劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演 2023.07.09マチネ

飯田洋輔くん(ファントム役)について

このところの洋輔くんのローテーションを考えると、おそらく7月が最後ではないかなと思っているので…私がこうして通って見れる時も終わりが近づいたなといやが上にも感じざるを得ません…。でもこの週は入るかどうかも微妙な情勢でしたから(その前1週間半東京に急遽行ってたからね)、キャスティングされたことは本当に幸運。ハードワークになってるのは心配だけど、大阪でファントムを演じる姿にもう一度会えるチャンスが訪れたのはすごく嬉しかったです。
この日は天候不順による交通の乱れがあるなかでの奇跡の劇場到着でしたから、いつも以上に色んな感情がこみ上げてきてめちゃめちゃ感極まってしまいました。

♪ミラー♪

前回観た時よりも入りにものすごい怒りのパワーを感じました。特に「無礼な若造め!」のところはすごい強調してて、ラウルに対する置きどころのない苛立ちみたいなものが伝わってきたな。今回は弟の達郎くんが演じてるということもあって、無意識にラウルに向けたフレーズに力が入るというのもあったかもしれません。

このあと藤原クリスティーヌがとても美しい声で「エンジェルの声が聞こえる、包んで私を」と歌うのですが、もうこれ、私と同じ心境だなと勝手に同調してしまってww。洋輔くんファントムが鏡の向こうに姿を現した時はなんだか今まで以上に感情がブワッと高まって知らず知らず涙がボロボロと溢れてきてしまいました。この姿を見れるのももしかしたら最後かもしれない…といった覚悟もあったので(翌週もう一度会えることにはなりましたが)、なおさら色んな想いがこみ上げてきて胸が苦しくなってしまった。

「エンジェル・オブ・ミュージック、わたしの、大切な方。音楽の天使なの。素敵な方」

クリスティーヌが歌う歌詞が、自分が抱いてる洋輔くんファントムへの気持ちとどうしても重なってしまう。まさにそれだよ!!って何度思いながらこのフレーズを聞いて来たことか(暑苦しくてすみません 汗)。

♪The Phantom of the Opera♪

ボートを漕ぐ洋輔くんファントムの姿はとてもスマートで立ち姿がとても美しく、指先の動きもキレイです。その指先がなぞる線にどことなく柔らかさも感じられるのが彼の魅力のひとつではないかなといつも思うんですよね。クリスティーヌをとても大切に愛しい存在として認識していることが伝わってくる。隠れ家に到着した後に差し出す手もどことなく温かみを感じるし。
役者それぞれの個性が出るからこそ複数キャストは面白い。私は洋輔くんの個性が仕草の一つ一つに沁み込んでくるようなちょっとシャイでナイーブなファントムをとても愛しく思うのです。

「歌え、私の音楽の天使よ」のセリフは「天使」のところを特に思いを込めて発していたように思いました。命令口調のセリフでありながらも、クリスティーヌだけが自らを羽ばたかせてくれる唯一無二の天使だと感じているからこその気持ちがこもっているようでなんかグッときたな。彼女が歌っているときは、ここ最近あまり一緒に口を大きく開けて真似っこしなくなりましたね。一緒に歌う意思は見せてるんだけど、どちらかというと彼女の美しい声に感極まってるような感じ。

ハット投げは相変わらず鋭く飛んでたけど、以前ほどは真っ直ぐ袖に行かない感じw。でもそこは全然問題じゃない。マントの畳み方も昨年見たばかりの頃に比べるとかなりチャッチャと済ませるようになりました(それでもちゃんと畳んでるのは彼の個性が出てるような気がする)。自分の身支度を整えるよりも、一刻も早く彼女の歌声の傍に行きたいという急いた気持ちが感じられるのがとても良いと思います。
特に「歌え、エンジェルオブミュージック!!」と彼女を舞台中央へと押しやる場面は歓喜の想いが最高潮に達したことが伝わってきて見ているこちらの胸もこの上なく高鳴りました。

♪Music of the Night♪

私が一番グッとくるのは、とても力強く圧倒的な「連れてきた」の歌い出しから、祈りのような気持で気持ちをグッと抑えながらそれでも訴えるように歌う「私のために歌ってほしい」までの流れです。この少しの時間の間に洋輔くんファントムの激動する感情の変遷がものすごく感じられるんですよね。それゆえ、「どうか」と楽譜を撫でながらクリスティーヌに祈るように歌うフレーズがとてもリアルに私の胸の奥に響いてくる。

そこから始まるTMotN。洋輔くんファントムの歌はとても繊細で柔らかくどこかほのかな温かみすら感じます。あれを間近で聴いたら…そりゃクリスティーヌだって催眠術にかかったようになってしまうよ。「空に高く」の繊細に伸びる声などは、魂まで空に誘われてしまいそう。
でも、そのあとのクリスティーヌを繋いでいる見えない糸を手繰り寄せる仕草はどこか強引で力強い。「君は私のもの」というフレーズを特に力を込めて歌っていたのもすごく印象深かったですね。

「新しい未知の世界へ二人で旅立つのだ」の歌いっぷりなどは、その光景が目の前にリアルに浮かんでくるような表現力で本当にドラマチックで感動的です。暗く閉じられた世界にしか安住の地を得られなかった彼が、クリスティーヌと二人で新たな幸福の世界に旅立てるのではないかという大きな希望…というか、根拠のない自信みたいなものも感じてねぇ。その先に待つ運命を知ったうえでこの場面を見ると本当に切なくて胸が詰まりそうになってしまう。

ダミークリスを披露する場面。マイクに乗らない声でクリスティーヌに「さぁ」って言ってる時のちょっと誇らしそうな表情から一転、彼女が驚いて失神してしまった時のアタフタっぷりが本当に最高に可愛らしい。この日はここ最近の中で一番「どうしよう」といった不安が表にダダ洩れしてオタオタしまくってて、あの仕草が出るのは洋輔くんファントムだけなんだよなぁ(ほかのファントムは一瞬驚くけどすぐ冷静にマント取りに行ってる印象)。彼の個性が滲み出るこの場面が私はとても好きです。
「二人は歌うのだ」と気を失った彼女の顔をそっと覗きこみながら囁くように歌う姿もほんとグッとくる。まるで「僕には君しかいないんだよ」って静かに語りかけているかのよう。

作曲中の洋輔くんファントムはクリスティーヌが近くにいる安心感からか、”心の赴くまま”自由に作曲しているように見えます。自分の頭の中に音楽が降りてきた瞬間は歓喜の表情が浮かび、弾かれたようにペンを執る。ファントムの深い音楽愛が凄いストレートに伝わってくるんですよ。彼にとっての音楽はイコール、クリスティーヌであって…、あの瞬間が一番幸せな時なんだろうなと思うとなんだか泣けてきてしまう。

いたずら心のクリスティーヌが仮面を剥がしてしまう瞬間は、洋輔くんファントム「うわぁ!!」とものすごい声を上げます。何が起こったのか一瞬分からなくて、そのあとすぐに自分を覆い隠していたものが愛する者の手によって剥がされてしまった事を悟ったという感じ。まさに天国から地獄の心境だろうなぁと。
で、「これが見たいのか!?ちくしょう!!」と彼女に怒りをぶつける場面なのですが、この日は「決して許さぬぞ!!」と叫ぶときから少し涙声になってたんですよ。もうそれが切なくて切なくてねぇ…。激しい怒りよりも愛し信頼していた人から裏切られたといった絶望感のほうが勝ってしまった…みたいな。「呪われろ」とうずくまってる時も、匍匐前進でクリスに恨み言を連ねながら寄っていく時も、とにかく辛そうで…見ているこちらとしてはもう堪らない(涙)。その姿はあまりにも儚く脆く…そして本当に哀しかったです。

♪All I Ask of You♪

あまりにも藤原クリスと達郎くんラウルの二人の心が結びついたようなラブラブっぷりな光景だったが故に、エンジェル像からゆっくりと現れる洋輔くんファントムの今にも脆く崩れてしまいそうな表情を見た時は見てるこちらも胸が苦しくて苦しくて仕方なかったです(涙)。地下室へ彼女を連れて行ったときには自分と心が結ばれたと思っただろうにねぇ…。「愛する者に今裏切られて…」とか細い声で歌う時はあまりにも哀しすぎた(涙)。泣き崩れそうというよりも、消えてなくなってしまいそうに見えて仕方ないんですよね…心が傷ついた洋輔くんファントム。その痛みが、これでもかというほど私の心に刺さってきて、本当に苦しい…。

ラウルとクリスのラブラブな歌声の幻聴が聞こえた時に耳を塞いでしまう場面、手を自分の耳まで持っていくことすら苦しそうだった洋輔くんファントム…。右の耳を塞ぐ手はなかなか上に挙がらなくて…怒りの感情が湧き起こる寸前にようやく触れたといった感じだったのが本当に哀しかった(涙)。
クリスティーヌの心が自分から離れたと思ったことの哀しみから、自分から彼女を奪ったラウルへの怒りへ。ここの感情の変化の流れも本当に自然。みるみる黒い感情が彼の中で駆け巡っていくのを肌で感じました。

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♪墓場(Angel of Music リプライズ)

十字架から登場し「ここへおいで」と歌い出したその瞬間から、私の心は魂ごとその音色に誘われてしまうような感覚になります。それくらい、この時の洋輔くんファントムの歌声は柔らかく温かく、そして安らぐのです。あんな声が聞こえてきたら、誰だって歩みを止めて振り返るよねっていう説得力が半端ない。まさに、「震えているのよ、その心」ですよ、本当に。あの声が聞こえてきただけで一気に涙がブワッと溢れてしまう。

達郎くんラウルが現れて三重唱になる場面、ただただ圧巻でした。3人の歌声がとにかく美しくて…あの空間にいられただけで多幸多幸…。なんか色んな感情が湧き出てきたけど、それすら凌駕してしまうような特別な時間だった気がします。

そしていよいよ洋輔くんファントムvs達郎くんラウルの対決場面。最初の「ぶらーーぼーーー!!」のシャウトが凄かったな洋輔くん!!やっぱり弟の達郎くんが相手になると意識していなくても自然とボルテージ上がるんじゃないかなと思いました。「どこまで持ちこたえられるかな」と挑発している時はひたすら冷酷で。火の玉の飛ばしっぷりもそれはそれは激しかったですよ。特に最後の方は至近距離で確実に当てに行ってましたからね。それを達郎くんも堂々と受けて立ってて、手に汗握る凄い迫力だった。やっぱり二人が共演する回はどこか違うなぁと思いました。

ラウルがクリスティーヌを連れて走り去った後の「行くなぁ!!」は、それまでの冷酷で強気な態度が一転して脆くナイーブな一面が顔を出している。声も裏返り気味でちょっと涙声になりそうな感じで…それがまためちゃめちゃ哀しく切なかったです(涙)。なぜ彼女は自分の元へ来てくれないのかといった混乱した想いが凄いリアルに伝わってきて胸が痛くなる…。

♪The Point of No Return♪

黒いフードを被って登場した時から、クリスティーヌへの抑えきれない想いがひしひしと伝わってくる洋輔くんファントム。前回見た時よりも彼女を求める気持ちが強く外に出ているように見えて…もう本当にそれだけで涙腺が切れました(涙)。「悩みを捨てろ」の歌声のところからもうちょっと震えてる感じで…彼の彼女を求める感情がはちきれそうになっているように見えて仕方なかったです。

さらに「未知の愛の悦び、もはや戻れない」とクリスにフードのまま一番密着する場面では今にもその正体を見せてしまうのではないかというほどの勢いだったのがすごく印象深い。でも、クリスの顔が自分に向けられた瞬間に弾けたようにその場から離れてしまう。その不安定な心の動き、ファントムの脆さを洋輔くんはすごく繊細に演じてて…彼の一挙手一投足に涙が止まりませんでした。

一旦クリスティーヌがファントム(ドンファン)から離れソロを歌っている時も、彼女を求めるあまり体が小刻みに震えてた。その心の動きは指の先まで伝わっていて、落ち着きなく手指が動いている。前回よりもその動きが本当に激しくて…もうそれだけで私の胸は張り裂けそうになってしまった(涙)。表情は見えなくても、頭の先から足の先まで…全身でクリスティーヌを求めてるのがこれでもかってくらい伝わってくる。
2度目に彼女に触れたとき、その手を離せなくなり正体を悟られたことも気づかず無我夢中で舞台中央へと強引に連れ出してしまう洋輔くんファントム。それだけに、突然クリスからフードを外された時、大きく目を見開いて息が止まりそうな表情をしながら「あぁ…っ」と小さな悲鳴を上げるんですよね。そして逃げるようにその場から離れてしまう。もうここの洋輔くんファントムは切なすぎて苦しくて嗚咽級に泣いた(涙)。

さらにもう一度彼女の方へ向かっていく時の場面が…思い出すだけでも泣ける。今にも泣きだしてしまいそうな表情で…必死に彼女を求める悲鳴のようなものがこれでもかというほど伝わってくるんですよ。彼女の指に指輪をはめた時なんかは祈るような感じだったし…。

「クリスティーヌ!!!君がすべ(て)」

魂の底から彼女を求める涙ながらの必死の告白をする洋輔くんファントム。これを泣かずに見られようか…(号泣)。銃声が鳴り響くなか「うわぁーーっ」と悲鳴を上げながら彼女を連れ去る場面も本当にひたすら哀しかったです(涙)。

再びボートでクリスティーヌを連れ去る場面のファントムは常軌を逸しているように見えるのですが、この日の洋輔くんファントム、狂ったように歌いながらもその声はまるで泣き叫んでいるかのようだった…。「嫌い抜かれて…」と自らを呪う歌の時などはどんどん自分を絶望の淵へと追いやっているように見えて辛くて辛くてたまりませんでした。

怪人の隠れ家

ラウルが湖に飛び込む場面、達郎くんはポーズを取らずに服を脱いだらそのまま橋の下にダイブする感じでしたね。一刻も早くクリスを救いに行かなければといった必死さが伝わってきて良かったです。

2度目の隠れ家でのファントムとクリスティーヌの最初の場面、藤原クリスは「悪魔」というフレーズをものすごく強く発していて、それが鋭い刃として確実に洋輔くんファントムの心に突き刺さってるのをリアルに感じました。もうその姿が痛々しくてたまらなくて…さらに号泣モードになる私(涙)。
「血に呪われた運命」と自らの過去を語り出すシーンでは、洋輔くん、心が傷つきながらもそれを必死に彼女に見せないように最初は強がって歌うんだよね。「そうだ、私の過去はこんなにも暗いのだ」とまるで誇張しているかのよう。だけど「母にも嫌い抜かれて」と母親のことを思い出したとたんに色濃い孤独が浮き出てきて…。親から嫌われた過去が彼にとって一番の大きな打撃だったのだということが一目で理解できてしまう。力なくその当時の思い出を歌い語る姿は、あまりにも小さくて儚くて…そんな洋輔くんファントム目にしたらもう、胸が張り裂けそう(涙)。

それでも、泣きそうな心を奮い立たせるように「哀れみはいらぬ、この運命には従わねばならぬ」とクリスティーヌの前で強気な態度に戻ってしまう洋輔くんファントム。クリスから「醜さは顔にはないわ」と諭されても今回は全く聞く耳を持とうとしてませんでしたね(前回見た時は彼女の言葉が少なからず入り込んだように見えてたけど、今回それが無かった)。壊れそうな自分を必死に隠して強がって…でも表情も声も悲しみに押しつぶされてしまいそうで…切なくてたまりません(涙)。

このタイミングで達郎くんラウルが助けにやって来るのですが、この時の飯田兄弟対決もとても見応えありました。洋輔くんファントムはラウルに対してものすごく強く出て決して弱さを見せようとしない。玉座に座る時は今回足を組んだまま腰を下ろすという凄技も(2週間ぶりに見た)。
対する達郎くんラウルは捕らわれの身となっているクリスティーヌが心配のあまり、懇願モード強めで下に出てる印象だったのが意外でしたね。もっと強引に行くと思ったんですが、「返してくれ!!」の時なんか今にも泣きそうになってて必死に頼み込んでる。その姿にもなんだか胸を打たれてしまった。愛する人のためにすごい一生懸命な姿が好印象です。

そしてファントムがラウルを縛り付けてからの攻防になるわけですが…、あまりにも洋輔くんファントムが脆くて痛々しくて哀しすぎて、嗚咽級に大号泣してしまい記憶が半分飛んでしまった(汗)。声出さないように泣くため必死になってた私ですw←それくらい涙止まらなかった。
ラウルを庇うために立ち塞がるクリスティーヌと対峙した時の洋輔くんファントムは、今にも壊れてバラバラになってしまうのではないかと本気で心配するほど。もう、全身全霊で彼女に「僕を愛してよ!」と悲鳴を上げてるように見えてねぇ…。

そして私が一番注目してるポイントでもある、クリスティーヌから「憎しみに変わる」という言葉をぶつけられる場面。その言葉を聞いた直後は息が止まりそうになってて何を聞いたのか分かっていない様子だったのが、徐々に言葉の意味が心に浸透して激しいショックで崩れ落ちてしまう洋輔くんファントムが本当に哀しい。あの時「もはや戻れない」ところにきてしまったのは”自分”だったと自覚してしまったようにも見えて…。この日は机の上の楽譜をバンッって強く叩く仕草もあってなおさら心が痛みました(涙)。
その後も必死にクリスティーヌに食らいつこうとしてますが、彼女を追い詰めるフレーズは実のところ全て自分自身に返ってきてるように思えて「もうそれ以上自分を傷つけないで」という切羽詰まった気持ちが湧き起こりまくってしまった。洋輔くんのお芝居、本当にものすごくストレートに「痛み」が伝わってくるんですよ(これは私がファン目線で見てるというのも大きいとは思いますがw)。

ファントムの孤独を受け入れたクリスティーヌがキスをする場面、洋輔くんファントム、彼女から離れたときもう涙涙で立っているのがやっとみたいになってたな…。私も座っているのがやっとみたいな心境になってしまったではないか(涙)。だけど、あの瞬間に彼の心がギリギリのところで救われたなというのも感じるんです。震えながら自らの唇に手を当てて彼女の方を振り返った時の何とも言えない初めての感情に戸惑う表情が忘れられません(涙)。

ラウルの縄を切る場面は、いつもよりもちょっと長く視線を送っていたような気がしたかも。やっぱり達郎くんが演じていることで無意識にでも特別な何かがお芝居にも出てくるんだろうなと思いましたね。それにしても達郎くん、縛り首になってる時のお芝居が本当にリアル。表情もすごく良い。ストレートプレイでも十分通用する演技力があると思う。

二人を逃がす場面での「行け、行ってくれ、お願いだーーー!!!」はもう…言葉が出ないほど哀しかった。最後の力を振り絞るようなあの叫び声、思い出すだけでも涙が出ますよ…。見ていているこちらとしては息ができないくらい苦しい。
猿のオルゴールに♪マスカレード♪を歌う場面、洋輔くん、今回はかなり早い時点から猿の面に手を当てて…それがさらに孤独を際立たせるように見えて切なくてたまりません…。

一旦戻ってきたクリスティーヌへ告白する場面、指輪を差し出された瞬間ちょっとそれを受け取るのを躊躇う動揺を見せながらも、そっとそれを受け取って「I LOVE YOU」と心を込めた本当の愛の告白をする。ここの表現も、洋輔くん、ほんっっとに見るごとに繊細で美しくて哀しくなっていってて。最後ほんの少し穏やかな表情を見せるのもすごく良い。

ラストシーン、クリスティーヌが投げ捨てたベールを目にする場面。一瞬そこに行くのを躊躇うものの、彼女の最後の面影を求めるかのように座り込む。
いつもはベールを自分の元に全部搔き集めて泣きながら彼女の名前を呼んでいた洋輔くんファントムでしたが、この日見たら…、ベールを搔き集めようとしながらも力が入らなくて一部しか手に取れず、一度ハラリと床に落ちるんですよ。それをもう一度拾い上げてベールを自分の元にやっとの思いで搔き集めて、絞り出すように愛する人の名前を泣きながら小さく呼んでいた。

なんっっって哀しく繊細な表現!!!!!

あれはもう、涙無くして…レベルじゃないですわ。前が見えなくなるくらい泣きました(号泣)。あんな胸が詰まるような切ない表現、洋輔くん、本当にファントムの心と一体になってるんだねって心の底から思いました。

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後述

本編であまりにも大号泣してしまったので、拍手のタイミングがちょっと遅れてしまった(汗)。この日は団体さんが入っていませんでしたが、満員御礼状態だったので熱い拍手に包まれカテコも大いに盛り上がりました。飯田兄弟が手を繋いで挨拶している姿はやっぱりすごく胸アツです。

洋輔くんは笑顔を見せつつ何度も「ふぅ」と大きく息を吐いていたのが印象的だったな。それだけ精魂尽きるような熱演をしてくれたということで、そんな姿を見たらまた涙がこみ上げてきて仕方なかったです。
達郎くんの笑顔は本当に太陽のように温かい。彼の特に良いところは、カテコの一番最後で共演の役者さんを称える拍手を自然にできること。この日はお兄さんである洋輔くんに大きな笑顔で反対の袖から手を叩いていた姿に胸が熱くなりました。こういう仕草をする四季の役者さんは少ないんですが、達郎くんはそれを臆することなくごく当たり前のようにするんですよね。仲間を思いやる気持ちを素直に出せる彼が私は大好きです。

帰りは新幹線のダイヤの乱れを覚悟して新大阪駅へ行ったのですが、時間が経って調整がついた後だったからかほぼ時間通りのものに乗れてスムーズに帰宅できました。よく考えてみると、行きも帰りも、この日は不思議なほどすごい運に恵まれてた。推し愛の強さで引き寄せたのだろうか…なんて(それは無いと思いますがw)。

ちなみに洋輔くんと達郎くんは舞台の後、大好きな”あの”球団の応援のために仲良くあちらへ向かったようですね(二人揃う時はこの日が最後だったかもしれないし、もしかしたら行ってんじゃないかなという予感はありましたww)。達郎くんが興奮冷めやらぬなか素敵な写真をSNSにアップしてくれてホッコリしました。ホント仲良し兄弟で微笑ましい。
二人とも熱心に応援できる対象があるからか、自分たちのファンもとても大切にしてくれている気がします。そんな彼らの温かさが大好きだしファンになって良かったなと思います。

7月の「オペラ座~」観劇は残すところあと1回となりました。その後の予定は8月になるので…、九分九厘、次回の観劇が大阪で洋輔くんファントムに会える最後の日になるかと思います。その時私はどんな気持ちで客席に座るのだろうか…。楽しみでもあり切なくもあります。しっかり見届けたい。

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