大好きな作品、『宝塚BOYS』が大千秋楽を迎えるということで…居ても立ってもいられず愛知厚生年金会館まで日帰り遠征してしまいました!
昨年の千秋楽の雰囲気がすごく楽しそうで、行かれなかったことをすごく悔やんだんですよね。なので、今年はBOYSの皆さんと一緒に最後の時をどうしても迎えたかった…。そう思いだしたら止まらなくなって、ついに行っちゃいました(笑)。
ちなみに愛知厚生年金会館に行くのはこれで2回目。初めて行ったのは北村一輝さん主演の舞台「ラブレター」でした。あの時はソワレを見てそのまま日帰りしたんだったよなぁ(爆)。
大千秋楽ということで、私のような遠征組もけっこういたようです。空席も後方部分にありましたが、それでもけっこう埋まってましたね。始まる前から楽独特の空気が流れていて・・・私もその雰囲気に浸ってまいりました。やっぱり特別な空気があります、大千穐楽は。
小ぶりだったクリエの劇場に比べると厚生年金会館は大ホールだけあってかなり広く、セットもそれに合わせて大きくなってて特にクライマックスシーンはいつも以上に華やかでした。ちなみにこの会場、10月末日で閉館になるんだとか。時代の波に飲まれたんでしょうか(汗)。まぁ音響もあまり良くなかったですしね…。でも舞台はそんなことが気にならないくらい本当に素晴らしかったです。
08.09.07 大千穐楽 in 愛知厚生年金会館
出演者
竹内重雄:葛山信吾、星野丈治:吉野圭吾、上原金蔵:柳家花緑、太田川剛:山内圭哉、長谷川好弥:瀬川亮、竹田幹夫:森本亮治、山田浩二:猪野学、君原良枝:初風諄、池田和也:山路和弘
以下、ネタバレオンパレードのレポートになります。思い入れが深いので相変わらずかなり長いです。
東京公演を観た時もたくさん笑ってたくさん泣いたのですが、今回はその倍の感情が沸き起こってきたような気がします。笑いどころでは役者さんもお祭り気分があったのか楽特別バージョンの小ネタが飛び出しいつも以上に楽しませてもらったし、泣きの部分では「本当に最後なんだな」っていう感情も役者さんから感じられたりしてそれが客席にも伝わってきてボロ泣きさせられたり・・・とにかく胸いっぱいの最高の舞台でした。
この作品って本当に自然に涙がボロボロ出ちゃうんですよ、しかも大粒の。あんなに絶えず大粒の涙が出続けてしまう作品っていうのもあまりないよなぁ。たぶん、ものすごく私の心の琴線に触れまくってるんだと思います。そういった意味では『宝塚BOYS』は私にとってのデトックス作品かなぁ(サイゴンで洋平くんが言ってた言葉をちょっと借りました 笑)。
大千秋楽の笑いどころ・泣きどころを覚えているものだけレポートします。
笑いどころ
花緑さん演じる上原が初めて山路さん演じる池田に会うシーン。このとき廊下を宝塚女子部の生徒が走っていくところがあるんですが、いつもは「コラ!」とか「廊下走らない」とかそんな程度の注意しかしてなかった池田さん。ところがこの日は女子部の中の誰かが誕生日だったらしく「え?誕生日なの?」と可愛いアドリブが入ってました(笑)。ちなみに女子部の生徒はこの芝居で一切登場しません。
稽古場に皆が集まってさっそく発声練習を始めるシーン。ここは吉野さん演じる星野と猪野さん演じる山田の対決が見物なんですが、楽でも火花バチバチ飛んでて面白かったです。特に山田がものすごい敵対視してるんですが、星野は徹底的に無視っていう図が大いに笑えました(笑)。猪野さんのアクションが本当に最高です!朝ドラ『瞳』でほとんど活躍する機会がなかったですからね~。そのぶん舞台でかなりテンション上げてくれてたのかも(笑)。
星野さんが初風さん演じる君原さんにご飯をねだるシーン。いつもここで思いっきりあげた足をカウンターに乗せる星野さんを君原さんが「こらっ」て感じで軽く注意してたんですが、この日は乗せた足をひっぱたいて注意してました(笑)。たしかにあれはお行儀悪いですからね(笑)。それにしても星野さん、君原さんへの甘えっぷりがまたさらにアップしてましたな。
稽古場に池田がやってくるシーン。急いで整列するBOYSたちですが・・・最初に並ぶ順番が今回違ってて大ウケでした(笑)。いつもは瀬川くん演じる長谷川と山田が葛山さん演じる竹内の前に入り込むんですけど、今回は星野さんの前に行っちゃいました。ちなみに彼らが本当に整列しなければいけない順番は・・・成績順です(笑)。長谷川と山田はビリ1・ビリ2です(笑)。一度でいいからトップに行きたかったんでしょうなぁ。可愛い可愛い。
恋文事件発覚のシーン。前回観た時は池田さんは男子部の誰かが書いたとされる「恋文」を途中までしか読んでなかったのですが(←文面が恥ずかしすぎて最後まで読めないという設定 笑)、楽ということもあってかついにその全容が明らかにされました(笑)。細かい文面まではさすがに覚えられませんでしたが、たしかにかな~り恥ずかしすぎる内容でした。しかも池田さん、ご丁寧に文面の最後の句読点である「まる」まで読み上げてましたよ(笑)。これには本当に大爆笑させていただきました。
芸名披露のシーン。池田さんがBOYSたちに芸名を言ってみろと促すんですが・・・そのセリフを言ってるあたりから山路さんから「何かあるな」的な空気が(笑)。案の定、出ました、アドリブが。アドリブを言ったのが山内さん演じる太田川と猪野さん演じる山田。
太田川の本来の芸名「フキョウ ワオン」 → 楽バージョン芸名「メゾ フォルテ」
山田の本来の芸名「ヤマト ミレイ」 → 楽バージョン芸名「ヤスクニ ヤスオ」
以外とまとも!?ちなみに東京楽では太田川が「タンタタン」、山田が「フンドシタロウ」だったらしいです(爆)。
挙手を求めるシーン。誰が恋文を書いたのか目をつぶらせて手を上げさせようとする池田なのですが、その時に太田川がさかんに長谷川の手を上げさせようとします。このあたりの流れは前に観た時と同じだったのですが、自分だけが挙げる結果になった太田川くんは「こいつだけエライ汗かいてるよ。皆そんなにかいてないのに一人だけビショビショ」といつも以上に長谷川くんを責めてて池田さんから思いっきり叩かれてました(もちろん長谷川君も 笑)。ちなみにそのとばっちりでいつも叩かれてた猪野さん演じる山田は難を逃れ小さくガッツポーズしてました(←可愛い 笑)。
それにしても長谷川を演じている瀬川くん、ほんっとにすごい汗っかきなんですねぇ。確かに一人だけ汗の量が違います(笑)。石井さんや泉見くんと勝負したらいいセンいくかも(汗)。
池田さんが稽古場から出て行こうとするシーン。長谷川くんがその後ろ姿を必死に追いかけるんですが、急に振り返る池田さんにビビって派手にすっ転んじゃうんですよね(笑)。東京で1回目に観た時も思いっきりコケてましたが、千秋楽ではさらに派手に転んでたような気がします、瀬川くん(笑)。それを見た池田さんにいつも以上に叩かれまくってて本気で痛がってました。っていうか、池田演じる山路さん、瀬川くんのコケっぷりに半分ウケてたような(笑)。
新入りの竹田君に太田川が内部事情を説明するシーン。森本くん演じる竹田に山内さん演じる太田川がトクトクと星野の悪口(妖怪呼ばわり 笑)を言いまくってるんですが、このとき長谷川・・・というか、瀬川くんが思わず素でプっと吹き出したのを私は見逃さなかったぞ(笑)。そのくらい山内さんのアドリブ妖怪説は面白かったです。
寝ないと頑張る上原さんのシーン。何時まででも恋文犯人が自首するまで粘って起きてる上原さんですが、そこに星野が「いい加減にしろ!」と怒鳴りに来ます。これに対して上原さん、いつも以上に星野さんに対抗心燃やしてキスしちゃうんじゃないかってほど背伸びして顔近づけてたんですよ(笑)。そしたら星野さん「一生立ってろ!!」とマジギレしちゃってました(笑)。そのあとかたまってる上原さんがやたら哀れで可愛かった。
さらにそのあと、限界に達した上原さんが星野さんに食ってかかって大乱闘になりかけるシーンがあるんですが、このときの上原さんのセリフが「俺だってけっこうダンスが巧いんだ!!」になってました(笑)。いや、おっしゃる通りでございます!花緑さんはダンスが巧い。さすが兄がダンサーだけある。ついにその鬱憤を楽で爆発させましたね(笑)。これにはもちろん会場爆笑の渦でした。
恋文事件の疑いを晴らしにきた池田さんが帰るシーン。疑ったお詫びのしるしにお酒を持ってくるんですが、そのくるんでいた風呂敷を忘れかけて戻ってくる池田さん。この風呂敷は先祖代々由緒正しいものらしくいつもそれをつぶやいたまま退場していくのですが、今回はけっこう長く語ってました。どうやら大阪夏の陣だかに関係ある人らしいです。ところが・・・誰もこれに対してツッコミを入れることもなく「ついに誰も聞いてくれなかった」と寂しくつぶやいて退場(笑)。これもまた絶妙で笑いました~。山路さん、ナイス!
男女合同公演が決まったと竹田くんが告げにくるシーン。その情報は竹田くんが密かに付き合ってる女子部の子からのものだったのですが、その件に関して太田川さんがものすごくツッコミ入れるんです。千秋楽ということもあってか、このツッコミがいつも以上に執拗でかつ攻撃的(笑)。いつもやられっぱなしだった森本くん演じる竹田くんでしたが、今回はそれに対抗して遣り返そうとしてました(笑)。それに対して太田川・・・いや、山内さんが「お前今日はやけに攻撃的だな」とビビってたので会場大ウケでした。何気にこのやり取りが長かったです(笑)。
男女合同公演の女役(長谷川くんの相手役)に君原さんを抜擢するシーン。ここでいつも吉野さん演じる星野さんが「おばちゃんも昔は少女だった!」とものすごく小さな君原さんを表現するんですが、今回もかなりちっちゃかった。で、そのミニミニ君ちゃんを長谷川くんに渡すと・・・長谷川くん・・・っていうか瀬川くんがその対応に困ったのか勢いよく会場に放り投げてしまいました(笑)。リピーターの人たちからは悲鳴みたいなものが上がってましたよ(笑)。その行方を遠い目で見つめて手を振る上原さん・・・っていうか花緑さんがまた可愛かったです。
ラスト、太田川さんがみんなに飴ちゃんを配るシーン。星野さんに渡そうとしたら落としてしまったんですが、それを平気な顔して星野さん食べちゃいました(笑)。涙涙の最後にここでクスっと笑わせていただきました。
泣きどころ
冒頭の上原さんが戦時中に想いを馳せてるシーン。出撃していく仲間を見送り終戦を迎えた後に流れてくる宝塚の歌声に上原さんが心揺さぶられているんですが…この日の花緑さんの表情がものすごく泣けました(涙)。戦争で失った青春を宝塚の中に見出したんだなっていうのがすごく伝わってきて切なかったです。
恋文事件で皆が疑心暗鬼になり沈んでいるシーン。この空気をなんとか打開しようと葛山さん演じる竹内が「モン・パリ」を歌いだして徐々にみんながそれに乗るんですが・・・この日のBOYSたちの結束力は泣けるほど強かったです。楽しそうに歌い踊る彼らを見ていて・・・この場面で初めて涙が出ました(涙)。
山田さんが自分の本当の経歴を告白するシーン。ここは何度見ても涙が止まりません。特攻隊あがりだったのは自分ではなくお兄さん。そのお兄さんが廃人のようになり親が絶望している姿を見るのが山田には耐えられなかったんですよね。そんな時に出会った宝塚男子部に希望の光を見出そうとした彼の心を想ったら涙が止まりませんよ(涙)。真実を無理やり笑顔を作りながら話す猪野さんの演技が本当に泣けるほど絶品です。見ていて抱きしめてあげたくなりました…。
2年経過しても一向に光が見えてこないことに対する憤りをBOYSたちが池田にぶつけるシーン。もう諦めろってことなのかと絶望する彼らに「自分で選んだ道だろう!」と一喝するんですが・・・今まで見てきた中でたぶん一番熱の入ったセリフに聞こえました。自分は夢破れたけれども彼らには何としても夢をつかんでもらいたいという池田の熱い熱い想いがものすごく伝わってきましたよ。「人生無駄なことなんて一つもないんだよ!お前たちがやっていることは必ず誰かが見てくれている!」と涙ながらに説得する場面は涙なくしては見れません(涙)。山路さんの素晴らしい愛のこもったセリフに胸が熱くなりました…。
太田川が結核であるとみんなに告げられるシーン。実は彼はもともと片方の肺しかなくて戦争にも行けずそのことを悔みに悔やんでいたことが分かります。今度の男女合同公演にも行けずみんなの役に立てないことをまた悔やんでいた…。その気持ちを想うといたたまれなくなりますよ(涙)。これに対して上原さんが「やれる人間がやらなければ、やろうとしてもできない人間に対して申し訳がない!」と叫ぶんですが、この言葉がものすごく重くて胸に響いて・・・ボロ泣き(涙)。
君原さんと男女合同公演の稽古をするBOYSたちのシーン。最初のほうはけっこう面白くて笑えるんですが、君原さん演じるマリーのセリフ「あなたたちの夢がいつまでも消えませんように」のところでボロ泣き(涙)。君原さんもかつてはタカラジェンヌでしたが故障が原因で大劇場が完成する直前に引退した過去があります。それだけにBOYSたちには自分の果たせなかった夢を叶えてほしいという想いが人一倍強かったんでしょうね。男女合同企画の台本のアイディアも君原さんのもの。そこに描かれている内容は彼らへの愛で満ちあふれてて本当に泣けます(涙)。君原さんとBOYSの稽古シーンは涙なくして見られません…。
竹田君のもとに父親の戦死通知がくるシーン。この前後あたりからもうボロ泣きな展開なんですが・・・ここはかなり泣きました(涙)。特に山田さんが「誰が幹ちゃんのオヤジを殺したんだよ!」と泣き叫ぶシーンは本当に胸が裂けるほど辛い…。戦死してからもうかなりの月日が経ってて・・・その間ずっと竹田くんはお父さんが帰ってくることを願い続けてたんですね。そのことを仲間もすごくわかってる。男子部の存在も危ういことを誰もが感じていただけに、竹田くんの父親戦死通知は彼らにさらなる心の打撃を与え長谷川くんが「誰からも見捨てられてる気がする」と呟くのがまた切ない(涙)。
そんな彼らに「みんなまだ若いじゃない、何度だってやりなおしができるじゃない」と涙ながらに訴える君原さんの姿にまた号泣・・・。そして最後の竹田くんの涙のモノローグ・・・「運が悪かったのではありません、ただ、懸命に生きていたのです」という言葉にまた号泣・・・。切なくて切なくてたまらなかった(涙)。
解散を告げられるシーン。ここは本当に全てが号泣ポイントです。タオルがヤバくなるほど泣きました…。
病院を抜け出した太田川が「夢の続きが見たかったんや」と想いを吐露するところ、
必死に涙をこらえながら絞り出すような声で解散を告げる池田、
「小林一三先生に会わせてほしい!」と必死に池田にすがりつき「僕らここで何をやっていたんですか」と泣き崩れる竹内、
涙ながらに「僕らはこの宝塚を懸命に生きていた、戦友の墓前に自分は胸を張って報告したい」と叫ぶ上原、
自分が宝塚男子部結成を願い出たことを涙ながらに告白する池田・・・・・。
これ書いてても涙出てきちゃいますよ、ホント(涙)。そしてその哀しく悔しい気持ちを振り切ろうと竹内が「おお宝塚」を歌いだすんですよね・・・。皆もそれに乗って歌いだして・・・。一人稽古場の端っこで涙を流している太田川を無理やり皆の輪に入れて去っていこうとする池田。そんな彼を長谷川が制止して歌の輪の中に入れる。千秋楽だからというのもあったと思うんですが、このシーンは多分私が今まで見た中でも一番皆の気持ちが伝わってきました。
たぶん、役者さん達の中でも「この公演で最後」っていう寂しさがすごくあったんだと思いました。一人端っこで泣いてた太田川役の山内さんも、瀬川くんも猪野さんも森本くんも、吉野さんも葛山さんも花緑さんも、そして山路さんも・・・あのクライマックスシーンではいつも以上に本気で泣いてました。それがすごく伝わってきて・・・危うく嗚咽しそうになるくらい私も泣きました。
レビューシーン。このときの会場の一体感は本当にすごかった。東京で見た時はけっこう彼らのちょっとギコチない動きに笑っている人が多かったんですが、今回名古屋で私の周りを観た限りは・・・誰も笑ってなかったですね。皆ものすごく温かいまなざしで見守ってた。私も最後は彼らのレビューを明るく見届けようと思って涙を拭いて手拍子してたんですが・・・皆のソロシーンに入った瞬間やっぱりダメでした。もう大粒の涙があとからあとから出てきて止まらないんですよ(涙)。キラキラ輝いて踊っている彼らを見ると切なくて切なくてたまらなくなります。
羽根とシャンシャンを持って歌う「おお宝塚」のラスト。皆夢から覚めたように涙を浮かべ一人ずつその場を立ち去っていく・・・。これ本当に堪らないですよ(涙)。特に最後泣き崩れる上原さんの姿は号泣です(涙)。この日は楽ということもあってかいつも以上に哀愁が漂ってました・・・・。
そして稽古場を去るBOYSたち。その顔は次の将来を見据えていて悲壮感がありません。でも、最後の最後に上原さんが稽古場に深々と礼をするシーン・・・。千秋楽の寂しさも手伝ってかやっぱり涙が出ました(涙)。
カーテンコールの様子は次の記事にて。