飯田洋輔くん(ファントム役)について
まさかこの週の公演を観に行くことができるとは思っていなかったので、劇場に着くまで”夢でも見てるんじゃないか”という気持ちになったほどw。達郎くんとの兄弟共演も、もしかしたら今回でしばらくお目にかかれないかもしれないとも思ったので、本当に今まで以上に胸に刻みつける気持ちで観ました(まぁ、洋輔くんファントムの時はいつも尋常なテンションではないんですけどね 汗)。
♪ミラー♪
今回も「私の宝物に」のところからものすごい怒りの圧力が伝わってきた!達郎くんラウルがかなりクリスティーヌに甘く熱心にアプローチかけてましたからw、洋輔くんファントムとしては相当なフラストレーションが溜まっていたのではないかなと思ったほど。「無礼な」の歌い方は前回のほうが強めに歌っていたけれど、目の前で起こった出来事に激しい怒りの感情が沸き起こってきた気持ちは十分伝わってきました。
♪The Phantom of the Opera♪
湖の向こうからボートを漕いで現れる立ち姿は何度見ても惚れ惚れするほど綺麗で思わず見入ってしまいます。きっと私が洋輔くんのファンではなかったとしても、あの立ち姿には惹きこまれたと思う。それから、時折ボートの前に座っているクリスティーヌに向ける視線がとても熱を帯びていて高揚しているのが伝わってくるのも良いんですよね。これから彼女を自分の住処へ連れて行くんだという気持ちの昂ぶりが感じられます。
ボートから降りる時にクリスティーヌに差し出す手もすごく紳士的でグッとくる。彼女を傷つけないように丁寧に扱わなければという彼の心の内が透けて見えるよう。その差し出す手の柔らかい雰囲気は洋輔くんならではの味が出てるなと思って毎回ちょっとホッコリしていた私です。
その後の「歌え、私の音楽の天使よ」のセリフ回し。この日は「天使よ」の言い方がものすごくソフトで余計にクリスティーヌへの募る想いが感じられてグッと来たなぁ。日によってセリフの色付けも微妙に変わってるから何度見ても魅了されてしまう。そこから彼女の歌声を聞いていくうちにどんどん興奮していって、「歌え!エンジェルオブミュージック!!」と促すシーンはものすごい熱量だった。このあたりの気持ちの上げ方もすごくリアルでグッときます。
ハット飛ばしもマントの畳み方も今回すべて完璧。マントの畳み方は最初に見た時よりも素早くなったような気がします。それよりもクリスティーヌの歌をもっと近くで聞いていたいという逸る気持ちが垣間見えるようだった。
「私は求めた」「私のために歌ってほしい」とクリスティーヌに訴えるシーン、このフレーズの歌い方がまるでセリフを言うような感じで…。心の底から祈るようにクリスティーヌとの時間を欲している気持ちがリアルに伝わってきてものすごく泣けました。ワンフレーズごとにファントムとしての”想い”を注ぎ込んでいるのが手に取るように伝わってくるんですよ。それだけでももう、涙止まらなかった…。
♪Music of the Night♪
まるで天から降り注ぐかのような深みのある洋輔くんファントムの歌声。本当にまさに彼こそが”エンジェルオブミュージック”だよ!!あの歌を聴くだけで見ているこちらの気持ちも癒され安らいでいく感覚にさせられる。ここでも本当に一つ一つ丁寧に、クリスティーヌに想いを届けたいという気持ちがこれでもかというほど込められてて本当に感動的。見るごとにドラマ性が深まっていく気がする。
それからもう一つ注目するのが、この時の目です。時に熱く、時に穏やかに、そして徐々に感情の昂りと共に興奮したような色を帯びていく。この微妙な目の色の変化の芝居が最近ものすごく印象に残るんですよね。あぁ、ますます進化してるなぁと感じられて、それだけでも嬉しくて感極まってしまう。
花嫁人形にクリスティーヌが驚いて失神してしまう時の洋輔くんファントムの反応はいつも本当に可愛くて大好きだったなぁ。彼女が倒れたのを目の当たりにしたときに「どうしようっ」みたいにアタフタした素振りを一瞬見せるところにファントムの臆病な人間性が垣間見えるようですごく愛しい。
オルガンを弾きながら作曲しているシーン、天上から音楽のアイディアが降りてくるのをじっと待って、頭の中にそれが浮かんできた瞬間に目を輝かせ少し興奮気味にペンを走らせていく。時々少し下唇を噛んだような表情を見せるのが個人的に凄いツボだったりします。
楽譜に向かっている時の洋輔くんファントムは音楽愛に溢れていて、なんだかグッとくるものがある。クリスティーヌが傍にいることによって、泉のように音楽のアイディアが自分の中で生み出されていくことへの悦びを噛みしめているようです。
そんな幸せの絶頂の最中に、よりによって想いを寄せていた人から想定外の仕打ちを受けてしまうわけで。この仮面を最初に剥がされた後の怒りっぷりの芝居が、この日は特に激しくてゾクっときた。特に「ちくしょう!!」の叫びが今までの中で一番怒りと悲しみに満ちた声色だったのがめちゃめちゃグッときました。
この「ちくしょう」の捨て台詞については、個人的に一番最初に洋輔くんで観たときからすごく注目していて。回を重ねるごとにどんどん熱を帯びていって怒りの感情の流れの中で自然に口をついてこの言葉が吐き出されていくたびに、彼の役者としての進化を感じてものすごく胸が熱くなっていたんですよね。この日に聞いた「ちくしょう」の声の響きが本当にぐちゃぐちゃの感情の中でバッと飛びだしたような感じだったので、もうホント…、話の筋とは関係ないところで感極まってしまいました。
怒りと悲しみの感情の中で匍匐前進しながら彼女の元へ近づいていく場面。彼女への距離が縮まっていくにつれて「なぜ見てしまったのか」という気持ちが大きくなり、一番近くに辿り着いた時にはまともにその顔を見ることができずむせび泣いてた…。この後ろ姿がとにかく哀しくて切なくて見てる私も辛くてたまらない(涙)。一番知られたくなかったことを知られてしまった辛さや哀しみがあの背中から溢れてたよ…。っていうか、洋輔くんファントムの悲しむ姿を見るのがもう個人的に胸締めつけられるような気持ちに襲われてしまって…堪らない(涙)。
仮面を返された後、彼女に触れたいという感情が沸き起こってしまうけれど寸でのところで「行かなければ」と自分の気持ちを断ち切る。この断ち切る寸前の表情がものすごく辛そうで(唇噛みしめて堪えてた)めちゃめちゃ泣けた…。
♪All I Ask of You♪
エンジェル像からゆっくりと顔を上げたときの表情のなんと哀しげなことよ!!しかも、「愛を与えた」からの歌声が…聴こえてきただけでこちらまで哀しくて胸が苦しくなるレベル(涙)。達郎くんラウルがそれは熱く濃くクリスティーヌへの愛を歌い上げていたので、なおさら辛そうに見えてしまって本当に哀しかった。彼女に愛情を伝えたくてもできない、断腸の想いでその気持ちを抑えてきたファントムの無念の思いがこれでもかというほど伝わってきました(涙)。
また今回は、クリスティーヌの裏切りに対する怒りというよりも自分には叶わないことを堂々と表舞台で表現できてしまうラウルに対する忸怩たる気持ちが強く湧き出たようにも感じたかな。哀しみから怒りへと切り替わる感情の場面が今まで以上にリアルに伝わってきて胸締め付けられるような気持にさせられてしまった。
このあたりの感情表現もすごく繊細に演じてて、どんどんファントムとしての深みを増していく洋輔くんに涙が止まらなかったよ…。
♪墓場♪
クリスティーヌが父への想いを熱唱している間、ずっと十字架の中に身を潜めているファントム。ここの場面はクリスを観なきゃいけないと思いつつも、どうしても意識が十字架の暗闇の中の存在に向かってしまうんですよね(汗)。彼女の切実な歌声をどんな想いで聞いているのだろうか、とか、色んなことを考えてしまう。身動き一つせずに暗闇の中でじっとしている洋輔くんファントムの後ろ姿を見るだけでなんだかすごく泣けてきてしまった…。
そこからの、「ここへおいで」と歌いながら姿を現すシーンに繋がるわけですから…ここはもう、自然と感情がグワッとこみ上げてきてボロ泣き状態になる私(涙)。とにかく最初の歌い出しの声が柔らかくて温かくて見る者の心をこれでもかというほど惹きつけてくる。毎回ここはその歌声に泣かされているわけですが、本当に何度聞いても心が震えまくって泣いてしまうんですよね。
この日もクリスティーヌと一緒に心の中で「エンジェルオブミュージック、私の大切な人!」と歌っちゃったよ。そうせずにはいられない衝動にものすごく駆られるんです。
この二人だけの世界が繰り広げられていく様子を目撃してしまうラウルは「信じられない」と複雑な心の内を歌う。そしてファントム、クリスティーヌの歌の世界へ割り込んでいくことになるわけですが…、この三重唱がもうただただ圧巻でございました。圧倒的なオーラを放ちクリスティーヌへのありったけの想いを込めて歌う洋輔くんに、負けてなるものかと必死に食らいつくように声を上げて歌う達郎くんの声が絡んできてて…。あの瞬間の三人の放っていた想いのぶつかり合いみたいなオーラは本当に強烈で、息をするのも忘れるほど圧倒されてしまった。
この後展開された飯田兄弟によるクリスティーヌを巡るバトルがまた壮絶すぎる!!
洋輔くんファントム、達郎くんラウルへの敵意を剥き出しにして的確に彼を狙った火の玉攻撃を仕掛けてた。それに対して達郎くんも「望むところだ」と言わんばかりに立ち向かっていて、自らその炎に飛び込んでいく動きも見せてたな(手元で火花が散っていたほど)。ここの二人のやり取りが激熱すぎて、ものすごくゾクゾクさせられた。これまで見た中で一番スリリングなファントムvsラウルの戦いだったような気がします。もしかしたらあの時、二人の中に役を越えた特別な感情が盛り上がっていたのかもしれない。
♪The Point of No Return♪
山口ピアンジさんが上手くカーテンを閉められないまま登場ってことになったので少しハラハラしながら見守っていたのですが、シャッと完璧に閉じていてホッと胸をなでおろしてしまった私ですw。この場面で失敗するファントムはこれまで見たことがないので、ピアンジのように中から閉めるよりも外から閉めるほうがやりやすいのかも。
「心に潜む密かな願いに」の歌い出しから鬼気迫る雰囲気を醸し出していた洋輔くんファントム…。黒いフードを深く身にまとっているので表情はうかがい知ることができないのですが、もうのっけからクリスティーヌが欲しくてたまらないという想いが体中から溢れてて堪らない気持ちにさせられてしまった(涙)。この場面、以前は少し感情を抑えながら入っていたように思えたのですが、ここ最近は最初から彼女への気持ちを前に押し出すようなお芝居に変わってきたように感じます。
特に「燃えるこの想いが」のフレーズのあたりからは必死に自分の感情が表にもれないように抑えながら訴えていた。少しでも油断したら、クリスティーヌの腕を掴んでさらって行ってしまいそうで…。途中からは肩で息をするほど気持ちが高揚しているように見えてねぇ。なんというか、全身で「クリスティーヌが欲しい」と必死に叫んでるようでもあって…あんなにも狂おしく一人の人を求めもがいてる姿見ていたら、切なくて苦しくて溢れる涙を堪えることができなかった(泣)。
目の前の正体がファントムだと気づいていないクリスティーヌが芝居の中で積極的に彼にアプローチを掛けてくる場面では、抑えに抑えていた感情がついに隠しきれない状況になっていく。彼女に触れることに臆病になっていたものの、指を絡ませ顔を擦り付けられた瞬間にはそういった気持が取っ払われて我を忘れてその感触に夢中になっていく。このときの興奮状態がなんだかとても痛々しくて…。
容姿へのコンプレックスからか、クリスティーヌへの自分の気持ちを必死に押し殺している雰囲気が洋輔くんファントムはとても強いように感じるんですよね。それだけに、その抑えが効かなくなり夢中で彼女の腕を強引に引き寄せようとするシーンは見ていてとても苦しくなります。
今まであんなにも激しく求める気持ちを必死に抑え続けていたなんて…。自分発信ができないなかで真っ直ぐ彼女に愛情を伝えられるラウルをどんな想いで目の当たりにしていたかと思うと…本当にいたたまれない。洋輔くんのファントムからは彼の抱えてきた追い詰められていく苦しみの感情が痛いほど伝わってくるんですよ。
クリスティーヌがフードをめくりその正体を明かした瞬間、彼は激しい衝撃を受け恐れおののいたように目を丸くして固まってしまう。そして、めちゃめちゃ悲しそうに顔を歪めながら思わずその場を離れるんですよね…。もうそれがあまりにも切なすぎて見てるこちらも苦しくなって泣いてしまったよ(涙)。そのときの背中は、ショックと悲しみのあまりとても頼りなく見える…。
それでも意を決したように振り返り祈るような気持ちで自らの指にはめていた指輪を外し、懇願するように、これまでずっと心のなかに抑え込んできた思いを一言一言祈りを込めながら歌う洋輔くんファントム…。その切実な姿はもう涙なしには…というか、泣けて泣けて泣けて…息をするのも苦しくなるレベルだったよ(涙)。
「クリスティーヌ!!!君がすべ・・・」
ここはもう、彼女への想いをすべてぶつけるような歌い方。絶唱に近かった。”もうこの想いはどうにも抑えることができない、お願いだから、頼むから、僕の気持ちを受け入れて欲しい”・・・と、全身で訴えてた。胸が張り裂けるかと思うくらい切なすぎて、少しも見逃したくないのに涙止まらなくてまともに最後まで見れなかったよ…。仮面を剥がされたときの悲痛な雄叫びは今まで以上に心をズタズタに切り裂かれたような声に聞こえました(涙)。
怪人の隠れ家
クリスティーヌから「飢えた悪魔」と激しい言葉で責め立てられる場面。前回もそうだったけど、以前までの激しいショックを受けるような表情がなくなり、「そうだ、私は悪魔と呼ばれる存在なのだ」と自分自身を卑下するように自嘲する表情に変わったんですよね。よりファントムの心の闇に踏み込んだかのような表現に変わったなと思って、ものすごくグッときます。
そこからの流れで「母にも嫌いぬかれて」と自分の過去を振り返りながら歌うのですが、その直前の「それが私をこうした」のフレーズが涙声になってて…辛くてたまらなかった(涙)。このときの洋輔くんファントム、荒野に一人だけ置き去りにされた子供のように見えるんですよ。こみ上げてくる涙を必死に抑えるように歌ってて…もうその姿があまりにも哀しくて悲しくて嗚咽しそうになるくらい泣きました…。
生い立ちを語った後は「哀れみはいらぬ」と強がって見せるわけですが、そう振る舞うのもギリギリの精神状態なんだろうなというのが伝わってきます…。クリスティーヌに花嫁のベールをかけるときの仕草もすごく乱暴(以前はかなり丁寧にセッティングしてたのでこのあたりの表現も変わったなと思います)。
だけど、最後にブーケを手に持ったときには少しだけ笑みを浮かべるんですよね。「これを持たせたら綺麗だろうな」って彼女の花嫁姿に思いを馳せるような…。一瞬しか見せないんだけど、その笑顔がすごく幼くて逆に辛くなってしまう。
そしてラウルが隠れ家にやってくるのですが、この時達郎くん泣きそうな声で必死に訴えていて。それ故によけいに洋輔くんファントムの冷酷さがいつも以上に際立って見えました。今の状況では私のほうが圧倒的に有利だぞと言わんばかりの冷淡な表情を浮かべていてゾクッとした。「愛のために命がけ!」と罵りながらクリス人形をボトッと落とすときの目が驚くほど冷たかった…。彼のこういう表情を引き出す達郎くんの存在はやっぱりすごいなと思うし、特別なんだなとも感じます。
ラウルの首に縄をかける場面、「この償いはおまえがするのだぁーー!!」の「だ」のところでものすごい高笑いするんですよね。そこにはもう敵意しかなくて、排除する相手としか見ていない感じ。そしてクリスティーヌに向かって「手を合わせて頼むのだ!」と迫るわけですが、彼女の名前を呼ぶときの声がもう今にも泣きそうってくらいかすかに震えてた…。「クリスティーヌぅ!!」と少し語尾を延ばすのは洋輔くんのセリフ回しのクセかなとも思うんですが、まるで子供がおもちゃを買えとせがんでいるような言い方になっててものすごく哀れにも見える。
「もはや引けないぞ!!」と最後通告を突きつける時、以前はオルガンのところに辿り着いてから歌うことが多かったけど、この日は最後の「ぞ」の部分を歌い終わるくらいのタイミングのところで辿り着いてました。それだけクリスティーヌに自分を欲してほしいと必死に訴えているんだなと思えて、その姿があまりにも哀しくて涙が止まらなかったです…(泣)。
そんなファントムの常軌を逸した行動を目の当たりにしたクリスティーヌは、「哀しみの涙、今、憎しみに変わる」と歌うわけで…。この「憎しみ」というワードを聞き彼女の怒りの表情を目の当たりにしたとき、楽譜の前で悶え苦しんでいた洋輔くんファントム(涙)。
彼女の言葉に激しいショックを受けたのと同時に、取り返しのつかないことが自分の身に起こっているのではないかという恐怖にも似た感情に襲われたような表情をしてて…。あんなに悶絶しながら混乱してる彼の姿見たらもう、私の心も引き千切られていくような感覚に陥ってしまって涙で前が見えなくなってしまった。
「私を選ぶか、こいつを選ぶか!?」とクリスティーヌにラウルの前で脅しをかける時も、心理的に追い詰められているのは確実にファントムのほうなわけで…。ラウルの前にクリスが立ちはだかりキッと睨みつけられた時、激しいショックと哀しみのあまりその場から泣きそうな顔になりながら逃げていく姿はあまりにも辛い(涙)。
クリスティーヌを救うために自己犠牲をも厭わないと毅然とした態度で訴えるように歌う達郎くんラウル、音楽を与えてくれたファントムへの恩義を捨てられずにどうかこんな残酷なことはやめてほしいと懇願するクリスティーヌ、ただただ愛する人に自分の方だけを振り向いてほしいのにその方法が分からず八方塞状態になって孤独を深めていくファントム。この3人の感情のぶつかり合いは、本当に壮絶で…、まさに激闘でしたね。すごいものを目撃したなと。
クリスティーヌのキスを受けたあと、2度目の時に体が彼女を求め抱きしめたいという欲求に襲われますが寸でのところでそれを抑え込んでしまう。この時の洋輔くんファントム、「もうやめてくれ」と言わんばかりにものすごい苦しそうな表情を見せてるんですよ…。最初に観た頃と違った反応になってて…これがまた超絶切ない。夢にまで見た瞬間だったはずなのに、あの時どんな想いで彼女から離れたかと思うと辛くて辛くてたまらなかった。
そしてフラフラと進むなかで自分に起こった出来事を必死に頭の中で理解しようとしてて…、少し先まで行ったところで自分の唇に手を当て潤んだ目で彼女を見つめてた。あの時に、じわじわと自分の中にキスを受けた感触が実感として広がり始めていたのではないだろうか…。
吊るされているラウルに気が付き蝋燭を持って彼の元に近づく場面、最初に彼を激しい表情で睨みつけるのですが、この時の洋輔くんと達郎くんの視線のぶつかり合いがものすごくスリリングだった。クリスティーヌの表情を確認しなかったら、さらに激しい嫉妬の感情がこみ上げたんじゃないかと思ったほど。焼き切る時の苦しそうな悲痛な叫び声がこれまで以上に心に刺さってめちゃめちゃ辛かったよ(涙)。
舞台の上で”兄弟”であることは意識していないはずですが(達郎くんもハッキリ意識しないって言ってたし)、目線が合った瞬間にはやはり二人にしか感じえないなにか特別な感情が生まれるのではないかなと思いました。
二人を逃がすときの「行け、行ってくれ、お願いだぁーー!!」の場面。「お願いだ」のフレーズのところがこれまでにないほどの涙声になってたな…。これがもう、ほんっっとに辛い(涙涙)。なんかもう、ファントムの悲嘆に暮れている姿を目の当たりにしてるのと同時に洋輔くんが悶え哀しんでる姿を見てるような感覚にもさせられちゃって、自分の感情がどうにかなっちゃったかのような感じ(←すごい危険 汗)。
ここから猿のオルゴール前でマスカレードを歌いながら孤独な自分を噛みしめるファントムのシーンは、しっかり見なきゃと思いつつもあまりにも哀しすぎて体が震えるのを必死にこらえながら泣いてしまったので記憶がちょっと飛んでます(←超危険な状況 汗)。
マスカレードを歌い終わった後にうずくまって涙に暮れる洋輔くんファントムの姿見たらますます私も前が見えないくらい泣けてしまって大変なことになってしまった(汗汗)。
クリスティーヌが戻ってきて指輪を差し出した姿を見た時、洋輔くんファントムは自らの運命を受け入れようとするかのように静かに彼女の前に立ち、少しだけ笑みを浮かべながら優しく静かに「I LOVE YOU」と心からの愛の言葉を告げていました…。そして、指輪を渡す彼女の手をギリギリまで触れようとしてるのがまた切ないんですよね…。彼女の方に手を伸ばし、その後ろ姿を寂しそうに見つめているわけで…あんなんもう、堪んないよ(涙涙)。
ラウルとクリスティーヌがボートで去っていく中、クリスティーヌが投げ捨てた花嫁のベールが目に入る場面。いつもはそれをかき集めた後抱きしめていましたが、今回見たら、彼女への愛を手放してしまったことが哀しすぎたからか…すぐにベールを自分の頬に持って行って「クリスティーヌ…」と消え入りそうな声で泣きながらその名を呼んでた(涙)。あの姿を見た時もう、何とも言えない感情がさらにこみ上げてきて…涙で前が見えなくなってしまった。
そして最後の最後に「我が愛は終わりぬ」と歌う。洋輔くんはありったけのファントムの想いを込めたかのように震えるほどドラマチックな歌声を聴かせてくれました。心の震えが本当に止まらなかったです…。
後述
今までも大号泣しながらカテコを迎えていましたが、この日はその中でも特にボロ泣き状態になってしまったので最初のほうはうまく拍手ができなかったほど(汗)。それでも、これでしばらくの間は見れなくなると思っていたのでキャストの皆さんに感謝の思いを込めて感動の気持ちを送りました。
そして3度目のカテコのあたりでスタンディングになったのですが、いつものように席を立った時、脳天から足先まで電気が走ったかのような痺れが襲ったんですよね。こんなこと初めて…。涙の渦に溺れながら見ている間に体中に電気が滞留されていたのだろうか(汗汗)。それほどこの日の舞台がすごかったということで。というか、洋輔くんへの想いが今まで以上に強く自分の中を駆け巡っていたのかもしれない。
最後のカーテンコールになった時、キャストの皆さんが左右に分かれて袖に帰ろうかという瞬間に達郎くんが満面の笑みでお兄さんの洋輔くんの背中をポンッと叩いたんですよね。そのことに一瞬少し驚いた表情を見せた洋輔くんでしたが、リスペクトし合ってる弟の達郎くんからの手だと確信したからかとても晴れやかで嬉しそうな笑顔を浮かべながら袖へと向かって行ってた。特に見つめ合うようなことはしてなかったけれど、あの瞬間、二人の間にだけある”特別な絆”みたいなものを実感しました。
達郎くんは洋輔くんが反対側の袖のところに立った時もそこに向けてものすごい拍手を送ってた。兄弟共演でのオペラ座は一旦この日で最後というのを知ったうえでの行動だよね。四季の中でこういう行動が自然にできる達郎くんはすごく稀有な存在だし、とても素敵だなと思います。その光景を見てまた涙がボロボロ零れてしまった(涙)。
達郎くんにとっての洋輔くん、洋輔くんにとっての達郎くん、二人だからこそできる『オペラ座の怪人』を幸運にも見られたことは本当に嬉しかった。数か月前に観たときよりも二人の熱量が本当に熱くてめちゃめちゃ心震えました。
飯田洋輔くん、本当に見るごとに進化を感じさせてくれる。舞台で繰り広げられる世界の中で、彼はものすごく真摯に”生きてる”。その姿を目の当たりにできることに大きな幸せを感じます。もっともっと先の世界へ。多くの見たことのない景色も見てほしい。次に再会できる日を楽しみに待ちたいと思います。
あぁ、ホントはもっともっと会いたいところなんですけどねぇ。もう少し劇場が近ければなぁ・・・(苦笑)。