『ジャージー・ボーイズ イン コンサート 』ストリーミング配信 2020.07.18初日

4人のフォーシーズンズが結成されてからヒット曲を連発していく全盛期までが「春」パートと「夏」パートでトミーとボブによって語られますが、その間に様々なコンサートシーンが登場します(特に「夏」パート)。グループで奏でる歌声のハーモニーがとにかく素晴らしく思わず見ていて体が動いてしまうものばかり。まさに、『ジャージーボーイズ』の醍醐味ここにあり!!ってシーンの連続です。

♪Big Girls Don’t Cry♪はカーテンコールナンバーの時に客席も一緒に振り付け付きで踊るので、劇中に出てきたときも思わず手がそれと同じ動きをしてしまうw。

♪Walk Like a Man♪は7人編成+コーラス隊全員での歌唱。一人一人の歌う時の顔が飛び切り輝いていて見ていて思わず胸が熱くなり涙ぐんでしまった。本編では泣かないのに、すごく不思議。

一番泣いたのが♪Dawn♪。本舞台を観たときには感動の拍手をしていたシーンですが、今回の配信は映し方がとにかく素晴らしくて気が付いたら涙が止まらなくなってました。
全メンバーが、後ろを向きながら歌うシーンでもちゃんとカメラは追っていて…そこに映し出されたメンバーたちが画面の向こうの私たちに心を込めて歌を届けてくれているのがひしひしと伝わってくる。

そして、くるりと向き直った時に彼らの前に広がるのはお客さんの姿が見えない客席。そこにカメラがクローズアップしていくんですけど、誰もいないはずの客席に、確かに笑顔で手拍子をする人たちの表情が見えた気がしました。そう感じた瞬間、もう、曲の歌詞(夜明け)の素晴らしさも相まって涙が止まらなくて号泣。JBでこんなに号泣したの初めてかもしれない。「帰るべき場所へ」のフレーズを歌い上げるアッキーの姿は特に印象深かった。
あの時、舞台の上から全身全霊で歌を届けてくれていたキャストの光景は、おそらくこれから先もずっと心に残ると思います。

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トミーの莫大な借金が発覚し、メンバーの絆に亀裂が入り始めるフォーシーズンズの”転”。本舞台ではここで休憩に入りますが、コンサートはノンストップでその先に進みます。斜陽を思わせる「秋」の季節を語るのは4人のなかで一番口数が少なかったニックです。本編でも彼自身が自虐的にそれを語りいつも笑いが起こってました。

ニックを演じるのはSpiくん大山くんです。この二人も並んでみると全くキャラクターが違ってましたね。

Spiくんは前回のJBから参加していますが、もうすっかり貫禄が付いていて”ボブ”としてそこに立っているのが伝わってきました。あまりしゃべらないキャラではあるのですが、語りベタだからというのではなく、喋る必要がないから語らなかったというタイプかな。

クールでいつも俯瞰してメンバーを見ている感じ。無駄なことはせず、流れに任せておきながらもいつもどこかに「自分」というものを持っている。ちょっとインテリっぽい雰囲気も感じさせるSpiくんのニックはとてもカッコいいです。
グループから抜ける宣言をするシーン、無口だったニックは今までに溜めていた不満をぶつけ何かが弾けたようにその場を去っていく。ここで歌われる♪Stay♪の曲も印象的ですが、見切ったとも未練ともとれる背中が切なかった。

大山くんは今回のJBからの初参加組。これまでのニックは皆ちょっとムッツリしていてあまり表に表情を出していない印象が強かったのですが、大山くんのニックはけっこう感情が表に出てくるタイプでそれが斬新でとても面白かったです。

なぜ自分が抜けることになったのかを語るシーン、ニックはものすごく饒舌にその理由を語るのですが、言葉もハキハキしているしあまり一歩引いたところにいるといった雰囲気は感じられなかったくらいだったw。
でも、♪Let's Hang On♪を歌い終わって次のフランキーへとバトンを渡すシーンで見せた、何とも言えない寂しげな表情がとても印象的でした。大山くんのニックも本編で見てみたかった!

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ボブとフランキーのコンビ事業を知り、グループにいることの意味が見いだせなくなったニックは脱退してしまう。事実上グループ活動が消滅し、新たなステージへと進んでいく”結”つまり「冬」を語る最後の人物は、フランキーです。

もう今や、アッキー以外のフランキー役が思い浮かばないといってもいいほどの存在感!いつ聞いても全くブレのない歌声、本当にさすがとしか言いようがありません。さらに、歌だけではなくフランキーの心に潜んでいる虚しさや切なさといった感情の表現力も実に繊細で魅力的です。

仲間たちが去って行ったあと、一人舞台の中央で立ち尽くし語る言葉を探すというシーンがあるのですが、この時の何とも言えない孤独感みたいな雰囲気が切なくて胸に迫るものがありました。アッキー@フランキーの今にも涙が出てしまいそうな表情は、見ているこちらの感情も否が応でも引っ張られてしまう。

それでもフランキーは前に突き進んでいく。試行錯誤し、ヒット曲を歌いまくる場面は本当に圧巻の一言です。あれだけの歌を完璧に歌いこなせるのはやはりアッキーならではでしょう。
特に最大ヒット曲♪Can’t Take My Eyes Of You(君の瞳に恋してる)♪を歌うシーンは今まで観た中で一番泣けたかも。コーラスもなく、一人で歌い上げる姿は孤独でありながらもひときわ強い輝きを放っているようにも見えました。遠くからのアングルで映し出されたアッキー@フランキーの姿は本当に美しくて涙が出ました(泣)。

順調な再スタートを切ったフランキーでしたが、クライマックスで大きな悲劇に見舞われてしまいます。大切な娘との永遠の別れ…。ステージの明かりが落ちて暗闇に包まれた後、再び浮かび上がってきたフランキーが娘を想って歌う場面は涙を誘いました。

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そして時は移ろい、1990年、ロックの殿堂で4人は久しぶりに共にステージに立ち歌います。様々な出来事が起こり亀裂が入ったこともありましたが、この時の彼らはそんなわだかまりを越えて穏やかな顔で対面する。ステージ上に2つの”フォー・シーズンズ”が並び歌う姿は圧巻の一言です。

♪Rag Doll♪を歌い終わった後、それぞれのメンバーが一人ずつ思いを語り舞台袖へ去っていきます。コンサートバージョンではWキャストの二人が一人のキャラをそれぞれの個性で語るところがとても面白かった。並ぶと本当にみんな別人です。それぞれ違ったキャラクターを作り上げてきたことが伝わってきました。

最後に残ったフランキーは、冒頭でもうこの世にはいないニックへの想いを語ります(ロックの殿堂からさらに時間が経っているという設定)。本編でも泣けるんだけど、コンサートバージョンで見てもここはいつも涙が出てしまう(泣)。

そして、一番最後に彼は「これまでの中で最高だったこと」を語る。それは、誘われて一番最初に歌った時に感じたサウンドなんだと。その想いを胸に、彼は再び前を向くのです。コンサートバージョンでこのセリフを聞くと本編以上に胸に沁みる気がしてこみあげてくるものがありました。

ラストナンバーは♪Who Loves You(愛はまぼろし)♪

フランキーが歌い始めると同時にコーラスも入るのですが、今まで正装姿だったのがみんな役の衣装にいつの間にか着替えてそこに立っていたのです!!これは泣いた…!!あぁ、『ジャージーボーイズ』の世界がそこにある!!ってものすごく実感しました。
畠中洋さんのノーム・ワックスマンも、加藤潤一くん法月康平くんボブ・クルーも、ガールズも、ボーイズも、みんなみんなそこにいる光景は本当に感動的でした。

そしてフランキーの元へ集まってくるトミー、ボブ、そして今は亡きニック。全盛期の”フォー・シーズンズ”の姿がそこにある。みんなキラキラと輝いた笑顔で青春時代に戻り美しいメロディを奏でるのです。ここはもう、号泣…!思い出すだけでも涙が出ます(泣)。あぁ、この舞台観に来てよかったと実感できるラストシーンは本当に素晴らしいと思います。

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後述

カーテンコールのナンバーもちゃんとあって、♪Big Girls Don’t Cry♪の時には画面越しで振り付けしながら一緒に歌いましたw。やっぱり『ジャージーボーイズ』は最高のミュージカルです。

それだけに、歌い終わった後の拍手や歓声が実際に聞こえてこなかったことはものすごく切なかった。何とかして画面越しの拍手の音を現地に響かせたいと思いながら見ていた人は私だけではないはずです。

その後、23日からは無事にお客さんを入れての公演がスタートできたようでホッとしました。この作品にはやはり”目に見える”お客さんの存在が必要不可欠です。それを今回の無観客配信でものすごく実感させられました。叶うことなら私も東京まで飛んで行きたかった…!!生で浴びることの感動に勝るものはありませんからね。

どうか最終日まで無事に完走できますように!!皆さん、体調には十分気を付けて楽しい舞台を思い切り満喫してください。

次回はこのペンライトを持って劇場へ駆けつけたいです!!!

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