ミュージカル『ミス・サイゴン』2012.08.30マチネ

今季プレビュー含め3回目にして最後の『ミス・サイゴン』を観に行ってきました。いやぁ、渋谷・青山界隈は本当に暑かった…。蒸し暑くて息苦しいくらい(汗)。そんななか日々熱い舞台を魅せてくれているカンパニーの皆さんには本当に頭が下がります。

前回見たときもサイゴンボードがすごいことになっていましたが、青山初日から数えて1週間以上経ってもう一度見に行ってみると脇に追加されていたボードもメッセージでビッチリでした!

そんな中、やっとの想いで泉見洋平くんのサインを発見。斜め上には岡さんのサイン。ちなみにその横には池谷さんのサインもありました。でも本当に見に来た皆さんの皆さんのメッセージ数がすごくて見つけ出すのも一苦労でしたw。

そんな中、私も少しの隙間を見つけてメッセージ残してきました。ちなみにこの写真には写ってませんw。ひっそり泉見トゥイへの想いを綴ってます←自分で書いた後どこにあるのか分からないくらい埋もれてるww。私が見るサイゴンもこれが最後ということで…奮発してちょっといい席を確保していました。青山公演はほぼ完売状態で連日立ち見が出ているくらいなので(この日も2階席に立ち見の方が!)早めに取っておいてよかったです。でも青山劇場って前の方だと音響があまり良くないんですよね。響いてしまいすぎるというか…。それだけが気になったけど、やっぱり肉眼で役者さんの表情が見えると本当に感動の度合いが一味も二味も違います。

そして驚いたことに…さらに『ミス・サイゴン』カンパニーは熱く進化していた!!なんていうか、勢いがさらに増しているというか…とにかく熱い!!圧倒されたと言いますか…呑まれたと言いますか…前回以上に大号泣して終わった時には半分放心状態になってしまった(汗)。毎回サイゴン見るたびに泣いてるけど、この日はその中でも3つの指に入るくらい泣いたかも…。そのくらいすごかったです。

私はマチネ観劇だったけど、シングルキャストの皆さんはこのあとソワレも公演していたんですよね…。いや、ほんと、すごすぎる!

主なキャスト
エンジニア:市村正親、キム:笹本玲奈、クリス:原田優一、ジョン:上原理生、エレン:木村花代、トゥイ:泉見洋平、ジジ:池谷祐子 ほか

以下、ネタバレ含んだ感想になります。マイ楽の感想なのでものすごく長いです(爆)。

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プレビューも含めて…これで全キャストを観れたことにたぶんなると思います。効率よく制覇できてよかった。

まず今回はキャストの感想から。

市村@エンジニア

相変わらずお元気で勢いのあるエンジニア!あの年齢であのパワーは本当にすごいです。サイゴンの前に一時期滑舌がすごく悪くなって大丈夫かなと心配した頃もありましたが(もともとあまりいい方ではないけれど)、今回は絶好調のようです。

市村エンジニアのすごいところは役柄として没頭してその場を生きているにもかかわらず、要所要所でちゃんと観客席に向けたサービス精神ともとれるアドリブをちょこちょこ入れてくること。あんなに集中してすごいエンジニア見せてくれているのに、ちょっとした隙間隙間で観客を意識したアドリブが出るんですよ。トゥイに脅迫されてるシーンでもコミカルな仕草を見せたり、バンコクのシーンに至っては半分くらいが客席を意識した芝居をしてる。そういう姿を見ると本当に市村さんはエンターテイナーだなぁと感動してしまうのです。

そんなちょっとコミカル風味も残している市村エンジニアだからこそ、ラストシーンは本当に泣けます。キムの死を目の当たりにしたとき、市村エンジニアはぶつけようのない怒りにも似た心の中の喪失感をジョンにぶつけているんですよね…。利用してきたキムだったけれども、いつしか彼女のまっすぐさに惹き込まれていたんだろうなって思えて本当に泣けるのです。こういう落差ある芝居ができるのもさすがだなぁと思いました。

初演からさらに年齢を重ねられて当時のようなギラギラした勢いはなくなってきましたが、逆に味のあるエンジニアに進化しているんじゃないでしょうか。芝居にも深みがあります。最高のエンジニアでした。

笹本@キム

新演出になってから初めての玲奈ちゃんのキム。個人的には新妻さんのキムが一番自分の中で響くキャラだと思ってきましたが、この日の笹本キムを見てからその考えがちょっと変わった気がします。歌声は高い声になるとちょっとキンキンした音になってしまうのが残念なんですけど、それ以上に彼女の感情表現の豊かさが本当に素晴らしくて…もう終始涙が止まりませんでした!!

笹本キムは他の2人のキムに比べるとちょっと幼い感じがあります。何だか男性が守ってあげたい衝動に駆られてしまうようなキムだなぁと思いました。オープニングで登場した時から本当に心細そうで涙までこぼしてたし(涙)。そんなキムがクリスと出会うわけですが…もうその愛し方がまっすぐで純粋すぎる。知念キムや新妻キムは一人になっても生きていけそうな逞しさがどこかにあるなと感じさせる瞬間があるんですけど、笹本キムはクリスという存在がなければ本当に生きていけないタイプ。息子のタムに対しても母親というよりもタムを通してクリスを常に意識して見ている感じです。まさにクリス依存症みたいな…そんな痛々しい愛。

だからなおさら新演出になってキムの運命の過酷さが浮き彫りになった中で見ると辛くて切なくて涙が止まらなくなるんですよね…(涙)。ほんと、壮絶なキムでした。だからかなぁ、なんだかこれまで見てきたサイゴンの雰囲気とちょっと違うような気がした。今回私を感動の渦に惹き込む雰囲気を作ってくれたのは彼女のキムがいたからかもしれません。

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原田@クリス

優一君は歌声がソフトで優しい感じなので、たまにちょっと頼りないGIって雰囲気になっちゃうんですけどw・・・それでもこれまで感じたことがないような逞しさを見せてくれていると思います。特に笹本キムは頼りなさげでクリスの愛に必死にすがってくるので、それを真正面から精いっぱい迎えようとする体制を整えている感じがすごく良かった。キムに最初に抱きつかれた時にちょっと戸惑う表情見せたけど、そのあとしっかりと受け止めて抱きしめていたシーンがとても印象的でした。

二幕でエレンに真実を話すときの心情吐露シーンは何度見ても泣けます(涙)。「失敗した!何もかもだ!あの町は謎だ・・・」と泣き崩れるシーンは本当に涙なしには見られない(号泣)。クリスと一緒にその苦しみを共有するような感覚になってしまう。エレンが思わず駆け寄って抱きしめるのがすごく納得いくんですよね。繊細さが感じられて本当に切ないです。

ラストシーンでキムの死を目の当たりにしたときの嘆き方も本当に胸が締め付けられるくらい辛い。あんなに泣き叫ぶシーンが多いのに喉をつぶすことなく歌いきるってホント凄いなぁと思ってしまう。

上原@ジョン

若々しく熱血漢な理生くんのジョン、私は好きです。クリスとの関係も上下関係が見えずに対等だし。前半のラフな感じがとても良かった。それに歌声がやっぱり素晴らしいですね。それにしてもジョンの心変わりって本当に謎なんですよね。旧演出でも気にはなったけど、新演出ではさらに謎が深まったというか(汗)。ドリームランドでのあの弾けっぷりやジジに対する態度を見てもあの心変わりをするきっかけというのが本当になんだったのか読めない。初めて見る人はそこに違和感感じることも多いのではないかなと思いました。

木村@エレン

制作発表で見たときの花代さんはちょっと地味だなと思ったんですけど、エレンとしての彼女は本当に見るたびに輝きを増すというか・・・すごい洗練されていってるような気がします。あぁ、エレンってこういう人物だったんだろうなっていうのが納得できる感じ。美人だし凛としてるししっかり者。エレンの扮装がとてもお似合いです。

キムと出会ってからのお芝居は今まで見た中で一番迫真の演技だったと思う。なにしろ笹本キムが本当にものすごいパワーで接してきていたし、エレンの足元でひれ伏して「タム引き取ってよ」と迫られたりするので(新妻キムはひれ伏し行動はないんですよね)感情がそれにすごい引っ張られてたな感じました。ソロナンバーの時、涙こらえながら歌ってて…途中でちょっと涙声になったりして・・・もうそれ見ただけでホント泣けました(涙)。クリスに対する気持ちのぶつけ方も今までの中で一番激しかったかもしれません。

エレンの新曲に対してはこれまで"良い曲"だと思いながらも違和感が拭い去れませんでしたが、今回はなぜか自分の中にスッと入ってきました。とにかく花代さんの歌いっぷりが情感こもってて素晴らしくて…!これまでの中で一番ドラマチックで感動しました。

池谷@ジジ

新演出になって一番存在感に変化が出ているのはジジかもしれません。これまではエンジニアに雇われてる娼婦のちょっと目立ってる一人っていうイメージでアンサンブル的な感じにしか見えませんでしたが、新演出になりジョンとのやり取りが増えたことで彼女のより深い哀しみが浮き彫りになって存在感がぐっと増しています。だから「わが心の夢」のナンバーがさらに切なく響いてくるんですよね。ドリームランドの店の外でボロボロの気持ちを抱えながら立ちすくんでいる姿は本当に泣けます(涙)。

サイゴン陥落シーンでもジジは登場してくるんですが、ヘリが飛び去った後にジョンの名前を泣きながら叫び続けててこれも泣けました(涙)。照明があまり当たっていませんが、このシーンでのジジは本当にとても切ないです。

泉見トゥイに関しては本当に長くなるので、もう少し後で…w。

印象に残ったシーンをいくつか挙げてみます。

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ドリームランドでのどんちゃん騒ぎは新演出だと卑猥さが増していて正直ちょっと目のやり場に困る(汗)ので、わたしは隠れエレンと隠れトゥイを見るようにしてますw。

前回やっと二人を発見したんですが、花代さんはカウンターの奥でロングヘアー美女として登場。煙草をくわえる姿もセクシーでカッコいい。エレンとは全く正反対の雰囲気で面白いです。彼女はドリームランドの最後のシーンまで登場。洋平くんは下手鉄骨2階部分にさりげなく登場してきます。ラフなシャツを着てサングラスかけてタバコふかして…めっちゃカッコいい!!けっこうガン見してしまった(笑)。彼は途中でトゥイの準備のために消えてしまうんですけどね。

クリスとキムが初めて心を通わす「サン・アンド・ムーン」のナンバーは舞台上手側で行われるので端っこの席だと見づらいんですが(汗)、新演出になってからものすごく泣けるんですよね…。特に笹本キムはすがるようにクリスにその身をゆだねていって必死にその愛にしがみついているような雰囲気なのでなおさら泣けました。せっかくの素晴らしいシーンになったのでやはりもう少し中央部分で演出してほしかった気がします。

同じくキムとクリスが愛を確かめ合う「世界が終わる夜のように」ですが、こちらは逆に新演出のほうが見やすくドラマチックになっていると思います。特に部屋から出た二人が抱き合って、最後クリスがキムを抱きかかえて去っていく姿がとても印象的で良かったです。
ちなみにパーティーの最中、舞台の上手側でひたすら麺をすすっている男性がいますねw。あれはフォー?なんか面白かったw。

サイゴン陥落シーンは新演出のほうが派手。たとえ巨大ホーチミン像が出てこなくても突然爆竹から始まるし、巨大な龍がやってきて鼻から煙吹くしw、初めて見た人はビックリするような仕掛けがたくさんあります。ダンスシーンは前回よりも少し長くなりましたかね。そんな気がしましたが…とにかく出演者が多いので見ていて迫力があります。
キムとエレンがクリスのことを想って歌うシーンは基本的に旧演出と変わっていないのですが、キムのボロボロっぷりは新演出のほうが増しています。なのでなおさら彼女がいかに苦労してこの3年間を過ごしてきたかというのがリアルに伝わってくる。そんななかで笹本キムは必死にクリスの姿を追い求めようと歌うのでものすごく泣けました(涙)。ちなみにこのシーンでエレンの横に眠っているクリス、最初足が半分外に出てるんですよねw。

命をあげようで、キムはタムにお絵かきの紙を渡しますが新演出ではスケッチブックは出てこなくて・・・エンジニアが捨てて行った紙を拾って与えています。このあたりの演出が細かくてとてもリアル。たしかにあの混乱期の中でスケッチブックを彼女が手に入れられたかというのは疑問でもありましたから。タムが絵を描いている間に「命をあげよう」を歌い始めるキムですが、わりと早い段階でタムのことを抱き上げているのも印象的です。

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バンコクシーンで一番強烈なのは男性版が出てくることですかねw。あの衣装着るの、すごく勇気がいると思いますw。バンコクにやって来たジョンが「お前キムを知らないか」と歌ってきますが、旧演出ではエンジニアと気づかずに話しかけていたのが、新演出になってから他の客引きに尋ねるというシチュエーションに変わってますね。

サイゴン陥落シーンはセットがコンパクトになっていますがキャストの皆さんが本当に熱いお芝居で…まさに目の前で悲劇を体験しているような感覚になります。旧演出では傍観者というかんじではありましたが新演出では自分たちもその場に巻き込まれているような感覚になるというか…。ヘリコプターは映像になりましたが、人間ドラマとしては新演出のほうがものすごく泣けます。今回も大号泣してしまった(涙)。

キムとエレンが初対面するシーンはものすごく切なく苦しい。エレンがクリスの妻であることを告白した後、知念キムと新妻キムは座るように勧められても立ちすくんでいましたが、笹本キムはあまりの衝撃で椅子にへたり込んで座ってしまうんですよね。そこから哀しみと絶望で過呼吸気味になり、最後はエレンの足元にひれ伏しで「タム引き取ってよ!」と泣き叫ぶ…。もうあまりにも痛々しすぎて見ているこちらも胸が苦しくて大泣きしてしまった(涙)。

タムの元へ戻ったキムがエンジニアに「最期の仕事を」と歌う時の彼女の姿は抜け殻のようでとても哀しいです。最後の望みの糸が彼女の中でプッツリ切れてしまった感じ。覚悟を決めたというよりも自然の流れですでに死に向かって歩んでいるように見えてこれも泣きました(涙)。

エンジニアのアメリカンドリームはもう市村さんの独断場!かつてのようなギラギラした感じはありませんが、エンジニアの持つもう一つの顔が見え隠れするような…ちょっと切ないバラードみたいに聞こえてきてとても味があるナンバーになっています。

このナンバーってラヴェルの「ボレロ」みたいに最初静から始まってどんどん盛り上がっていくので中盤からの高揚感はハンパないものがあります。ガールズとボーイズが出てきて歌い踊りまくるシーンは圧巻。そしてキャデラックが登場するわけですが…私はあのシーンでもうボロ泣きになります。華やかなんだけど、あのキャデラックの最高の夢はエンジニアが叶えられることのないものなんだろうなって感じられてしまって切なくて泣けるんですよ(涙)。

クライマックス、息子との別れに涙するキムの顔をそっと手で拭うタム…初めて見る自分の息子に帽子をかぶせるクリス…キムの死…それを受けてタムに手を差し出すエレン、やり場のない憤りの気持ちをジョンにぶつけようとするエンジニア。全て号泣ポイントでした(涙)。

こんな衝撃的なラストなので、カーテンコールが始まるまでもしばらく涙止まらなくて大変。出演者の皆さんの笑顔でようやく落ち着いたみたいな感じでした(汗)。この日もスタンディングで!私も立ちましたっ!花代さんは感極まってちょっと泣いてたな…(涙)。

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さて、泉見@トゥイについてです。

再演された時に初めて見てから彼のトゥイに虜となり、それ以来何度も劇場に足を運んでいる私。ここまで私の心を動かすトゥイを演じてくれるのは洋平くんしかいません。それが、新演出になってから…さらに泣けるトゥイになっててもう本当に毎回号泣の嵐でした(涙)。以下、トゥイの場面を振り返りつつ感想をあげてみたいと思います。

パーティーのさなかトゥイが乱入するシーン。キムを見つけたときの目が…めっちゃ嬉しそうで泣きそうになってるんですよ。もうそれ見ただけで私の涙腺崩壊(涙)。どんなにか心配してキムのこと探し回ったかと思うと…。あの様子から彼が一途にキムのことを愛し続けているというのが痛いほど伝わってきます。

でもそこにはクリスがいて逆上してしまう。ライバルに銃を向けて威嚇するものの、その前に出て「私を撃って」とキムが立ちはだかる…。それを見た泉見トゥイはそれはそれは哀しそうな顔するんですよ…。「キム・・・!!!」ってものすごく哀しそうな顔をする。そのあと写真立てを壊すときもすごく苦しそうな表情してて…。トゥイのキムへの深い愛情が滲み出ていて切なくて切なくて冒頭から大泣きしてしまったよ(涙)。

陥落後のサイゴンでエンジニアと出会うシーン。3年前とは違って逞しい雰囲気に成長したトゥイ。プライドの高さが滲み出ていて大きく見えました。エンジニアに命令するときの冷たい感じもゾクッとしますし、帽子をかぶって斜め上を見上げる時の表情も自信に満ち溢れていてすごい貫禄だった。こういう表情とか、本当にさらに洗練されてよくなってるなぁと思いました。

そしてキムとの再会。エンジニアの前では常に冷たい態度を取り続けていたトゥイですが、3年ぶりにキムの無事な姿を見た瞬間にまた嬉しくて泣きそうな表情になるんですよね(涙)。彼女の前では本当に溢れんばかりの愛情表現をしてくる泉見トゥイ…。

エンジニアが去った後、トゥイはその溢れんばかりの想いをキムに告白していくわけですが…「戦いながら見たよ、嫁いでくる夢を」の歌のくだりはもう号泣ポイントです(涙)。ものすごく優しい顔してキムを愛しそうに見つめながら歌ってるんだもの…あれは涙なくしては見れないよ…。親との誓いとかいう以前に、トゥイは本当に心の底からキムのことを想っているんだなというのが痛いほど切実に伝わってくるんです…。思い出しただけでもあの表情は泣けます(涙)。

それだけに、キムから「あなたに嘘をついて生きてなんか行けない」と拒絶された時その言葉を必死に遮ろうとする。自分の想いがキムに届くってものすごく信じているだけに哀しいんですよ…泉見くんのトゥイ…。だからキムの心の中にまだクリスへの想いが残っていると察した時の衝撃はあまりにも大きい。ものすごく苦しそうな顔して必死にクリスへの想いを断ち切らせようと迫ってた(涙)。トゥイのこの行動はキムを救い出そうって想いからきてるんだってわかるんですよ…。泉見くんの芝居はそういう風に思えるんです。

それでも拒絶し続けるキムに苛立ったトゥイは自分の仲間を中に入れて脅しをかけてしまう。キムの過去を罵倒し、仲間はキムを打ち据えるんですが…トゥイはその様子を見ようとしないんですよね。じっと目を閉じて耐えてる。で、この日…泉見トゥイ、これまで以上にものすごく苦しそうな顔して目を閉じてて…キムが打たれている音を聞きながら涙流してたんですよ(涙)。もう、私の涙腺さらに大決壊(号泣)。本当は愛する人をあんな目に遭わせたくないんだよね…でも、不器用でその愛の伝え方が分からなくてあんな行動をしてしまう…。あまりにも切なすぎる泉見トゥイのキムへの愛情表現にただただ涙…。

そして溜まりかねて「もう十分だ!」と部下たちをさがらせる。この行動が今回今まで見た中で一番自然に見えてまた泣けました。キムが打たれてる時、まるで自分も殴られてるような表情してたから(涙)。

そして再度、命がけでキムにプロポーズしてくるトゥイ。「お前は、俺と…」って言う時の洋平くんの表情が…!!すがりつくような目で必死に愛を訴えてて泣きそうになってて…もう思い出すだけでも涙が(涙)。それでもキムは拒絶するわけで、呆然とその場に固まってる時の姿が本当に悲しかった。洋平くんの汗とも涙ともとれる滴が今回も舞台の上に流れ落ちてたよ…。

その状態でクリスとキムの息子の姿を目の当たりにするわけですから、これまでギリギリのところで保っていたトゥイの中の理性がプッツリと切れてしまう。でもキムを激しく責め立てながらもその目は本当にものすごく哀しそうで切なくてたまらない。「婚約しているんだ!!」と泣き叫んでいた泉見トゥイ見たらもう涙が滂沱のように溢れてきて大号泣ですよ(涙)。そのさなか、一度ナイフを出してタムを刺そうとしますがキムの姿を見て思い止まる瞬間があるんですよね…。あれは本当に悲しくてたまらなかったな…。

そして最後のやり取り…。自分に銃を向けてきたキムの前に泣き叫びながら自分を撃ってみろと迫りくるトゥイ。引き金を引けないキム…。それを見て無理やりタムを引き離しナイフを振りかざしたトゥイにキムはついにその引き金を引きます。

トゥイはその死の間際、必死になってキムの顔を手で探ってて…笹本キムはその手を自分の頬に当てて泣き叫んでた(号泣)。最後の最後にトゥイはようやく解放されたのかなって少し思いました…。キムへの真っ直ぐな純愛を貫き通した泉見トゥイ。その伝え方が不器用だっただけなんですよね…。だからその死は本当に悲しくて切なくて泣けて仕方ないのです。

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2幕では亡霊になって現れますが、新演出になってから登場の仕方がちょっと変わってます。なので上から降りてくる時以前は下を見なかったんですけど今回は確かめるようにチラッチラッと足場確認してましたね、洋平くん。それにしても亡霊メイクが新演出だとさらに怖い感じになってる!!出てきた瞬間ゾクッとしますから。ああいった表情が出せるっていうのも本当に素晴らしいですよ。

亡霊となってキムを責めるトゥイですが、笹本キム相手だと泉見トゥイも感情が高ぶるのかな。「見ろ、俺は死んではいない」のくだりとかまだ未練が残ってて感情表現がより激しくなってました。雰囲気コワいんだけど、目がものすごく哀しそうだったんですよ(涙)。あれ見た時また涙が溢れて仕方なかったです…。

今季3回目にして本当に最高のトゥイを見せてくれた洋平くん、本当にありがとう!!キムへの純粋な愛が痛いほど伝わってくるトゥイは私の中では本当に彼しかいません。心底幸せになってほしかったと思えるトゥイです…(涙)。カテコの時の洋平くんのキラキラした笑顔にちょっと救われた感じがしたな。

というわけで、マイ楽の『ミス・サイゴン』は最高の観劇となりました。悔いなしです。また再び上演することがあれば観に行きたい。カンパニーはこの後来年までツアーで回るそうです。とても素晴らしい作品に仕上がっているので、その熱さをぜひ多くの人に目撃してほしいなと思います。

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