舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』を観に行ってきました。
新居に越してから初めての東京観劇(11月観劇時は仮住まい所から行ってた)。約10年間にわたる西側の生活でお江戸の作品は”飛行機”のお世話になることが当たり前みたいなところがあったのでw、劇場へ行くまでの交通とか色々時間も読みづらくちょっと戸惑ってしまった。
余談ですが、連ちゃんでの観劇日程を組むのは今回が最後になると思います(このチケット確保した時はまだ山口県在住だったので)。これまでは交通費など諸々事情を考慮して予定を立てざるを得ない状況でしたが、次回からはその苦労からは解放されそう。ただ、連ちゃん観劇に体が慣れてきてしまっている感覚はあったのでwなんだかちょっと違和感もあったりしますね。環境がガラリと変わると諸々気持ちを慣れさせていくのが大変です(汗)。
今年もクリスマスシーズンでのハリポタ観劇ができました。点灯式が行われたばかりのタイミングだったこともあり、美しくダイナミックなツリーを堪能。
時間ごとに色が変化するツリーは圧巻。ソワレ公演だったこともありライトアップされた姿を見ることができてよかったです。ここ最近は色々と気持ちにも余裕がなかったのでここに来てやっと”クリスマス”の雰囲気を実感できました。
ちなみに今年のクリスマスツリーテーマは「ホグワーツからの手紙」だそうです。
劇場へ向かう階段脇にあるモニュメントもクリスマス仕様に。ハロウィンのときも見てみたかったな。
以下、かなりのネタバレに触れるレポになるので未見の方はご注意ください(魔法や後半の展開についてはボカして書いてますw)。
2023年11月8日マチネ in TBS赤坂ACTシアター(東京・赤坂)
上演時間は約3時間40分。内訳は、1幕100分(1時間40分)、休憩20分、2幕100分(1時間40分)となります。
1幕が開演してから60分を過ぎた後と2幕が開演してから51分が過ぎた後は演出の都合上休憩、または終演まで客席に案内されないそうですのでご注意ください。開演前、休憩中、終演後の舞台写真の撮影は許可されています(本編が始まったら絶対禁止)。
あらすじと概要については2022年8月観劇時の記事参照
主なキャスト
- ハリー・ポッター:大貫勇輔
- ハーマイオニー・グレンジャー:中別府葵
- ロン・ウィーズリー:石垣佑磨
- ドラコ・マルフォイ:内田朝陽
- ジニー・ポッター:馬渕英里何
- アルバス・ポッター:藤田悠
- スコーピウス・マルフォイ:門田宗大
- 嘆きのマートル:佐竹桃華
- ローズ・グレンジャー・ウィーズリー:大内慶子
- デルフィー:鈴木結里
- 組分け帽子:木場允視
- エイモス・ディゴリー:間宮啓行
- マクゴナガル校長:高橋ひとみ
全体感想とキャスト感想
平日ソワレ公演ということもあってかいつもより少し空席が見えるような雰囲気でしたが、今回初めて観劇したと思しき方も多かったようで、笑い声や涙を啜る音がこれまでの中で一番リアルに聞こえてきました。満席ではなかったけど、客席の反応が良かったのでより一体感を感じられてとても良い舞台だったと思います。
1幕
まず、楽しみにしていた大貫くんのハリー。ダンサーでもある大貫くん、やっぱり立ち姿や動きがとても整っていて奇麗です。
登場したときはすごく元気が良く溌溂としててちょっとびっくり。肉体的には大人なんだけどまだまだ少年のあどけなさというか、父親というよりも大きなお兄ちゃんみたいな(笑)。
🔔OA情報🔔
12月12日(火)深夜2時8分〜
TBS番組「アカデミーナイトG」放送ハリー・ポッター役 #大貫勇輔
アルバス・ポッター役 #藤田悠
が公演終わりに直撃インタビューを受けています!ぜひご覧ください。#呪いの子https://t.co/7oyIM1heVv pic.twitter.com/yhGUvIjInW
— 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』 (@hpstagetokyo) December 9, 2023
ホグワーツへ向かう前に不安をこぼす息子のアルバスへの助言シーンも、これまで見てきたハリーよりもすごく楽観的に捉えている印象がありましたね。このあと父と息子の関係がどんどん微妙な方向へ向かってしまうことを分かったうえで見ているので、なんだかすごく危なっかしい雰囲気があったのが逆に新鮮で面白かったです。
列車の中で初めてアルバスとスコーピウスが出会う場面。今回舞台の盆が回転してスコピが現れるところから見たんですが・・・、門田スコピ、背中を丸めてめちゃめちゃ寂しそうにしてるんですよ…。たまたまやってきた同級生に声をかけようとしたらあからさまに避けられちゃってて、そこでとても悲しげな表情を浮かべつつも「もう誰に期待するのをやめよう」みたいな諦めの笑みもうっすら浮かべてて…、もうそれ見ただけでせつなすぎて涙が出てきてしまった(泣)。あの場面は今回初めて目撃したので、スコピの孤独がこれまで以上に胸に迫ってきて泣けたんだよなぁ。
それだけに、出生の噂のことを聞いたうえでなんの偏見も抱かず自然に自分と接してくれたアルバスは彼の心に差し込んだ明るい救いの光のように思えたんじゃないかなと。そりゃ、テンション上がっちゃうよね。ナチュラルな藤田くんのアルバスと喜びを隠しきれずテンションがどうしても上がってしまう門田くんのスコーピウスの関係がとても良い感じだった。
魔法学校にうまく対応できず、他の生徒からもバカにされてどんどん卑屈になっていくアルバス。周囲の目が「偉大なハリー・ポッターの息子のくせに」って視線で見てるの、すごい重荷だよね。アルの気持ちめっちゃ分かるよ…。
だけどハリーは元気いっぱいにホグズミードへの外出許可証を嬉々として渡して行くように迫ってくる。大貫ハリーはこの時点で息子との接し方が検討はずれなものだって見る者に思わせてくるんですよね。アルバスも自分と同じようにホグワーツでの学校生活に充実感を覚えてくれるはずだっていう固定概念を捨てきれてないような感じ。そのことがどんどんアルを苦しめてるってことに気付けないから、どんどんお互いの気持の歯車が狂っていく危うさが伝わってくる。もうほんと危なっかしいんですよw。大人になりきれない大人感がこれまで見たハリーの中で一番強いかもしれません。
このあとのスコーピウスの悲しい告白がこれまた切ないんだよ…。親友の前でなんとか泣かずに踏ん張ってるんだけど、いまにも脆く崩れ落ちてしまいそうで痛々しくて涙が出てくる(泣)。そんな心境のなかから出てくる「ずっと友達でいて」という言葉の重さよ…。スコピ自身も父親との関係があまり上手くいってなくて、そんなときに支えとなっていたであろうお母さんを失って…。だからなおさらアルバスが大事な存在に大きく昇華してたんだと思う。縋るようにこのセリフを親友に告げた門田スコピに泣いた(涙)。
悲しいのは、この時点でアルバスがスコーピウスの本当の孤独な気持ちに気づけてないってことなんだよね。彼は彼で父であるハリーとの関係に悩んでいて友達の気持ちを深く慮る余裕がない。そのすれ違い感がとても切なかった。
ハリーがタイムターナーを押収したとハーマイオニーに報告に来る場面、大貫ハリーは「僕が見つけたんだ」ってめっちゃムキになってて面白かったw。机の上を片付けるときとかもなんというか、すごく子供っぽい。大人の余裕みたいなのがこれまでのハリーの中で一番なくて精神的にちょっと幼い雰囲気があるんですよね。大貫くんはそんな人間的な未熟さをとてもストレートに表現してるなと思いました。
エイモスとセドリックについて激しくやり取りするシーンでも、大貫ハリーは自分の心の内にあるもやもやした気持ちをそのまま表に出してぶつけてくる感じだった。間宮エイモスは比較的偏屈度が薄くて、息子のセドリックのことが愛しくてたまらないという切なる思いをハリーに訴えてるように見えます。それだけに、余計二人の噛み合わない会話がとても痛々しかったですね。
このあとエイモスの”姪っ子”であるデルフィーが呼ばれるんだけど、彼女との別れ際にハリーとアルバスが微妙な違和感をもつシーンがちらりと描かれてる。ここは最初に見た人はあまり気にしない場面かもしれないのですが(現に私も3回目くらいまでスルーしてた 笑)、何度か見ると結構重要なワンシーンであることに感づくんじゃないかなと思います。そういうところもこの作品の面白いところかもしれない。
そして運命の”プレゼント事件”。ここは何度見ても親子のすれ違いに心痛めてしまうんですが、大貫ハリーと藤田アルバスの感情のぶつかり合いはとてもスリリングで思わず間に入って止めたくなるような迫力がありました。
大貫ハリーはアルバスの複雑で揺らぎまくっている親への感情を理解することができず、徐々に苛立ちが募っていってしまう感じ。最初はなんとか穏やかに話を進めようとしてるんだけど、アルバスのそっけない態度があまりにも塩対応すぎてついに自分を繕うことができなくなっちゃうみたいな。愛情を伝えたいのにそれがことごとく拒絶されて思わず怒鳴ってしまう大貫ハリーの気持ち、なんかすごく分かるなって思ってしまった。届けたいのに届かないときのもどかしさ、あれは辛いよねぇ…。でも藤田アルバスが周囲から父と比べられることの痛みも分かっちゃうし…どちらも譲れない気持ちなんだよなぁ。
ハリーが息子に言ってはいけない言葉をぶつけてしまったあとの場面。このときの大貫くんの動揺の演技がものすごかった。眉毛がハの字になって今にも泣きそうな表情になっちゃってて…思わず傍に行って抱きしめてあげたくなるレベルだった。あれは母性本能くすぐられるわ。
この壮大な親子喧嘩で飛び出したアルバスはなおさら父親への対抗意識を燃やし、ホグワーツへ向かう列車から飛び降りセドリックの父親・エイモスのもとへ向かうことに。この計画に巻き込まれてしまうのがスコーピウス。最初はアルバスの提案を引き受けようとしなかったけど、結局一緒に行くことになっちゃうのが面白い。
でも、なんだかんだ言いながらもアルバスと一緒に無謀な行動をさせられてるスコピはなんだかちょっと楽しそうなんですよね(怖がりながらも「楽しいーー!!」ってテンション上がってるしw)。それがすごく可愛らしいんですが、この後の場面に出てくるセリフが思い出されて個人的にはちょっとグッと来るものがあったりします。このときの彼の心躍る心境が1幕後半で浮き出てくるわけで…、複数回見るとこの列車シーンはなんかちょっと泣ける。
ハリーとハーマイオニーが民衆を前に演説する場面。このときにドラコがその話を邪魔して打ち切るような行動をするのですが、朝陽くんドラコ、ハリーの額が痛む真似がめっちゃ面白いw。彼はすごい誇張したリアクションするんですよね。これがなんかちょっと可愛らしいww。
だけど、ハリーやハーマイオニーが”ヴォルデモート”の再来の話をすることは彼にとってはとても腹立たしいことだっていう気持ちもすごく理解できる。悪の権化の息子だと噂されてしまってるスコーピウスのことをめちゃめちゃ気にしてるんですよね。この話題が出ることで、うまくコミュニケーション取れていない息子との距離がまた開いてしまうんじゃないかっていう恐怖心もあったかもしれない。朝陽くんドラコは本当に息子への愛情が不器用なんだけどすごく深くてなんだか見ていて泣けてきます。
セドリック救出の意思を固めたアルバスがスコーピウスやデルフィと一緒に魔法省に忍び込む場面、ここで”とある”ビックリ演出があるんだけど・・・大貫くんのはっちゃけっぷりがめっちゃ面白かったww。彼は門田くんのスコピをホントよく研究してるなぁと。あの瞬間、全く違和感ないテンション…っていうか、本当に本人かと思ってしまうレベル。あの振り切れっぷりが最高でしたね。
石垣ロン(実は別人)のハーマイオニーとの攻防も面白かった。竪山くんよりはちょっとコメディの色が薄いかなとは思ったけど、必死に誤魔化そうとアタフタしてる姿は動揺してる”中の人”を彷彿とさせてなかなかリアリティがあって良かったと思います。
アルバスとデルフィがちょっといい雰囲気になる場面。複数回この作品を観てきて、この時にデルフィーから教えてもらった魔法がその後のシーンに生かされてたことに気づきました(遅っ)。鈴木さんのデルフィは今回が初めましてでしたが、この時点までは宝意さんよりも雰囲気が丸くて柔らかい気がします。”本当の自分”な部分を殆ど表に出してこない。あれはアルバスが惹かれちゃうのも納得。
その中に割って入ってアルバスの気を引こうと必死になってるスコピの場面は毎回可愛くて笑ってしまう。結果的には、あの行動かなりグッジョブなんだよね。
ホグワーツを外から眺めながらアルバスとスコーピウスが語り合うシーンは何度見てもグッときてホロリときちゃいます。流れてる音楽が讃美歌みたいに聞こえてくるんだよね…。特にスコピが夢を語る言葉が泣けて仕方ない。父親と自分は違うけどと卑屈になるアルバスに対して「君のほうがいい」とハッキリ告げるシーンとかホント堪らんのよね(涙)。ずっと孤独だと覚悟していた自分の人生をアルバスが救ってくれたってすごく感謝してる気持ちが伝わってくる。スコピは心の底からアルが大好きなんですよ。
でも、この時点でアルバスはスコピに対してそこまで気持ちが上がってるわけじゃないわけで…、上手くいってるようでも微妙に噛み合ってない二人の友情がなんとも言えずもどかしい。
第一の課題の場面、ここであのデルフィから教えてもらった技を成功させるアルバス。彼女はその後に起こる出来事を予見しながらあれを教えたのだろうか…とか考えちゃうなぁ。
ハリーが額の中のダンブルドア校長と会話する場面。大貫くんは他のハリーよりもあまり対抗意識を抱いているような雰囲気がなかったような気がしました。アルバスとの関係が上手くいかなくて、なんとか教えを乞うことに必死になってる…っていうか、焦りの色がとても濃い。精神的にまだ”大人”になり切れてない彼の心が透けて見えるような感じが新鮮でした。
何の答えも得られないまま目覚めたアルバスと対話することになってしまうハリー。心の整理も解決策も見当たらないなか息子に向けた言葉はとても非情で冷酷で…。激しい怒りの感情のままアルバスとスコピとの関係を断ち切ろうとする大貫ハリーはとても怖い。自分を見失って間違った息子との向き合い方へと没頭していく姿は何とも見ていて痛々しかった。
アルバスとの仲を引き裂かれる形になってしまったスコーピウスの沈み込む姿を目の当たりにしたドラコがハリーの元へ抗議しにやってくる場面。ここの二人のシーンはいつも以上に火花が飛び散りまくってて凄い迫力でした。朝陽くんが「大貫くんのハリーはこちらも負けて堪るかという気持ちが湧いてくる感じ」って語ってたけど、まさにそれ。メラメラしまくってて刺激的なシーンになってた。
それをピシャリと一喝して収めるジニーはホントすごいなと(笑)。馬渕さんの「1分目を離しただけでこれ!??」の言い方が威圧感たっぷりで面白かった。あんな迫力出されたら、もう何もできないよね、二人ともww。
でも、このあとのドラコの言葉がめちゃめちゃグッとくるんですよね。自分の過去を絡めながら「自分の選択を迫られた時は親か子供が必要だ」と訴える時の朝陽くんドラコ、もう本当に必死でね…。息子のスコーピウスのことが心配で気がかりで堪らないんだっていう切なる想いがこれでもかというほどヒシヒシ伝わってくるのですよ。その不器用だけど愛情深い彼の姿に思わずホロリ…。
この時のドラコのセリフの中に「世界で一番難しいのは子供を育てることでなく自分が育つことだ。それがどんなに難しいことかみんな忘れてる」っていうのがありますが、これが一番当てはまるのが今回の大貫くんのハリーかなと思いながら聞いてしまいました。大貫ハリーは人間的に未熟な部分を惜しげもなく表に出してくる。そこが見ていてすごく刺さるんですよね。
スコーピウスがこっそりアルバスに会いに来る場面。ここで最初のタイムワープで大変な歴史変動が起こってしまったという話が出るわけですが、その後の二人のやり取りは何度見ても切なすぎて胸が苦しくなります。アルバスの提案を受け入れられず拒絶するスコーピウス。そんな彼に苛立ち、友達として言ってはいけない言葉をぶつけてしまうアルバス。こういうところ、父親譲りだなと思ってしまったんですが…それを受けた時の門田スコピの哀しげな表情がもうホント涙無くしては見られない(泣)。
いつもハイテンションで友達の前で笑顔を絶やさなかったスコーピウス。だけど、心のどこかでもしかしたら”自分の親友は同じ気持ちで接してくれているのではないのではないか”という不安が付きまとっていたのかもしれないなと…。笑顔の下に隠れたスコピの哀しみや痛みを想うと居たたまれないよ。
スコーピウスの本当の気持ちをこの時初めて知ったアルバス。藤田くんはあまり大きなリアクションを取らないけれど、これまで見えなかった友達の本当の顔を知ったことの衝撃でその場から動けなくなってるんだよね。これがすごいグッときます。そこからの「スコーピウス、君は優しいじゃないか。君は暗闇を照らす光だ」というセリフ…、何度見てもボロ泣きしてしまいます(涙)。アルバスのこの言葉をほろほろ涙を流しながら聞いてる門田スコピの表情とか、涙無くしては見れません。
二人がマートルの協力を得て再び過去へ舞い戻る場面。その後に駆けつけた大人たちは大混乱するのですが、何が起こってるのか全く把握できなくて混乱しまくってる朝陽くんドラコはかなり個人的ツボですw。大貫ハリーもそれに負けず劣らず焦りまくってて、二人の感情の熱さが最高でしたw。
2幕最後に登場するアンブリッジ校長。高橋ひとみさん、久しぶりに拝見しましたがマクゴナガル先生とのギャップがやっぱりすごくて面白い。特に「おばさん」とスコピに言われた後の反応がクスっとなりますww。
2幕
2幕の冒頭は1幕とはかなり雰囲気が違っていてとても刺激的です。原作では実現しなかった世界を舞台で表現したところが面白いなと。ヴォルデモートが君臨する時代が訪れていたとしたら…なドラマが描かれてる。
スコーピウスをいたぶるアンブリッジ校長のシーン。高橋さん、以前見た時よりもさらにネチッこさがパワーアップしててちょっと面白かったw。西野くんはこの闇の世界で疑いを持たれないようにダークな自分を演出する傾向が強かったように見えたけど、門田くんはダークになり切れずに困惑したままでアンブリッジに気づかれないように必死に頑張ってる感が出て可愛いです。
スコーピウスがスネイプと対面する場面。間宮さんのスネイプは感情が声に乗るタイプといった感じでなかなか迫力がありました。特にスコピの話を信じようとしない時の会話はなんか凄味があったなぁ。そういえば門田スコピ、現状自分のいる世界が出来上がった理由を語る口調が少し分かりやすくなってた気がします。以前はここけっこう早口でちょっと分かりづらかったんだけど(しかもハイテンションでしゃべるから聴き取りづらいっていうのがあった 汗)、今回は言葉の一つ一つが分かりやすく聞こえてきたのが良かったです。
ちなみに彼が悟った”ある出来事”については、全くハリポタを知らないと「なんのこっちゃ?」って感じなんですけどねww。私も途中まではクエスチョンマークだらけでしたが(笑)複数回見てさらにネットで背景のことをちょっと勉強したことでようやく理解することができた次第。まぁここは分からなくても先の話についていけないってことがないからいいんですが。
もうひとつの世界にいるハーマイオニーとロンの場面、ここは二人がお互いを意識しまくる姿がとにかく可愛い。特にスコピから結婚して子供がいる未来を聞いた時の動揺っぷりが萌える(笑)。
元の世界に戻すためにスネイプとハーマイオニー、ロンが協力してくれる場面は随所に「愛」が溢れていてとても感動的です。中別府ハーマイオニーと石垣ロンがお互いの気持ちを打ち明け合う場面は、お互いがお互いを想い合ってる気持ちがひしひしと伝わってきてものすごく泣けるし、スネイプがかつて愛した人を想いながら自らの身を犠牲にしていく姿もグッときます。あと、スコーピウスも「大切な人」を強烈に念じる場面があって…。改めて彼にとってかけがえのない存在なのだなと思い知らされてウルッときました。
現実世界に戻ってきたときの門田スコピのテンションは毎回思うけどほんとすごい(笑)。よく喉を潰さないよなぁと感心してしまうレベル。でもあの時の彼の気持ちはよく分かる。そんな姿をビビりながら戸惑い気味に見てる朝陽ドラコパパがなんとも可愛らしくて好きw。
時間の旅から戻ったアルバスにまたキツイ口調で接してしまう大貫ハリー。上手く感情をコントロールできてないところがすごく人間味がある。「セドリックはあんまりだったじゃないか」という言葉を息子にぶつけられた時なんか、動揺と怒りが入り混じったかのようなテンションでハリーの混乱してる気持ちがすごくリアルに伝わってきました。息子に言われなくても、あの時の衝撃と痛みはおそらくハリー自身が一番良く分かってるよなと…。それを分かってもらえないことへの苛立ちと焦りの気持ちが大貫ハリーからダダ洩れてて切なかったです(涙)。
それから、「パパも怖い思いをした」というハリーの告白にアルバスが「パパには怖いものなんてないと思っていた」と驚くシーンも印象深かったな。初めて息子の自分に対する想いを知った時の大貫ハリー、とても寂しそうな表情してたのがすごく泣けた…。ショックだったのかもね、本当の自分を息子に見せられてなかったと悟ったことが…。
アルバスとスコピの前に再びデルフィが現れる場面。「タイムターナーを破壊しなきゃ」っていう二人の会話を聞いていた最初の方は”普通の女の子”っぽさを出してるんだけど、スコーピウスが見てきたもう一つの世界の存在を知った瞬間に何かが憑りついたかのようなギラギラした表情になる。鈴木デルフィはここの変化がすごく劇的で、初めて見た人はすごくビックリするんじゃないかなと思うレベル。これまでグッと表に出るのを潜ませていた”本当の”デルフィの顔が一気にクワッと出てくる感じでゾクゾクします。声色がダークに変化するのも刺激的。
この場面、2幕の冒頭からちょいちょい登場するある”ワード”が生きてくるんですよね。あの言葉はそういうことだったのかと見てる方は唸る感じ。
ハーマイオニーとロンが超ラブラブの現場にハリーたちが鉢合わせてしまう場面は思わずクスッと笑ってしまいますww。特に朝陽くんドラコがめっちゃ気まずそうに顔隠して動揺してる姿が可愛くてたまらん(笑)。大貫ハリーも「アッ…」って思わず声が出ちゃったりしてw、感情に素直な二人の芝居がとても面白い。
アルバスとスコーピウスが悲劇を目撃してしまう場面。最初の頃はあまり重要視してなかったけど、回数重ねてみるうちにこの場面が心にズーンと響くようになってきました。今回の事件に無関係だったクレイグ。普通のクラスメイトだったクレイグ。そんな彼の姿が、セドリックと重なって見えてくるんですよね。アルバスとスコーピウスは、ハリーと同じ体験をすることになるわけで…この事件が彼らのターニングポイントにもなっているんじゃないかと最近少し感じます。
それにしても、鈴木デルフィは豹変した後がめっちゃ怖い!!前半の可愛い普通の女の子が嘘のよう。
タイムターナーで時間を無理やり遡らされたアルバスとスコーピウスがセドリックと遭遇する場面。ここはもう、本当に何度見ても涙が止まりません。っていうか、回数重ねてみるほど胸が苦しくて切なくてボロ泣きしてしまいます(涙)。
あの時間を生きているセドリックにはその先に起こる未来が全く見えていないわけだけど、アルバスとスコピは分かってて…。舞台を見ている私たちもそれを知ってしまっている。でも、様々な体験を経た二人はもう彼を救うための小細工をすることはできない。そんな状況の中でアルバスがセドリックにかける言葉が…もうほんっとに泣けて泣けて仕方ないのです(涙)。その言葉をセドリックが聞けたことは本当にせめてもの…というか…。あの時のアルバスたちの気持ちを想うと胸が痛い。
過去に取り残されたアルバスとスコーピウスが車掌さんと遭遇する場面は何度見ても笑ってしまうw。今回はかなーーり東北弁チックな日本語が聞こえてきたような!?「アンタガタ」「エジンバライキ」「デンシャ」「ジコクヒョウ」ってワードがこれまでの中で一番ハッキリ聞こえてきたww。
ハリーが再びダンブルドアの肖像画と会話をする場面。2度目のこの時の大貫ハリーは分かり合えないまま行方知れずになってしまったアルバスのことが心配でたまらず、その不安や憤りをストレートにぶつけてしまっているように見えました。憤りながらも、語りながらしだいに涙声になっていくのがとにかく切ない…。そしてついに「何年も僕は独りぼっちだったんだ」と心に秘めた孤独をぶちまけるとき、大貫ハリーは前も後ろも分からないくらい憤りと悲しみに溺れてしまっていた。その姿がもう本当に真に迫りすぎてて切ないのです(涙)。これまで見てきたハリーの中で一番感情をストレートに前面に出してぶつけてくる感じ。
それに対して間宮ダンブルドアもかなり感情的になってハリーに言葉を届けようとしていました。まさに言葉の魂と魂のぶつかり合い。激しい言葉の応酬の中でお互いがお互いを想う気持ちが確かに存在してて…。大貫ハリーが最後にダンブルドア校長への素直な本当の気持ちを告げる場面は涙無しには見れなかったな…。間宮さんのそれに対する答えのセリフがとても優しくて温かくて余計泣けた(涙)。
ドラコが本物のタイムターナーを持ってくる場面。ハリーにそのことを責められた時に反論する彼の言葉には息子への愛がこれでもかというほど詰まってるんですよね。彼がこれまで隠していた理由は、スコーピウスへの障害を少しでも減らしたいと思う一心だったっていうのが本当に涙出てくるよ…。そして亡くなってしまった奧さんへの愛も…。自分のことを真剣に愛し救ってくれた妻が遺してくれた宝物としてスコーピウスをとても大事に想ってるんだよね(タイムターナーで会いに行きたいと思ったくらいだと本音を打ち明けるセリフが泣ける…)。
あんなに熱い息子への愛情を持ってるのにそれを素直に伝えることができてないっていうのがなんとも切なくてたまりませんよ。トコトン不器用なんだろうなぁ。ドラコとスコーピウスのこれまでの二人のやり取りをスピンオフドラマでもいいから見てみたいくらいです。
アルバスとスコーピウスがゴドリックの谷にやってくる場面。ここで二人が目撃する光景も…やっぱり何度見ても涙が出てしまう。あの幸せそうな光景がやがて…と思うともう胸が詰まるような気持になるのです(泣)。だけど、それをアルバスが目にできたというのは…彼が父親を理解していくうえですごく重要だったんだろうなとも。
このあと、二人が助けを呼ぶためにアイディアを練るシーンはちょっと面白い。特に門田スコーピウスの「ヘーールプッッ!!!」は鬼気迫ってていつも笑っちゃうww。
アルバスが本当に行方不明になってしまい何の手掛かりも得られず絶望してしまうハリーの場面。まるで半身を失ってしまったかのように憔悴し自分を激しく責めてしまう大貫ハリーの沈みっぷりが見ていて本当に痛々しくて…。そんな彼を必死に叱咤激励する馬渕ジニーは大きな救いだなってすごく思いました。彼女がいなければ、大貫ハリーは哀しみと絶望のあまり消えてなくなってしまいそうに見えるのでね…。
ハリーたちがアルバスとスコーピウスに再会する場面。ハリーとアルバス、ジニーとアルバスの再会シーンも泣けるんだけど、それ以上にグッとくるのがスコーピウスと再会した時の朝陽くんドラコです。最初に息子を見た時はオタオタ動揺してるんだけどw、そのあとの行動がね、もう本当に「愛情の塊」って感じで…。あぁ、あの不器用だったドラコがやっと息子に素直な気持ちを伝えることができたんだなって思うと胸がいっぱいになって涙が溢れてしまいました。あの、”二度と離すものか”という気持ちが伝わってくるような力強い手がとにかく温かくて…。あれ本当にめっちゃ泣けるんですよ(涙)。
そして物語の舞台は聖ジェローム教会へ。ハリーはアルバスと心の距離が少し縮まったことに対する喜びを隠し切れない。大貫ハリーが前のめりになってアルバスに迫ろうとするシーンはなんとも可愛らしい(ここは藤木さんも可愛かった)。ドラコもスコーピウスの傍にピタリと付き添っているし、それぞれの親子関係が一歩進んだ形になっているのを見るのは、これまで苦悩してきた過程を見てきただけにとても感慨深いものがあります。
ここでもうひとつの愛…、デルフィの「愛」の物語も描かれるわけですが…、彼女が一番可哀そうだとやっぱり思っちゃう。やってる行動は過激でドス黒いんだけど、その根底には愛情を求めて止まない本音が隠れてるわけでね…。でもそれは報われてはいけないものなんだよなぁ…。
デルフィをあと一歩で完全制圧するって場面、アルバスの問いに答える大人たちのセリフがとても印象深い。今の現代社会で、あの考え方ができる人間が一人でも多くいたら世界はもっと平和でいられるのにと思わずにはいられません。一番難しくて、一番大切なことがあの言葉に詰まっている。
ハリーたちが目撃する最大の悲劇の場面…、あれはもう大号泣です。特に大貫ハリーの慟哭は思い出しても涙が出る(泣)。
全てが終わった後、アルバスとスコーピウスはこれまでとは違う、どこか吹っ切れたような晴れ晴れとした表情をしている。スコーピウスは卑屈だった自分を変えようとある勇気ある一歩を踏み出すんだけど、その先のことまでは考えてなかったようでポカンってなっちゃうのがなんとも可愛らしい。でも、環境が変わったとしても二人の友情は変わらず…またさらに進化したように見えるのは何とも嬉しいのです。お互いがお互いを大事に思う気持ちが増したって感じ。
そしてハリーとアルバス。父親のことに関してまだ照れがあるアルバスだけど、以前までの敵対した態度とは明らかに違う。そしてハリーもそんな素直になれない息子のことを受け止められるようになっていて、二人の関係は少しずつだけどたしかに近づいている。
その二人がいる場所が明かされるセリフが…これまた本当に泣けてねぇ…。あの時アルバスの中で父親の存在がまたひとつ大きくなったんじゃないかなと。躊躇いながらもゆっくり、しっかりと息子と向き合い笑顔になる大貫ハリーに最後まで泣かされました。
後述
客足が少し落ち着いてきたかなといった雰囲気ではあったけど、舞台全体は本当に激熱で今回も大満足な「ハリポタ呪いの子」でした。大貫くんは魔法のシーンとかでの立ち姿がやっぱりシュッとしていてカッコいいですね。同じダンサーの宮尾さんとの共演もちょっと見てみたいかも。
大貫くんと朝陽くんはお互いに感情表現がとてもストレートで分かりやすくこれまでとは違った濃厚な人間ドラマが堪能できました。またこの二人の組合せで見てみたい。他のキャストの皆さんも最高に熱かった!!たくさんの「愛」が詰まったこの舞台、少しでも長く続いてほしいなと思います。
次の舞台ハリポタは4月とかなり先になるのですが(石丸さんの2度目の楽日)、金銭的に余裕ができればその前に1回入れるかもしれません。あと、アンサンブルで参加してた上野聖太くんが4月と5月にハリー役で出演することになったニュースも嬉しいです!!
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
上野聖太は2024年4月〜5月に
【ハリー・ポッター役】で出演します⚯͛この日はグリフィンドールへ🦁
劇場でお待ちしています!!#ハリポタ舞台#呪いの子
↓キャストスケジュールはこちらhttps://t.co/2groZdJxit pic.twitter.com/U5NdBCuO9n— 上野聖太(Ueno Seita) (@seita_saintlake) December 1, 2023
5月の上野くん回を確保したのでとても楽しみ!!
舞台ハリポタ「呪いの子」感想一覧