- 2022.01.22-23マチネ公演 in 上野学園ホール(広島県)
- 出演キャスト
- 主なナンバー感想 -1幕-
- #1 「序曲」
- #2 「スーパースター」
- #3 「ヨセフのコート」/ #4 「クローズ・エヴリ・ドア」/ #5 「エニー・ドリーム・ウィル・ドゥ」
- #6 「私はイエスがわからない」 / #7 「今宵安らかに」 / #8 「ゲッセマネの園」
- #9 「ブエノスアイレス」 / #10 「スーツケースを抱いて」 / #11 「空を行く」
- #12 「ニュー・アルゼンチーナ」 / #13 「共にいてアルゼンチーナ」
- #14 「ヴァリエーション23」
- #15 「遥かな調べ」
- #16 「ラブ・チェンジズ・エブリシング」
- #17 「放っておいてよ」
- #18 「愛は死なず」
- #19 「オーヴァーチュア」 / #20 「ラム・タム・タガー~つっぱり猫」 / #21 「スキンブルシャンクス~鉄道猫」
- #22 「マキャヴィティ~犯罪王」 / #23 「ミストフェリーズ~マジック猫」 / #24 「メモリー」
- 主なナンバー感想 -2幕-
- 後述
主なナンバー感想 -2幕-
#26 「バッド・シンデレラ」
平田さんに代わって谷原さんが担当。平田さんがコケティッシュにヤンチャそうな雰囲気で歌われていたのに対して、谷原さんはちょっと大人びた強気の女の子っていう雰囲気だったかな。可愛くちょっとツンツンした感じがとても魅力的でした。このナンバーをまるまる覚えるのも短い時間で大変だったと思います。プロってすごいなと改めて思いました。
#27 「ウィズ・ワン・ルック」 / #29 「サンセット・ブールバード」/ #30 「アズ・イフ・ウィ・ネヴァー・セッド・グッドバイ」
『サンセット大通り』はストーリー的にはけっこうドロドロなのですが、音楽が本当に素晴らしくて大好きな作品です。ノーマのパートを歌った江畑さん、もう本当に役が憑依したかのような圧巻の歌いっぷりで大きく心を揺さぶられました。今すぐにでもこの役で芝居ができるレベル!!この作品はもう上演権が四季から離れているので江畑さんのノーマを観ることができないのが本当に残念です。大女優という飽くなきプライド、圧倒的な存在感や貫禄、どこをとっても本当に素晴らしかった。
達郎くんが歌うジョーのビッグナンバー「サンセット~」。さっきまでイケイケなタガーを演じていたとは思えない大人の男の雰囲気ムンムン!!達郎くん、本当に色々な表情を見せて頑張ってくれててホントすごい。今回特に新しく担当する役も増えて大変だっただろうに、それを全く感じさせない歌いっぷりが素晴らしい。ニヒルでスレた感じの達郎ジョー、本編でも観てみたくなりました。
#31 「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド」 / #32 「ヴォルツ・オブ・ヘブン」
「ホイッスル~」のソロは平田さんに代わって谷原さんが担当。ロイドウェバーの浅利慶太さんとの思い出話の合間に歌が挟まるような演出でしたが、谷原さんがまるで妖精のように美しかったです。
浅利さんに関しては私個人的に複雑な気持ちになることもあるのですが…、このコーナーを見ると改めて感謝の気持ちが湧き上がってきますね。浅利さんがロイドウェバーとの交流を大切にしてくれたおかげで、今日の日本のミュージカル界の活性があるといっても過言ではないと思います。日本の演劇界にとって、やはり欠かせない人だったのだなと…。
「ヴォルツ~」はキャスト全員で歌うのですが、ソロパートのところは笠松くんに代わって白瀬さんが担当していました。
「ヴォルツ・オブ・ヘブン」(『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド~汚れなき瞳~』より)
1950年代のアメリカ・ルイジアナを舞台に、母を亡くした少女と、彼女がかくまう脱獄囚の男との心の交流を描く。
作品の冒頭、教会で天国を求めて高らかに歌われる讃美歌。#劇団四季ALWコンサート pic.twitter.com/5Qx3xV7j6A— 劇団四季 (@shiki_jp) January 13, 2022
これがもう清々しい歌声で本当に感動的…。それに続いてキャスト皆の熱唱が続いて…!!なんか、魂の震えみたいなのを感じましたよ(涙)。優しく、温かく、そして分厚い歌声。欠けてしまったメンバーへの祈りの気持ちもこもってたんじゃないかな。素晴らしい…という言葉以上のものを感じました。
#33 「君の歌をもう一度」
ついにここで満を持して飯田洋輔くんのビッグナンバー。前奏が鳴って彼の姿が見え始めたところから私の涙腺が超危険区域に。最初の一音からしてもう、ファントムなんですよ、洋輔くん。ファントムの気持ちとリンクしてその場に立って歌声を発してる。その姿を見ただけでもう号泣です…。
最初の静かな歌声から入って、クリスティーヌへの気持ちを切々と訴える。彼女との距離を感じ徐々に気持ちが締め付けられていくかのような歌い方へと変わっていく。彼女が愛しくて愛しくてたまらないという想いが次から次へと私の心に訴えかけてくる。
そして後半に入っていく時の”振りむいても君はいないまま”の歌い上げ方がもう、魂の叫びレベル!!!あれを泣かずに聴くことができようか(号泣)!!!さらにその後の”希望も夢も消え去れ!!”のフレーズはもう涙声にならんが勢いの感情の爆発があって…。最後の歌い上げなんかもう、神だよ、あれは!!!神々しすぎる!!声の伸びがもう超人的。というか、ファントムそのものだった。
なんかもう、私、このナンバーを魂レベルで絶唱する洋輔くんを見て…、自分の細胞が爆発して砕け散るんじゃないかってくらい衝撃受けました(涙)。約2年半会えなかった間に、ファントム役を経験して…こんなにも深みのある感情表現を歌に乗せる役者に成長したんだなと思うと…もう嬉しすぎて涙が止まらなくて…。前後に人がいない席でもあったので嗚咽レベルで泣きました(←好きすぎて暑苦しい感想になってすみません 汗)。
#34 「ピエ・イエズ」
ロイドウェバーが亡くなったお父様や不条理な事件で失った友人のために作った鎮魂歌「レクイエム」。厳粛で美しい吉田さんの歌声が劇場中を包み込むような感動的な時間でした。
が、私はどちらかというとその前の洋輔くんの歌への衝撃と感動の余韻があまりにもすごすぎて…その影響でボロボロと泣いてたような気がします。あそこまで気持ちが持っていかれる経験、そんなにない。
#35 「オペラ座の怪人」 / #36 「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」
「ピエ・イエズ」で階段のところにろうそくに見立てた灯をキャストの皆さんが置いていく演出。一番上の段のところにいつも慎重に置いてた洋輔くんが可愛らしくて萌えたんだよなぁw。この流れで『オペラ座の怪人』メドレーに入っていく流れはなかなか巧いなと思いました。
『オペラ座の怪人』のファントムを歌うのは、洋輔くん。未だ本編に足を運べない私にとって、これはもう最高のギフトです。これまでのソンダンでは、洋輔くんが歌うファントムのナンバーという印象があったのですが、今回はそれまでとは違う、”ファントム”として生きる洋輔くんの姿を目撃したような気がします。本当に本当に嬉しかった…(涙)。
真瀬さんはとても大人でセクシーな雰囲気が本当に素敵。柔らかさの中に凛とした歌声はクリスティーヌにピッタリです。そんな彼女に、舞台下手上から顔半分をマスクに隠した洋輔くんファントムが登場。
「オペラ座の怪人」(『オペラ座の怪人』より)
仮面で顔を隠しパリ・オペラ座の地下に潜む怪人、歌姫クリスティーヌ、彼女の幼なじみの子爵ラウルが織りなす、愛憎渦巻く物語。
姿を現した怪人がクリスティーヌを地下へと誘う、パイプオルガンの旋律が印象的なナンバー。#劇団四季ALWコンサート pic.twitter.com/8n06pcnAUR— 劇団四季 (@shiki_jp) January 13, 2022
”愛しい人よ”の第一声のなんと力強いことよ!!!クリスティーヌへの執着心を見せるファントムが確かにそこにいた。深みのあるドラマチックな歌声が真瀬クリスティーヌをどんどん魅了していくのが伝わってきました。あれは完全に操られてもおかしくないレベル!これまで何度も彼の歌に魅了されてきたけど、ファントムはそこからまた一段階上がった印象が強い。
それプラス、表情がとてもよかった。今まで見たこともないようないるような眼差しをしてた。あぁ、ファントムなんだなってその時実感したというか…。「歌え、エンジェルオブミュージック!!」と叫ぶ声も独特の味があって、その後のトークの時に真瀬さんが「魔力」と表現したのはまさにその通りだなと思いました。
洋輔ファントムが下手側にゆっくりと姿を消した後、「オール・アイ~」のナンバーへ。そこにラウルとして現れたのは達郎くん。懐かしかったなぁ、達郎くんラウル!真瀬クリスティーヌを愛しているという気持ちに交じりっ気がなくてすごく素直。がばっと抱きしめる時も本当に熱くて”好き”の気持ちがダダ洩れてるのがとても印象的。あんな抱きしめ方されたら、女性はみんな落ちるでしょうってレベルw。好きだなぁ、達郎ラウル。
ただ、なぜか達郎くん、お髭がめちゃ濃くてねww。ラウルなんだけど、外見がちょっと紳士っぽくなくてチグハグな印象も(笑)。あれは何かの役作りで伸ばしてるのか、それともアンマスクド仕様なのか…??
#37 「プリマ・ドンナ」 / #38 「ザ・ミュージック・オブ・ザ・ナイト」
真瀬クリスティーヌと達郎ラウルがラブラブの雰囲気のなか、下手側から吉田カルロッタが登場!広島でオペラ座公演やっている時に観て以来だったので懐かしかった。めちゃめちゃ迫力あるんですよ、吉田さんのカルロッタ。歌声も非常に美しい。
そんなカルロッタの姿を上から真瀬クリスティーヌと達郎ラウル、そして他のキャストも登場してきて見つめてて。最後の”あなたのために鐘が鳴る”のフレーズの声の分厚さが素晴らしい!!
そして…もう一度洋輔くんファントムが中央下手寄りの入口からスッと現れて「TMOTN」を!!一瞬の静寂の後聴こえてくる柔らかく、深い、うっとりするような歌声…!流れるような歌い方も本当に美しくて素晴らしい。”新しい未知の世界へ”の部分から感情がワンランク上がって”心の赴くまま”のハイトーンへ。その歌の流れも感情の動きが分かりやすくて見る者の心をどんどん魅了していきました。
クリスティーヌに”私に触ってほしい”と歌う場面も甘く切なく、そして艶っぽく。小指と薬指を曲げて伸ばす手の形、動きも実に繊細で美しい。あれは催眠術にかかるレベルの歌声!洋輔くん、元々歌は超絶上手かったけど、そこにさらに進化した感情のお芝居が乗るとますます人の心を揺さぶってくるよね。
最後の”夜の調べの中に”の声の伸びも実に繊細で儚く美しい。1日目はそこの良いところで演奏がちょっと違う音を出してしまうハプニングもあったのですが、それにも惑わされずにきっちり最後まで歌いきる精神力も素晴らしかった。
色々なんだかんだと御託並べて書いてますが、実のところはゴーゴー号泣して涙を必死にタオルで拭いながらだったので、記憶が所々飛んでます(←しっかり聴こうと思っても気持ちが昂りすぎてムリだったw←コラww)。
でもこれだけは言える。彼の歌声は私の心を魂から揺さぶる唯一無二のものだということを。早く大阪でファントムを演じてる姿を観たい!!!その時はきっと大号泣しちゃうかもしれないけどw。
#39 「支配者に立ち向かえ」
ラストナンバーは全員で『スクール・オブ・ロック』のナンバーを熱唱!上手上から白瀬さんが登場して「ありがとう、広島ぁ~~~!!」とシャウト。たしか博多公演を観に行った時にはそのあとすぐに白瀬さんが「立ち上がって一緒に盛り上がりましょう!」みたいに客席に呼びかけてスタンディング状態に持っていってたと思うのですが、今回はそれがありませんでしたね。
今のご時世ではやはりスタンディングは促さないほうがいいと判断してのことだと思いますが、それがちょっと悔しかったですね。コロナさえなければ…!!!ということで、客席はみんな座ったまま、それでも熱い手拍子を送り続けました。
博多で見た時もすごい盛り上がったんですけど、広島の時はキャストの気迫がさらに増しているように感じました。”支配者に立ち向かえ!”の歌のくだりは、まるで、コロナを打ち負かせ!!と叫んでいるようにも聞こえたな。
カンパニーが減っての公演という厳しい事態になったけれど、それでも屈することなく前に進んでいくんだ!という強い決意というか、覚悟のようなものも舞台上の皆さんから伝わってくるようでした。とにかくもうフルスロットル状態で…、広島で燃え尽きるまでやってやるぞ!!みたいな迫力がすごかった。客席もそんな想いに応えるように熱く手拍子を打ち続けてて・・・2日間ともすごい一体感があった。あの時確かにみんな繋がってたのを感じましたよ。これが生の舞台の醍醐味。とても感動的な時間でした。
個人的には、白瀬さんと洋輔くんがロックな歌い方でウオーーっみたいに盛り上がった表情してたのが超ツボでした!!すごい生き生きした表情してたよ~~!!目の輝きもすごくて、困難にも負けないぞっていう気迫を見た気がしました。
最後のカーテンコールもすごく盛り上がって、客席も3回目くらいの時からはもうスタンディング状態。熱い拍手は鳴りやまず、5回目くらいの時には下手からのメンバーは出てきたのに上手からのメンバーがなかなか現れなくて、達郎くんが袖に向かって「早く早く!!」と手をくるくる回しながら促すという面白い一幕もありましたww。
すると、洋輔くんを先頭にしたメンバーが遅れて上手側から登場してきて。洋輔くんちょっと「やっちまった」みたいな笑みを浮かべてて達郎くんが爆笑してたなwww。可愛すぎかよっ(笑)!!!
皆さん、何度も出てきてくれて客席に手を振り続けてくれました。洋輔くん、全身で手を振り続けてくれててホント感激したよ(涙)。シャイな彼があんな体いっぱいに感謝を表現してくれるなんて…観てるこちらの方が涙出てくる。嬉しくてたまらなかった。
後述
いよいよ公演も佳境に入ってきた『アンマスクド』カンパニー。これまで順調にきていてそのまま無事にゴールできそうだなと思っていた時の悲劇でしたよね…。一時離脱せざるを得なくなったお二人の気持ちを考えると本当にいたたまれません。今はどんなに気を付けていてもそれをすり抜けて感染してしまうこともあると聞きます。どうかご自分を責めたりしていませんようにと願うのみ。
公演を続けることになったカンパニーは、公演6時間前の毎日の検査を義務付けられ結果次第では中止の選択もやむなしということに。そのことへの精神的負担も相当きつかったのではないでしょうか…。自分に置き換えたら、ホント、結果出るまで生きた心地しないと思う。
そんな状況のなかでも、待っていたファンのために舞台に立ち続けることを選択してくれた『アンマスクド』カンパニーの皆さんには感謝の気持ちしかありません。広島2日間は、本当に特別な時間でした。出演できなかった2人への想い、賛否両論が聞こえてくるなかでの公演継続の覚悟・・・今回は特に抱えているものは多かったはずです。
カーテンコールの時に弾ける笑顔で、全身を使って客席に感謝の想いを伝え手を振り続けてくれた皆さん。あの瞬間を私は忘れません。ただ、ただ、ありがとうございましたの気持ちでいっぱいです。
26日から始まる神戸公演には、離脱していたメンバーの一人が復帰されることが決まったそうです。無事に回復されて本当に良かった。もう一人の方も一日も早く回復されることを祈っています。最終地の横浜までには全員集合できますように…!!
私も神戸公演は距離的には近い方なので(何気に隣県w)行きたい気持ちは強烈にあったのですが、しばらく個人的事情で自由に行動できなくなることになりそうなので泣く泣く断念することにしました(病院関係でちょっと 苦笑)…。もう一度洋輔くんの雄姿を観たかったしあの歌声を浴びたかったけど…、福岡と広島の思い出を大事に記憶に留めたいと思います。大阪ファントム降臨までの我慢…!!
でも、3月初旬まで観劇できないのがちょっとストレスになりそう(苦笑)。
終演後にはトークショーも開催されました。こちらも本当に胸アツな内容で最高でした。次の記事で紹介します。