(フレック)、辰巳智秋(スケルチ)、加藤潤一(ガングル)

<アンサンブル>

⻘木美咲希、石川剛、尾崎豪、川島大典、神澤直也、木村つかさ、咲花莉帆、白山博基、菅原雲花、鈴木満梨奈、高瀬育海、髙田実那、⻑瀬可織、光由、村上すず子、安井聡、吉田玲菜

<スウィング>

熊野義貴、小峰里緒

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全体・キャスト感想

1幕

♪君の歌をもう一度♪

ファントムがクリスティーヌを想いながら一人思いの丈を熱唱する超ビッグナンバー。この冒頭の1曲で気持ちをすべてかっさらわれてしまう。

でも、毎回一つだけ気になっていたことがあります。それは、クリスティーヌのデカい肖像画。オーストラリア版のディスクを見るともっと美人のクリスティーヌが描かれているので(しかもあちらは肖像画が動いてる)・・・なぜそれに寄せたものになっていないのかがずっと気になっています(苦笑)。しかも3クリスティーヌの誰にも似てないww。多分今後もあの肖像画は変わらないと思うんですが、個人的にはもそっとほっそり美人に描いてほしかった(ちょっと年齢が上の女性に見えちゃうので 苦笑)。

<マチネ>

もう18日で石丸幹二さんのファントムは見納めだと思っていたので、思いがけず楽にもう一度逢えて本当に嬉しかったです。
石丸ファントムは本当に切ないほどクリスティーヌに苦しい恋愛をし続けているというのが最初の表情から痛いほど伝わってきて泣けました・・・。彼女を求めて出口のないトンネルをさまよい歩いている幼子のよう。歌いながら、クリスティーヌへの届かない愛を叫び続けているようにも見えて毎回泣きました(涙)。個人的には「なんになる、今さら!!」と歌う時の両腕を上から下に振り落とすリアクションがめっちゃ萌えポイントでした。

そしてあの圧巻の歌い上げ、絶品中の絶品・・・!!この日が最後だと思うともうさみしくてさみしくて。石丸さん、いつまでもこの歌を歌い続けてほしいです。

<ソワレ>

橋本さとしさんのファントムに逢うのは1ヶ月ぶりです。前回見た時は少しオケとのピッチが合わないように感じたのですが、今回はほぼズレがなく良かったです。っていうか、コメディが一つも出てこないさとしさんの舞台というのは本当に貴重でw。こんなにも朗々と♪君の歌~♪を歌い上げている姿を見るだけでもう感無量。さとしさんがグランドミュージカルに進出し始めたころから見てきましたが、こんなにもドラマチックに歌える歌唱力を身に付けられたというのが驚きですよ、本当に。めちゃめちゃ感動して鳥肌立ちました。

さとしファントムは、石丸さんに比べるとロック色が強い感じで。クリスティーヌへの想いはけっこう強気系かなと思いました。彼女は自分の元に戻ってくると確信しているかのような自信が滲んでいたように見えたんですよね。未練たっぷりでもがいている石丸ファントムとの違いがなかなか面白かった。

♪コニー・アイランド・ワルツ♪

摩訶不思議なサーカスの世界。上部からファントムがその場を支配するように見つめている圧倒的なシーン。特に彼が手を広げた瞬間は本当にワクワクします。

知念紗耶さんの軽やかでアクロバティックなフレック、辰巳智秋くんの不気味だけど愛嬌のあるスケルチ、加藤潤一くんのゾクゾクするような妖しい微笑みが魅力的だったガングル。3人のチームワーク抜群なパフォーマンスを見るのが毎回とても楽しみだったので、もう終わってしまったかと思うとさみしいです。知念さんの身長は私と同じくらい(私の方がもう少し低い 汗)なので、加藤くんと辰巳くんのデカさに毎回ビビってた私ww。

サーカスの場面には色々なパフォーマーが出てくるのですが、私が一番好きだったのが川島大典くんが演じてた”キューピッド”。一見すると不気味な存在ではあるんだけど、なんかかわいい。”キモかわいい”って感じだったかなw。矢を放つとみんなが”ドキュン”って感じになってるのも面白かった!
それから、巨大自転車の荷台にデカい”猿のオルゴール”がシンバル叩きながら乗ってるシーンも印象深いです。『オペラ座の怪人』を知っている人なら、あれを見て「あっ」と思う人も多いのでは。

♪あなただけに♪

<マチネ>

星風まどかさんのメグはアニメのキャラクター的な可愛さがとても魅力的。ちょっとぶりっ子してる感じなのですが、それが憎めない。コケティッシュな魅力もあるし男性を惑わす小悪魔的な一面も垣間見えます。歌もダンスもとても愛らしかった。
その反面、どこかちょっとまだ大人になり切れていない幼さも漂わせていて、ファントムの存在を意識しすぎてはしゃいでる姿はどこか危なっかしくもありました。

<ソワレ>

小南満佑子さんのメグは本当に美人可愛さの魅力がてんこ盛り。スラリと長い脚も美しくて思わず見とれてしまいます。歌声は星風さんに比べると少しまろやかで可愛らしい感じ。あと印象的なのが、笑顔です!!小南さんの笑顔、本当に抱きしめてあげたくなっちゃうくらい愛らしいんですよ。少女のようでもあり大人っぽくもあり、両方の魅力が備わった雰囲気がとても素敵でした。

♪この10年

「あの人見ててくれたかしら?」と無邪気にはしゃぐメグに対して労うこともなく「クリスティーヌ・ダーエがマンハッタンで歌う予定なんですって」と意識が違うところに向いているマダム・ジリー。その非情さに毎回ヒリヒリさせられっぱなしでした。
この場面で『オペラ座〜』の♪エンジェルオブミュージック♪前の一節(メグの呼ぶ声とファントムが呼ぶ声)が歌われるのがニクイなぁと思います。

<マチネ>

香寿たつきさんのマダム・ジリーは今回もメラメラとファントムへの執念を燃え上がらせていてホラー(笑)。メグのパフォーマンスよりもクリスティーヌがファントムと近づいてしまう危機感のほうにすっかり気を取られていて、歌い方も実にオドロオドロしいw。今にも黒魔術繰り出しそうなくらい振り切って演じられてる迫力が最高!
タータンさんのジリー夫人はファントムの才能に惚れた以上の情念みたいなのも感じるんですよね。それだけにクリスティーヌへの嫉妬心がなおさら激しいのかなと感じました。

星風メグは母親が自分のことよりファントムの興味を引くことばかりに囚われている影響をモロに受けてしまっていてなんとも哀れ。”昔”を振り切るようにクリスティーヌと会える日を待ちわびる姿がなんだか痛々しくて切なかった・・・。

<ソワレ>

春野寿美礼さんのマダム・ジリーはインテリママのような風貌がなんだかとてもカッコイイ。香寿さんのように冒頭から妖気を漂わせた感じではなく(笑)一見すると普通の教育熱心なお母さんといった雰囲気なんですよね。メグに対する最初の反応も母親らしい穏やかさが出ています。
ところが、クリスティーヌがやってくると知るや否やどんどん表情に静かなる怨念が浮かび上がってきてww、徐々にテンションが上がって娘の気持ちを顧みない”女”の顔になっていくのがかなりホラーでした。

小南メグは星風メグよりも過去の忌まわしい出来事を自分の心の奥底に封印しているような雰囲気に見えました。星風メグは悪しき記憶がすぐに蘇ってしまい怯えていましたが、小南メグは「ママ、やめて!」と拒絶しながらもどこか落ち着いた表情していたんですよね。防衛本能が強くてその部分だけ記憶が抜けているような感じなのかなと思いながら見ました。

♪クリスティーヌ到着♪

クリスティーヌがアメリカにやってくるニュースはファントムの知るところとなります。この場面は鉄骨で組んだセットの一番上の下手端っこで演じられるので、下手サイド側からはほとんど見えない(汗)。短いシーンなので初めて見る人は気づかないかもしれません。

ラブネバのセットは本当に複雑で地方に持っていけないくらい巨大なのですが(鉄骨セットや動く桟橋もすごいけど、回る盆が三重になってる構造になってるのもヤバい 汗)、複雑に組まれたセットのせいで座ってる位置によっては見えないシーンもちょいちょい出てくるのがちょっとストレスなんですよねぇ。

ラブネバのゴージャスな世界観を出したいという意図はわかるんだけど、個人的にはもう少し簡略化してもいいんじゃないかと思わなくはないです。

<マチネ>

真彩希帆さんのクリスティーヌ、1月に観て以来でしたがまたさらにミステリアス美人度が上がっていて思わず身惚れました。衣装はとても華やかなのに表情に影が宿っていて…でもその陰の部分が艶っぽい。

田代万里生くんのラウルは相変わらずとっても神経質でピリッピリモード(笑)。パパラッチの嘲る声がさらに彼の苛立ちに火を注いでいるようで、頭の欠陥が切れないか心配になるレベルでしたw。でも揶揄されていた妻のクリスティーヌを「彼女は芸術家だ」と庇う時の声色からは愛情も感じられて、すごく複雑な感情に囚われ続けているんだろうなというのが伝わってきました。

植木壱太くんのグスタフは生き生きした子供らしさが出ていて、はしゃぐ姿が可愛らしい。

馬車を導くように歌う石丸ファントムの「おいで、エンジェル・オブ・ミュージック」の歌声は何度聞いても本当に痺れる!!桟橋の上から照らされる青白いライトがさらに威厳と妖艶郷を演出していてめっちゃカッコイイ。私は毎回ここで”石丸さんのファントムに逢えたんだ”と感無量の心境に浸っておりました。

<ソワレ>

笹本玲奈ちゃんのクリスティーヌ、この時の表情はちょっと儚く不安げなのですがとても華やかなオーラを放っていてなんか眩しかったです。

加藤和樹くんのラウルは万里生くんに比べるとだいぶ落ち着いた雰囲気。パパラッチにイラついてはいるのですが、あまり神経質に怒鳴る感じじゃなくて静かに威嚇するような感じですね。「妻は芸術家だ!」と告げる時のドヤ顔はなんだかちょっと可愛らしかったw。

後藤海喜哉くんのグスタフは子供らしさもありながら”子爵”としての落ち着きもあってちょっと大人っぽい雰囲気です。歌声も奇麗で可愛かった。

さとしファントムの「ここだ、エンジェル・オブ・ミュージック!」の歌いっぷりは威厳たっぷりでめっちゃカッコよかったです。鋭さもあって、朗々と歌ってるのにロックな感じなのがいい。

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なんてひどい街

<マチネ>

万里生ラウルのハマーンスタインへの怒りはここで沸点にw。「なんてやつだ、ありえないっ!!」の歌い方など今にも襲い掛かりそうな勢いがありましたぜ(笑)。そんな彼に「お父様遊んで」とグスタフがせがむのですが、タイミングが悪くてラウルは叱り飛ばしてしまうわけですが、ここの爆発っぷりも子供にトラウマ与えてしまいそうなくらい苛立ちまくってましたねぇ。で、言っちゃった後に”しまった”と我に返るわけですが、万里生くんラウルは息子への申し訳なさよりも自分自身の不甲斐なさに自己嫌悪しているように見えました。

そんなラウルを宥めるためにクリスティーヌが「今夜帰りましょう」と優しく告げるのですが、真彩クリスと万里生ラウルの顔と顔を近づけるシーンはめちゃめちゃセクシーで美しかったです。

少し落ち着きを取り戻したラウルがグスタフとオルゴールを見つめる場面。ここが唯一彼が穏やかだったシーンになるわけですが、万里生くんは優しい眼差しで息子を見つめてました。プライド高そうなんだけど息子への愛は確かにあるんだなというのが伝わってきてグッときてしまった。
でも”ハマーンスタインからの手紙”を読むと途端に違う顔になる。プライド高すぎ君、みたいなw。このあたありの表情の変化も面白かったです。

<ソワレ>

港に着いた時は感情抑え気味に感じられた和樹くんラウルでしたが、酒が入るとかなり狂暴になってましたね(笑)。ハマーンスタインにすっぽかされたことに腹が立って仕方なく、「借金なんかどうでもいい!!」と自暴自棄になってる時の表情はめちゃめちゃw。少しドスの効いた声を出して怒りまくっていたので、玲奈ちゃんクリスもありゃビクビクしてしまうなと納得です。

グスタフが「お父様遊んで」と2度目にせがんだ時ラウルは「いい加減にしろ!!」と怒鳴ってしまいますが、万里生くんは怒鳴った自分に腹を立てたように見えたのに対し、和樹くんは愛する息子に自分の怒りをぶつけてしまったことを悔いているような仕草をするんですよね。言ってしまった直後に「あっ…」と自己嫌悪して思わず後ろを向いてしまう姿がなんかめちゃめちゃ萌えたw。
そんな複雑な感情に翻弄される和樹くんラウルを包み込む玲奈ちゃんクリスティーヌの包容力が素晴らしかったです。

グスタフとオルゴールを見つめる和樹くんラウルはとても穏やかな父親の顔になっています。息子のことを本当に愛してるんだろうなっていうのが伝わってきてちょっと泣けるんだよね。

♪心で見つめて♪

<マチネ>

真彩クリスティーヌの♪心で~♪はとても優しい響きで聴いているだけでうっとりしてしまいます。声質も柔らかく、儚い雰囲気の中に息子への尽きない愛情がたっぷり込められていて・・・グスタフだけでなく劇場中を癒していくかのような真彩さんの歌は本当に感動的でした。

<ソワレ>

玲奈ちゃんクリスティーヌは平原さんや真彩さんが柔らかな母性を出して歌うのに対し、少しトーン明るめでちょっと茶目っ気な部分を出しながら歌っているのが特徴的です。グスタフを見つめながら歌ってる時の玲奈クリス、ほんとに楽しそうで癒されるんですよね。体全体から大好きの気持ちがパァッと明るいオーラとして発せられてるような感じ。玲奈ちゃんは私生活でもお母さんですから、そういった部分も垣間見えてたんじゃないかなと思います。

♪月のない夜♪

クリスティーヌ一人しかいない時を見計らってファントムが彼女の目の前に現れる場面。ここの演出がとてもドラマチックで毎回心つかまれていたのですが、個人的にはその後のクリスティーヌ失神後にファントムが椅子に座らせて彼女の顔を見つめるシーンが好きでした。『オペラ座の怪人』でクリスティーヌが彼の創ったそっくり人形にびびって失神する場面と見事にリンクしてるんですよね。

続編とは言いながらもぶっ飛んだ展開が多いので『オペラ座~』とは”別物”と評されてる作品ですが(私も半分以上そう思う節はあるww)、ところどころでその存在を感じさせる演出が入ってくるので意識せずにはいられなくなる。そういうとこがホント小憎らしい作品だなと(←褒めてますw)。

<マチネ>

真彩クリスと石丸ファントム、クラシカルで濃厚な色気がダダ洩れまくり非常に見応えありました。真彩さんはファントムが去ってしまったことに怒りをぶつけてはいながら、どちらかというと悲しみ要素の方が強い。愛している人に去られた時の痛みをずっと引きずってる感じ。儚い雰囲気があるのでなおさら切なかったです。

石丸ファントムはもう本当にクリスティーヌに縋ろうとしてて痛々しいんですよね。泣きそうな顔になりながら必死に愛を伝えようとしてて。それだけに「死ぬほど苦しんだが」というフレーズが重かった。本当に彼女の元を去る時は身を裂かれる想いをしたんだろうなと。
一番印象深いのは、クリスティーヌから「愛していたのに!」と告げられたシーン。その瞬間石丸ファントムは「本当なのか!?」って言わんばかりに胸元を抑えて必死に涙堪えてるんですよ。あの姿見たらもう、ぶっ飛び展開のこの流れもwwすべて水に流して感情移入してしまいます。

<ソワレ>

さとしファントムと玲奈クリスティーヌ、非常~~~~に情熱的でございました(笑)。パッションがすごかった!!玲奈ちゃんクリス、ファントムが自分の前から黙って消えてしまった事に対する怒りをストレートにぶつけてるので、受けるさとしファントムもそれに負けじと対抗してるって感じだったかな。なんか、感情の殴り合いみたいなそんな迫力がこの二人にはありました。しかも、歌ってる内容が内容だけに「R指定」的な雰囲気がすごかったよww。

ちなみにさとしファントムはクリスティーヌから「愛してたのに!!」とぶつけられた時もあまり動揺してなくて、俯いてワナワナしながら「俺だって愛してるんだよっ」と今にも言い返しそうな雰囲気醸し出してたのが面白かったですw。けっこう強気でロックなファントム

♪遠いあの日に♪

ファントムとクリスティーヌの激しい感情のやり取り直後に歌われる超絶美しいナンバー。近づきたいのに近づけない二人がとても切ない。クリスティーヌはラウルと結婚してるからもう後戻りできない状態ですしね。いくらファントムに惹かれてしまっていても応えることができないのが哀しい。

<マチネ>

石丸ファントムと真彩クリスティーヌの二人の繊細な心の交流が見ていてとても美しく切なかったです。ここでも真彩クリスは本当に儚いクールビューティな印象なので、石丸ファントムがその色香の引力に引き寄せられてる感がありましたね。
もしこの作品を『オペラ座の怪人』続編という立ち位置で見るとしたら、一番それに近いクリスティーヌが真彩さんじゃないかなと思いながら見ました。

個人的には、石丸ファントムが最後「今を受け入れるだけ」と歌いながらクリスティーヌに近づくんだけどかわされちゃって柱に手をついてうなだれるシーンに激萌えしまくっておりました。あの時の石丸さんのお芝居がほんっとに切ないのです(涙)。

グスタフと出会った後の石丸ファントムはめちゃめちゃ怖い!!あれぞ豹変ですわw。クリスティーヌの弱みを握ったことで急に自信ついちゃったみたいなw負の部分が出てくる。このあたりの演じ分けの迫力も石丸さん巧いなと思いました。

<ソワレ>

さとしファントムと玲奈クリスティーヌ、♪月のない夜♪の時にはものすごいパッションのぶつかり合いを見せていましたが、このシーンでは美しく儚い二人の関係をしっとり歌い上げていて”しばし休戦”みたいなw。

石丸さんと真彩さんは儚い切なさオーラがめっちゃ出てましたが、さとしさんと玲奈ちゃんはまだお互いの言い分がくすぶってる雰囲気があったかも。さとしファントムは石丸さんとは違ってクリスティーヌにさらりとかわされてもあまり凹まない強さがあるw。その違いが面白かったです。けっこう強気な玲奈ちゃんクリスと俺様気質なさとしファントムなように見えたかな。石丸さん×真彩さんが”パステルカラー”だとしたら、さとしさんと玲奈ちゃんの組合せは”原色”って感じ。

グスタフと出会った後のさとしファントムはまさにエンジンにガソリン追加されたような勢いが出てめちゃめちゃ悪い顔になってましたw。特に「私のような醜いものには何でもできる!!」とクリスティーヌに迫る時の迫力がすごかったです。あんな勢いで脅迫されたら、彼女も歌うことを承諾してしまうよなと納得。

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♪懐かしい友よ♪

クリスティーヌとメグ、ラウルとマダム・ジリーが久しぶりに対面する場面。メグは純粋にクリスティーヌと再会できたことを喜んでいましたが、彼女がファンタズマで歌うと知ったとたんに表情を変えるんですよね。このあたりの彼女の複雑な心の内が切ない。マダム・ジリーは「契約書が変だ」ともちかけるラウルにすぐ「彼よ」と種明かしw。そこでラウルの嫉妬心がぼわっと盛り上がって、それぞれの感情がこんがらがる感じ。それをロイドウェバー卿お得意の重唱で聴かせるのが巧いんですよねぇ。

このシーンはどことなく『オペラ座の怪人』の支配人室でのやりとりを想起させます。特に最後の乾杯シーンのところは♪プリマ・ドンナ♪の「歌え――!」の旋律とよく似ているので、比較して見るとけっこう面白い。

<マチネ>

真彩クリスと星風メグの出会った直後のまろやかな明るさが微笑ましい。真彩クリスはお上品ながらもメグとの再会に胸躍らせていて、元気で無邪気な星風メグも心から喜んでました。
ところが、クリスティーヌが同じ舞台で歌うことになったと聞いたとたんにサスペンスドラマ的な衝撃受けた顔になる星風メグ!!再会の喜びはあっという間にしぼんでクリスへの嫉妬と羨望に囚われていく姿が何とも人間臭く同情してしまった。

香寿ジリー夫人は契約書にピリついてる万里生ラウルを挑発するかのように「彼よ!」と言い放ったのが”悪魔”だなぁと思いましたw。ただでさえ神経質な万里生ラウルがますます攻撃的になってました。クリスティーヌに対しては穏やかな表情で歌ながらも、心の中では彼女への恨み節でいっぱいな香寿ジリー夫人、やっぱりホラーだった(笑)。クリスティーヌが呪い殺されるんじゃないかと心配になったくらいww。

<ソワレ>

玲奈クリスと小南メグの再会シーンは出会った瞬間からキャピキャピした明るい笑顔満載で見てるこちらも嬉しくなる雰囲気でした。でも、クリスからファンタズマで歌うと聞いた直後スーッと真顔になる。クリスティーヌと会えて嬉しいのにどうしても彼女とファントムの結びつきを想像してしまい気が気ではないといった感情が繊細に感じられて胸が痛みました。

春野ジリー夫人は妖術系ではないのですが嫉妬心を心に秘めてメラメラ相手を威嚇するタイプで、それはそれでホラーでした。表向きは穏やかそうに見えるんだけど、メグと背中合わせになって「何とかしないと」と歌う時の緊迫感はすごかったです。
和樹くんラウルはジリー夫人から「契約書は彼のもの」と聞かされた時の「奴か!!!」の気づき方がめっちゃ漫画ちっくでツボでした(笑)。その後のクリスに対する怒り心頭っぷりはすごかったですねぇ。ファントムへの露骨な嫉妬心を見せる和樹ラウルはなぜかめっちゃカッコよかった。

♪とってもきれい♪♪美の真実♪

毎回このシーンがくるのを楽しみにしていた私!!ロックなギュイーーンっていうギターの音が聞こえてくるたびに背筋がゾクゾクしてテンション上がりまくってました(笑)。作品の中では異色な超ロックナンバーなのにタイトルに「美」を付けてるのが心憎いなと思います。

ちなみにこの場面…、つい最近気づいたのですが(今更w)「オペラ座の怪人」方式やってるんですよね。つまり、”生”ではない的な。たしかに音の響きがこのシーンだけ変わるので”もしかしたら”とは思っていましたが、やはりそういう事のようです。まぁ、役者の負担を考えるとそういう演出になるのかなぁと。

でも、ナンバーのカッコよさは永久不滅なので!!!やっぱりこのシーンはいつまでも大好きですよ。

<マチネ>

石丸ファントムのグスタフに対する「歌え!!私のために!!」の叫びが超激熱で、「オペラ座の怪人」でも見て観たかったなぁと思いながら見ていました(「オペラ座~」ではクリスティーヌに叫ぶ台詞)。

<ソワレ>

さとしファントムはこのシーンはさらに本領発揮というか!ロックテイスト満載な歌いっぷりが最高すぎて鳥肌きました(たとえ生じゃなくても)!!カッコ良すぎやろぉ~~!!

♪問い詰められて♪

真実を知ったファントムが狂気乱舞しながら彷徨い去って行くシーンで終わると思いきや、意外な場所からのっそり現れるマダム・ジリーw。あのラストは何度見てもホラーシーンとしか思えない(笑)。香寿さんの叫びも春野さんの叫びも、劇場に呪いかけてる勢いがあってめっちゃ迫力ありました。

<マチネ>

”真実”の姿になったときの石丸ファントム、真彩クリスに対する「真実を今すぐ‼!」と迫る時の迫力は鬼気迫るものがあるのですが、メグと鉢合わせした瞬間にものすごく怯えた表情をするんですよね。それがめちゃめちゃ切なくて本当にグッとくる。自らを恥じたように涙目になりながら必死に顔隠してて…。この時星風メグは驚いた表情でまじまじと見入ってた。

グスタフの真実を告げる瞬間、真彩クリスが感極まったかのように一瞬涙で声が止まってしまったのが本当に切なくて泣けた!!!ファントムへの愛情がひしひしと伝わってきたよ。そして石丸ファントム、真実を聞いた瞬間の慟哭があまりにもリアルで…見てるこちらも思わず涙がボロボロ零れた(涙)。暗闇のなかで孤独だったファントムが彼女の告白で救われたのだということが、石丸さんの表現から痛いほど伝わってきました。

<ソワレ>

さとしファントムは”真実の姿”をメグに見られてしまった時に動揺はしているのですが、石丸さんほどは狼狽えていませんでしたね。メグに対して「こっちを見るな」的なオーラを前面に出していくタイプって感じw。それに対して小南メグは…あの視線は、恋する女の目だった!!あの表情を見た時、小南メグはファントムを”憧れ”以上の存在として見ているんだなと思いました。

グスタフの真実を知った時のさとしファントムは衝撃は受けるものの、石丸ファントムのように泣き崩れるような雰囲気ではなかったですね。やっぱりそうだったのか、みたいな確信を得た喜びのようなものの方が強く感じられたかも。クリスティーヌと過ごした愛の時間は間違いではなかったのだ、みたいな。そういうロックな表現も面白いなぁと思いながら見ました。

2幕感想などは次のページにて。

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