東京公演を終えた劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』が京都にやってきました。京都なら東京よりも交通費が安いこともありw4回行く予定にしています。ということでさっそく1回目行ってきました。
京都劇場は本当に久しぶりだったのですが、駅に隣接した劇場なので行きやすいのがありがたいです。入口からちょっと距離があるんですけどね😅。
物販にも新しいものが増えていて京都限定グッズもありました。ベアもいつの間にか増えてたし、ついつい欲しくなってしまう(笑)。ただこの日はワケあって見送り。まだあと3回観劇予定あるので、購入したときにまた紹介しようと思います😜。
劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』これまでの感想一覧
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
2017.08.03マチネ公演 in 京都劇場(京都駅)
主なキャスト
- カジモド:飯田達郎
- エスメラルダ:岡村美南
- フロロー:芝清道
- フィーバス:清水大星
- クロパン:阿部よしつぐ
ついに東京では見ることができなかった達郎君のカジモドに会うことができました😊。これでたぶん現在のメインキャストは全員見たことになります。
雑感
約5か月ぶりとなったノートルダム観劇。新しい土地で久しぶりに観るとまた以前とは違った感動があるものだなと実感しました。主要キャストは達郎くん以外東京で見てきた人ばかりでしたが、なんだか以前よりも色濃い人間ドラマを魅せてもらった気がします。
今回はお初キャストの達郎くんが演じているカジモドを中心に観たのですが…もう、泣けるのなんの😭!たぶん今までの中で一番感情移入して見てしまったかもしれません。
達郎カジと岡本エスメラルダの関係はまるで姉と弟といった風に見えて仕方なかった。この二人に恋愛感情が生まれることはないんだろうなって一番感じてしまったかもしれません。それだけに、カジモドがエスメラルダを愛しく思いながら歌う場面がどうにも切なくて…二人のシーンになるたびに涙があふれて仕方なかあったです😭。
特に印象深かったのが1幕の王様コンテスト場面。カジモドを出場させてあげようとエスメラルダが優しく彼の頭に手を当てて促すのですが、この時の岡本エスメラルダの手の置き方が可愛い弟を諭すような感じで・・・あれを見た時に、彼女がカジモドに恋心を抱くことはこの先もないんだろうなって察してしまいました。エスメラルダがカジモドにやさしく接すれば接するほど、なんだかすごく残酷な光景に見えてしまって切なかったな…😢。
芝フロローと岡本エスメラルダは2回目のコンビになりますが、いつもヒリヒリした空気で見ていてすごい緊張感がありました。教会にエスメラルダが最初に踏み込んだ時の二人はどちらかといえば分かりあえる関係のように見えるのですが、同時にいつ壊れてもおかしくないような雰囲気もある。
拒絶されればされるほどエスメラルダへの個人的欲求を抑えられなくなってしまうフロローは狂気の人とも映りますが、同時に彼も弱い一人の人間なんだということも感じられて・・・見ていてなんだかとても悲しくなりました😔。芝フロローの弱さをジワジワと浮彫にしていく感じが一番強く感じられるのが岡本エスメラルダかもしれません。
そして今回最も印象に残ったのが、達郎カジモドと芝フロローの関係です。海宝くんも田中くんもフロローへの忠誠みたいな部分はあったんですけど、達郎くんの場合はそれを越えてるというか…本当に最初の頃はフロローを庇護者として慕っているように見えて仕方なかったです。それに対して芝フロローもエスメラルダに狂っていくまでは彼を可愛い息子同然として見ている感じがすごく強く出ていたように思います。
それ故に、徐々にその関係が崩れていく過程は見ていて切なくて…いつも以上に泣けました😭。もしも二人の間にエスメラルダが現れなければずっと良好な関係でいられたんじゃないだろうかと、これまで観劇してきた以上に強く感じてしまいました。
やはりキャストが変わるといろいろ見方も違ってきますね。『ノートルダムの鐘』は特にそうかも。奥深い作品だなと思います。
主なキャスト別感想
飯田達郎くん(カジモド)
東京公演の時は会えずじまいだった達郎くんのカジモド、ようやく京都で会うことができました。東京で見た友人の意見が「好き」と「受け付けない」の真っ二つに割れていたので😅、自分はどう感じるのか…観劇前はけっこうドキドキものだったんですけど、結果的に一番心に沁みたカジモドだったと思えたので本当によかったです。
表情や行動が「遠ざけられている立場」だということを一番リアルに感じさせられたので、彼のカジモドに苦手意識を持つ人の気持ちも分かる気はしました。なんというか…泥臭くて不器用なんですよね。それがものすごくカジモドというキャラに当てはまっているように思えて仕方なかったです。
達郎カジモドはものすごくピュアで無垢。だからフロローとの場面は本当に慕ってるんだろうなって思えて見ていて心が和んだくらいでした。何といっても笑顔がすごく良い!達郎くんの一番良い部分がカジモド役に投影されてるなというのを今回すごく感じました。
そして何といっても、エスメラルダとの場面が秀逸!!私、今回の二人のシーンはほぼ全て泣きました…切なすぎて😢。エスメラルダにやさしくされて無邪気に喜ぶ姿はまるで仔犬が飼い主にシッポを振って甘えているようだったし、自分の恋心が叶わないと悟った時の表情は親に捨てられた子供のように哀しみを前面に出して泣いてた…。あんな表情観たらもう、見てるこちらとしては切なくて切なくて…たまらなかったですよ😭。そんな幼さすら感じさせる部分が一番色濃く出てたのが達郎くんだったんじゃないかなと思いました。
三人のカジモドのなかで歌の部分からいうと少しドキっとする部分もあるのですが(特に高音💦)、それを凌駕するくらい印象に残る芝居を魅せてもらいました。達郎くんの代表作として胸を張って良いと思います。
最初のカテコの時はかなり消耗した感じで、あんな顔した達郎くん初めて見たと衝撃受けたんですが💦、2回目以降は可愛い笑顔全開でホッとしました。笑顔になるとやっぱり目元がお兄ちゃんの洋輔くんによく似てるなぁって思いましたね😊。
岡村美南さん(エスメラルダ)
岡村さんのエスメラルダはちょっと男性的なところも感じられてすごくカッコいいです😆。特に道化の祭で登場した時のタンバリンを使ったダンスは見るたびに惚れ惚れしてしまう。カジモドの憧れの存在であり、フロローの欲望の対象であるエスメラルダ像にピタリとはまってるなと思いました。
今回あまりフィーバスとの関係はグッとくるものがなかったんですけど😅、フロローに追い詰められて徐々に心が追い詰められていく場面は見ていて心が痛かった。あんなに強気で凛としていた彼女が恐怖で怯えるまでに追い詰められていくなんてと・・・。エスメラルダが感じる「恐怖」の部分を一番強く感じさせるのが岡本さんかなあと思います。
芝清道さん(フロロー)
東京で見た時よりもまた更にパワーアップしてギラギラ感を増した芝さん演じるフロロー。冒頭で弟と一緒に登場した時からパッと目を惹きました。
達郎くん演じるカジモドに対する芝フロローは何だか今まで見てきた中で一番優しく見えたかも。「聖アフロディジアス」を言えないカジモドを笑った後「すまん」と謝るシーンがあるのですが、その言い方が一番柔らかくてカジモドに愛情を持って接してるのではないかと思ってしまったほど。見ていて、あぁこの二人はずっとこのままの関係でいられればいいのにって一番強く感じたかもしれません。
エスメラルダの赤いスカーフを見た瞬間からフロローの人生が狂っていくわけですが、彼女への欲望を抑えようとすればするほど歯止めが効かなくなっていく過程が、芝さんすごく繊細に巧く演じてるんですよね😢。必死に抗おうと最初のうちは理性が働いてるんだけど、妖しいバーに踏み込んでからはもう欲望の方がグンと勝ってしまって…。だから、カジモドに怒りの感情をぶつけられて破滅する最期を迎えますが…フロロー的にはあれで救われた部分もあったんじゃないだろうかと。今回芝さんのお芝居を見てそんなことを感じました。
清水大星くん(フィーバス)
昨年末に観て以来、久し振りの清水フィーバスでした。最初観たときはどうにも四季発声法が悪い方向に出ている部分が気になって仕方なくて😓、正直フィーバスというキャラにあまり注目して見ることができなかったんですよね💦。
そのころに比べると、かなり言い回しも自然になってきて良い感じのフィーバスに成長しているなと思いました。歌も上手いし見た目カッコいいです。
ただ、まだちょっとどこか固さを感じてしまって…。表情が豊かだった佐久間フィーバスと比べるとどうしても薄く思えてしまうんですよね💦。個人的にはもう少し戦争体験での暗い過去の部分を表現してほしいなと思ってしまいました。
他のキャストがすごく濃いのでなおさらちょっと薄味に思えてしまったのかも。歌も外見も良いのでもう少しお芝居部分を頑張ってほしいところです。
後述
カーテンコールはスタンディングオベーションとなり、5-6回は続いたんじゃないかな。東京もかなり盛況でしたが、京都でもすごく盛り上がってました。
3回目くらいのカテコで出てきた時に達郎くんが芝さんと何か最後やろうかと目論んでいたようですが、芝さんが気付かずに袖に入ってしまって「もぅ~」みたいな表情で芝さんの方向にリアクションしてたの可愛かったww。
でもそのあと6回目くらい(多分最後)のカテコで二人だけになった時、大きく手を広げた芝フロローの懐に達郎カジが甘えるように飛び込んで抱擁✨。なんだかあの光景見た瞬間、ちょっと泣きそうになりましたよ…。あぁ、カテコではありながらも二人は再び結びつくことができたんだなと。ものすごくグッときました。
そういえば、舞台上部で歌っているクワイヤの皆さんもカテコで降りてきて挨拶するようになりました。より一体感があって良い舞台になっていると思います。
京都公演を観に行くのはあと3回。関東へ戻ったらまた観に行けなくなるので、じっくり堪能しようと思います。